試 乗 記 録 (特別編) 21世紀「大乗り鉄ツアー」
取材期間 2000年12月31日(日)〜2001年1月4日(木)
Pege 10 4日目(その2) 最終ページ
2色の「あずさ」が並んだ・・・ (松本駅) |
松本駅では、私が乗車してきた「あずさ81号」の折り返しとなる「あずさ92号」の撮影を行った後、今日お目当て
の「初詣21世紀浪漫号」に乗車する事となった。 早速、松本運転所から出てくる183系の撮影から始め、あずさ
色の183系「あずさ」との並び等を撮って楽しんでいた。 さてこの「あずさ92号」が14:09分に新宿に向けて旅立
った後は、いよいよ14系お座敷客車「浪漫」に乗車となる。
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(左) 松本駅に入線して来た 「初詣21世紀浪漫号」 (右) 車体に描かれた 「浪漫」のロゴ |
乗車に際して、キオスクにて食料・飲み物を調達して「浪漫」の到着を待った。 やがて塩尻方からヘッドマーク付
きのEF64に牽かれた快速「初詣21世紀浪漫号」が入線して来た。 着線完了すると、早速我々は車内に乗り込
んだ。 発車は14:42分である。
ところで、最後尾の展望室の直後が我々の指定席であるが、掘りコタツ風の座席を囲むと、我々は長野までのち
ょっとした宴会を始める事にした。 早速ビールやおつまみ、お菓子などの封が開けられ、早速宴会が始まった。
しかしこういった「お座敷列車」での宴会は中々無いので、何故か変な雰囲気であったが、暫くするとそれに段々慣
れて来た様である。 ところで列車は松本を出た直後に、平瀬信号所に停車した。 丁度、季節列車の「しなの」に
充当される381系電車とここで交換となった。
さてその後は、明科駅にて少々停車する事となった。 この時間を利用して、私は「浪漫」の撮影を行ってみた。
しかし、外は段々雪が舞い始めており、非常に寒くなっていた。 さてここでの撮影を終えると、またまた「浪漫」車
内での宴会が再開された。 この先、どんどん列車が進むにつれ雪の降る量が増してきて、やがて雪景色の中を
走る様になった。 しかしこんな雪の中でも、撮影に興じるファンの姿を沿線では見る事が出来た。 寒い中、本当
にお疲れ様である。
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明科駅に停車中の浪漫 (左) 機関車側 (右) 展望室側 |
さて、そんな車内で宴会を続けるうちに列車は、聖高原を通過していた。 この辺はもう既に積雪が結構有った様
である。 そして冠着駅を過ぎると、列車は冠着トンネルに吸い込まれていた・・・。 冠着トンネルは片勾配式のト
ンネルの為、トンネル突入と共に下り勾配を下って行く事になる。 さて、そんな長い暗闇を抜けると、すっかり雪化
粧した善光寺平が眼下に飛び込んできた。 この風景は、数ある信州の鉄道風景の中でも、私は一番好きだと思
っている風景の一つである。 そんな大好きな風景を「浪漫」車窓から楽しめる醍醐味を、心から私は味わってい
た・・・。
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さて、暫く美しい風景を眺めながら走っていると、列車が急に減速してきた。 これは、この先にあるスイッチバッ
ク式の姨捨駅で、列車交換を行う為であった。 やがて本線から分岐し、姨捨駅の構内へと列車は進み、やがて停
車した。 姨捨駅のホームからは、善光寺平や千曲川、川中島の古戦場などを遠望出来る格好の景勝地である。
車窓からこんな綺麗な風景を楽しんでいる内に、松本方面に向かう115系の普通電車が構内に入線して来た。
この普通電車が到着すると、こちらが出発する番である。 我々はスイッチバック駅からの推進運転を是非見たく
て、後方の展望室に掛け付けた。 やがて、姨捨駅構内を推進運転で抜け出し、一旦引き上げ線に入った列車は
正方向に向きを変え、本線へと出て行った。 しかし今回は、お座敷列車の乗車を楽しんだ上に、機関車牽引列車
によるスイッチバック体験と、非常に充実した内容の乗車となった様である。
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(左) スイッチバック式の 姨捨駅に停車 やがて交換相手の 115系が入線してきた (右) 姨捨付近の車窓 |
姨捨を発車した後も、25‰の急勾配を篠ノ井方向に向け、どんどん下って行く・・・。 やがて稲荷山駅の手前で
平地に出て、雪に埋もれた田んぼの中を走る事しばし、左手にEF64等がたむろする篠ノ井鉄道部が見えてくる
と、いよいよ篠ノ井である。 篠ノ井からは長野までは、信越本線を走る事となる。
信越本線に入った「浪漫」は、いよいよラストスパートと言う雰囲気になり、川中島〜安茂里間で犀川を渡ると、も
う終点は間近となってきた。 さて、この辺で長野到着の車内放送が入ってきた。
16:15分。 お座敷客車「浪漫」を使用した、快速「初詣21世紀浪漫号」は長野駅5番線に到着した。
ここで我々は記念撮影をしたのち、解散となった。 本当に今日一日は、大変楽しく過せました。 当日参加された
皆さん、大変お疲れ様でした・・・。
粉雪舞い散る長野駅に到着・・・ |
さて私はここ長野から、とんぼ返りで横浜の自宅へと久しぶりの帰宅となった。 なお、I氏もすぐに帰るという事だ
ったので、急いで新幹線ホームへと向かう。 何とか16:27分発の「あさま526号」に乗り込み、高崎を目指した。
さすがに長野新幹線の旅は快適で、あっと言う間に高崎に到着していた。 ここで大宮まで新幹線に乗車するI氏
と別れて、私は在来線ホームへと向かった。 私はこの後211系の「通勤快速」に乗車して上野まで出て、上野か
ら京浜東北線に乗り換えて鶴見に到着した。 鶴見からはバスに乗り換え、久しぶりの自宅への帰還となった。
しかし新年早々の旅も、終わってみると「アッと言う間」の出来事の様に感じる物であるが、 旅の終わりは、新し
い旅の出発点でもある。 もう私は、次の旅を頭に思い描いていた・・・。
終りに・・・。
21世紀への年越しから、新年4日までの「大乗り鉄ツアー」の旅行記を最後まで読んで頂きまして、有難うござい
ました。 私自身も当初、165系「臨時大垣夜行」での年越しと、「白鳥」乗車だけを考えてプランを練っていました
が、時刻表を良く見ると更に「乗車できる物」が増えていき、こう言った165系〜485系〜583系〜183系(全て
国鉄色)と、古き良き国鉄時代のヒーローとも言える車両の乗り継ぎが実現しました。 また都合2つのオフ会及
び、下北交通の撮影も含めたチョット贅沢な旅となりました。
私自身この様な旅を、21世紀のスタートに実行できた事は、これから一生涯に渡って、いい想い出となる筈であ
ると確信しています。 21世紀も皆さんに、鉄道の旅の楽しさや美しい鉄道写真を提供出来るよう、励んでいきま
すので、宜しくお願いいたします。
−終− |