なんでも使用記WorkPad編(その参)

   IBM製WorkPad(8602−30J)(その参)
 
 4−3ToDoリスト
 アプリケーションボタンの右から2番目を押すとToDoリストが起動します。
その名の通り項目とチェック欄、締め切り等が表示されます。私としては、これが標準装備されている事によって、この機器が元々ビジネス用途に作られた物であるという事を強く感じさせられます。
さて、ToDoリストについてはとんでもない逸話があるのですが、その逸話については自己啓発書に述べられていたり、自己啓発セミナー等で見聞きした事がある方もいるかもしれません。
ちなみに、何度か文中に出てくる株式会社ナラコム(システムダイアリーの発売元)のホームページ(http://www.naracom.co.jp/)にもその逸話が掲載されていますので、ご存知無い方はご覧になってみてください。
さてToDoリスト使い方ですが、一般的に言ってこれを使うにあたっては2つの作業を必要とします。
1つめは、やるべき事柄のリストアップを確実に行うと言う事です。
これは、事柄にもれをなくす意味合いがあります。
2つめは、リストアップされた事柄のランク分けです。
これは、完了期限や重要度を元にして分類する事になります。
この2つの作業を行う事により結果的に事柄をスムーズに行うための順序が決定され、その順序に基づいて事柄を片付けていくと言う事がToDoリストの簡単な使用法です。
ただWorkPadのToDoリストにおいては、さらに一歩進んでリストアップされた項目のランクとは別に分類(カテゴリ分け)が出来ます。
ですから、分類別にToDoリストの項目を分けたりする(公私の予定分け等)事も可能です。
また内蔵されているカレンダーと連動して、項目のうち作業期限が過ぎた場合にマーキングが自動的に行われると言った機能もあり、この機能は「電子手帳」ならではのものかと思います。
それから、紙に書いて作るToDoリストですと予定の変更とかが生じた際には、場合によっては1から新たに作成し直さなければならないと言った欠点がありますが、そのような欠点をうまくカバーした形の作りになっていて、使用感は可も無く不可も無くと行ったところです。
ただ、ToDoリストでスケジュール管理をと無理に使おうとすると息切れを起こしたり、またそれ自体をあまり必要としない人にはこのソフト自体が無用の長物になってしまうかもしれません。
では、このソフトをあまり意識せずに使える事柄はあるのでしょうか。
利用方法の1つとしては、買い物リストがあげられます。
買い物リストとしては、買い物に出かける前にリストを作って買い忘れを防ぐと言った使い方です。
また、出張や旅行での持ち物チェックリストとしても活用できます。
あまり有用性を述べられませんが、実を言うと私自身がToDoリストの作成及び利用が得意な方ではないので……。
 
 4−4メモ帳
 アプリケーションボタンの一番右側のボタンを押すとメモ帳が起動します。
メモ帳とは言うものの、パソコンで文章やプログラムのソースを作成するのに利用されるワードプロセッサもしくはテキストエディタに近いアプリケーションです。
ですから簡単に操作説明をすると、何かを書く(メモする)場合には文書ファイルの新規作成と同等の作業をすることになります。
この場合はメモ帳起動時に画面左下にある「新規」をタッチすれば良いだけです。
この操作を行うと、横罫8行の画面が展開されます。
その横罫にそって文字が表示(記録)されていきます。
そのさまはレポート用紙や上綴じ式のメモ帳にでも書き物をしている感じですが、その中身が8行を超えた場合には、1行毎に縦スクロールして行きます。
そして、一通り書き終えてその文書ファイルを終了する場合は同様に「終了」を押せばその内容は保存されます。
さて、このメモ帳、新規→終了の動作の度に文書が作成されるわけですが、この文書の管理や区別はどのようにして行うかと言うと、文書の1行目が自動的にファイル名(見だし)となると言う仕様になっています。
ですから、1行目に自分の分かるような形でタイトル(作成日やキーワード等)をつけておけば文書の管理が可能と言う形になります。
この際、その文書の並びも五十音順か手動(作成順)かの選択が可能です。
また、このメモ帳にも先にあげた3つのアプリケーション同様にカテゴリ分けの機能がついていますので、それぞれの文書を幾つかのカテゴリに分けて置くことも可能です。
さて、比較対象物としては先にあげた上綴じ式の紙のメモ帳があるのですが、実際に比較してみると、ここでも「電子手帳」というか「電子文具」特有の機能が見えてきます。
まず、WorkPadのメモ帳の場合、ページ(シート)と言う概念がとても希薄です。
仮に文書を作成している時は全くページ(シート)の感覚は全く感じさせずに8行目を超えると縦スクロールをその文書が終了するまで(もちろん文書サイズの上限は決まっていますが)行ってくれます。
この状態はまるでロールに巻いた紙にメモを取っているような感じですから、紙の手帳の様にページ区切りでブツブツと切れているメモではなく連続性を持ったメモが作成出来る事になります。
そして、いざその作成した文書を閲覧する際は8行目を超えた部分を見ようとして本体についている縦スクロールボタン(アプリケーションボタンの左から2番目と3番目の間、ちょうど中央についている8字型のボタン)の下側を押すと、8行目が1行目となって以下7行が表示されると言う動作をします。
そして縦スクロールボタンの上側を押すと、1行目が一番下の8行目に行き、前の7行がその上に表示されます。
出来れば、筆記時と同様に1行ずつ進められれば良いと思うのですが……この動作はまるでページをめくる動作に似ています。
ですから、筆記時はともかく閲覧時にはページの感覚が存在すると言う考え方が出来る様です。
そして、この縦スクロールキーの操作によりその文書の終了の行まで表示された時に再度縦スクロールキーの下側を押すと、順番に並べられた次の文書に移動します。
この様に五十音順もしくは作成順で並べられた文書を最初から最後まで閲覧する事をスクロールキーのみで行う事が可能です。
このようにメモの表示及び閲覧機能については独特のものを持っていますが、実際に筆記すると言う事についてはどうでしょうか。
実はこの部分はWorkPad特有のGraffiti入力のスピードと変換効率が大きく影響します。
ですから、本体の処理能力だけに依存するのではなくてユーザー個々の力が大きく左右するところです。(入力についてはまた、後程説明します)
さて、このメモ帳はどうしても紙のメモ帳にかなわないことがあります。
それは、図表等シート全面を使った筆記を行うことが出来ないと言うものです。
始めの方で述べた通り、エディタ的要素を持っているゆえの順番に文字によるメモは可能なのですが、(後でもう少し詳しく述べますが)アルファベットや記号、仮名漢字文字の入力機能しか持っていないと言う仕様上仕方の無いことでしょう。
しかしながら、その点を抜きにしても中々の秀作だと思いますよ。
個人的には、縦書き表示を標準でサポートしてくれればありがたかったのですが。
 
 4−5支払メモ
 このアプリケーションは標準では起動専用のボタンを持っていません。
ですから、シルクスクリーンにある「ホーム」アイコンをタッチして、メニューを一覧表示して、そこにある「支払いメモ」アイコンをタッチして起動させます。
先に紹介した4つのアプリケーションよりも若干使用頻度が低いと考えられるのか、また金銭にかかわるものなのでわざと少しばかり手間のかかる起動を採用したのか、はたまた全然違う理由があるのかは分かりませんが……。
さて、このアプリケーション、実はToDoリストによく似ています。
ですから、操作的にはToDoリストに近いものがあります。
さて、実際の使用方法ですが、起動後に「新規」をタッチすると項目が1つ出現します。
この項目は「日付(内蔵カレンダーに連動)」「支出種類」「支払金額欄」となっています。
このうち、「支出種類」をタッチすると、その項目がメニューとして表示されます。
この「支出種類」のユーザー追加は標準では出来ないのでこの項目の中からどうしても選ぶ必要があります。
そして、実際の金額を記入する事になりますがこの支払項目毎に詳細が設けられており、これを見ると中々面白い作りになっています。
カテゴリはともかくとして、その国毎の通貨単位と支払方法(現金、プリペイドカード、キャッシュカード)、支払先、場所、同行者と言った項目があり、これらの項目からつくづくビジネス用途である事を感じさせられますが通貨単位と支払方法の項目は、私には気がつかなかった必要項目でした。
実際に紙の金銭帳と比べてもあまり比較する点は無いですし、簡単に覚え書き程度の使用になるような感じがします。
ただ、海外旅行(特に欧米への)へ言った場合には力を発揮しそうです。

(その四に続く)
 

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