「椿姫」 -yumiko- |
演出・選曲/中原 由美子 演出・振付/地主 律子 美術/岡林 里依 衣裳/西原 梨恵 |
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デュマ・フィスの小説「椿姫」を読むことから作品創りが始まりました。
椿の花に囲まれ“椿姫”と呼ばれる、貴婦人の香り漂う娼婦マルグリット。
パリの社交界で奔放で虚飾な日々を送っていたマルグリットは、純情多感な青年アルマンによって真実の愛に目覚め、純粋でひた向きな恋の喜びを知ります。ところが、アルマンの父に息子との別離を求められ、マルグリットは心乱されます。しかし、アルマンを真に愛することは別離しかないと悟り、彼のもとを去り、病の床でひとり命を閉じるのです。
哀しいこの物語を単に筋をなぞるだけでなく、マルグリットの心象模様を中心に私と4人のコロス(物語を進行させる役)で約35分の作品に仕上げました。
音楽はラフマニノフの交響曲第2番を使い、全体を4つの景に分け、装置・照明の変化で場面と心象の変化を表しました。 |
一景 ― 翻弄
二景 ― 華
三景 ― 苦悩
四景 ― 哀しみ
光へ |
舞台全面を覆う白い布の中央に椿姫。運命に翻弄される様。
コロスの助けで白い布をぬける。
引き抜きのごとくバイオレット色のドレスに変身。
社交界の華々しい椿姫。
別離を迫る黒い影(4人のコロス)に囲まれ、決別の覚悟。
白い影に伴われ、寝台に横たわる白い夜着の椿姫。
ひとり病の床に崩れ、花びらが落ちる様に命を閉じる。 |
振付の地主律子さんと長い時間をかけ演出を練り、試行錯誤を繰り返しました。そしてスタジオで動きをつけ始め、そこに舞台美術の岡林里依さんと衣裳の西原梨恵さんに加わってもらい、イメージをふくらませてもらう作業が始まりました。まさに四者共同の作品創りを続け、さらに、舞台監督・照明・音響・裏方の職人技に助けられ、舞台で私の“椿姫”を演じることができました。 |
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