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(991031)九州女子実業団駅伝結果(31日:熊本)

(991031)大分国際車いすマラソン、フライ選手が世界最高記録に

(991029)99九州実業団対抗女子駅伝/計9チーム参加へ

(991027)熊本国体/砲丸投・野口が18mに迫る大会新

(991026)熊本国体/成年女子200mで新井初佳が日本新

(991026)市橋、五輪コースの視察数回

(991025)熊本国体/少年女子共通3000mは阪田直子が大会新で優勝

(991024)男子マラソンで初の2時間5分台

(991024)熊本国体/成年男子ハンマー投げで室伏が日本新記録をマーク

(991023)第54回「くまもと未来国体」秋季大会が開幕

(991022)薬物違反/国際スーパー陸上出場のケニア人選手に警告処分

(991019)日産の大幅リストラ、スポーツ部門は含まれず

(991017)高橋尚子が市民大会に出場/五輪代表獲得に向け意欲

(991017)高島平ロードレース、渡辺聡が初優勝

(991007)駅伝シーズン開幕へ

(991006)資生堂が東京国際女子マラソンから撤退へ

(991005)M・ジョンソン、2001年で現役引退へ

(991004)JOC、陸連を事情聴取へ

(991003)日本選手権3日目結果:新井が2年連続女子短距離2冠に

(991002)日本選手権2日目結果:男子1500で戦後初の高校生王者

(991002)日本陸連がマラソンの市橋、佐藤を「S」指定選手に

(991001)日本選手権初日結果:女子三段跳びで花岡が日本新V

(991001)伊東が陸上日本選手権欠場


- Contents -
 

◆九州女子実業団駅伝結果(31日:熊本)

岩田屋から選手が移籍したサニックスが4位に入り、全日本実業団への挑戦権を得た。
(1)沖電気宮崎(疋田、福井、川上、斉藤、岡本、山元)2時間17分11秒=大会新
(2)九電工2時間19分30秒
(3)京セラ2時間20分31秒
(4)サニックス2時間21分33秒
(5)ラララ2時間21分49秒
(6)ベスト電器2時間23分17秒
=以上が全日本実業団対抗女子駅伝に出場



◆大分国際車いすマラソン、フライ選手が世界最高記録に

「第19回大分国際車いすマラソン大会」(大分県など主催)が31日、大分市であり、男子フルマラソン(42.195キロ)でハインツ・フライ選手(41)=スイス=が1時間20分14秒の世界最高記録で7回連続9度目の優勝を果たした。26カ国・地域の382選手が出場、秋空の下、車輪の響きとともに疾走した。
女子は畑中和選手(30)=兵庫県=が1時間44分31秒で2年ぶり3度目の優勝。ハーフ男子で藤川泰博選手(49)=同=が46分50秒で初優勝した。


◆99九州実業団対抗女子駅伝/計9チーム参加へ

全日本実業団女子駅伝の予選を兼ねた’99九州実業団対抗女子駅伝は31日、熊本県大津町の本田技研熊本製作所周回コースで開催。単独8、混成1の計9チームが出場、単独チームの上位6位までが全国大会の切符を手にするが、京セラと沖電気宮崎の首位争いが注目される。
(九州実業団陸上競技連盟主催、毎日新聞社共催)


◆熊本国体/砲丸投・野口が18mに迫る大会新

第5日の27日は、陸上など25競技と公開競技の高校野球があった。前日に天皇杯(男女総合)、皇后杯(女子総合)の獲得を決めた地元熊本勢がこの日も活躍。
成年女子五千メートルで川上優子(宮崎・沖電気宮崎)が最後のスプリント勝負で上野理恵(熊本・積水化学)らを突き放して優勝。
成年男子四百メートルは世界選手権代表の小坂田淳(京都・大阪ガス)が準決勝で大会タイの45秒82を出し、決勝でも順当に勝った。
成年男子砲丸投げは日本記録を持つ野口安忠(福岡・コニカ九州)が17メートル92の大会新で2連覇。
また、少年女子A百メートル障害は馬場貴子(兵庫・園田学園)が13秒67の好タイムで制し、高校総体との2冠を手にした。

 

◆熊本国体/成年女子200mで新井初佳が日本新

熊本国体秋季大会第4日(26日・熊本県民総合運動公園陸上競技場ほか)
成年女子200mで新井初佳(兵庫・ピップフジモト)が自らの持つ日本記録を0秒08更新する23秒46の日本新記録で快勝。
成年男子棒高跳びは、8月に日本新記録を樹立した横山学(香川・三豊観音寺陸協)が5メートル50で制した。
少年男子A砲丸投げの村川洋平(大阪・太成)と少年男子共通やり投げの佐藤紳矢(北海道・札幌国際情報)は、高校総体との2冠を達成した。
◇陸上で新井初佳が日本新マーク◇
ゴールした瞬間、自らを「良く頑張った」と褒めるかのように拍手した。成年女子200m。新井は絶好のスタートを切ると、2位以下に大差をつけ、ただ一人23秒台を出して見せた。
前日の準決勝後、背中に張りを感じ、腕を振ることが出来なくなった。決勝では痛みは和らいだが、万全の体調で臨んだ訳ではない。「体が動かないなら、気合で走ろうと思った」。
世界選手権、日本選手権とレースが続き、疲れがないはずはない。それでも日本記録を更新でき、「自信になった」と大きな目を輝かせる。
新井の200mの目標は五輪出場できるA標準記録の23秒20。日本選手権では、あと0秒02まで迫ったが、追い風参考だった。「その時に感触をつかめたので、出ない記録ではない」。この日の日本新でまた一歩シドニー五輪に近付いた。
どん欲に結果を求め、来月には100mのレースに出場する。「やっぱり(リレーではなく)個人で五輪に出たいですから」。
◆市橋、五輪コースの視察数回
シドニー五輪代表が確実な女子マラソンの市橋有里(21=住友VISA)が、来年の五輪コース視察を複数回、行うことになった。
8月の世界陸上セビリア大会で銀メダルを獲得した市橋は、浜田コーチとともに今月上旬、シドニーを訪れ2日間に分け五輪コースを試走。スタートから2キロで80メートルを一気に下るなど、市橋は「セビリアと違ってアップダウンが激しかった。路面もガタガタで走りにくかった」と印象を語った。これを踏まえ浜田コーチは「セビリアは1回だけの試走で済んだが、シドニーは行き当たりバッタリでは難しい。何回か行って走り体力、技術を上げなければいけません」と極秘試走を複数回、行うことを示唆。
11月の日本陸連理事会で「内定」が打ち出される見込みだが「ムダになる可能性を踏まえながらも準備はできるだけ早く始めたい」と浜田コーチは話した。
市橋は25日、世界陸上男子マラソン銅メダルの佐藤信之(27=旭化成)とともに、熊本国体の陸上競技会場で青木半治章を受章した。
◆熊本国体/少年女子共通3000mは阪田直子が大会新で優勝
第3日の25日は、陸上など31競技と公開競技の高校野球があった。
陸上は15種目の決勝を行い、少年女子共通3000mは、ジュニア日本記録を持つ阪田直子(京都・立命館宇治)が世界選手権代表の藤永佳子(長崎・諌早)を終盤突き放し、8分57秒64の大会新で高校総体との2冠を達成。藤永は9分05秒76で2位、前ジュニア記録保持者の長尾育子(福岡・筑紫女学園)は9分17秒70で3位に終わった。
少年女子B800mは、池田麻美(福岡・筑紫女学園)が2分13秒07で優勝。宗猛・旭化成陸上部副監督の長女、宗由香利(宮崎・旭中)は0・05秒差の2位に終わった。
地元熊本県勢も活躍。少年男子共通400mHは守田浩一(熊本工)が50秒45の大会新で勝ち、少年女子共通3000mWは川津登志枝(九州女学院)が制した。
◆男子マラソンで初の2時間5分台
米国のシカゴで24日行われたシカゴ・マラソンで、モロッコのハリド・ハヌーシ(27)が、男子マラソン史上初の2時間5分台となる2時間5分42秒の世界最高記録をマークした。
ロナウド・ダコスタ(ブラジル)が昨年9月のベルリンでマークした2時間6分5秒を23秒と、大幅に短縮した。

この日はモーゼス・タヌイ(ケニア)に一時は30秒以上の差をつけられたが、見事な追い上げを見せて逆転した。ハヌーシは、初めてマラソンに挑戦した1997年のシカゴで、2時間7分10秒の初マラソン世界最高記録(当時)で優勝。最近7レースでは5度優勝、2位2度と抜群の安定感を誇っていた。モロッコ生まれだが、93年にアメリカに移り、アメリカの市民権の獲得を目指しており、シドニー五輪もアメリカからの出場を目指している。

男子マラソンが、ついに2時間5分台の世界に突入した。

24日のシカゴマラソンで27歳のハリド・ハヌーシ(モロッコ)が2時間5分42秒の世界最高記録をマークしたことは、最近のマラソンの高速化に一層、拍車をかけそうだ。「勝負」を重視する日本のマラソン陣も、この流れを無視していては、世界に差をつけられることになる。
近年のマラソンは、ペースメーカー(ラビット)をつけて好記録も狙う一般の賞金大会と、順位争いに徹する五輪、世界選手権のレース展開の違いが際立つようになってきた。

日本陸連シドニー五輪強化特別委員会副委員長の宗茂・旭化成監督は、一般大会で好記録が相次いでいることについて「ペースメーカーがカギを握っている」と話す。ハヌーシも、5キロ15分前後のペースに乗って好記録につなげた。「次元が違うと思えるスピードでも、ペースメーカーの走りがスムーズだとそのまま行ける場合がある」と宗監督はいう。

今回、ハヌーシが手にした世界最高記録のボーナスは10万ドル(約1050万円)。6万5000ドルの優勝賞金や出場料を合わせて、高額の報酬を手にしている。好成績を出せば、その後の出場料、スポンサーとの契約料のアップに反映されることも一般的だ。プロ、アマの垣根が取れ、記録、成績が収入に直結する時代になって、各大会のペースは高いレベルに設定される傾向にある。
一方、国の代表選手だけで争う五輪などではまだ、選手同士がけん制して遅いペースになる場合が多い。だが、スピードを身につけた選手が増えた現状では、粘り強さだけで勝負するのは困難だ。来年のシドニー五輪のコースは序盤が下りで、いきなりハイペースの展開となることも予想される。余力をもってついていく力が求められるだろう。
日本の男子は今年、佐藤信之(旭化成)が世界選手権で銅メダルを獲得し、犬伏孝行(大塚製薬)がベルリンで2時間6分57秒の日本最高記録を出して久々に活気づいた。しかし、楽観できる状況ではない。宗監督は「記録を出した選手が必ずしも強いとはいえないが、日本選手もどんな状況にも対応できるようスピードを養成していく必要がある」と話している。


◆熊本国体/成年男子ハンマー投げで室伏が日本新記録をマーク

第2日の24日は、熊本県内各地で陸上、重量挙げなど31の正式競技と公開競技の高校野球が一斉に始まった。
陸上は熊本県民総合運動公園陸上競技場で9種目の決勝を行い、成年男子ハンマー投げでは、室伏広治(愛知・ミズノ)が自分の持つ記録を60センチ上回り、初の79メートル台に突入する79メートル17の日本新を樹立。少年男子共通五千メートル競歩は、谷井孝行(富山・高岡向陵)が20分56秒79の大会新で制した。少年男子A百メートルでは北村和也(佐賀・佐賀北)が10秒40の好記録で優勝し、高校総体との2冠を手にした。

北村選手、見事な高校短距離タイトル2冠

「決勝の後半は勝ちを意識して固くなってしまった。納得してません」

高校総体、アジア・ジュニア選手権に続いて国体も制した少年男子A百メートルの北村和也(佐賀北)はそう話した。
高校新(10秒24)の突破が期待されたが、決勝は10秒40。この日のベストは予選で出した10秒39に終わった。自己記録は10秒33。1メートル67センチと小柄だが、効率のいいフォームと中盤からの加速が魅力。まだ2年生なのに、今季は国内では無敗で、7月の世界ユースでは4位に入賞した。

「来年は日本選手権に出場して、10秒27のシドニー五輪参加標準A記録を破りたい」と夢もビックだ。

室伏選手、夢の80mへ王手
2投目。
室伏がサークルに入り、回転動作に移ろうとした時、審判員の赤旗が上がった。制限タイムオーバー。コールから1分を超えてしまったのだ。ぶぜんとした表情で、室伏はサークルを出た。室伏の前に投げる選手2人が2投目をパスして、予想以上に早く順番が回ってきたのだ。
室伏は「コールが聞こえなかった」と抗議したが、認められなかった。
集中力が切れたと、だれもが思った。ところが、3投目に77メートル47を投げて勢いがつく。
そして、5投目。
投げた瞬間に両手を突き上げ、雄叫(おたけ)びを上げた。
「動きがまとまったと思った」と室伏。
鉄球が室伏自身が持つ日本記録「78メートル48」を示す黄色ラインを超えて着地。
再び、雄叫び。
79メートル17
「タイムアップなんて初めての経験。でも、何があっても対応できないと戦えない」。トラブルを乗り越える精神的な強さが日本新を生んだ。
昨年5回も日本記録を更新した室伏だが、今季は記録が伸びなかった。8月のセビリア世界陸上では、予選落ち。今月初めの日本選手権でも優勝は果たしたものの、75メートル台に低迷した。
「課題が目の前に立ちはだかり、どうしようもなくて逃げ出したくなることもある」と室伏。
だが、父重信さんとの飽くなき挑戦が、そんな壁をつき破った。
スタンドで観戦した重信さんは「今は、(シドニー五輪に向けて)取り組んできたことのまとめの時期。今日はたまたま1本出たが、明日はまた分からない。そんなものです」と話した。

79メートル17はセビリア世界陸上で銀に相当する記録。だが、室伏は「条件が異なり、比較するのはまったく無意味」ときっぱりと言った。世界で戦うには、どんな状況の中でも持てる力をフルに発揮することが必要だ。それをよく知っている室伏に、夢の80メートルが間近に迫っている。


◆第54回「くまもと未来国体」秋季大会が開幕

「人、光る」をスローガンに、第54回国民体育大会「くまもと未来国体」秋季大会が23日、熊本県内で始まった。九州での2巡目国体は1990年の福岡県以来9年ぶり、熊本開催は60年の第15回大会以来39年ぶりとなる。2万556人の選手役員が参加、28日まで31の正式競技と公開競技の高校野球を展開する。

主会場となる熊本市の県民総合運動公園陸上競技場ではこの日午前、式典前アトラクションがあった。3万2000人収容の同競技場を埋める観客を前に、児童によるオカリナ合奏、熊本の伝統芸能などが次々と披露され、「1900年代最後の国体」のイベントムードを盛り上げた。午後は天皇、皇后両陛下をお迎えして開会式典がある。
今回、日本体育協会は、開催県に有利とされていた各競技の組み合わせ抽選の公平化を表明し、抽選方法を一部変える改善措置を取っており、第19回大会以来続く開催県の天皇杯獲得がどうなるかに注目が集まっている。

◆薬物違反/国際スーパー陸上出場のケニア人選手に警告処分
日本陸連は22日、9月の国際スーパー陸上(東京)での禁止薬物使用(ドーピング)検査で、NKK(広島県福山市)所属のケニア人選手、ラバン・カギカ(21)の検体から、禁止されている興奮剤のメチルエフェドリンとエフェドリンが検出されたことを明らかにした。

国際陸連(IAAF)の規則に従って、カギカに対して警告処分を科すとともに、男子五千メートルで2位になっていたカギカの同大会の成績を抹消した。
日本陸連は、同大会を公認するIAAFからの検査結果報告を受けて、21日に聴聞会を開いた。カギカはその際、禁止薬物が含まれていることを知らずに風邪薬を服用したことを認め、再検査も要求しなかった。風邪薬は自分で購入したもので検査時にも服用の事実は申告をしていたという。
日本陸連の桜井孝次シドニー五輪強化特別委員長は「ドーピングへの注意を呼びかける日本語の冊子は配布しているが、今後は外国人選手に対しても注意を徹底するよう各チームに指導したい」と話している。

◆日産の大幅リストラ、スポーツ部門は含まれず
2万1000人に及ぶ社員削減を決めた日産自動車のリストラ計画に、スポーツ部門は含まれなかった。
企業の存亡をかけて1兆円の経費削減を目指す再建案に社員の動揺が走る中で、19日、野球部など運動部の関係者は静かにほっと息をついた。
同社のスポーツ部門はここ数年をかけて、部の統廃合などをおこなっており、現在残っているのは野球部と男子卓球部、陸上部。
昨年の都市対抗で優勝した野球部は「会社からとくに何もいわれていない。来年も、今年と同程度の活動を続けられるよう、オフも準備を進める」と話した。
日産自動車本社の広報は「18日に発表したリストラ計画のなかに、スポーツ部門に言及した部分はまったくない」と説明。現段階では、これまで通りの活動が保証されることを明らかにしたが、今後の再建状況によっては再びスポーツ部門にメスが入る可能性もある。
選手には厳しい環境が続きそうだ。
◆高橋尚子が市民大会に出場/五輪代表獲得に向け意欲
左脚付け根の故障で世界選手権(8月、スペイン・セビリア)を欠場した女子マラソンの高橋尚子(積水化学)が17日、金沢市で行われた市民大会の「金沢百万石ロードレース」に出場した。

約5カ月ぶりのレースを順調に走り終えて「やっと痛みのことを意識しないで走れた。きょうが本当のスタートです」と明るい声で、シドニー五輪の代表権獲得に向けての意欲を話していた。

5キロの部に出場した高橋は、女子トップの17分28秒でゴール。すぐにコースを引き返し、何度も往復しながら後続の中学生選手や市民ランナーと肩を並べて走った。全力は出さなかったが、足取りは快調だった。

「最初は、ゆっくり走り始めたけど、2キロぐらいから走れそうだと感じてスピードを上げることができた。痛みはもう、ありません」とうれしそうに話した。
じん帯を痛めて世界選手権をレース直前に断念した高橋は、米国で約3週間、マッサージなどの治療を受けた後、先月下旬に帰国。今月9日まで11日間、三重県内の整形外科病院に入院して、治療とリハビリに専念していた。
「とても、落ち込んだ時期があったけど、入院患者の人にも励まされて少しずつ元気が出てきた」という。
練習で痛みが消えたのは、14日ごろから。この日のレースでも痛みが出なかったことで一層、元気を取り戻した様子だった。
「大勢の人が応援してくれていることがわかり、自分の力になりました」と声を弾ませた。
今後は回復の具合をみながら、来年1月の大阪国際女子マラソンか同3月の名古屋国際で、シドニー五輪の代表獲得をめざす。復調の目安にしているのは、12月の全日本実業団女子駅伝(岐阜)。
「ぜひ、駅伝メンバーに入りたい。そこで、見通しをつけて次のマラソンを走ります」と力強く話していた。
◆高島平ロードレース、渡辺聡が初優勝
男子20キロは渡辺聡(22=アラコ)が59分55秒の好タイムで、女子同は、山内美根子(26=資生堂)が1時間8分47秒で、それぞれ初優勝を飾った。
箱根駅伝でも活躍した渡辺が強さを見せつけた。序盤から積極的に前に出るレースで集団を引っ張り、最後は1人抜け出る形での快走。タイム差以上の力の差を見せつけた。「自分のペースでレースができたが、58分台を目標にしていたので、ちょっと」と優勝にもかかわらず、反省の言葉も聞かれた。
それほど、神奈川大陸上部時代の渡辺の記録は素晴らしい。4年連続出場した箱根駅伝では、1、3年の2度、区間賞を獲得、2度の優勝も経験している。社会人1年生となった今後の目標は、元日に行われる全日本実業団駅伝。新興チームのアラコは、昨年が全日本初出場で13位、今年は31位と、まだ結果を出せずにいる。「出る大会ですべて区間賞を取りたい」と渡辺。まずは、11月14日の中部実業団駅伝での初優勝を目指す。
◆駅伝シーズン開幕へ
◇出雲大学選抜は駒大、順大、神大が軸◇
箱根駅伝の前哨戦となる出雲全日本大学選抜駅伝が、10日に島根・出雲で行われ、駅伝シーズンがいよいよ開幕する。
大学駅伝は出雲に続いて来月7日の全日本大学(名古屋〜伊勢)を経て来年1月2〜3日の箱根駅伝へ。
また、実業団駅伝は12月12日に全日本実業団女子(岐阜)、来年1月1日に全日本実業団(群馬)が行われる。
出雲全日本大学選抜駅伝には16大学と5選抜の21チームが出場。出雲大社をスタートして浜山公園陸上競技場までの6区間43・1キロで健脚を競う。優勝争いは、大会3連覇を狙う駒大と今春の箱根を制した順大、神奈川大が軸になりそうだ。前回に活躍した神屋(2年)、揖斐(いび)(2年)が順調に伸びた駒大に対し、順大は高橋(3年)と今季、急成長した入船(2年)の2枚エースを擁する。神大は相変わらず層の厚さが強み。エース前田(4年)を中心にした京産大も「打倒関東勢」を狙っている。
[今季の主な駅伝]
10月10日        出雲全日本大学選抜(出雲)
10月28−11月3日 東日本縦断(青・東) (青森〜東京)
11月7日         全日本大学(名古屋〜伊勢)
   23日         国際千葉駅伝(千葉)
   28日         全日本大学女子(大阪)
12月12日        全日本実業団女子(岐阜)
12月26日        全国高校駅伝(京都)
1月1日          全日本実業団(群馬)
1月2−3日       箱根駅伝(東京〜箱根)
1月16日        全国都道府県女子(京都)
1月23日        全国都道府県男子(広島)
2月下旬         横浜国際女子(横浜)
◆資生堂が東京国際女子マラソンから撤退へ
東京国際女子マラソンの協賛企業、資生堂は、今年の第21回大会を最後に1社単独でのスポンサーから撤退することを6日までに決めた。主催者の日本陸連、朝日新聞社、テレビ朝日は、新たな協賛企業を得て、来年以降も大会を存続させる。
1979年に始まった東京国際女子マラソンは、世界で最初の女子単独フルマラソン。資生堂は第1回大会から単独で協賛してきた。
同社広報室は「この大会が女子マラソンを社会に認知させ、女性の社会進出を促進した。当社の役割に一つの区切りがつき、女性を応援する企業として大きな喜びと考えている。今後は協賛ではなくなるが、別の形での支援を考えている」と説明した。
今年はシドニー五輪の日本代表選手選考会を兼ねて11月21日に東京・国立競技場発着点とする42.195キロのコースで行われる。

世界陸上選手権の女子長距離代表の弘山晴美らが所属する陸上部は、これまで通り活動を続ける。

◆M・ジョンソン、2001年で現役引退へ
男子陸上のスーパースター、マイケル・ジョンソン(米)が、2001年のグッドウィルゲームズを最後に、現役を引退する意向を明らかにした。5日付のUSAトゥデー紙が報じた。
32歳のジョンソンは「私が国際的なキャリアのスタートを切ったのはグッドウィルゲームズ。私はその大会で競技生活を終えたい」と話しており、2001年の8月から9月にかけて行われる同大会を最後に引退することを示唆した。
ジョンソンは男子200メートルと400メートルの世界記録保持者で、世界陸上選手権では史上最多の通算9個の金メダルを獲得している。来年のシドニー五輪では、1996年のアトランタ五輪に続いて200メートルと400メートルの2冠達成に再び挑むことにしている。
◆JOC、陸連を事情聴取へ
日本オリンピック委員会(JOC)のスポーツ指導者在外研修制度を利用してオーストラリアで研修中の陸上選手が、無断で帰国して陸上の日本選手権に出場していたことで、近くJOCが日本陸連関係者から事情聴取をすることが4日、明らかになった。
男子短距離の土江寛裕(25=富士通)で、ことし1月から2年間の予定で研修中。3日まで開催された日本選手権に出場し、100メートルで優勝した。在外研修員は現役を引退した若手指導者を対象にしており、資格がないと判断されれば、派遣が中止となる可能性もある。
この制度は、各競技の指導者を育てるため、JOCが文部省からの補助金などを使い、毎年数人の若手指導者を在外研修員として1、2年間海外へ派遣する。これまでに柔道の山下泰裕氏らの例がある。
◆日本選手権3日目結果:新井が2年連続女子短距離2冠に
シドニー五輪代表選手選考会を兼ねた陸上の日本選手権最終日は3日、静岡県草薙陸上競技場で男女15種目の決勝があった。

強い追い風を受け好タイムが続出した。
女子200mは、新井初佳(ピップフジモト)が追い風2・2メートルで参考記録となったが、自らの日本記録(23秒54)を上回る23秒22で優勝。昨年に続いて100mとの2冠に輝いた。
男子100mでも土江寛裕(富士通)が3・3メートルの追い風参考ながら、10秒09で制した。

ハンマー投げは、男子の室伏広治(ミズノ)、女子の鈴木文(チチヤス乳業)がそれぞれ5連覇。女子円盤投げでは室伏由佳(ミズノ)が初優勝した。
世界選手権出場組がそろった女子10000mは同選手権4位の弘山晴美(資生堂)が制した。

◇女子短距離のエースに欲◇
「風に邪魔されてしまって……」。いつも通りの新井スマイル。でも、口調には珍しく悔しさがにじんだ。
二百メートル決勝、新井は、シドニー五輪の切符となるA標準記録23秒20の突破だけを狙っていた。
風は、いつの間にか追い風に変わっている。
条件は整いつつあった。

前半、「百メートルのつもりで」走った。
「いけるから、最初から飛ばしてみろ」と、これまでコーチに何度言われても、怖くてできなかった。だが、この日は勇気を出した。

23秒22。
目標より百分の2秒遅い。
しかも、追い風2・2メートル。
0・2メートルの余計な風で、日本記録の更新も逃した。

8月の世界選手権で初めて百メートルに出場し、「(大舞台で)個人で走る気持ち良さ」を知ったという。でも、標準記録にこだわる理由は、それだけではない。今回は記録的な資格はなかったが、リレーメンバーの代表として、言わばご褒美的な出場。「当然、周囲の雑音も耳に入るし、五輪では記録を突破して出たいという気持ちが強い」と、あるコーチは指摘する。
「シドニーは個人種目にも出たい」と新井。
女子短距離のエースに欲が出てきた。

◆日本選手権2日目結果:男子1500で戦後初の高校生王者
シドニー五輪代表選手選考会を兼ねた陸上の日本選手権第2日は2日、静岡県草薙陸上競技場で男女14種目の決勝と、男子10種、女子7種競技の後半が行われた。

[男子決勝結果]

1500mは世界選手権代表の佐藤清治(長野・佐久長聖高)が3分47秒26で競り勝ち、初優勝。経験が必要なこの種目で戦後初の高校生チャンピオンとなった。
400mHは山崎一彦(デサント)が48秒65の好タイムで3年ぶり2度目の優勝。
[女子決勝結果]
向かい風2・2メートルの悪条件となった100mは新井初佳(ピップフジモト)が11秒65で連覇を達成した。
800mは東京高2年の西村美樹が制した。
5000mは市川良子(JAL・AC)がラスト100mのスパート勝負で上野理恵(積水化学)に競り勝ち、15分31秒93で2年ぶり3度目の優勝を果たした。
100mHは金沢イボンヌ(佐田建設TC)が5連覇。
◇決勝は記録よりも勝負に徹する◇
高校生で日本王者になった佐藤に、笑顔はなかった。世界を知った18歳にとって、日本選手権はすでに「負けるわけにはいかない大会」になっていた。
コンディションは良くなかったという。8月の世界選手権に出場した後、疲れもあってほとんど練習できなかった。左足アキレスけんに痛みもある。だから、この日の1500m決勝は記録よりも勝負に徹した。
2、3番手をキープして力をためた。最後の100メートルでスパートすると、2位以下との差はみるみる開いた。

予選10位に終わった世界選手権では、力不足を痛感した。混戦の中で押され、はじき飛ばされ、「全く相手にされなかった」。
スタンドで観戦した決勝では、レベルの高いレースに感激しながらも、「観客として見ているのがつらかった」という。
「シドニー五輪の代表に選ばれても、今のままでは何も出来ない。スピードとスタミナの両方でレベルアップが必要」と佐藤。
世界選手権から持ち帰ってきた宿題をいかにこなすかで、今は頭がいっぱいだ。

◆日本陸連がマラソンの市橋、佐藤を「S」指定選手に
日本陸連は2日、静岡市内で強化合同会議を開き、8月にスペイン・セビリアで行われた世界選手権の女子マラソンで銀メダルを獲得した市橋有里(住友VISA)、男子マラソンで銅メダルを獲得した佐藤信之(旭化成)を陸連の最高ランクである「S」指定選手に、ベルリンマラソンで日本最高記録2時間6分57秒を出した犬伏孝行(大塚製薬)を「A」ランクにすることを決めた。

また、市橋に200万円、佐藤には100万円の報奨金が支払われる見通しとなった。

→世界の2位、3位の値段が200万円と100万円。さて、高いか?安いか???
◆日本選手権初日結果:女子三段跳びで花岡が日本新V
シドニー五輪代表選手選考会を兼ねた陸上の第83回日本選手権は1日、静岡県草薙陸上競技場で開幕。第1日は男女6種目の決勝などがあった。

女子決勝結果

三段跳びは、花岡麻帆(三英社)が自らの記録を35センチ更新する14m04の日本新で優勝。日本人初の14mジャンパーとなった。
棒高跳びは、小野真澄(ミキハウス)が4m00の大会新で2連覇を果たした。4m00に成功した小野と近藤高代(長谷川体育施設)は日本新となる4m21へバーを上げたが残念ながらクリアーならず。
男子決勝結果
男子5000mは本格的な練習を再開して間も無いというギタヒ(日清食品)がカギカを抑え、制した。
男子円盤投げは、畑山茂雄(ゼンリン)が2年ぶりの頂点に立った。
女子100mは、日本記録保持者の新井初佳(ピップフジモト)が予選、準決勝とも11秒4台の好タイムをマークし、首位で決勝に進んだ。
◇原点に戻りスランプを脱出◇
スタンドに向かって挙げた両手を下ろした瞬間に、涙が込み上げてきた。中学時代から大器と騒がれてきた花岡が、初めて見せるうれし涙だ。
4回目の13メートル72で自分の日本記録を3センチ更新すると、5回目で14メートルを超えた。1メートル71、56キロの恵まれた体をいっぱいに使った豪快な跳躍だった。
千葉・成田高時代に日本選手権の走り幅跳びで優勝し、順大でも同種目と三段跳びで活躍した花岡だが、今春、三英社に入社してから壁にぶつかっていた。記録が伸びず、「せっかく会社に入れてもらったのに、何やってんだろう」と焦る毎日だった。
「いつの間にかフォームが小さくなっていた」と気づいたのは最近。この夏は、大会に出ずに成田高の後輩たちと目一杯練習して原点に戻った。
「やっぱり思い切りのいいジャンプが自分の持ち味」と花岡。スランプがステップになったようだ。
◆伊東が陸上日本選手権欠場
男子100メートルと200メートルでアジア記録を持つ伊東浩司(29=富士通)が、今日1日から始まる日本選手権(静岡)を腰痛のため欠場することになった。当初、200メートル1本に絞り出場する予定だった。
伊東は先月15日のスーパー陸上出場後、鳥取の「ワールド・ウイング」(小山裕史代表)でウエート・トレーニングを中心に筋力強化の調整を続けてきた。今週から始めた走りの練習も順調に消化したが、ここにきて腰痛を訴えた。
この日、静岡入りしマッサージなど治療を受けたが痛みがいえないため、大事をとって欠場を決断した。昨年7月のアジア選手権からシーズンが続いたため、疲労が抜けなかったと思われる。
伊東はすでに、今月24日からの熊本国体も欠場を表明しており、事実上、シーズンを終えることになる。
なお男子短距離の苅部俊二(30=富士通)、走り幅跳びの森長正樹(27=ゴールドウイン)も故障のため日本選手権を欠場する。