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センター試験解説
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●第1問

問1
 地球が誕生したのはいまから約46億年前。数億年の間に、太古の海中で、化学反応でできた物質が組み合わさって最初の生命が誕生したと考えられている。当時の地球には酸素はなかった(酸素原子はあったがそれらは酸化物になっていて、酸素分子はほとんどなかった)。おおざっぱに、光合成をする生物があらわれるまでに約10億年、その酸素が海水中の鉄を酸化しつくすのにさらに10億年程度の時間がかかった。
 アが「地球誕生後の経過時間」、イが「現在から何年前」になっていることにひっかからないように。
→正解は3
問2
 問1の解説に書いたとおり、酸素はラン藻などの光合成によってつくられた。
→正解は2
問3
 ケイソウは、その名が示すようにケイ酸(二酸化珪素SiO2)のカラを持つソウ類。
→正解は4

問4
 水蒸気は水が気体になったもの。雲は、液体の水の粒が空中に浮いているもの。水は(水に限らずすべての物質は)、液体から気体に変わるときに熱を吸収し、気体から液体に変わるときには熱を放出する。
→正解は4
問5
 温室効果ガスには、有名な二酸化炭素のほか、水蒸気やメタンなどがある。メタンは有機物の発酵で発生するので、「アメリカ人が牛肉を食べるから(牧場で大量に飼われている牛がゲップをしてメタンを放出するから)温暖化がすすむ」という議論がある。オゾン層破壊で有名なフロンも強力な温室効果ガスである。
→正解は2
問6
 大気は赤外線の吸収・再放出や水の状態変化にともなう潜熱の吸収・放出で地表の温度変化を緩和する作用をしている。
→正解は3

問7
 大理石は「結晶質石灰岩」ともいい、炭酸カルシウム(CaCO3)の結晶である。また、酸性雨は、雨水に塩酸、硫酸、硝酸などが溶け込んで降ってくるものである。
→正解は2
問8
 大気は地球全体を循環し、温暖化やオゾン層破壊の原因物質もその循環にのって運ばれる。
→正解は2
問9
 二酸化炭素は産業革命以後増え続け、20世紀後半になって増加のペースを速めている。またフロンは20世紀後半になって人工的につくられた物質である。
→正解は2

●第2問

問1
 河岸段丘は、上位のものほど古い時代に形成されたものと考えられる。
→正解は2
問2
 実際の地形を思い浮かべれば、難しいことはないだろう。治水工事が進行したために河川が海へ運び込む土砂が減少し、砂浜がやせてしまう現象が各地で問題になっている。
→正解は1
問3
 素直に等高線を読めばよい
→正解は3
問4
 地層は、すでに堆積したものの上に新しいものが堆積する(「地層累重の法則」)。
→正解は4

問5
 たとえばカンラン石は(FeO)2SiO2と(MgO)2SiO2が混合した結晶(固溶体)だが、FeOとMgOの割合によって色が変わる。
→正解は3
問6
 1は花崗岩のことじゃないかな。2はダイヤモンドか。3は…なんだろう。IAの教科書を持ってる人は探してみてください。
→正解は4
問7
 花崗岩は白っぽい(有色鉱物が少ない)深成岩。岩石の色と鉱物組成には、有色鉱物が含まれる量だけでなく、種類も関係がある。
→正解は1
問8
 水晶といえば六角柱。1は雲母、3は磁鉄鉱など、4は方解石(炭酸カルシウムCaCO3)など、5は黄鉄鉱(硫化鉄FeS2)など。
→正解は2
問9
 カンラン石は(MgO,FeO)2SiO2、輝石は(MgO,FeO)SiO2で同質異像ではない。方解石はCaCO3(炭酸カルシウム)、石膏はCaSO4(硫酸カルシウム)なので同質異像ではない。黄鉄鉱はFeS2、黄銅鉱はCuFeS2で同質異像ではない。
→正解は3

●第3問

問1・問2
 夏には、太陽は北半球を強く照らす。地軸の傾きは23.4゜なので、夏至には北緯66.6度以北(北極圏)は一晩中太陽が沈まない「白夜」、南緯66.6゜以南(南極圏)は一日中太陽が出ない「極夜」になる。
→正解は2・1
問3
 aのとき南東から順に夜明けになるのは、太陽が南東から地球を照らしているためである。bは北東から地球を照らしている。
→正解は6
問4
 日食は、太陽−月−地球の順で一直線に並んでおきる現象。昔の人は、このときを一ヶ月の始まりとした。(白道面は黄道面に対して5゜ほど傾いているので、毎月必ず日食になるわけではない)
→正解は3
問5
 図を見ればわかるね。
→正解は4
問6
 もし自転していなかったり公転と逆に自転していたりしたら、地球からは月のすべての面が見えるはずである。
→正解は3

問7
 太陽からの距離と惑星の大きさで惑星が反射する光の強さが決まり、さらに地球との距離で見かけの明るさが決まる。
→正解は1
問8
 惑星は、太陽の光に照らされている部分だけが明るく見える。そのため、太陽・地球・惑星の位置関係によって形が変化して見える。
→正解は2
問9
 順行・逆行は外惑星につかうことば。外惑星の逆行は、地球が惑星を追い越すときの現象なので、ほぼ会合周期ごとにおきる。惑星の公転面は、冥王星をのぞいてほぼ黄道面と一致している。
→正解は1


●第4問

問1
 原子核がくっつくのが核融合反応、原子核が分裂するのが核分裂反応。太陽が放射するのが太陽放射、地球が放射するのが地球放射。太陽はおもに可視光線を放射し、地球はおもに赤外線を放射している。
→正解は1
問2
 太陽と地球の距離(地球の軌道半径)は平均1.5億kmで、この距離を1天文単位という。太陽から地球に届く光エネルギーのうち半分は反射されたり吸収されたりして地表に届かず、地表を温める力にはならない。
→正解は6
問3
 電磁波のうち、波長が長いものが電波で短いものが光。同じ仲間なので、伝わる速さなど、共通の特徴が多い。また、すべての物体は電磁波を出しているが、温度によって波長が異なり、高温のものほど短い波長の電磁波を出す。太陽は可視光線、地球や人体は赤外線を出している。
→正解は5
問4
 シリコンである。
→正解は2
問5
 地熱発電は活動中の火山の近くなど地下が熱いところでしか行えない。また、あまり大きな電力をつくることはできない。
→正解は4

問6
 結晶分化作用の初期に晶出した鉱物がマグマだまりの下部に沈殿してできるのが正マグマ鉱床。末期に、残液中に濃集した成分を含む鉱物ができるのがペグマタイト鉱床。熱水にとけこんだ物質が晶出してできるのが熱水鉱床。熱水と岩石の反応で有用な鉱物ができるのが接触変成鉱床。
→正解は2
問7
 希土類元素は結晶に取り込まれにくいものが多く、結晶分化作用の末期まで残液中に残るものが多い。
→正解は2
問8
 ブラックスモーカーは海底の火山から熱水が噴出し、冷却されたために溶解していた金属などが固体の粒になって黒く見えるもの。1は問題文中にもあるように砂鉱床の説明。2は沈殿鉱床。4はスカルン鉱床。
→正解は3
問9
 粘土でつくるものを選ぶ。
→正解は2

●第5問

問1
 雨は、水分を含んだ空気があって上昇気流があると降る。洋上の空気は水分を多く含んでいることが多い。洋上の湿った空気塊の一部が細く伸びたものが湿舌。
→正解は4
問2
 台風は熱帯の貿易風帯で発生し、北上して日本に近づく。進路の右側では、台風の渦の風速に台風自身の速さが加算されるので、強い風が広い範囲で吹く。
→正解は1
問3
 大陸の上の空気は水分が少ない。しかし、暖かい海面から蒸発した水分がつけ加えられ、日本に着く前には湿った空気になっている。
→正解は2

問4
 問5にあるように、震源からの距離と深度は無関係ではない。震源は、多くは地下にあって地表では観察できない。
→正解は2
問5
 問4にあるように、図1に★であらわされているのは岩石が破壊し始めた場所(の真上)である。この地震では、ここから始まった破壊が北東−南西方向に拡がった。この、破壊がおきた範囲を「震源域」と呼ぶ(震源域を「震源」と呼ぶこともある)
 他に、軟弱地盤のところでは揺れが大きくなる傾向があるとか、同じ揺れでも過密な都市部では被害が大きくなるなどの傾向がある。
→正解は2
問6
 マグニチュードは震源での出来事の大きさであり、観測地点によって異なるものではない。また、最大値や最小値は決まっていないが、ほぼ9より大きくなることはないようだ(その前に岩石が耐えきれずに破壊してしまう。そういうものらしい)。
→正解は4
問7
 傾斜した土地で、地下の砂粒どうしの摩擦が小さいところでなにかのきっかけがあると地滑りが発生することがある。
→正解は4
問8
 地下水の汲み上げで地下の砂粒の隙間が減ることが地盤沈下の主な原因。当然、地下水の多い、新しい土地で発生しやすい。ゼロメートル地帯は、地盤沈下によって海面より低くなってしまった土地のこと。
→正解は4
問9
 鹿児島の人は桜島の火山灰で苦労している(らしい)。2は「土石流」の説明になっている。
→正解は2