西垣研究所 南浦和支部

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放送の話

普段あまり話題にされない放送の話を取り上げています。

  1. 各放送局の中継局
  2. 緊急警報放送と試験放送
  3. 主な受信障害
  4. アナアナ変換と混信
  5. スポラディックE層
  6. テストパターンとカラーバー
  7. 各局のOP・ED・フィラー

各放送局の中継局

中継局とは全国様々な場所に設置された施設で、NHK・民放・あるいは独立UHF局の電波を中継するために設けられています。山岳部や島などで難聴地域が無いよう日本全国各地に中継局があります。

放送局から遠く離れていて電波を受信できない地域では中継局から受信した方が良い結果が得られる場合もあります。

また、中継局での電波の仲介は基本的にUHF帯域を使用しています。そのためスポラディックE層などによる受信障害を受ける地域では、中継局を利用するように勧められているそうです。

東京都内でも民放局、MXテレビの中継局として多摩、八王子、青梅などに設けけられています。ちなみに中継局でアナアナ変換作業も行われ、 近隣の対応世帯はアナアナ変換によるアンテナの設置、チャンネル設定などが必要になってきます。

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緊急警報放送と試験放送

緊急警報放送をご存知でしょうか?

現在でもテレビ、ラジオなどでも実施されている緊急警報放送。これは地震・津波・自治体等の放送要求があった場合などの災害時に、瞬時に情報を伝達するために設けられたシステムで、対応したチューナーであれば利用できます。警報があればチューナーの電源が入り、すぐに状況を伝達できます。

また、週末深夜早朝など各放送局などで試験放送を実施しています。これを偶然目にしたかったまいらっしゃると思われます。スピーカーから「ピロピロピロ…」という変な音が流れますが、対応チューナーですと試験放送信号としてキャッチされます。いざと言う時ちゃんと動作するように各局で試験放送するわけです。

信号の種類は主に3つあり、目的によって異なります。まず1つに「第1種開始信号」と呼ばれるもので、大規模地震の警報信号として利用。「第2種開始信号」では津波の警報信号として利用されます。3つ目は「終了信号」と呼ばれ、刑法信号の終了を示すものです。チューナーにもよりますが警報信号で電源が入ったチューナーの電源を切ったりします(うちのチューナーがそうです) 終了信号は基本的に試験信号としても利用され、この警報信号が無い場合に終了信号を察知した場合、試験信号として利用されるそうです。(チューナーの説明書より)

○緊急警報放送
→→第一・第二種開始信号→→(緊急警報放送)→→終了信号
○試験放送
→→終了信号→→(試験放送)

これが試験放送の音声です。ちなみに、BSデジタルチューナーや地上波デジタルチューナーには標準でこの機能が装備されます。

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主な受信障害

このサイトの文章の中にゴーストビートといった用語が出ていると思うが、これらは電波障害のことです。

ゴースト障害

ゴーストとは、アンテナで電波を受信する際に発生する問題で、アンテナに入ってくる電波、電波がビルや山に反射して普通より少し遅れて入ってくる電波、あるいはアンテナより先にアンテナ線やチューナーで受信してしまう電波が混ざったとき、 映像に2重3重の重なりが出来てしまう現象の事を指します。

つまり電波を受信する時間差で映像にも影響が出てしまうわけです。対策としては、アンテナ反射波の影響が出ない程度にを高くしたり、アンテナを新しくしたり(ゴーストを防止するアンテナもあります)、チューナーのゴーストリデューサー機能でゴースト除去するなどいった対策があります。

ゴースト障害

ビート障害

ビートは映像にしま模様になったり、斜線や波のような模様が走ったりする現象です。原因として受信機内部の異常、無線電波や他局の混信、ブースターや関連機器の発振が原因と言うことが多いです。

またパソコンなどの機器からのノイズでテレビにビートが出たりすることがあるので、発生した際はチューナー環境を見直してみたりすると改善することがあります。以前自分の機器に発生したときもブースターの電源を切る、あるいは交換する。アンテナケーブルを交換するなどで改善しました。

無線局が原因の場合、総合通信局に連絡するなどの対策を取ってください。

ビート障害

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アナアナ変換と混信

ブースターの依存問題

中継局等のアナアナ変換により、ごくまれに一部の地域で受信障害が発生しております。最近でもアナアナ変換後、一部の古い型のブースターを利用している事により、アナログ波とデジタル波の両方が増幅されてしまい増幅回路に異常が発生、その結果画像が乱れたり、ビートが発生するという場合もあります。

解決策として、ブースター側で増幅利得・レベルを調整したり、もしくは地上波デジタルに対応したブースターの設置が必要となる場合もあります。

中継局との混信

アナアナ変換を行った中継局と、その他の中継局・放送局とアナアナ変換を行った中継局とで同じチャンネル番号になる可能性が出てきてしまい、結果として混信が発生し、受信障害が出てきます。元に青梅中継局のアナアナ変換後に同じような現象が発生しました。この現象をオフセットビート妨害と言うそうです。

この問題解決についてはマスプロのホ-ムページに詳しく記載されています。

同じくオフセットビート妨害による混信を軽減させる、オフセットビートキャンセラーという商品も発売されています。これにより混信で影響の出た映像のビート等を軽減できます。もしも同問題が発生した場合は、この商品で問題解決できるでしょう。今後もアナアナ変換による混信問題対策で活躍しそうです。

これらの問題を回避するためにもアナアナ変換や地上波デジタル放送に対応した製品(ブースター、アンテナ等)を用意するのがよろしいようです。

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スポラディックE層

電波に関する知識にも記述してありますが、受信障害の中でも結構面白い現象です。

夏季に突発的に"スポラディックE層"と呼ばれる電離層が上空に発生し、受信障害を発生させます。普段はE層ではもっと低い周波数帯域を反射しますが、Eスポではそれよりも高めの電波も反射するようになります。

影響を受けやすい地域(東北や日本海側)ではこの影響によってFM、VHFの1~3chに影響が出て、混信などの現象が発生します。NHKなどは1~3chなどEスポの影響を受けやすいのでUHFを利用した中継局での受信を推奨しています。

通常は届かない北朝鮮・中国・韓国など電波が来るため、それらの放送が受信できるようになったり、放送に外国語の音声が混ざったりするという現象になります。

また時間によって映像や音声障害の度合いが変わるため、しま模様になったり乱れたりするという現象が2時間程度続きます。

普通の人にとっては好感をもたれない現象ですが、放送好きにとっては面白い現象として親しまれています(?)アマチュア無線でもEスポを利用し北海道-九州など遠方長距離交信なども楽しめます。

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テストパターンとカラーバー

放送開始直後や試験放送時など、放送局でテストパターンやカラーバーなどの映像が流れていることがあります。これは正しく放送できるようにするため、送信局調整側・および受像機で確認するために設けられています。まずテストパターン。白黒で構成された画面で、ここ最近は殆ど見かけなくなったもの1つですが、テレビ受信機のテストで使うものです。テストパターンの画面は各部によって表している物が異なります。

テストパターン

テストパターン画像

  1. 縦横の碁盤のような線
    受信機の画面走査の直線性の確認
    主にゴースト(画面の両端に二重三重の薄い映像が出ること)・リッギング(縦横の線に接近して何本もの線が出ること)などの確認など
  2. 円形の線
    画面全体のひずみなど直感的に直感的に判定するために使用される。黒太線はリーディングホワイト(黒い線の端に白い線が出ること)や、スミヤ(にじみ)などの判定
  3. 縦・横の放射線
    水平解像度・垂直解像度の確認
  4. 扇形濃淡図形
    4つの濃淡に分けられた図形は画面のコントラスト(明暗の差や色彩の対比)を判定
  5. 文字
    白い地に黒い文字はスミヤやストリーキング(黒白の長い影を横方向に尾を引くこと)などを確認するのに使用

カラーバー

カラーバー画像

各放送局の放送開始や放送終了後などに良く見受けられる画面。これは放送機器の色信号調整に使用され、純電気的に合成して得られる信号です。主に輝度信号・色信号・彩度・色相などのレベル調整をするために利用されます。

一般受信機にはスタジオ用(放送局)のカラーバー信号に対して、過変調が生じないように輝度信号と搬送色信号をともに75%に圧縮した「75%カラーバー信号」といわれる物が使用されていました。これらは放送以外でも映像関連機器などの調整用としても利用されます。

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各局のOP・ED・フィラー

OPとED

各放送局の放送開始・放送終了には番組独自のオープニング・エンディング(クロージング)映像(音声)が流れます。深夜や早朝、テレビをボーっと見ていてたまたま遭遇したりする方がいらっしゃるかと思います。

これらはコールサイン(放送局や放送団体に割り当てられる呼出符号)を提示したり、中継局(ページ上部参照)や映像音声周波数・出力などの情報を流すために使われます。

映像や演出は各放送局によって異なります。最近ではCGを駆使したものが主流になりましたが、地方局や古いU局の古めかしい映像にだったりと、愛着が沸いたりするものもあります。

各局でさまざまの為、これらを専門に集めるマニアも実際存在します。

フィラー

こちらは放送局が時間の穴埋め用として用意しておく番組や映像のことです。風景画や短編映画、 手軽な音楽番組などで、放送終了から放送開始までなど適当な映像を表示します。話によると深夜時・放送終了の中、地震など緊急放送などすぐに情報提供できるように設けられたのだそうです。

内容も天気予報・ニュース・音楽番組・環境ビデオなど、各局で様様です。フィラーののかわりにカラーバーを放送開始まで流す局もあります。

※フィラーとして映像を流す放送局でも、放送機器の点検などで放送を中断、あるいは減力放送(普段より出力を弱めて放送する)するとこがあります。

OP-フィラー-ED
 ■サンプル動画(日本テレビ 鳩バージョン)

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