13時07分、ふたたび留萌へ戻ってきました。SLの発車までは時間があるので、市内を少しうろつくことにします。ここ留萌は港町で、内外からの荷物もやってきます。その関係で、外国人用に案内のスペースがあったり、港近くにはスナックなどの店が密集しています。下の写真は、留萌駅から増毛に向けて数分歩いたところから撮影した快速「増毛ライナー」です。キハ27系2両の間に、宗谷線の急行で使用されたキハ183系をはさむ形の3両編成で運転されていました。
さて、いよいよ時間になりました。改札口からSLの発車する2番ホームへ向かう連絡橋を渡り、階段を降りるとSLのものすごい煙が立ちこめ、咳き込んでしまいました。そのあたり、もうちょっと考えてもらえないかな?とも思えました。ともあれ、14時27分にC11−171号を先頭に発車して行きました。
列車は、藤山と峠下で乗車扱いのない停車をし、また峠下駅では、汽笛の表す意味を説明するために、数度甲高い音をあげていました。警報音だけでなく、車掌を呼び寄せるための汽笛もあるようで、これを含めて3つのパターンが披露されました。車内では、3号車にカフェカーを連結しており、ここで食事を買えたりする・・・はずでしたが、上りの運転の際に食事はすべて売り切れてしまい、カフェカーはずっと誰もいないような状況になったようです。ここには、映画「すずらん」の出演者のサインも飾ってありました。
他にも留萌本線のかつての姿の写真もありました。今では交換設備の有る駅が留萌と峠下の2駅になっていますが、かつては石狩沼田駅が札沼線の起点駅(新十津川〜石狩沼田が1972年に廃止となり、線名の「沼」の字浮いた形になっています)で、留萌駅は日本海側に沿って走る羽幌線(1987年廃止)の起点駅でした。この留萌本線も、現在秩父別のあたりまで延びてきた高速道路が留萌まで完成すると線の存続も危ういと思えるだけに、心配なところです。
いろいろと考えながら、唯一の停車駅、恵比島に15時25分頃に到着し、前出の「すずらん」のロケ現場となった駅舎や、駅前に広がる商店街を30分余りの停車の間に見回り、発車3分前に汽笛を鳴らした後に恵比島を後にします(明日萌駅の模様は、番外編・「すずらん」のロケ地、明日萌駅を探るに収録しています)。そして、16時22分、終点の深川に到着し、SLの旅は終わりとなりました。到着したSLのほうは、まずサボなどを取り外し、それを販売するために車内で抽選をし、終了後に赤いDE15に引き連れられて、旧深名線の使用していた留置用の線路へ消えて行きました。
<終>