・そのほかの自動演奏楽器 自動演奏オルガンは、19世紀なかばにはすでに盛んに作られていました。手回し式の小型のものは大道芸人に、大型のものはお金持ちのお屋敷でよく使われていたようです。 ふいごの動力源として、かつては巻き上げたおもりや蒸気機関、後には電気モーターがつかわれました。また、空気の流れをコントロールするには、シリンダーオルゴールのように筒につけた突起で弁を開閉する方法や、穴の開いた紙を使う方法(「ニューマチック」という)が使われました。 有名な客船「タイタニック」にの自動演奏オルガンが積まれることになっていました。ところが製作が間に合わなかったために難を逃れ、現在「河口湖オルゴールの森」にあります。
20世紀に入り、ピアノと打楽器、オルガンなどを組み合わせた「ピアノオーケストリオン」と呼ばれるものが出てきます。レストランや酒場などで、生演奏の楽団の代わりとして重宝されたようです。機構には、自動演奏オルガンですでに完成されていたニューマチックが使われました。 変わり種として、自動演奏バイオリンがあります。ニューマチックのもののほか、全電気式のものも作られました。「マジックサウンドルーム」に両方ともあります。 自動演奏ピアノは、実際の演奏を紙の穴に記録し、再演できるものが作られました。まだレコードの音質がわるかった1920年代にたくさんの記録が残されたため、当時のピアニストの演奏をそのままに聴くことができます。CDも何枚か出ています。「ホール・オブ・ホールズ」にある「チッカリング・アンピコ」を一度聴いてみてください。 空気圧で楽器を鳴らすだけでなく、からくりも同時に動かすものもつくられました。オートマタ(自動人形)と呼ばれます。