これが歴代のキャロウエイアイアン。キャロウエイのアイアンの開発のストーリーは、理想の重心位置を探し求める冒険の旅でもありました。
キャロウエイのアイアンの過去の代表モデルといえばなんだと思います?プロ使用者も多いX−12レスオフだと思ってしまうところですが(eliotもそう思っていました)、松尾さんが言うには「キャロウエイのアイアンのエポックとなったのはグレートビッグバーサアイアンなんです。」えっ?と思うでしょ。99年で生産が終了したチタンのボディにタングステンを入れたグレートビッグバーサアイアンですが、これはシニア向けのモデルだとずっと思っていました。
おぼえてます?これがグレートビッグバーサアイアン。
値段は10本セット38万円!なぜこんなバカ高いか?まったく量産がきかなかったんです。
チタンにタングステンをピッタリと嵌め込むのにコンピューターミ−リングを使わなければならず、製造コストも高くなる。この製法はキャロウエイにしかできないとか。他のメーカーのものはタングステンを2ケ所以上に分散させるでしょ?そのほうがリスクが少ないからそうしてるそうで‥
でも、いくら性能が良くても一本38000円じゃあアメリカじゃ売れるはずのない値段。
「グレートビッグバーサアイアンの重心位置はまさに理想的なもので、それをまっ先に理解したのはレッドベターをはじめとしたプロ達だったのです。ただ、ヘッドを作るのがたいへん難しく大量生産ができない上、値段がどうしても高くなってしまいました。いかに性能が良くても一部の人間にしか買えないようなものはダメですよね、そこでもう少し量産のきくホークアイアイアンを作ったのです。」と松尾さん。
チタンのボディにタングステンを入れるのが重身を下げるのには最適。問題は値段。ではどうやって製造コストを下げたのかというと。
こんな作り方をしているヘッドが他にあるでしょうか?クラブを作る技術は日本が一番だと思っていましたが、ウッド編でも述べますがちょっと考えを改めないといけなくなるかも…。
これがホークアイアイアンの断面図。
モルトンメタルが詰まった中にタングステンボールがあるのが見えるでしょ?これは5番アイアンなのでこの位置にタングステンボールが入ってます。ショートアイアンではもっと高い位置にいれられます。
ただ、この作り方でも大量生産と言うわけにはいかず、ヘッドは不足ぎみのようです。バラのオーダー用のヘッドが無く、シーパスでの(ロングアイアンのみホークアイといった)バラのオーダーは秋からになるそうです。
オーダーについてはI LOVE GOLFのKazさんの記事があります。参考にしてみて下さい。
X−14のフェース厚は一定ではありません。360°アンダーカットの極薄フェースは下のほうに厚みを持たせることで重心位置をさらに低くしています。
これがX−14の断面。これだけみてもいかに重心が低いかわかりますよね。ソールにこんなにボリュームがあるんですね。
鋳造のヘッドならではの形状です。当然安く作れ、値段も押さえることができますね。
X-14のシャフトは全てコンスタントウエイト、つまり全番手同一重量です。トライゴールドのようにロングアイアンは軽くショートアイアンは重くという考え方もあるのですが、重さが変わればスイングのタイミングも変わってしまうとキャロウエイは考えているようです。スチールシャフトはワンフレックスといわれていましたが、Xフレックスのプロモデルも発売されます。こちらはM−10ではなく、番手ごとにセンシコアの効き方を変えたやはりコンスタントウエイトのセンシコアゴールドが入るそうです。
ユーティリティーがわりに2番アイアンを買ってもいいかな?重心距離が合わないか…