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第 7 章 図形動作の機能強化

セクション 3   カスタム プロパティ

図面の図形の外観は、どんなに洗練されていても、必要なものがすべて揃っていることはめったにありません。図形が表す実体には、部品番号、価格、発注数量や在庫数量、名前、日付、住所、電話番号、メーカー、供給元、顧客、寸法、材料、引張り強度などに関連した重要なデータが付随しています。図面内にこの種のデータを取り入れると、分析とコミュニケーションの強力なツールとなります。

シェイプシート (ShapeSheet®) でカスタム プロパティを定義したり、[カスタム プロパティ] ウィンドウや [カスタム プロパティの定義] ダイアログ ボックスで作業することによって Visio® 図形とデータを関連付けることができます。カスタム プロパティごとに固有名を付け、オプションで、データの種類、書式、デフォルト値などの他の特性を設定します。

ここでは、シェイプシート数式を使用して、カスタム プロパティを定義し、編集する方法を説明します。また、オートメーションを使用して、他のデータ ソースから Visio 図面に情報を統合することもできます。詳細については、「第 20 章 Visio ソリューションとデータの統合」を参照してください。

このセクションの内容...

カスタム プロパティの使用

カスタム プロパティの定義

カスタム プロパティのマスタシェイプへの追加

カスタム プロパティとデータベースとのリンク

カスタム プロパティの使用

カスタム プロパティを使用すれば、ソリューションが豊富になり、カスタム プロパティが記述する実世界のシステムをより忠実に反映できる可能性が増します。シェイプに関連付けられたデータに対して実行可能な操作は次のとおりです。

データは常に表面に現れるものではありませんが、図面にデータを表示したり、データが変更されれば図面も変更したいことがあります。図形のカスタム プロパティを次の目的で使用することができます。

カスタム プロパティは、外部ソースからのデータのコンテナの役目をしたり、図面の図形に対するデータ入力のインターフェースの役目をします。カスタム プロパティ データが、図形内だけに存在するか、外部ソースと関連するかは、開発者が決定できます。

たとえば、カスタム プロパティを使用して、在庫管理リストを更新することができます。在庫パーツを表すマスタシェイプを含むステンシルを作成することができます。各マスタシェイプに対して、「名前」、「単価」、「数量」のカスタム プロパティを定義することができます。図形を作成したときにこれらのプロパティの値を設定することも、ユーザーが図形を使用する際にパーツの名前、コスト、数量を入力できるようにしたり、これらの入力をユーザーに促すように設定することもできます。

 



在庫管理リスト用のカスタム プロパティ

  1. カスタム プロパティのある図形
  2. ここに入力される値は [Prop.Cost] セルの値です。

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カスタム プロパティの定義

図形、グループ、マスタシェイプ、ガイド、ぺージ、または図面などの、シェイプ シートによって表されるオブジェクトのカスタム プロパティを定義して、文字列、数値、ブール演算型、日付や時刻、期間、通貨、固定リストまたは変数リストのデータを保存できます。カスタム プロパティは、名前とセルを定義したシェイプシートの行として保存されます。Visio のメニュー コマンドを使用して、カスタム プロパティを表示し、変更することができます。また、情報からレポートを作成したり、他のシェイプシートのセルの値を参照することもできます。カスタム プロパティは、図形やぺージにデータベースのようなフィールドを関連付けるための 1 つの方法です。

カスタム プロパティを作成してデータを保持するが、[カスタム プロパティ] ウィンドウにデータを表示したくない場合は、[Invisible] セルを TRUE に設定することによって、[カスタム プロパティ] ダイアログ ボックスに表示されないカスタム プロパティを作成することができます。GUARD 関数は、[カスタム プロパティ] 行の [Value] セルのデータを保護することはできません。

[カスタム プロパティ] セクションをシートに追加したり、[カスタム プロパティ] ウィンドウで作業することによって、1 つの図形またはぺージにカスタム プロパティを定義することができます。ステンシルを編集する場合、インスタンスにもプロパティが含まれるようにステンシルのマスタシェイプのカスタム プロパティを定義すると、より効率良く編集できます。[カスタム プロパティ エディタ] を使用すれば、ローカルまたはスタンドアロン ステンシルのマスタシェイプのカスタム プロパティを定義することができます。

[カスタム プロパティ] ウィンドウは、ぺージや選択した図形に関連付けられたカスタム プロパティを一覧できる便利なウィンドウです。また、これらのプロパティに値を入力するためのインターフェースにもなります。

 



[カスタム プロパティ] ウィンドウのカスタム プロパティに新しい値を入力することができます。

[カスタム プロパティ] ウィンドウを使用してカスタム プロパティを図形やぺージに追加するには

  1. [表示] メニューから [ウィンドウ] をポイントし、[カスタム プロパティ] ウィンドウを開きます。
  2. カスタム プロパティを追加する図形を選択するか、ぺージにカスタム プロパティを追加する場合にはページをクリックします。次に、[カスタム プロパティ] ウィンドウで右クリックし、ショートカット メニューから [プロパティの定義] を選択します。
  3. [プロパティ] ダイアログ ボックスで、[ラベル]、(シェイプシート ウィンドウの行名と一致する)[名前]、[種類]、[書式]、[値]、[プロンプト]、[並べ替えキー] に値を入力します。
  4. 「新規作成」をクリックして、カスタム プロパティを追加するか、[OK] をクリックして、ダイアログ ボックスを閉じ、カスタム プロパティを図形またはぺージに追加します。

シェイプシート ウィンドウを使用して図形またはぺージにカスタム プロパティを追加するには

  1. 対象の図形を選択するか、図面ぺージの空き部分をクリックして、[ウィンドウ] メニューから [シェイプシートを表示] を選択します。
  2. [カスタム プロパティ] セクションがない場合は、[挿入] メニューから [カスタム プロパティ] を選択します。[セクションの挿入] ダイアログ ボックスで、[カスタム プロパティ] をクリックし、次に [OK] をクリックします。
  3. シェイプシート ウィンドウの [カスタム プロパティ] で、赤のテキストで表示される [行] ラベルの [Prop.Row_1] を選択します。数式バーに、内容がわかる名前を入力します。
  4. たとえば、「Unit_Cost」と入力して、カスタム プロパティ [Prop.Unit_Cost] を作成します。[行] ラベルに表示される名前は、その行の [値] セルのセル名です。セルの参照ではこの名前 (たとえば、「Prop.Unit_Cost」) を使用します。

  5. [Label] セルに、このプロパティの [カスタム プロパティ] ダイアログ ボックスに表示されるラベルを入力します。
  6. たとえば、「単価」のように入力します。Visio エンジンは、自動的に文字列を引用符で囲みます。

  7. [Prompt] セルに、プロパティが選択されたときに [カスタム プロパティ] ダイアログ ボックスに表示される説明文または指示文を入力します。
  8. たとえば、「パーツの単価を入力してください。」と入力します。Visio エンジンは、自動的に文字列を引用符で囲みます。

  9. [Type] および [Format] セルに、カスタム プロパティ値のデータの種類と書式を入力します。
  10. 詳細については、次の表を参照してください。

  11. このカスタム プロパティが [カスタム プロパティ] ダイアログ ボックスに表示されないようにするには、[Invisible] セルをゼロ以外の数値 (TRUE) に設定します。[Ask] セルをゼロ以外の数値 (TRUE) に設定すると、図形のインスタンスが作成されるたびに、[カスタム プロパティ] ダイアログ ボックスが表示されます。

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マスタシェイプへのカスタム プロパティの追加

図形に追加する場合と同様に、カスタム プロパティをマスタシェイプに追加することができます。ただし、同時に多くの図形のカスタム プロパティを変更する必要がある場合は、[カスタム プロパティ エディタ] ウィザードを用いると便利です。特定ステンシルの一部またはすべてのマスタシェイプ、現図面の図面マスタシェイプ、あるいは別の図面のマスタシェイプを修正することができます。

マスタシェイプにカスタム プロパティを追加するには

  1. [ツール] メニューから [マクロ] をポイントし、[カスタム プロパティ エディタ] を選択します。
  2. 画面の指示に従って、編集するマスタシェイプを指定します。

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カスタム プロパティのデータベースへのリンク

図形にカスタム プロパティを定義すると、データベースにデータをリンクすることができます。図形とデータベース レコード間の接続を確立することによって、データの視覚的表現として機能する Visio 図面を作成することができます。

データベース ウィザードはこのプロセスを自動的に実行します。データベース ウィザードは、[カスタム プロパティ] セクションのシェイプシート セルの値を、Microsoft Access 7.0 や Microsoft SQL Server、または Oracle などの Open Database Connectivity (ODBC) 標準に準拠したアプリケーションで作成されたデータベースとリンクします。データベースを更新すると、その更新を反映するようにシェイプシート セルの値をリフレッシュすることができます。図形とレコードの接続を確立すると、Visio 図面とデータベースとの間で情報を交換し、2 つのデータを同期することができます。

図形をデータベースにリンクすると、データベース ウィザードは、[カスタム プロパティ] と [ユーザー定義セル] セクションを図形のシートに追加します。ウィザードは、データベースの主キー、シェイプシート セルにリンクされるデータベース フィールド、およびユーザー定義セルのデータベースから検索された最新の有効データに関する情報を保存します。

このウィザードを実行するには、[ツール] メニューの [マクロ] をポイントします。次に、[Visio エキストラ] をポイントして [データベース ウィザード] をクリックします。オプションの詳細については、ウィザードの [詳細] ボタンをクリックします。あるいは、Visio 製品付属のオンラインヘルプ「開発者用リファレンス」 ([ヘルプ] メニューから [開発者用リファレンス] を選択)の「データベース ウィザード」を検索してください。

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