試 乗 記 録 (特別編) 国鉄急行型車両を訪ねる旅 99年冬
取材期間 1999年11月25日(木)〜28日(日)
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11月27日(土) 3日目 (そのA)
次に跨線橋を渡り、隣の3番線に移動して特急を待つ。 しばらくすると、283系「オーシャンアロー号」がやって
来た。 こちらは自由席車が2両と少なく、殆ど満席だった。 これでは仕方ないので、デッキにいる事にした。
乗車後しばらくすると「オーシャンアロー」の特徴とも言える、女性車掌が検札にやってきた。 彼女も着席してい
ただこうと、車内を見渡していたが結局適当な場所がなかった。 無理すれば座れるのだが、この荷物を考えると
身動きが取れなくなるので、結局デッキにいる事にした。
御坊駅に入線してきた「オーシャンアロー号」 紀伊田辺にいた金沢の「わくわく団らん」
ただ、このデッキも381系に比べるとすこぶる快適で、とても振り子式電車と思えない乗り心地だった。 かつて
同じ振り子式電車の381系で、余りの揺れで肩にぶら下げたカメラを、思いっきりデッキの壁にぶつけてしまった
事があった。 まったくそれと比べると、雲泥の差であった。
先程165系で見ていた車窓が、どんどん後方へ飛び去っていく・・・。
予定ではこのオーシャンアローで、直接白浜へ行く予定だった。しかし紀伊田辺駅の中線に、金沢のお座敷列車
である「わくわく団らん」が留置されていたので、予定を変更してここで降りてみた。
ひとしきり撮影を済ませたが、次の電車までは1時間以上もあったので、一旦外に出てみる事にした。 田辺は武
蔵坊弁慶の生誕地でもあるので、駅前には弁慶の銅像が立っていた。
ここで、一応観光案内所で周辺の様子を伺ってみた。 すると白浜温泉行きのバスがここから出ているとの事で、
しかも約5分後に発車するそうである。 これは正に朗報で、確実に白浜駅経由より早く白浜温泉につかれそうで
ある。 早速教えられたバス停でバスを待ってみる、するとバスはすぐにやってきた。 明光バスという会社のバス
である。
紀伊田辺駅前の「弁慶広場」 白浜温泉白良浜の風景
ここからバスに揺られる事約30分、白良浜バス停にバスが到着した。 この近くにある「しららの湯」につかる事
にしよう。 風呂はいわゆる銭湯スタイルで、入口には番頭のおばさんがいた。
ところで値段は、入浴だけなら300円で済む。 日帰り温泉としては、良心的な値段でしょう。 ただ今日は土曜日
なので、家族連れを含めて客数が多く、正にいも洗い状態になっていた・・・。
早速、裸になり温泉につかってみる。 お湯が温かく、午前中から冷えっぱなしだった体を暖めてくれた。
大変いいお湯だった。
湯から上がると、もう辺りはすっかり暗くなっていた。 もう少しゆっくりしたかったが、余り時間がないので、近くの
お土産屋で土産を購入したら、後は白浜駅に向かう事にした。
白浜駅には18:00頃に到着した。 ここからは18:27分発の「くろしお30号」で和歌山に戻る事にする。
「くろしお30号」は381系4両編成だった。
出発前にもかかわらず、車内販売のおばさんは駅弁の予約を取りに車内を回るなど、非常に商売熱心だった。
もちろんお腹が空いていた私は、幕の内を購入した。 これは普段、紀伊田辺と白浜の両駅で販売されている駅弁
の様である。
弁当に箸をつけている内に、くろしお30号は出発していた。 間もなく私は疲れと、温泉入浴後の気だるさで眠くな
ってきた・・・。 気が付くともう海南に到着していた。 もう次が和歌山である。
夜の和歌山駅 左:103系「天王寺」行き 右:165系「日根野」行き
和歌山下車後は、昨日と同じような行動で時間を過ごしていた。 ところで今日は昨日撮る事に失敗した最終
日根野行き(165系3連)をフィルムに収める事が出来た。 この後は今日の寝所「紀州夜行」の到着だけである。
また日付が変わり、11月28日になった。 いよいよ今回の旅も、最終日に突入である。 相変わらず2921M
「紀州夜行」は、乗客が少なく寂しかった。