櫛の物理(音)
音程と振動数

 わかりきったことだとは思いますが、念のため。
 「音」とはなんぞや、という話。
 我々がふだん聞いている「音」は、空気の振動です。周期の短い(すばやい)振動は高い音、周期の長い(ゆっくりした)振動は低い音として感じとっています。よろしいですね。

 オルゴールの場合、振動を作り出すのは櫛の歯状に切れ込んだ振動板です。(以下、「櫛」と呼びます。英語でも櫛(comb)といいます)
 このオルゴールの場合、櫛の歯は18本あり、長い歯が低い音、短い歯が高い音を出します。

 「それも知ってらい。高校の物理で、弦の長さと定常波の振動数のことを教わった、あれと同じだろ」。
 いやー、ちと違うんですなあ。鋼鉄中の音速(*)は「3×103m/秒」です。櫛の歯の長さは「2×10-2m」といったところですから、その考えでいくと、振動数は「4×104Hz」、つまり超音波になってしまいます。
(*)この場合、正確に言えば「横波の伝播速度」です。

back

prev

next

目次へ

前のページへ

次のページへ