動力装置の物理(遠心力・摩擦)
調速器

 くるくると回る白い風車は調速器です。ゼンマイがあっと言う間に戻ってしまわないようにしてブレーキをかけています。
 ブレーキは、風車と、その上の白いプラスチック円盤の摩擦でかかります。止まっているときは右写真のように風車と円盤が離れていますが、回転すると遠心力で風車の先端が持ち上がります。

 回転が速いほど強く接触して強くブレーキがかかります。ゼンマイが戻るにつれて回転が遅くなりますが、そうなるとブレーキが緩くなり、演奏テンポの低下を少なくするわけです。
 また、調速器を調整することで、好みの演奏テンポにすることもできます。ピンセットなどでつまんで風車の位置を上げると接触が強くなってゆっくりした演奏に、逆に下げると慌ただしい演奏になります。

 途中の歯車が外れると、もっと速く回転し、本当に一瞬でゼンマイがもどってしまいます。つまり、円盤と接触していない状態でも風車の空気抵抗によってある程度のブレーキがかかっているということです。(大型のオルゴールではエア・ブレーキだけで調速しているものが多いようです。→資料「調速」

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