メモパース使用記(前編)


  1.はじめに

 1.1:手帳も電子化の時代

 最近、従来からある紙の手帳が携帯可能な電子情報機器(PDA、携帯電話やPHS等)と言ったものに置き換わりつつあります。
特に予定表と住所録については、条件検索や他の機能との連係(予定時刻にアラームを鳴らすとか、電話番号を呼び出してそのままダイヤルする等)と言った機能等、既に紙の手帳を凌いでいる部分もあります。
また、パソコンの普及により優秀で廉価なスケジュール管理ソフトも登場して、これらの機器と連動させる事も簡単に行えますから、まさに「電子秘書登場」と言っても良いかもしれません。(最近では、パソコン自体も持ち運ぶのに苦にならない程の小型軽量化が進んでいて、それだけで全てをまかなう事も出来ます)
まだまだ紙の手帳が無くなるとは思いませんが、従来から紙の手帳で管理していた情報が随分と電子化出来るようになったものです。
かくいう私もPDAと紙の手帳の両方を使用していますが、紙の手帳については電子化データ消失時のバックアップとしての要素が大きくなっています。
ただ、私にはどうしても電子化がうまく出来ない事があります。
それは「メモ用紙(メモ帳)」の持つ機能です。
ちなみにパソコン、携帯電話やPHSと言ったキーボードによる文字を入力する機器で、とっさな殴り書きのようなメモを取るには、よほどの「慣れ」が必要です。
パソコンやPDAには画面に直接手書きの入力が可能な機種もありますし、画面そのものをメモ用紙に見立てたアプリケーションソフト(通称「手書きメモ」ソフト等)も存在します。
ですから、これらを利用すればメモ用紙の機能そのものは電子化が可能と言えますし、その使い勝手もそれほど悪いものではありません。
しかしながら、メモ用紙にちょっとした用事を書いて担当者に渡すとか、講演等の内容を複数のカードを使って縦横無尽にメモする、なんて事には手書きメモソフトも不向きです。
また、野外の活動においての電子機器の使用はバッテリ(電源)等いくつかの問題がありますから、紙を使用した方が便利です。
何でもかんでも電子情報機器にやらせたいと言う欲求が無い、と言えば嘘になりますがまだまだメモ用紙(メモ帳)の機能を完全に置き換える事は出来ません。

 1.2:B6サイズへのコダワリ

 そんな事もあって、メモ用紙も普段から持ち歩いているわけですが、やっぱり問題となるのが「メモ用紙のサイズ」です。
メモ用紙を使用する場面を少しばかり考えてみると、立ったままでの使用時は、手のひらに乗せられるサイズが望ましいのですが、セミナーの様に座ることが出来て机や膝の上を台代わりに使える場合には、手のひらにのらなくても机や台からはみ出ない程度で持ち運べるサイズなら問題ありません。
携行するPDAの関係で常に鞄を持ち歩くものの、持ち運ぶのに邪魔にならない「最大のサイズ」という点には少しばかり悩まされました。
実際に名刺サイズ(91mm×55mm)、3×5(もしくは5×3)サイズ(125mm×75mm)、B6判(182mm×128mm)、B5判(257mm×182mm)、A5判(210mm×148mm)、A4判(297mm×210mm)と言ったものを試してみました。
そんな中で、私が選んだ用紙サイズはB6判でした。
持ち運ぶのに邪魔にならないメモ用紙の「最大のサイズ」がこれだったのです。
そんな事もあって、B6判の用紙を使用しています。
ただ実際には、使い勝手の面から綴じられているノートではなくB6判カード(情報カード)を使用しています。

 1.3:カードの持ち運び

 さて、このB6判カードを使いながらも気にしていた事が、持ち運び(携行)についてです。
名刺サイズや3×5カードと言った物には携行用のケースが幾つも存在するものの、B6判カードにはそれが中々見つかりませんでした。
文具店に聞いたりカタログを見せてもらったりした結果、パース(名刺入れやパスケース、書籍カバーの用途で売られている皮革もしくは合成樹脂製のもの)、2つ穴綴じ式のファイル、ボックス型ケース(プラスチックや木製の箱やポーチ型のもの)の3種類のものが見つかりました。
そこで色々考えてみましたが、ファイルでは、あらかじめカードに穴をあけて綴じて持ち歩く事になります。
これではノートと一緒のようなものですから、カードを使う意味がありません。
ボックス型ケースでは、鞄に入れても結構かさばる感じですし、そもそも保管用途で作られたものなので持ち歩く事には向いていません。
結局、「携行する」と言う点ではパースが一番適当でしたのでこれを購入しました。
しかしながらパースでは、カード収納枚数に不満がありました。
メモ用紙としてカードを携行する場合、常に30〜50枚必要だと感じていましたが、購入したパースの収納枚数は30枚が限度でした。
ですから、パースを2つ持ち歩いて1つはカード持ち運び専用とする事にしましたが、それでもファイルやケースを持ち歩くよりは都合が良かったので仕方無いかと思っていました。
 ところが先日、文具事務用品メーカーのコレクト株式会社から「メモパース」と言うB6判カードの携帯(携行用)ケースが発売されました。
そこで今回は、この「メモパース」を取り上げることにします。

  2.メモパースのスペック

 さて、このメモパースのスペックをカタログから拾ってみると、大体次の様な感じになります。

 2.1:素材

 この手の製品は皮革もしくは合成樹脂(塩化ビニール等)のどちらかを使用している事が多いのですが、メモパースは合成樹脂(塩化ビニール)を使用しています。
しかしながら、従来の合成樹脂(塩化ビニール)に比べて焼却時に有害ガスの発生を押さえたネオマシートを使用ています。
しかも、ボール紙を包み込んだ格好になっていますので、適度な腰を持っています。

 2.2:寸法

 2つ折りの(持ち運ぶ)状態では196mm×138mmでB6判よりも一回りほど大きく、広げた(カードが取り出せる)状態では300mm×138mmです。
広げた状態で2つ折りの時の倍よりも長くなっているのは、カード収納時の厚みを考えて、折り曲げるマチの余裕を大きく取っているためです。

 2.3:収納枚数

 収納枚数はB6判カードが50〜100枚となっており、私の要求する30〜50枚は見事にクリアーしています。

 2.4:ラインナップ

 今回入手した物は、黒色ですが、これ以外に赤色と青色の計3色が用意されています。
ですから、TPOや好みにあわせて使い分ける事も可能です。

 2.5:その他特徴

 折り曲げのマチの内側には、ペンホルダーがついており、これは左右どちらからでもペンを収納する事が可能です。
また、カード収納ポケットには取り出し易い様に指で押し出すための穴があいています。
 それから、縁を圧着の上に糸で縫って補強してありますから、長期間使用する事による磨耗にも持ちこたえる事ができます。
しかもカード収納ポケットも縁と一緒に縫いつけてありますから、カードを入れ過ぎてポケットがはがれて来る心配もあまりありません。
 なお、B6判カードに限らず、B6判の伝票やノートやルーズリーフ用紙と言ったものの収納も無論可能なです。
また、コレクト株式会社で発売している各種情報カードと秘書カード(料理カード、週予定、交際、取引先)を組み合わせてフリーダイアリーとしてのシステム構築に使用する事も可能です。  

後編に続く)

 

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