「おはよう、朝食持ってきたけど食べられるか?」

 朝、起こしにきてくれたのはカガリ。

「……何とか」

 あの後、何回キラに抱かれたのか忘れた。破瓜の痛みと、最後には気を失ってしまったことは覚えている。
 朝、目覚めたときは、彼の姿はなかった。でも、夢じゃないことは体中で感じたことが忘れさせてくれない。
 ワゴンの上の食事を用意してくれている彼女をぼんやりと見ていて、私ははたと思い出した。

「カ、カガリ……私の記憶が戻ったこと……」

「知ってるさ。っていうか、お前が知らせてきたんだろ?」

「へ?」

「そこでそういう反応するか? 今朝早く、虎の所にメール入れてたくせに。
 さて、お前着替えるよな。今日一日は静養してていいけど、明日からローテーションに入れって」

「え、あ、きゃカガリ! 自分でできるっ!」

「女同士なんだから遠慮するなって……あ……」

 の体に無数に残されている赤。その数はその行為の激しさを表していて。
 直視したカガリが、少しずつ顔を赤らめる。

「……あは、あはははは……」

、シャワー直行! 着替えは用意しておいてやるから!」

「はいっ!」

 ばたばたと目的地に向かった彼女の背中を見送り、カガリはこの後の展開が用意に想像できた。



「相手は衰弱してんのに、あいつは手加減を知らないのか?」

 暴走機関車のような弟に対し、血の繋がりを呪った瞬間でもあった。





「……キラの逆立ちかば。本当につけすぎだよぉ……」

 鏡に映した自分の姿を見て、私は思わずため息。カガリが赤面するのも頷けた気がした。

「これは当分襟の開いた服は着られない……」

 軍服、どんなのだったっけと思いながら、私はシャワールームから出る。
 バスローブのまま部屋に戻ると、カガリの姿はない。
 ベッドの上には新しい軍服と、走り書きのメモのみ。



 『食事を済ませてきっちりと着替えたら、顔見せのために一度ブリッジまで出てこいよな』


「……相当刺激的だった?」

 メモの『きっちり』という言葉に幾重にも線を引いてある。
 苦笑した私は、とりあえず『きっちりと』着込んで、用意された食事に手をつけた。