戻る

愛と弁護の部屋


美里葵
「東京魔人学園剣風帖」のヒロイン。
容姿端麗、成績優秀、運動神経抜群、誰もに優しく、人望厚い生徒会長。
どこからどうみても、非の打ち所のない、完璧な人物に見える。
しかし、人は完璧なモノを嫌うのか、どうもファンからの評判は、悪い
その優しさと美しさに魅入られ、となった身としては、
いささか悲しい現状といえる。
そこで、ここでは彼女の長所、短所を挙げて検証、
その真の魅力に迫ってみたいと思う。
……迫れたらいいなあ。
容姿体形声色性格イベント攻略能力

感情


  Aoi Misato What's Beuty or Not ?

容姿

端麗。美人。綺麗。で、あることは、客観的に見ても、間違いのないところでしょう。
「ああいうお嬢様タイプは嫌い」という向きは、もちろんいらっしゃるでしょうが、それは好みの問題ですし、
現代の一般的審美眼からすれば、美しいと言って、差し支えないかと。
「あの美白顔が怖い」という意見を見かけたコトがありますが……

画面にも、そんな真っ白い顔で出てきたコトはありませんし、これはむしろ、
「嫌いになってから」の感想ではないかと。
坊主憎けりゃ袈裟まで憎い、という精神構造ですね。
どうしてそんなにキライにさせるかというのは……えー……アトで述べるとしまして……。
とにかく、容姿的には(好みは別として)問題ないはず……です。


体形
実は、密かにナイスバディです。
「剣風帖」女性キャラ中、バストサイズのベスト3だったりもします!
(トップはマリア先生、2位はアン子ちゃん! たか子先生は「別格」……)
なので、「俺は美人でナイスバディな女は嫌いだっ」という方(一部ロリーな方とか)以外は、
ココに関しても、問題ないはず……ですよね?

声色
葵様の声を担当されているのは、堀江由衣さんです。
のち、「To Heart」マルチ役などを好演なさっておりますが、
この作品での演技は、とみにアンチ美里派の方々からは、いろいろ不評を買っているようです。
これも「袈裟まで」の一部だとは思いますが、
確かにこの作品では、演技が少々カタい印象を受けるのも事実です。
それは、堀江さんが、どちらかというと「元気」タイプであるのに、葵様物静かなタイプ、ということもあるでしょう。
ですが、そればかりでなく、葵様のキャラを見事に現している、ともいえるのです。
葵様は、「性格」の欄でも触れますが、非常に「カタい」部分を持っています。
容易には他人と打ち解けられない部分を。
それを、見事に表現した演技である――というのは、贔屓目にすぎるでしょうか。
「うふふ笑いが怖い」とか、ソレも「袈裟まで」だと思うのですが。
声質に関しては……容姿と同じ、好みですからね。

性格

さて、問題はココです……。
といいましても、序文にあります通り、誰にも優しく、かといって甘やかすばかりでもない、
どこにいってもリーダーに推されるという、その高い人望が示す通りの人物……一言で言うと、
「姫」ですか? ――なのですが。
どうも「コワイ」「計算高そう」「思い込み激しい」、甚だしくは「偽善者」などという声さえあります。
どの感想に対しても、答えはひとつ。
彼女は、「”自分”を外に出すのがヘタなヒト」なのでしょう。「苦手」と言ったほうが正確ですかね。
さらわれ易い体質(笑)のようですし、良家のお嬢様でもあるようなので、
どうやら、過去になにか事件に巻き込まれたコトがあったのでは、と推理します。
子供のころにそんな目にあって、ヒトがこわくなったのでは……。
あの、真夏以外は必ず穿いてる濃い色のタイツが、

ヒトに対する警戒心のあらわれのように思えてなりません。

 

しかし、生来の気質の優しさと生真面目さが、単なる人間不信に陥ることを許さず、結果、
適度に相手と距離を置き、客観的に物を見て、誰とでもソツなく接して争いを嫌い、悪事は許さない!
といった、リーダー的な性格を作り上げたのではないかと。
そんな彼女だから、いまひとつ何を考えているのかわからず正体不明なのを、「コワイ」と感じる人がいたり、
さらに頭がいい、という意識から、「計算高い」などと言われたり……、
正義感が強いわりに、奥に正体を隠していそうなので、「偽善者」とののしられたり……、
思考を他人に漏らそうとしない(正確には、できない)から、「思い込み激しすぎ」とか恐れられたり……、
いろいろ誤解されてしまうのですが、
彼女はただ、自分の弱点と戦っているだけです!
そう、「自分では戦おうとせず、他人の影に隠れてばかりなのが嫌い」、という意見もありましたが、
彼女も戦っているのです!

★ Aoi Misato special loom ★

もちろん、自分と戦っているのは彼女だけではありません。
あなたも私も、すべてのひとがそうしている、といってよいでしょう。
しかし彼女には、もともと内向的で考え深く、優しさのあまり戦いに向かない性格があります。
さらに、過去のトラウマ(あくまでも推定)、そしてこの作品にて見舞われた謎の≪力≫の覚醒と、
手ごわい敵ばかりが援軍に駆けつけてきます。
しかし、他人に気軽に心の内を明かせない性格の彼女は、誰かに助けを求めることもなかなかできず、
苦しんでいたことでしょう。
正反対な性格の小蒔と仲が良いのは、彼女の明るさ、ひとなつこさに、憧れてのことだと思います。
そこに現れた、「運命の男性(ひと)」……
「主人公を追っかけまわすストーカーでは」とかいう意見もありましたが(実際は、そんな場面はナイ!)、
なぜか非常なシンパシーを感じるひと、なぜか抵抗なくすべてを話せそうなひと、
そして、すべての苦しみを、救ってさえ、くれそうなひと……。
そんな、ようやく出会えた「運命の男性」に、必死で救いを求める手を伸ばすのは、そんなにヘンでしょうか。
私が葵「姫」に夢中になったのは、まさにココなのですが。
おずおずと伸ばされた、細く白い、少し震える手のひらを、打ち払えるほど、私の心は強くはありません……。
(だから、他のヒト狙いの……くっ……辛いことといったら……特に小蒔……)


イベント

――と、ここまでは、実は、演出の妙もあって、たいていの方は理解なさってはおられるかと思われます。
そして、「可憐でひ弱で健気なヒロイン」無条件で嫌いだ、という方以外は、
好きになるとまでは行かずとも、好意的に接するようには、なっているかとも愚考いたします。
しかし、そこでとんでもない爆弾が、このゲームには潜んでいるのです……。

イベント編、ネタバレの嵐につき、別ページへ。

入り口



――まあ、こーいう目に遭った方々が、反旗を翻したのでしょう。
可愛さ余って、憎さ百倍?
まあ、「あーんなコトや、こーんなコトまでして、そーいうオチかい!」なので、無理もありませんが……。
でもでも、それでも姫は可愛いです。
特に、「ちゃんと心を掴めれば」、最高に。


攻略

では、どうすれば、「ちゃんと心を掴める」のでしょうかっ!?
これは、こまごまとデータを広げる必要はありません。一言で済みます。
「いつでも、どこでも、とにかく、彼女のそばにいてあげるコト」
これです。
たとえ、それが、どんなときでも。
どー考えても、常識的に判断するに、一時そのそばを離れるのが、普通であっても。
どんなに、理不尽な行動を自分が取ってるよなあ、と思えても。
いつでも、傍にいてあげてください。可能な限り。

…………。

――ソレも、否定派に言わせれば、「ワガママ」ってなるんですかね? ソコが可愛いのに……。


能力

「菩薩眼」という、仏教系の名の付いた能力を持っているのに、
使うワザは、何故にクリスチャン系なのか。天使を呼び出したりもしてるし。
そーいう疑問をお持ちの方がいらっしゃるご様子なので、ここで答えてみたいと思います。
まず、「菩薩眼」というのは、能力に対する名詞なのです。
その名がつけられたのは、浅い時期で江戸中期、古く見積もると平安の頃でしょうか。
ともあれ、キリスト教は、まだ入ってきていないか、
あってもメジャーな存在ではない時代、であることに間違いはありません。
ですから、「大地のエネルギー・レイ・ラインを観て、幸運を呼ぶ能力」などと言えば、
今なら「天使のようなチカラ、聖なる瞳ホーリー・アイ」とでも名付けられるかも知れませんが、
当時そういう人知を超えた、しかし優しい能力の代名詞と言えば「菩薩」なので、
「菩薩様のような瞳、菩薩眼」なのです。

一方、現代の「菩薩眼の娘」こと、我らが葵姫は、どうやら、良家のお嬢様であるようです。
そういった子は、幼い頃、ミッション系の学校に在籍することが少なくありません。
事実、設定段階の彼女は、ミッション系学園の聖女様だったようです。
故と縁あって、真神学園に来ることになった彼女ですが、
幼稚園の頃とかは、もしかしてミッション系のソレにいたのではないでしょうか。
べつだん、現代では珍しいことではありませんし、
だからといって、クリスチャンで居続ける必要も、今はありません。
しかし、彼女の気性からいって、もしかしたら、今でもクリスチャンなのかもしれません。
クリスチャンが神社仏閣にお参りしていいのかは、存じませんが(そういうシーンが劇中にアリ)。
ともあれ、神や天使に祈る、という行為には、よく馴染んでいるのでしょう。
戦闘時に、仲間を想う気持ちを、祈りという形で表現することは、
彼女にとって、自然な行為なのではないでしょうか。

……というわけで、葵姫にとっては、「天使に祈る」方が自然なのであり、
たまたま、宿った能力が、「菩薩眼」と呼称されるモノだった、というだけのことなのです。
どうして、天使のチカラを駆使する者に、菩薩がチカラを与えるか、とお思いかも知れませんが、
別に、「菩薩眼」は、菩薩がチカラを与えたものではありません
あくまでも、菩薩の「ような」チカラ、という意味で、人が名付けたモノです。
また、呼び出される天使たちも、まさかに「ホンモノ」ではないでしょう。
おそらく、ジョジョでいう「スタンド」(※)のようなものではないかと思われます。

※スタンド・・・精神エネルギーが、ヒトやモノの姿形になって現れたモノ。
        エネルギーだから、変換することで、様々な能力を発揮する。

感情

剣風帖の攻略本などに載っている「人物相関図」において、

各自の対人感情が設定されております。

我らが葵姫の欄には――

 

「嫌いな人……比良坂紗夜  理由……生理的にイヤ

 

との意見を載せてあります。

しかし、これを理由に、「黒い」性格が垣間見える、などと陰口を叩かれている様子。

なんということでしょうか。

 

当たり前ですが、葵姫も人間です。

たとえ、全人類に優しさを振りまくことは出来ても、全人類を愛せるわけではありません。

当然、嫌いな人物も居ることでしょう。

それを「黒」だというのなら、全人類ただの一人として「白」などいません。

 

しかし、問題点はその「理由」にあるようです。

「生理的に――」という点。

ヒトは、害虫などに対して、「生理的」に嫌悪感を持ちます。

襲ってきたところで、大した危険もないのに、大げさに怖がったりします。

つまり、特に理由もなく「とにかく寄られるだけでイヤな存在」というものがあるわけです。

そして、「同じ人間」に対して、そういう感情を持てるということ――。

それをして、「黒い」性格と言いたいのでしょう。

 

しかし、ちょっと待ってください。

対象となった相手の名前を、今一度確認して欲しいのです。

 

「嫌いな人……比良坂紗夜

 

紗夜ちゃんは、デートシーンなども含み、主人公とのロマンスが描かれる、

言うなれば「裏のヒロイン」です。

主人公自身も、そのインパクトある出会い、その置かれた哀しい境遇、

そして悲劇的な別れと劇的な再会に、心を揺らしている様子です。

 

ということは、主人公を「運命の男性(ひと)」と感じている葵姫にとっては、

紗夜ちゃんは、強烈な「恋敵」ということになります。

 

キュートな見かけによらず積極的な紗夜ちゃんは、

「自分を伝えること」の下手な葵姫にとっては、凶悪なライバルでしょう。

「嫌いな人物は?」と聞かれて、思わず名を挙げてしまったのも、無理もないことかと。

言ってしまってから、自分の口に手を当てて驚いたかもしれません。

 

しかし、感情をさらけ出すのが苦手なのだから、

理由を聞かれても、「恋敵だから」とは言えないかと思われます。

それを言えば、他人に主人公のことが好き――と告白することになってしまいますし、

この時点では、自分のそんな気持ちに、気付いていないかもしれません。

「あっ、あの、よくわからないけれど、とにかく苦手なの……」

――とか、しどろもどろに答えた言葉を、取材した記者(アン子か(笑)?)が、

勝手に「意訳」して、ああなったのではないかと。

 

というわけで、あの対人感情表は、葵姫の「黒さ」の表現などでは決してなく、

主人公への恋心恋敵への敵対心

しかし他人をそんなに嫌える自分の心に怯える優しい心――。

そうした微妙で複雑な乙女心を表したものだと見るべきかと思うのですが、いかが。

 

 

※もちろん、紗夜ちゃん「なんとなく嫌」も、同じ理由だと思われます。

 

弁護

文庫




戻る