ばーくらいとさんちのばれんたいん   半蔵さん


草木も眠る丑三つ時・・・アオーン☆

アーチェ「クックック、あとはコレを入れてと・・・」
暗いキッチン。その片隅でアーチェが何かをしている。
グツグツグツ・・・
ゴトゴトゴト・・ゴポッ☆
アーチェ「ヒーッヒッヒ♪明日が楽しみだよね〜」
???「何が楽しみなんですか。」
アーチェ「うわっ!?ビックリしたー・・・。な〜んだ、アミィちゃんじゃない。」
アーチェが振り返ると、そこには腕組をしたアミィちゃんが・・・
アミィ「なんだじゃないです、こんな夜中に何の悪巧みですか、アーチェさん。 」
アーチェ「悪巧み!?しっつれいしちゃうわね!見ればわかるでしょ、明日の準備よ!!」
アミィ「明日?」
アーチェ「そ♪明日はバレンタインデーっしょ!」
そう言うとアーチェはアミィの方に箱に入った何かを差し出した。
アミィ「・・・え・・・?」
それを見たアミィは眉をひそめて、アーチェに疑問の眼差しを投げかける。
アーチェ「美味しそうでしょ♪」
アミィ「・・・・この箱がですか?」
アーチェ「やだな、アミィちゃん、箱が食べられる訳ないじゃん。チョコレートよ、 チョ・コ・レートッ♪」
アミィ「この箱が・・・ですか?」
アーチェ「だから〜、箱は食べられないって。」

シーン・・・

アミィ「死んじゃいます!!!」
アーチェ「なっ!?」
アミィ「ハッ!!も、もしもお兄ちゃんが、これを食べたら・・・」

>アミィ妄想中
チェスター「アミィ、俺、お前と暮らせて幸せだったぜ・・・カクッ」
アミィ「お、お兄ちゃん・・?や、やだよ・・アミィを一人にしないで・・!お 兄ちゃーーーーん・・・」
>妄想終わり

アミィ「そんなのヤダよぉ・・・」
アーチェ「な、なんで泣くのさ!!?」
アミィ「と・に・か・く!!お兄ちゃんは私が守ります!!」
アーチェ「よくわかんないけど、たとえアミィちゃんでも、私の邪魔をするって言うなら容赦しないよ!!」
アミィ「ならば勝負です!!もし、私を満足させるチョコレートを作ることができたのならお兄ちゃんに渡す権利をあげましょう!!」
アーチェ「なんでチェスターに渡すのに権利がいるのかわかんないけど、勝負と言われたからにはこのハーフエルフの真っ赤な血潮が燃え滾るわ!!その勝負のった!!!」
アミィ「ならば!!『ビストロばーくらいと家』−−!!」
アーチェ「レディー!!」
アミィ「ゴー!!!」

中略・・・

チュン・・チュンチュン・・・
朝日が窓からさしこんでくる・・・
アミィ「こ、これは・・・」
アーチェ「ど、どう・・・?チョコレートNO765『スペシャルチョコレートパフェ』のお味は・・・?」
アミィ「このビターなチョコレートとホイップクリームの絶妙なバランス、そして甘ったるくなりすぎないように入れられた、さっぱり感を演出するフルーツ達・・・。」
アーチェ「で・・・結果は?」
アミィ「・・・・合格です。」
アーチェ「やったぁー!!」
アミィ(ちょっと悔しいけど、お兄ちゃんのために頑張った結果だもんね・・・ )

そこへ・・・
チェスター「ふあ〜・・・おはよ・・・」
アミィ「あ、お兄ちゃん!」
アーチェ「チェスター!」
チェスター「ん?なんだ、お前達、やけに早いな・・・ふあ。」
アミィ「ま、まあね・・・えっと、それよりお兄ちゃん、アーチェさんから」
アミィ、アーチェをひじでつつく。
アーチェ「え?あ、あのさ、チェスター!」
チェスター「あん?」
アーチェ「ほ、ほら、今日ってば・・・じゃない?」
チェスター「はぁ?」
アーチェ「だから!!その、コレ!!」


そして・・・
アミィ「はいはい、隅々までちゃんと洗ってくださいね。」
アーチェ「なんでアタシが、こんなことを〜;;」
アミィ「アーチェさんのチョコレート騒ぎのおかげでキッチンがだいぶ汚れちゃったんですから。 後片付けくらいは責任持ってやってくださいね。ほら、この窓、埃がたまってる!!」
アーチェ「それ、料理と関係ないじゃーん!!」

ばーくらとさんちは今日も平和でありましたとさ。




林檎通信