五行推命学研究所
五行図による安田式四柱推命学(五行推命)に関する情報サイト


高木乗流の特徴

 日本推命学研究会(NSK)は安田靖先生(会長)が、考案された五行図による新しい時代の四柱推命学=「五行推命学」を提唱していますが、 高木乗の流れを汲んでいますので、命式表の作成や、看命の観点等の基盤となっているのは、高木乗の四柱推命です。ここでは、その高木流の四柱推命と、巷間に広く行われている阿部泰山流、その他との主な違いを解説しています。


【高木乗の命理学について】

 高木乗は「四柱推命学」という用語よりも、「命理学」という言葉を好んで使っていました。実際、彼が主宰していた会を「命理学会」と呼んでいます。 (※初代・高木乗が昭和5年に「命理学会」を設立した40年も後に、武田考玄氏が「日本命理学会」という会を作ったので、二代目の高木乗はパクリだ!と怒っていたようです。法的に問題なくても、良識の問題ですね。)

 高木乗の四柱推命学が他の流派、特に阿部泰山系の四柱推命と違う点、主な特徴について列挙してみます。

@地支よりも天干を重んじる
A大運が各年運を採用している。
B天徳貴人を発掘し、活用している。
C黄金律星と呼ばれる独自の星を算出し四柱に加えて、これを「神蔵殺没法」と呼び、五柱推命としている。

 上記の中でも@は、高木乗の四柱推命を理解する為には最も重要な部分です。この点について、高木乗自身が述べている文章を、下に引用します。

従来行はれてゐる坊間の四柱推命術は、干を重んじないで支を重んじてゐる。所が高木乗の命理學は支を重んじないで干を重んじてゐる。之等は何れを先、何れを後にすべきものではないが、干が主であり、支が従であることは命理の本質から考へて明らかである。否実は干支相俟って見るべきものであるが、干を支と何れを取って先に用ふるかとなると、それは勿論干である。干で見る法は複雑であるが的中の正確さは支よりも餘計である。

『淵海子平』巻一に次の如き句がある、
 蓋し干を以て天となす、能く動いて静かなる能はず。支を以て地となし能 く静かにして動く能はず。

 故によく動く干で見る法は変化に富みて的中自在であり、動かない支で見る法は千べん一律でゆう通が能かず、誰にも彼にも同じような判断をするので的中の率が少なくなるのである。高木乗は始め、この支によって人に判断されたが、今日にして見れば全く反対の事象が現はれてゐる。従って早くこの支のみて見るの法を棄てたのである。

 命理にて、支のみ取って見る法は短法であり、命理学の片輪であり、浅薄な法であり、完全な命理学ではない。 と断言することである。前にも示したやうに、天動くのを見ずして、地の動かざるものを見て、何ぞその理法を尽し得んやである。

 然して干を主とし、支を従とするは、命理の法が日干を以って主とする組織であるのでも知られ、内外の十八格の如き、多く干を用ひ、諸種の例また干を重んじてゐるのでも分るであらう。
」(『続篇 實践命理学講座(第一講、前書)』より)  ※仮名使い等は原文のママです。


 Aの大運の違いも重要な問題ですので、後日、解説文をアップする予定でいます。


初代・高木乗について