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気がつくと、目の前に、妖精の≪キュレネー≫がいた。
――目が、醒めたらしい。
「なんだか、うなされていたよ。大丈夫?」
「――夢を、見た」
「夢? なにか、思い出せそうな内容?」
「……いや、かえって混乱したかも知れないな……」
私は、苦笑しながら、身を起こした。
「ところで、これからのことなんだが……」
「あ、そうそう。そのことで、お話があるんだったわね」
なんだか、困ったような顔で、≪キュレネー≫は口を濁した。
「でも、もう朝ご飯できてるから……いっしょに食べながら、お話ししましょ」
なんだか言い難い様子なので、それ以上何も言わず、ゆっくりと立ちあがると、光
の粒を宙に残して飛び去る≪キュレネー≫を追って、次の間へと向かう。
焼きたてのパンと、あたたかいスープの匂いが、私を迎えてくれた。
「さあ、座ってね」
キュレネーは、いつのまにか人間の姿に戻っていた。
「だって、妖精の姿じゃ、椅子にも座れないし――スープも飲めないでしょ?」
にっこり笑ったキュレネーと、向かい合わせで椅子にかける。
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