安葉巻を片手に2004


”街角の戯作者”を自称する私の自由文集(2004年版)です。
作品の非商用での使用は自由ですが、著作権は主張します。
感想等は『勝手に掲示板』もしくはメール(共にお品書き参照)でお願いします。

 メール
 メールが届く、今朝も届く
お早う、と、告げるあなたの挨拶
枕元の写真に、笑顔を見せて
今日が始まる、と、お返事するの
あなたと私、繋ぐメール

 メールが来ない、今朝は来ない
挨拶の代り、目覚まし時計
忙しいのかな
二日酔いなのかな
ちょっと心配、ちょっとプンプン

 メールが来ない、今朝も来ない
目覚まし時計、今朝もジリジリ
綺麗で可愛い新しい彼女
もしも出来てたら、私寂しい

 電話が鳴った、胸騒ぎの今朝
あなたと永久の別れ知った朝
信じられない、嘘でしょ、ねぇ
日差しの中で、メール読み返す

 棺の中で花に包まれて
横たわるあなた、無言のあなた
私も花を一輪添える
ただ呆然と、涙あふれる

 遠い世界へ、知らない場所へ
静かにあなた、旅立つあなた
瞳にうつる貴方の棺
ただ見送るだけ、ただ、見送るだけ

 朝の日差しに、優しい光に
静かに呼ばれた、そんな朝に
「元気でいろよ」「がんばれよ」
そんな声がした、あなたの声がした

「元気でいるよ」「がんばってるよ」
答えたけれど、涙、あふれ出す
ふと見た、枕元の2人の写真の
あなたが、今、ウインクしたよね

 

 
思い出のパーソナルコンピュータ〜ダイナブックEZ486(株式会社東芝)
 

 
プロ野球選手会ストライキに思う
 
 2004年9月18日、日本プロ野球史上初のストライキにより1軍2軍の全ての試合が中止になった。
野球ファンにとっては、多分忘れる事の出来ない日だと思う。
翌19日もストライキにより全ての試合が中止になった。
最近の屋根付野球場増加のお陰で「雨天による中止」が少なくなった昨今、中止対応番組の用意はどうなるのかと言う疑問があったが、テレビはバラエティや特集番組を巧く使って急場をしのいでいた。
さて、もう一方の中継放送を行なうラジオ(AM局)は、と言うと、私が住む首都圏の民放に限っての事だが、TBSラジオ、文化放送、ニッポン放送、RFラジオ日本の全てのラジオ局で「プロ野球は今後どうなるの?!」と言った感じの緊急特集番組を18日と19日の中継予定時間に放送していた。
私が主に聞いていたのはニッポン放送の番組だが、聞きながら各球団の選手が改めて気付かされたのではないか?と感じた事が1つある。
それは『「プロ野球選手である事」を驕っていた』と言う事である。
『プロ』野球と言う野球競技においての最高峰にいる彼らは確かに才能に秀でているだけでなく選ばれた人達と言ってかまわない存在だと思う。
だからそんな自分自身に驕る事があるのは仕方が無い事だろうと思う、いや、それ位のふてぶてしさが無ければプロとしてやって行く事は出来ないだろう。
しかしながら、この驕りを試合中のプレー以外の部分で好い形悪い形関係無くふりかざしていた選手が少なくなかったのでは無いか、とここ数年は思っていた。
少なくても、非野球人の私の眼にはその様に感じる選手が少なくなかった。
実は、今回のストライキで試合が無いにも関わらず、多くの人が試合が行なわれるはずだった各球場へ足を運んだそうである。
球場によっては万の単位の人が長蛇の列が、球場に巻きつく様に出来ていたそうだ。
そんな「試合が観られ無いのに足を運んでくれた」人のために、選手会主催の様な格好で、急遽サイン会や即席野球教室のようないわゆる「ファンサービス」が行なわれた。
この「ファンサービス」も某球団では多くのファンが待っているにもかかわらず「練習時間になってしまった」事で終了となり、手際の悪さを指摘されたりもした様だが、おおむね好評だったらしい。
聞いていた番組の取材で、そんなファンサービスを行なった球団のいくつかの選手会会長の談話があったが、異口同音に「ファンの存在の有難さ」を実感していたようだ。
特に「『遠く』から来たりして『この日にしか見られない』子供のファンが『試合は観られなかったけれど選手がサインや握手をしてくれた事で満足』してくれた」と言う様な話があったのだ。
そんな「ファンへのサービスの必要性」を認識させられた、と言うか重要性に気付かされた、と言う様な言葉ばかりだったのだ。
 大リーグに限らずアメリカのプロスポーツ選手やアーティストを含めたいわゆる「スター」はサイン等のファンサービスは『義務』であると言う。
いや、彼らの意識の中では「スターだけに許される『権利』」なのかもしれない。
以前雑誌か何かで見かけた話だが、とある有名なプロレスラー(だったかと思う)がレストランで知人と食事の最中に、偶然彼を見つけたファンがポケットにあった『ボロボロのレシート』を出してその裏に『サイン』をお願いした。
そのファンが持っていた紙がその『ボロボロのレシート』だけだったのだ。
その時、そのプロレスラーは嫌な顔1つせずにそれにサインをして渡したそうだ。
そのファンが去ってから同席していた知人が「なぜあんなボロボロのレシートなんかにサインをしたのか」と尋ねたそうだ。
するとそのプロレスラーは「他人から見ればただの紙切れかもしれないが、俺のサインがある事で、彼にとっては大切なものになるんだ」と返事をしたそうだ。
 まぁ、日本でも似たような話はあるにはあるのだが。
昔とある本で眼にした話だが、王貞治さん(現福岡ダイエーホークス監督)は、子供の頃に初めてプロ野球の試合(巨人戦)を観に行った時、試合が終わって持っていたボールにサインをして欲しいと巨人軍の選手の方に向けて高々と手を上げていたところ、他の選手が見向きもしないで素通りしてしまっている中で唯一、与那嶺要選手が嫌な顔1つせずにサインをしてくれた事がとても嬉しかったそうで、現役中はその時の与那嶺選手の様にファン(特に子供のファン)を大切にしたそうだ。
子供の頃にそうやってサインを貰ったりした人がいざプロ野球選手になると、その選手と会う機会があると必ずその話をするそうで、される方は驚いたり年齢を感じて複雑な気分になるものの、ヒジョーに感慨深いものだそうだ。
もしかしたら「あの時の俺みたいにファンを大切にするんだぞ」と訓示をたれるかもしれないがそれを知るのは当人達のみだろうし、一般人が知るべき事では無い事だろう。
野球選手とは違うが、サモハン・キン・ポーの吹替等をされている声優の水島裕さんがパーソナリティを勤めていた公開ラジオ番組を観に行った人が、番組終了後にその場でサインをしてくれると言うのでその列に並んだ。
だが、その人の手元にあったのはボールペンと大学ノートのみで、周りの人がサインペンと色紙と言うサインの定番を持っている中で「果たしてサインしてくれるのかなぁ」と不安になっているとその人の番なり、申し訳なさそうに「これにお願いします」と言ってボールペンと大学ノートの書いていないページ開いて渡した。
すると水島裕さん、嫌な顔1つしないでサラサラっと起用にサインをしたそうな。
そして「名前は」と聞く水島裕さんにその人は説明するのが面倒なのか運転免許書を見せて「これでお願いします」と。
「へー、原付持ってるんだ、何乗ってるの?」とか、「頑張って中免取ろうな」と声をかけてくれたそうな。
その人は帰りに大学ノートのページが入るプラスチックカバーを買ってそのカバーに貰ったサインを大切に保管しているそうだ。
多分もうお分かりかと思うが、その時の人と言うのは実は私だったりする。
でもホントに嬉しかったし、それから水島裕と言う存在が私にとって大きくなったものだ。
ちょっと脱線してしまったが、今回のプロ野球ストライキ、多くのマスコミ報道では試合中止による損害の面を取り上げてたし、赤字と言う経営に関する問題から来る球団合併と言う話が発端だったのでその手の方にばかり焦点が行ってしまう。
しかしながらプロ野球選手の多くが、争点とは別に「ファンの大切さ」「ファンが居るありがたさ(ファンがあってプロスポーツ)」を改めて感じたのではないのか。
そして、「プロ野球選手が『子供達に野球を好きになって貰う』努力がまだまだ必要」である事に気が付いたのではないのか。
プロサッカーリーグ、いわゆるJリーグが旗揚げして以来、実は弱年層のファンをうまく取り込んで、昔は町内にあった少年野球チームが無くなって少年サッカーチームに鞍替えされているところもあると聞く。
それを再鞍替えさせろと言うのは無茶苦茶だし、野球一辺倒と言う状態も好ましくないのでそう言う事は言わないが、サッカーが野球と違った魅力をアピールしてファンを獲得している様に、またサッカーや他の競技と違う魅力を野球がアピールする事で未来に続くプロ野球と言う物を見てみたいものである。
(了)
 

 
(再公開)部分月食写真集
 
 以前、「期間限定」で公開していた部分月食写真集の再公開です。
2004年は、5月5日の早朝に月食(食状態のまま月没)が見られるそうです。
 

 
 Smile for…(2004年バージョン)
 今年のクラスがえで出会った貴方……
 七ヶ月、過ぎた頃
 からっぽだった私の心を満たしてた

 何かに夢中、話しかけられないの
 一所懸命、貴方がまぶしい……

 Smile For……、貴方のために
 Smile For……、貴方のために
 「いつも元気で」とほほえみかけたい

 孤軍奮闘の言葉が似合う
 放課後の教室で
 1人でパソコン、プログラム組む貴方です

 私の視線、気がつかないの?
 振り向てくれたら、失神するかも……

 Smile For……、元気になれる
 Smile For……、笑顔見せたい
 「想い届いて」心で祈って
 

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