旧車再生計画 イメージページ

ご存知抜けないシートピラー
いやな予感はしていたんです、長年雨ざらしに成っていた自転車は
シートピラーやハンドルステムが錆びて固着していることが多いから。

だからたっぷりと油を射し込んで4日ほど放置して置いたんです、
5日目シートピンを緩めてサドルを動かそうとしても・・・。
横に引っ叩いても・・・びくともしない。

仕方が無いので近所の機械屋さんに出かけて万力を借り、シートピラーを
咥えさせフレームを動かしてみると、ギシ・ギシと幸先の良い音が、
ちょっと休んでは油を射しまたギシギシとやっていたら、バキッ!だって。

シートピラーの首(細くなっている部分)が見事に破断してしまいました。
さあどうする。下の写真はこれから両サイドを削ってモンキーレンチで回そうと云う所です

万力でだめなものがモンキーレンチで回るわけないのです、涙。

会社でドライアイスを使って分析の下準備をしていた時に漠然と頭に浮か
んだのです、アルミとクロモリ鋼では熱膨張率が違うからシートピラーを
ドライアイスで冷やすとどうなるのだろうかって。

まず家の近くでドライアイスを手に入れなくては、50gや100gでは
話にならないから炭酸ガス店を電話帳で探して2Kgほど買いこむ。

シートピラーの残っている部分をヤスリで削ってモンキーレンチで
回せるようにしておきドライアイスを上から載せて軽く押さえる。

ギュゥーンと変な音を立ててドライアイスがシートピラーに食い込んで行く、
昇華した炭酸ガスがドライとピラーの隙間で逃げ場を探してキリキリ舞いを
しているんだ、フレームにドライが触らない様に注意しながら押さえていると
10分程でピラーにびっしり霜が着く。

さらに15分程経つとフレームのシートチューブに水滴が成長してくる。
40分目にはシートチュープに長さ15cmもの霜が着き白く輝いてくる。

フレームの霜の先端がシートピラーの先端と考えてほぼ間違い無い、
とするとやけに深くシートピラーが入っていることになる、
嫌な感じだ、やっぱりピラーを叩き込んだに違いない。

ともかく一度試しにモンキーレンチでピラーを回して様子を見る事にする、
ぐいと力を入れても・・動かない、モチロン凍り付いた訳では無い。
ハンマーで横に引っ叩いてからモンキーで回そうとしても動かない。
霜はドンドン溶けて行く、再びドライを載せて冷やしてから再挑戦するも
やっぱり動かない。ウーン参った。

最終非常手段としてはピラーを金鋸の歯で分割してほじくり出す
手も有るのだが、なにかもっとこうスマートな方法が無いものだろうか。
嫌気がさしてしばらくホッタラカシにしていましたが
何時までもそのままとはいかず金鋸作戦を発動しました
まずは切り易い後ろ側から
続く 一つ戻る インデックスへ