日がどんどんと長くなっているモロッコ。日の出のお祈りは早朝3時半、日の入りのお祈りは夕方7時45分ほどです。でも、カサブランカやラバトの大西洋を流れる寒流のせいか、陽射しこそ強いものの、空気は、乾燥して、すがすがしい毎日です。これだけ日照時間が長く、でも、涼しいとなると、それは、最高の季節ですよね。バカンスするには・・・・・


【保育園と幼稚園】

保育園と幼稚園の違いをご存知ですか?
これは、日本的な考え方で、モロッコには、これに相当するものがありません。保育園とは、厚生省の認可の元で、両親が幼児の保育に職業等の都合で行えない場合、保育園が、両親に代わって幼児を預かり保育を行うという条件があります。これに対して幼稚園は、文部省の認可で、両親の都合は、全く関係なく入園する事が可能です。つまり、両親が共働きであろうが、無かろうが、預かってもらえます。費用も大抵は、幼児1人あたり一律に同額で、両親の所得に寄りません。

モロッコでは、どちらかというと幼稚園的なものが主です。でも、共働きの家庭を考慮して、朝は8時前から夕方は、6時ごろまでやっている保育園的ものもあります。しかし、こちらでは、前者も後者も”幼稚園”っと一般的に呼ばれています。


【時間割】

9月から10月にかけて新学期が始まり、クリスマス、ラマダン明けのお休み、犠牲祭、復活祭とイスラムとキリストの行事をこなして、7月8月が夏休みで就学の1年を終えます。
朝8時から昼12時、昼2時から夕方5時というのが、主な開園時間ですが、中には、昼休みも開園していて、お弁当、あるいは、園が用意した食事を保母と一緒に頂くところもあります。


【就学年齢】

0歳からでも大抵、受け入れてもらえますし、5ヶ月ぐらいからの乳児がいることも決して稀ではないようです。満5歳までは、入園できますが、園によっては、4歳で、区切り、5歳児は小学校の予備学校っといわれる学校に入るケースもあります。また、私立の小学校では、5歳から受け入れているところがあります。ただし、この場合は、幼稚園とは、こちらでは、呼びません。通常、モロッコの小学校は満7歳は、小学校1年生です。


【園で何をしてる???】

園によって、まったく、考え方が違います。4歳の子供を畳10畳ぐらいの部屋に30人ほど詰めて座らせて、黒板には、棒を持って立ち、アラビア語、フランス語を教えているところもあれば、日本の保育園や、幼稚園と同じく、歌ったり、お話を聞いたり、躍ったり、天気が良い時は、外で遊戯をしたり、というところもあります。また、イスラム教に基づいて、コーランを暗誦させて暗記させてくれるところも数多くあります。
都心部から離れると、文字を教えたり、コーランの暗記といった、遊びより学びを中心とした教育に熱が入っているように思われます。


【園の費用】

都心部の私立の幼稚園ですと1ヶ月700DHがあり、農村部の一般家庭の1部屋を幼稚園に改造したところだと、1ヶ月100DHという具合に、値段も内容も、その地域の文化を反映してかまったく違います。ちなみに、アメリカンスクールですと、夏休み期間だけのサマースクールですでに、2000DHを超えてます。


【教育方針?】

これも、地域によって全く違います。あえて、日本とモロッコという大まかな比較で少し乱暴ですが、私なりの認識を書いて見ますと、

 ☆個々人に対する細かい対応は、ほとんどない。つまり、日本人だから、障害者だからと
  いう幼児に対する区分け?がなく、みんな平等に1個人として、接してもらえます。
 ☆先生は、子供の友達として接していません。つまり、子供の遊びに先生がはいってくる
  ことは、ほとんどありませんが、先生として、愛情を注いだスキンシップは、多いにあ
  ります。
  幼児がいくつだろうとだだをこねたり、聞き分けのない場合は、暖かく抱きしめてくれ
  ているのをよく見たことがあります。  
 ☆先生の言う事を聞かないと、真剣にしかられます。それは、日本の子供むけのしゃべり
  方、子供向けの声の色ではなく、大人同士でもめる時の表情と声で、しかってます。
  子供相手に、そんなむきに怒らなくても、っと思えるくらいです。


【モロッコ式のおしおき!】

日本では、廊下に立ってなさい!正座をしなさい!というのがありますが、モロッコでは、教室の隅に立って、隅っこ、つまり壁の隅を見て立ってなさい。というのがあります。つまり、教室から追い出されませんが、仲間から離れて、仲間に見られて、でも、自分は、仲間も、先生も見えない所に立たされるというものです。大抵は、教室の前の隅っこです。後ろから仲間が冷やかしたりするのを背中で聞きながら、で、振り向いたら、先生に怒られて、という、おしおきです。


【モロッコ式の静粛】

教室が騒がしかったりすると、日本では、先生が、手を後ろにまわして、って言いませんでしたか? モロッコでは、腕組しなさい!っと言います。腕組みをして、その腕をテーブルにもたれかけさせるのです。ちょうど、居眠りの態勢です。腕を組む事によって、私は何もできない。
何もしてない。つまり、先生の言う事を聞く準備が出来てます。という事のようです。日本の考えと基本的には同じですね。


【宿題】

日本と同じく、かき方ノートがあって、点線をなぞって、字を覚えることや、コーランを暗誦して、両親に確認してもらうものなどがあります。


【小さな黒板】

日本では、それほど一般化されてない方法だと思うのですが、モロッコでは、A4ぐらいのサイズの黒板があり、白いチョークで黒板に字を書いて練習します。先生が”バ”というと、園児が黒板に”バ”を書いて、頭の上に掲げて、みんな先生に見えるようにするのです。ですから、子供は、チョークと黒板消しになっているスポンジ(日本では、主に食器洗いに使われるサイズも色もスポンジの柔らかさも同じ)を握って、黒板に向ってるわけです。




【モロッコweeklyトピック】

6月10日
4時ごろのニュースで、シリアのアサド大統領の死去を伝え、モロッコのチャンネル1の方は、コーランの読誦に切り替わりました。

6月11日
10日からヨーロッパではじまったサッカーのヨーロッパチャンピョンシップで、夕方から夜にかけて、モロッコのチャンネルは2つともサッカー中継でした。
このヨーロッパチャンピョンシップは、それぞれの国の代表選手の1チームが国単位で対戦して行くもので4年に1度開催されます。ポルトガル、トルコも参加してます。モロッコは、アフリカですので、参加してません。距離的には、そう遠くないのですが。。。。7月2日まで行われます。

6月15日
預言者モハメッドの生誕で、モロッコは、祝日。カサブランカのハッサン2世大モスクでは、モハメッド6世国王出席で儀式が行われます。


【イベント情報】

夏になると、モロッコの各地で、夏祭りじゃありませんが、移動遊園地が開かれます。そんなマイナーイベントも、せっかくなので、こちらに公開。ただし、期間は、不明。

移動遊園地
ラバトは、メディナの西側、普段は、駐車場になっているところで、行われてます。小さな観覧車や、子供の遊べる遊具があります。綿菓子や焼きとうもろこしを売っていたりして、日本と似てる所もあります。

7月1日(土)
ファンタジアがラバト郊外で行われます。約7つのチームが参加、馬でいうと200頭近くが集まる予定です。ラバト市内からは、ハッサン2世通りからバス41番で、TEMARA方面へむけて乗ってください。サッカー球技場を超えて5分ほど行くと、道が左曲がりに線路を高架で、超えます。超えてすぐ、左手の空き地で開催されてます。時間は、午後4時ごろから夜、日の入りまで。当然ですが、観戦は無料です。


【モロッコの広告、CM】

世界中いつでも、どこでも、を合言葉のCMをどうぞ。

モロッコでは、今、ジュースを飲んで、携帯電話をもらおう。というキャンペーンが繰り広げられています。そのCMです。

暑い荒野らしきところで、1人さびしく、ジュースを飲もうとすると、突然、なぜだか、ジュースが電話に変って、電話を通じて、仲間が集まり、その仲間の飲んだジュースのキャップの裏をみると文字が、そして、その仲間のキャップ全てで「楽しんでね」とアラビア語の文に。すると、そのキャップ全部と引き換えで、携帯電話がもらえる!

仲間が集まって飲めば、携帯電話が手に入り、
携帯電話が手に入ると、また仲間が集まりやすい。というストーリーだと思います。

私も集めて3週間ほどですが、あと1つ文字が集まらないんです。最近、道路で、捨てられたキャップを見ても、立ち止まって、ひっくり返してその最後の1文字を探してますが、ほとんど、”ツァ(アラビア文字)”ばかり。この会社のだしているビン、ペットボトルの飲料水のキャップは、キャンペーンに入ってます。旅行中に集めてみては、いかがでしょうか?電話のデザインはこの会社のトレードカラーとでも言うべき、赤一色で、この会社のロゴが入ってます。
ヨーロッパでも、使えるGSM規格の携帯電話が手に入るかもしれませんよ。ついでに、日本でのこの携帯電話の使用は多分、不可ですが、モロッコの大手電話会社の加入になっているので、砂漠からは通話できるタイプです。


【お天気】
15日の朝の予想天気は、モロッコ全般に曇り時々晴れ、エラシディアでは朝の気温が13℃ワルザザードの日中の気温は35℃の予想です。

【予告】
 次回は、ガス、水道、電気の様子をお伝えします。


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