北の国から 

第2日目 

暖かい朝だった。マイナス2・3度だろう。ホテルにはパソコンがないのでゆっくり眠れると思ったが,いつものくせで6時前に目が覚めてしまう。モノトーンの朝,ロビーで友人にあてて絵はがきを書く。ついでにあすかとはるなにも絵はがきを書く。うちでは時々自分の娘達に絵はがきを書き,記念に残すことでひそかな楽しみを得ている。
朝の食事はお決まりのバイキング。根っからの貧乏性の私は,バイキングが大好きだ。得した気分になる。グレープフルーツやオレンジジュースが美味しいホテルは一流と勝手に決め込んでいる。このホテルも美味しかった。この食事の後,はるなから「明日もベーコンとコーンとパンとバターとジャムとオレンジジュースにするんだ。」というセリフを7回も聞かされた。私はスクランブルエッグが気に入り,胡椒と塩をたっぷりかけて何度もおかわりしてしまった。
今日のメニューはスキー場でそり遊びと「天窓の喫茶店」。地下鉄を使って,真駒内駅へ向かうと,「もいわ山スキー場へ臨時バスが出てます」という広告を発見。「よし,これで行こう!」
スキー場は子どもたちであふれていた。初心者向けのスキー教室なのだろう。私も入ろうかと思ったが,どうにかなるだろうと思ってやめた。しかし,全然どうにもならなかった。斜面に垂直に体を向けて横歩きすらままならない。レンタルスキー(セットで3500円=4時間)をはずし,ちょっとのぼってからこわごわボーゲン。おそろしくのろいスピードだ。しかし止まれない。思い切り内股にしたが,最後は倒れるしかなかった。平地でも倒れているのは私ぐらいだった。あまりにみっともないので子どもと少しそり遊び(レンタル500円)をした。子どもたちはその後もそり遊びや雪だるま作りをしていたが,じきにあきてしまった。私は意地でも滑りたいと何度もトライした。リフト券は1000円分残ってしまったけど,まあトライしただけいいかと再びホテルに向かった。
夕方になった。まずは六花亭に電話して,大地チョコを売っている場所を聞いた。札幌には支店がたくさんあるし,各デパートにも「六花亭」は入っていた。以前,お友達にプレゼントしてもらった大地チョコがおいしくてもったいなくて,1日2,3つぶずつ大事に食べていたことを思い出した。「これで思う存分食べられる!」と家族みんなでにっこりした。
夕食は元祖・ラーメン横丁でラーメンを食べた。「横丁の寅さん」とかいう店に入った。サザンオールスターズをはじめ有名人のサインが並んでいた。「草魂」の鈴木啓治さんも来たようだ。大通り公園はホワイトイルミネーションで飾られ,旅行者らしい人たちは写真を撮っていた。
いよいよ
「天窓の喫茶店」だ。円山公園を降りてと・・・インターネットで知り合った方々の情報が役に立った。折しも雪が舞い,ムードは満点だった。墓地を抜けると,「可否茶館」(かひさかん)が見えてきた。「ここだ。ここだ。」れいちゃんと純君が再会を果たした場所だ。傷ついた二人がお互いを語って,二人の隙間があたたかくなった場所だ。入ると珈琲の香りがした。2階にあがると天窓が目に飛び込んできた。テンションがあがっていた私は「ブルーマウンテン」をたのんだ。あすかのたのんだ「スコーン」にはフォションのジャムが使われていた。天窓から雪が見えた。はるなは天窓に映る自分の顔を見て笑っていた。娘達は百面相を楽しんでおよそムードある喫茶店のムードではなくなった。「可否茶館」の名前の由来は,明治時代珈琲が日本に入ってきた時の最初の店の名前からとったという話だった。マスターは言っていた。「ドラマの直後はたくさん来たんですが,最近はちょっと・・・。」我々がいる時にも他のお客さんはなかった。
夜の円山公園は人の気配もなく,新雪が積もっていた。その雪の中でおにごっこをしたりして雪と戯れた。「夏になったら,遊園地にも来たいね。」

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