1999/7/20(祝)                  

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執務室を辞去する(トップページへ)

システム:GURPS「ルナル」
(SteveJacksonGames、グループSNEと友野詳、富士見書房)
マスター:そうのすけ君


ねぇ、7/20っていつから祝日になったんだ?(←バカ)

カレンダーを見ると、赤色の日(日・祝)はぶっ続けでTRPGをやっている。
仮にも社会人であるのに、これは幸せなことなんだろうか?
それとも「バカ」なんであろうか。
俺にはどうも「バカ」に思える(^^;。
 
さてGURPSだ。
俺の友達では、今回のマスターのそうのすけ君が、いっちゃんのフリークだ。
日本での販売権は最近角川から富士見に移った。
多分ルナルもその時に移ってると思うけど・・・。
 
GURPSというルール、個人的にはシステムは可も無く不可も無くだ。
元々はスティーブ=ジャクソンが発表した「Melee」と「Wizard」という
2つのシステムを統合したものだ。
日本では「幻のユニコーンクエスト」という名前で出ていた。

1987年に大日本絵画からGameGraphix(絶版)の別冊として出版された、
TRPGシステムの解説書「Excallibur」(絶版)には、
GURPSは結構ボロクソに書かれている。
 
無断を承知で引用するけど、良いでしょ(^^;。
 
 (前略)「あえて初めから汎用システムを作り、後から設定をつけていくのは
 暴挙以外の何物でもない」米国のゲーム誌にそう評されていましたが、全く同
 感です。GURPSは読まなければならない量が多くなっただけで、結果は良
 くなっていないのです。(中略)
  システムに関してまず言えることは「プレイアビリティーは決して高くない」
 ことです。全体に煩雑な点は否定できません。(中略)
  次に”GURPS Fantasy”についてです。魔法は個々の呪文をスキ
 ルとして覚え成功率のチェックによって使用します。その際ポイントコストとし
 て体力を払うこと、土地に存在する魔法のエネルギーの量によってコストが変化
 することがシステムの根本ですが、どちらかというと魔法の杖の意義や、儀式に
 よる呪文の使用、インスタント・マジックアイテムetcの様々な面白そうなルール
 に、ともすれば幻惑されてしまうのが普通です。ページのコラムは無視し、見出
 しを見て不要なものは飛ばす、というこのメーカーのルールの読み方を早くマス
 ターしないと、永遠にシステム全体を掴めません。キャラクターの創り方は、
 100ポイントを好きなように払って、能力値や特殊能力(幸運、第6感など)、
 スキルを獲得する方法をとっており、HeroSystem同様、ハンディキャップを背負
 うとポイトン(※注:原文まま。誤植と思われる)を増やすことも出来ます。戦
 闘はアクションパターンを選び、更に攻撃及び防御方法を選びます。その上で更
 にダメージは武器によって計算法が違うという・・・。(もう気が狂いそうにな
 ります)
  結論として、RPGというよりも高価な資料であるということです。散在する
 良い小ルールを活用して別のRPGに生かして下さい。
                          (ライター:不明)
 
ライターに関しては個々の記事に名前が記されていなかったので、
10人以上いる、このムックのライターからは判断できない。

まぁ、以上の記事を客観的に読むと嘘は書いていないな。
ただ個人的には、書かれているイメージ程、難解なルールではないと思う。
上記はGURPSが出版された1986年から、1年しか経っていない
時期の記事ということも考慮して欲しい。
第一、「全ての判定を3D6の下方ロールだけで行える」という良い特徴を
上記の記事では書いていない。
このため、実際遊んでみるとあんまり面倒くさくないよ。
よっぽどRQの方が面倒くさいぜ。

確かに、今日初めてTRPGをやる入門者にルールブックを渡しても
理解不可能なシステムだと思うが、TRPGの中級者以上なら、
自由なPCメイキングを楽しめる個性的なシステムだ。

もう一つ長所を挙げよう。
完全にランダム性を廃したキャラメイクシステムだけに、
キャラクターの「価値」を客観的にとらえることが出来る。
そのために「TORG」のような、物理法則が異なる世界のキャラクター同士も、
「一応」同じ舞台に載せる事が出来る。
しかも、そのキャラメイクにおける長所・短所の取得方法は、
ある程度規則だっているために、慣れたマスターなら、
自分で同人世界(サプリメント)を設定することも可能である。

余談だが、WWW上にはGURPSのファンサイトは結構多い。
WWW上には(URLは挙げないが)GURPS「ジョジョ」や
GURPS「Gガン」等の同人サプリも存在する。
極論、ディオ=ブランドー(JOJO第3部)対シャイニング・ガンダムという
戦いも、GURPSを使えば可能なのだ。
(面白いかどうかは別にしてな。)
 
GURPS「ルナル」は、こういったGURPSの
サプリ作成が容易な特徴を使って、
グループSNEが作ったオリジナルのファンタジー世界サプリメントだ。

結構しっかり作られている世界で、「ロードス島」のように
小説もリプレイも追加ルール集も数は揃っている。
惜しむらくは、日本では文庫版が絶版(在庫限り)になってしまって、
無意味に高いハードカバー版に現行版が移行してしまったことだ。
(何の意味があるんだ? GURPS参入者の敷居を高くしてどうする?
富士見文庫で出しゃあいいだろ。)
 
「ルナル」という世界は、角川のスニーカーやG文庫でかなり練りこまれていた。
「グローランサ」の良いところ(カルトの存在等)を
日本のヤングアダルト向けに遊びやすくしたもので、
オールドファンの俺としては珍しく、結構評価している。
「RQ90’s」やってるよりはよっぽど楽しいと思うぞ。
一応、富士見でサポートが続くみたいだしね。
 
オールドファンには「SNE嫌い」という人が多いが、俺は遊びやすいルールを
「それなりに」サポートし続けるSNEがそんなに嫌いじゃない。
(「ウォーハンマーRPG」のように、雑誌が潰れたせいかサポートが切れたのも
結構あるがな・・・。これは資本主義社会の運命なのか? 
日本のTRPGメーカーの体質なのか・・・?)

 
システムへの感想は以上。セッションのポイントを綴ろう。
この1話完結連作キャンペーン(日曜冒険者ものとも言う)は
俺がそうのすけ君に頼んで始めてもらったものだ。感謝。
今回は第3話だ。

おいらは、おねーちゃんキャラだ。
名前は「ブレンダ=シュテロッチ」。アルリアナ(信仰している神様の名前ね)の
神官で、打撃系格闘技を使う17歳の娘っこだ。
普段は、バドッカ(街の名前ね)の「右目」地区の「6ゾロファンブル亭」で、
ウェイトレス兼用心棒を務めている。
金髪セミロングに、ウェイトレス型ヘビーレザー(?)とふりふりエプロン、
加えて「シールド・バトン」という、アルリアナ信者特有の、
トンファーみたいな小型盾を両手に1つずつ持っているお転婆娘だ。
格闘バカで美形に惚れっぽい、ミーハーな娘である。
 
キャラのモデルは「ルナル・サーガリプレイ」第2部に登場する、
リーシャっていう格闘娘(好きなんだが、あのしゃべり方と、有利だからって
「後ろ回し蹴り」ばっかするところは何とかして欲しい・・・(^^;)
プラス、なんとなくポスターを見た「ヴァリアブル・ジオ」だ(はは・・・)
コンセプトは「戦うウェイトレスさん」なのだ。

名前はファーストネームをマキ夫人のSWのPCから、
「無意識」にパクってしまった。
(某閣下と同じだな、コリャ(^^;)
セカンドネームは「ファンタズム・アドベンチャー」という
昔のTRPGシステムの、機械を司る神から取った。
響きが良いっていう理由だけ・・・(^^;。
 
かくもいい加減な我がPCだが、(今日は不参加だが)マキ夫人の好意によって
彼女の女性PCと双子の設定なんぞ結んでもらっている。ブレンダは妹だ。
姉PCの名前はアレクシスである。マキ夫人のサイトも参考にされたし。
アレクシスはおしとやか、ブレンダはお転婆という対極性を、
「双子」という特殊なつながりで楽しませてもらっている。
 

今日の一緒のPCを、3人しょ〜か〜い。
 
ベランジェール=ランシュバイク(通称:ベラン)(あず嬢):
個人的に好感度No.1のPC。
ガヤンに仕えるシブめの兄ちゃんで、頼りになる法の守護者。
ナナフィーユという「美人」で「足手まとい」な奥さんがいる。
実は(ここでは明かせない)暗い過去を、夫婦は共有しているのだ。
戦闘時に正面を引き受けてくれる頼もしさだけではなく、
シティーアドベンチャーでは、捜索・交渉系技能でも大活躍する。
PCの性格もしっかりしているので、実質仲間うちの大黒柱だ。
ブレンダが浮気な性格じゃなかったら、絶対憧れていると思うな。
普段は「ぬぼ〜っ」としている冴えない兄ちゃんらしいのだが(プレイヤー談)
やるときにビシッと決めるところが、またギャップがあって格好いい(^^。
 
クロット=プルーケス(どげお氏):
なんといっても、「超美人」で「両性具有」。これにつきる。
さぁ、これでイメージ固まったでしょ(笑)?
シャストア神官で作家業を営んでおり、
謎のお金持ち「奥様」と一緒に共同生活をしている。
妖艶な女性の性格なのだが、キレるとヒステリックにギャグってくれるので
笑かしてくれる(^^。
戦闘時は幻術でサポート役を務める。
「臆病」な短所を持っているが、あまり気にはならない。
 
ナギ=クロムナーツ(睦月堂氏):
19歳の落ち着いたペローマ信徒の女性。女医さんの卵(のはず)。
小説「ブギーポップ」シリーズのナギというキャラがモデルなのだそうだが、
残念ながら俺は読んだことは無い(^^;。
プレイヤーが落ち着いているため、派手な活躍はしないが、
男言葉を使うミスマッチさが魅力である。
ちなみに睦月堂氏は、ご自分のHPに幼少の頃の彼女を描いた
小説を書いておられる。
そのコーナー「幻想的冒険譚〜ルナル編」はこちらだ。
 
ベランが重戦士&まとめ役、ブレンダが軽戦士(格闘家)、
クロットが幻術サポート役、ナギが調査役&応急処置係である。
 
PCは全員海沿いの街バドッカに住んでいるのだが、
今回のセッションは事故で海底に座礁した、
魔法を使った観光用潜水艦「赤の十月」号の救助が目的だ。
海の中での戦いがメインになるかと思ったが、そうでは無く、
潜水艦の中に入ってから、どうやって乗客を探して脱出させるかという、
どげお氏曰く、スバリ「ダンジョンシナリオ」だった。

座礁しているため、船内には何カ所か亀裂が入って浸水が始まっている。
このため船内のどこかに閉じこめられた乗客を探すと同時に、
重量制限の中、補修材を持って船内を補修していかなければならない。
酸素も限られているため、これがイコールタイムリミットとなっている。
そうのすけ君は、こういった緻密なプロットのシナリオを作るのが上手い。
面白かったよ。
 
「赤の十月」号が沈没した原因は不明。何らかの事故らしい。
まだ酸素は残っているはずということで、PC達は乗客&乗務員の人命救助の為、
街の人に救出を依頼される。
バドッカ所属の魔法を使った(笑)救助用潜水艦から、
船内に侵入したところからがシナリオのメインだ。
よかった、海中で戦うハメにならなくって(^^。
 
さすがはマスターそうのすけ君、前述の通りシナリオは凝った作り。
船内1F〜3Fの見取り図が出てきたとき、俺は昔のパソコンゲーム
「エイリアン」を思い出しちゃって、不吉な気持ちになった。
(8bitパソコン時代の更に初期のゲーム。映画「エイリアン」を題材にした、
Basicとマシン語で書かれたマジ初期のゲームだ。
「信長の野望」初代バージョンが出てた頃だもん。
どこの会社が作ったんだろう・・・誰か知らない?
ゲームは画面はしょぼくて、難易度は高かったけど、
ドキドキ感が高くて、結構面白かったよ(^^。)

んで、潜水艦が斜めに座礁してるもんだから、
1フロアに浸水している箇所と、そうでない箇所があるんだわ。
こんなシナリオの仕掛けに、俺は少し感動しちゃった。
で、時間が経ったら、更に水位が「斜めに」上がってくる(笑)。 

おまけにロクロク調べないで、客室のドアを開けたりすると、
水密が取られた客室内部から、浸水していた海水が一気に吹き出してきて、
壁に激突してダメージ、などというシビアな一面がシナリオにはあった。
あなどれぬ(笑)。

ちなみにこの日、ブレンダは異常にサイの目が偏っていた。
傷を治すためにエリクサ(魔法のポーション)を飲んでも、
1D6で1か2しか出ない。
逆に敵に「臑蹴り」を喰らわせたときは、1D6で5や6ばっか出やがんの。
おかげで敵もコッチもボロボロって感じ(^^;。

シナリオの真相は「銀の月」(異界の神々)の眷属、
海洋民族グルグドゥの遺産を、乗客の1人が観光コースから、隠して持ち出して、
あまつさえ暴走させちゃって、封じてあったでっかいグルグドゥ(の神様?)を
船の機関部に解き放っちゃたことで潜水艦が座礁した、ということだった。

ブレンダの見せ場は、PCらで乗客の生き残りを全員確保したあとだ。
異界の神の力で、液体人間に変異してしまった狂った乗客が、
一行を「天井から」忍び寄って奇襲をかけようとしていたのだ。
この狂った液体人間は、この前に一回交戦していたのだが、船内のどこかに
取り逃がしてしまっていた。

俺は、乗客達が合流して手を取り合って感動している時、
周りに警戒している役目はコイツ(ブレンダ)だな、と思っていた。
ベランは事情聴取、ナギは乗客の手当、クロットは(悪いが)臆病だし、
なんとなく「襲ってくるならそろそろだろう」と思って警戒態勢を取っていた。
 
バッチシ読みは当たって、奇襲が来た。
GURPSは1戦闘の単位が1秒だから(ワースブレイドより短い)、
奇襲を受けたら、体制を立て直すまでにかなりキツいことになる(厳密にはね)。
このとき、すぐにブレンダが白兵戦に入れたので、PC達は不利にならずに
液体人間を片づけることができたのだ(と、思う(^^;)。
 
あとはその後、遺産を持ち込んでしまった乗客に対し、真相が解った
他の乗客が激っちゃって、詰め寄った時だ。
ヒスを起こしている乗客達を沈静化させたのは、普段は寡黙なベランだった。
「うるさい! 必ず全員救い出す! だから静かにするんだ!」
普段は寡黙で、締めるときにはキチンと締める。ああ・・・なんて格好いいの、
ベランってば・・・(憧れの眼差しbyブレンダ)

最後にラス戦闘かな、書いておくのは。
ラスボスは乗客が解き放っちゃった、グルグドゥの神様(かな?)。
俗に言う、超巨大「スライム」を想像してくれればいい。
船の1フロアを半分も埋め尽くすような大きさで、更に1秒間に
1ヘクスずつPCに広がってくる。
この際、質量保存の法則は無視しよう(笑)。

別にラス戦闘はブレンダは格好良くない。
透明化のエリクサを飲んで(どうやらこのゲームは透明化して攻撃しても
姿は現れないらしい)、1ヘクスずつ伸びてくるスライムに対し、
1歩ずつ下がりながら、槍でツンツンしていただけ。
(蹴りなんかで触りすぎると、異界の力で液体人間になってしまう。)
なんか「プロミス」のCM思い出しちゃった(^^;。
(「やりやりくりくり、やりくりくり〜♪」ってね)
 
際だってドラマ性に優れているわけではないが、
しっかりしたシナリオのプロットと、緻密な設定がそーちゃんの魅力だね。
俺も見習わなきゃ。

嫌いなPCもいないし、ルナルはとても恵まれていると思う。
おもしろかった〜(^^。


 
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