実際のオブジェクトを表す図面の場合、原寸との差が大きすぎて描画が難しかったり、原寸が用紙サイズよりも大きいことがあります。このような場合は、ページ サイズに合わせて縮尺する必要があります。たとえば、建築系のレンダリングなどでは、実際の家の 1m は図面ページ上で 2cm として表現する場合があります。フローチャートや組織図のような概念図の場合は、抽象的なオブジェクトを示しているので、縮尺を設定せずにシェイプの実際のサイズで図形を作成します。
Visio® では、原寸のサイズが "図面単位" になります。上記の家の例では、1m が図面単位です。これに対し、"ページ単位" とは印刷ページのサイズで、上記の家の例では 2cm になります。このページ単位と図面単位の比率を "図面縮尺" と呼びます。
オブジェクトのサイズや位置が記述されたシェイプシート (ShapeSheet®) のセル、つまりほとんどのセルでは図面単位が使用されます。テキスト書式やインデントなど、印刷ページ上での寸法を表すセルは、ページ単位で示されます。図面縮尺を変更した場合、図面単位で表現されているシェイプシートのセルはそのまま残りますが、図形は新たな縮尺で再描画されます。
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図面縮尺とページの縮尺との関係を理解するために、下記の図に示すようなプールを考えてみましょう。これは、太さ 1 ポイントの線で描画され、8 ポイントのテキストでラベルが付いた長さ 25m、幅 10m のプールです。
図面縮尺 2cm = 1 m (1:50) とした場合、このプールの図は長さ 50cm、幅 20cm で描画されます。この図面縮尺を 1cm = 1m (1:100) に変更した場合、プールの寸法は長さ 25m、幅 10m のままですが、プールの図は長さ 25cm、幅 10cm になります。縮尺にかかわらず、描画の線のサイズは 1 ポイント、フォント サイズは 8 ポイントのままです。
図面単位では、図面縮尺とは関係なくプールは 25m × 10m になります。
テンプレートに適切な図面縮尺を設定するには、次のことを考慮してください。
たとえば、ユーザーが 21cm × 30cm の用紙を横向きにして家の設計図を印刷するとします。図面縮尺が 2cm = 1m の場合、印刷ページに余白を設定しないと仮定すると、図面ページは 10.5m × 15m になります。10.5m × 15m の面積では、家が横向きの設計図に収まりきらないことがあります。このようなときには、1cm = 1m や 1cm = 2m などにして、縮尺の比率を上げます。
ヒント 図面単位では、距離以外
を表すこともできます。図面単位として時間、日、週、月などを設定すると、距離ではなく経過時間をページの縮尺として使用することができます。たとえば、プロジェクト タイムライン図の図面単位として、経過した週 ([シェイプシート] の数式では "ew") を使用できます。使用できる単位の一覧については、Visio 製品付属のオンラインヘルプ「開発者用リファレンス」で「測定の単位」を検索してください。
ページの図面縮尺を設定するには
[ページ サイズ] タブの値は、選択した縮尺と用紙サイズにしたがった図面寸法の単位を表します。
または、[縮尺を指定] を選択し、縮尺比率を入力すれば、任意の縮尺を定義できます。
オプションの詳細については、[ヘルプ] をクリックしてください。
ヒント 作成するマスタシェイプをテンプレートのページに設定されている図面縮尺に合わせるには、マスタシェイプ編集を行ってからマスタシェイプの図面ウィンドウで上記の操作を繰り返してください。詳細については、「セクション 2 マスタシェイプの縮尺の選択」の「マスタシェイプの縮尺の設定」を参照してください。