２００５年７月のお話

　私ども人類は金光大神様がご出現されるより遥か昔から、何かと人間の力を超越した働きを信じて、それを神または仏として崇め、その力に縋りての生き方を信心と申してこられたところがあります。

　そこには人間の願いのみを神や仏に聞いてもらって、願いを叶えて貰うことが信心の究極の処であるかのように思って、次から次えと願い、その願いが思うようにならなくなると、神様や仏様にこれほど信心をしてやっいるのにおかげが無いといって、不平や不満愚痴を神様や仏様に申し立てるのです。

　それは金光教祖様がこの世にお出まし下されて始めて、信心は人間の願いばかりをお頼みするだけが信心ではなく、神様の思いあるいは神様の願い、神様の心を知って信心をさせてもらうことが、真の信心であると言う事を私ども人類に教えて下さったのであります。

　それでは神様の心とはどのような心のことでありましょうか。

　金光教教典を開いてみますと、神様は人間を神の氏子としてその御心は、可愛いと思う心只一筋であります。

　その御心を分かって欲しいとの思いを、いろんな事柄や例えを以て分かりやすくみ教えになっておられるのであります。

　「いろんな難儀に出会っても、神様はけっして人間の身の上に無駄ごとをさせられない」

　とか

　「人間がおかげを受けて立ち行かねば、神も金光大神も立ち行かぬ」

　「不幸せな人間ほど神様はふびんである、難の多い、不幸な者ほど、おぼしめしが強い」

　「神の心を知らないでいる者ほど可愛いと仰せられ、不信心者ほどふびんでならない、信心して神の心を知っておかげを受けてくれよ」

　このような心が神様の御心である。

　天地の中に生かされて生きていることも、天地一切の営みが神様が人間を愛してやまない御心であることを知り、何事にも御礼を土台にしての信心の生き方をさせてもらうことが大切であると思います。

（金光教土佐高岡教会「本誌教会だより７月号」より)