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☆猪突猛進ドスファンゴ
オトモアイルーたちに、「無理せずドスファンゴでも狩ってくるニャ」と、お手軽モンス扱いされ
る、デカ猪ドスファンゴ。
初級クエの中にも、そのドスファンゴ狩りのクエがあるので、装備もだいぶ整ったし、初お目見え
と行きましょうか。と、気軽に出かけた討伐クエ。
ぶんぶん突進してくるので、ダメ食らうと回復してる余裕がなかなか見つからないものの、単調な
攻撃だし、威力もそれほどでもないので、特筆するような出来事とてなく、猪さんは終了。
よしよし、確かに簡単だったな……と、素材を剥ぎ取りに移行とした瞬間!
「WARNING! WARNING!」
ハデなサイレン音とともに、なにやら急を告げるメッセージが。
新たなモンスターが登場だと? これがウワサの、飛び入りボス戦?
そして、ムービーが。青い毛皮やトゲトゲの装甲は、どことなく熊さんことアオアシラを彷彿と
させるものの、明らかに体躯がデカい上、全体的に尖がったシルエット。トゲの合間にバリバリと雷
を纏っているところが、まるで違う存在であることを示している。
「危険なモンスターです、『村に帰る』で帰還しても、クエスト報酬は得られます」
物騒なシステムメッセが。まったくのイレギュラー扱いか。しかもどんだけ強いんだ。
本来、もっと弱っちい状態で挑むクエだろうし、ムダに素材集めとかして装備とオトモたちを鍛え
た自分なら、そこそこやれるかな? などと思い、ツツいてみることに。
いったんキャンプに戻って、新たな支給品をちょっぴり貰い、拾ったアイテムは宅配アイルーに任せ
てっと。いざ、勝負。
☆ジンオウガの雷
猪ドスファンゴを倒したのと同じ森に、そいつは居た。バリバリと雷をまとった巨躯を、ありえ
ないほど素早く、しなやかに動かして。
やたら咆哮してる隙に、背中から仕掛ける! 卑怯? 戦いです! ……が。カーン! という甲高
い音と共に、刃は弾かれた。装甲、硬っ!
動きも攻撃も素早くて剣呑だけど、いちいち動きを止めて咆哮するので、横合いからなら攻撃の
隙はある。あるのだが…… ぶおおおおおお!電撃をまとっての回転ジャンプから、横ざまにボディ
プレスするのはヤメテー! 回転ジャンプの他にも、なにやら電撃のブレスみたいなのも撃ち出すし、
そこそこ鍛えたはずのオトモたちが、あっという間に全滅したよ。
が。帰ろうと思えば帰れるのだ。やれるとこまで、やってみ……ガオオオオオオオオオオ!……う
わ、正面から咆哮受けたら、耳塞いで立ち往生しちゃったぞ。やべえ。避けるんだよおおおお!
どっかーーーん。ジャンプしての両前脚プレスに捕まり、大ダメージ。さらにピヨったところに
追撃ががががが……「力尽きました」はぅ……。
もう一度だけ仕掛けるも、今度は電撃を纏った攻撃にシビれさせられ、ボディプレスとタックル
と電撃爪エトセトラな攻撃に翻弄されて、またしても乙りました。
うーん、動きはまだ初級用に呑気モードしているようだし、薬とか道具とか、もちょっと揃えれば、
もしかするかもしれないけど……今はまだムリっぽ。帰還。
村に帰ると、村長さんからアレは「“雷狼竜”ジンオウガ」というヤツだと教えてもらった。
アオアシラが頻繁に村周辺に現れるようになったのは、ソイツのせいで森の奥から追い出されたの
ではないかという推察も。熊さん、被害者でもあったのね。
退治してほしいが……もっと力を付けてから、改めて依頼するという話である。うーん、次は本気
モードで来るということか? 初級クエのラスボス的存在? むう、もっとイロイロ持って行ってれば、
油断を突いて倒せたかもだがなあ。いや、二回食らっただけで乙ってたから、まあムリかな。
☆次回、炎の三連星に、つづく!
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