モーリス・ファルマン1912型水上機

全長

15.5メートル

発動機

ルノー

 空冷V型 8気筒70馬力

全幅

10.14メートル

最大速度

85.5km/h

乗員

2名


 本機は水上機(海軍機)の研究を促進させるために発足した「海軍航空術研究委員会」より派遣されていた海軍大尉金子養三により、フランスから導入されました。本機の試験飛行は大正元年11月6日に神奈川の追浜水上機飛行場で行われ、公式飛行はカーチス単フロート水上機と共に、11月12日の大正天皇御即位記念観艦式において金子大尉の操縦により行われました。後にモーリス・ファルマン1914型水上機が導入されると、本機を「モ式小型水上機」、1914型を「モ式大型水上機」と呼称しました。また、本機は大正3年7月に勃発した第一次世界大戦で、ドイツ領青島攻略戦に投入され、我が国初の実戦投入機となりました。

 第一次世界大戦の勃発を受け、我が国は英国の要請により日英同盟に従ってドイツに宣戦を布告、ドイツ占領地となっていた中国山東省青島攻略のため、本機を搭載した帝国海軍水上機母艦「若宮」を派遣しました。到着した「若宮」は9月4日より搭載機による偵察、要塞爆撃など航空作戦を実施、これは母艦搭載機による世界初の航空作戦となりました。