試 乗 記 録 No.008

東日本旅客鉄道 167系快速「川崎〜奥多摩ハイキング号」 (9351M〜9354M)
川崎 ⇔ 奥多摩間  試乗日 2000年5月28日(

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 奥多摩駅からは旧街道を通って、上流の小河内ダム(奥多摩湖)へ向かう「奥多摩むかし道」を、歩いて見る事

にした。 この道程では、ダム建設の為に建設された「専用線」跡地も点在しているので、それ方面が好きなファン

には、お勧めのハイキングコースかも知れない・・・。

 

   (左)随所で見られた、立派な?
    「専用線」跡。

 (右)白髭神社と、御神体である
    石灰の巨岩。

 

 とりあえず、絶好の行楽日和となった奥多摩駅からスタートしてみよう。 当日はボランティアの方が、無償でコー

スを案内をしてくれるという事なので、早速案内に従い奥多摩駅をスタートした。 道のりは約10キロあり、途中か

なり険しい山道もあったのだが、休憩を含め約3時間程で、目的地の小河内ダムに到着する事が出来た。

 道程では綺麗な新緑と、多摩川の渓谷美を十分に楽しんだり、山の斜面にへばり付く様に作られた畑や、谷に張

り出して建てられた民家を見ながら、山村の暮らしを垣間見る事ができた様である。

 

 また、途中各所で見えた専用線跡地は、以外と立派な物で、まだまだ錆びた線路が残っていた。 実際この専用

線は、ダム建設後に「観光鉄道化」を目指していた路線で、当初から専用線としては高規格な路線で建設されてい

た様である。 実際ダム完成後に、西武グループが購入したそうであるが、採算面で折り合いが付かず、今日に至

るまで放置されているとの事である。 折角なら「観光鉄道」が実現していれば、と思わずにはいられなかった。

 

   (左)急斜面に沿って作られた畑
    山村の暮らしが垣間見れる。

 (右)ハイキングコースからは、
    綺麗な渓谷が見られた。

 

 さて、やっと到着した小河内ダムは、東京都の重要な「水がめ」であり、ダム湖である「奥多摩湖」も、重要な観光

資源となっている。 ダムの近くには、最近新装オープンした立派な資料館があり、以前訪れた時と様子が変って

いたのには、少々ビックリした。 この資料館ではダムの役割や、奥多摩の歴史などが視覚的に紹介されていた。

 また館内は回廊作りになっており、中々綺麗な建物であった。 その後、館内のレストランで食事を済ませ、ダム

周辺を散策してみた。 ダムの傍らには、建設中に殉職した作業員の慰霊塔が建っていた。 何10人も犠牲者が

出た事から、建設工事の難しさが感じられた。 また戦前の着工の為か、太平洋戦争中は強制連行された朝鮮人

労働者が作業に従事し、内7名が犠牲になっていたという事実も分かった。 こういった事実を知ると、「水を大切

にしなければ」と思わすにはいられなかった。

 

   (左)小河内ダムの全景

 (右)静かに水をたたえる
    「奥多摩湖」

 

 さて今度は、バスに乗って奥多摩駅まで戻る事にしよう。 バスは「西東京バス」の運行であった。 バスは、先程

歩いた旧道に沿って建設された国道411号線を走るのだが、こちらも元々ダム建設用に建設された道路であると

いう。 バスの開け放たれた窓から入る風を楽しんでいる内に、奥多摩駅までバスは進んでいた。 これから帰宅と

なるのだが、まだまだ帰りの「ハイキング号」までは時間があった。 そこでハイキングで疲れた体を癒す為、駅か

ら歩いて約10分の所にある「もえぎの湯」に入っていく事にした。 因みに行きの車中で「割引券」を頂いたので、

少し入湯料が安くなっていた。 温泉は日曜日とあってか、予想通り相当の混み様で、余り「ゆっくり」と入浴出来な

かったものの、檜作りの露天風呂から眺める森の緑は綺麗で、心身共にリフレッシュ出来た様である。

さて、ハイキング&温泉を楽しんだ後は、一路帰宅するのみである。

 

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