<SC-88のピアノ[0](ホールド1オン)の n による波形変化>

(グラフの補足説明):
 横軸:時間(秒)
 縦軸:測定した電圧(V)
 青い点:測定ポイント
赤い線:隣り合った測定ポイントを結んだ線
四角の中の数字: n の値

1) パラメータ n の変化によって減衰はどう変わるか
SC-88の減衰のようす
 右の図は,「ピアノ(ホールド1オン)」音の n = 0, 20, 50, 90 のときの減衰のようすを見たグラフです。
 このグラフのように,時刻 td0 秒までは,n の値を変えても波形は変化しませんでした。
 そして,td0 秒以降は図のように, n の増加とともに減衰が緩やかになりました。

 また n = 20 のグラフの デルタtd は,「td0 秒での”振幅”が,さらにその 1/10 になるまでの時間」
を表したものです。

 なお,n = 0 のグラフを拡大して見た結果,

 td0 = 0.340 秒

でした。ここで注意しておきたいのが,td0 がこの測定におけるゲートタイム(いわば,「鍵盤を押し続けている」時間)である 0.25 秒を過ぎていることです。つまり,「ホールド1オン」にすると,他のパラメータ(リリースタイムなど)を変更いない限り,必ず最低 0.34 秒間は音があまり減衰しないで持続する,ということになります。

2) 振幅が 1/10 になる時間 デルタtd の変化
SC-88の減衰時間
 右のグラフは,n を変えたときの デルタtd の変化を見たものです。上が「そのまま」グラフにしたもの,下が縦軸の デルタtd の値を対数目盛りで示したものです。
 この図で n = 0, 20 のデータがないのは,n = 0, 20 のときの デルタtd が判定不能(*1)だったからです。
 右下のグラフでは,n = 20 〜 70 くらいまでは直線に近い感じで増加しています。このことは,そこでは,n が 1 増加したときの デルタtd の増加率がほぼ一定(*2)であることを示しています。
 また n = 80 くらい以降では デルタtd がほとんど(n = 90 以降では全く)変化していないことから,n = 80 くらい以降では,n の値の違いにほとんど意味がないことがわかります。

[メモ]
(*1) ノートナンバー 69 の音の周波数は 440 Hz ですから,その周期は約0.0023秒です。したがって デルタtd がその数倍以上でないと「判定不能」となります。

(*2) 「デルタtd(n+1)/デルタtd(n) の値は,n = 20 〜 70 くらいまでは,n によらずほぼ一定である」ということ。なお「縦軸が対数目盛のグラフが直線になるときは,”増加率”が一定である」ことの理由が知りたい方は,こちらへどうぞ。(ここでは一部で,高校 2 年程度の数学の知識が必要です。)


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