２００５年１０月のお話

　金光教は、教祖生神金光大神様が日々の生活の中で、実意丁寧神信心をなされ、家庭生活や隣近所との付き合いの中から、信心を通して得られた生き方の体験を元にして語られたお話が、み教えとなって教祖様のところへ訪ねてこられる方々に、お話をなされた真実の生き方なのであります。

　教祖様は信心しておかげを受けていることを土台にしてのお話でありますので、そこには人間の知恵を越えたものであり、訪ねる人々を心を納得させずにはおかぬものがあったと思われます。

　教祖様が出合われた神様「天地金乃神」は一般の方々が拝まれるように人間の一方的な勝手な願いを聞く神様ではなく、あくまでも「天地の道理」に基づいた生き方を求められ、その天地の道理に基づいた生き方になるまでは神様ご自身がじっと人間を見守り下されて、分かってくれよと親の心を持たれて願われるのであります。

　その御心をお受けなされ、諭し下されるのが生神金光大神様のお取次であります。

　私共に神様の願いがどこにあるのかを教えて下さり、導いて下さる。

　そこにはまた神様と同様に、人間が天地の道理に基づく生き方になるまで、金光大神様もじっと見守り、辛抱して下されているのです。

　そして、その金光大神様の手代わりとして、御用を日々下さる親先生も、また同じように人間の助かりを祈り続けて、辛抱下されているのであります。

　私共だけが苦労や難儀で辛抱しているのではなく、それ以上に天地の親神様が、金光大神様が親先生が信心辛抱下されてあることを知り、素直な心となってみ教え下さる天地の道理に基づく生き方を、させて頂きたいものであります。

　その心になるとは、自分という自我をすみやかに気づき、何事も神様の思し召しと捉えて、

「神様は人間を困らせたりすることはない。天地のなさることに何一つも無駄事はない。」

との思し召しを頂き、

「世話になるすべてに礼をいふ心」

を土台にした、信心辛抱をさせて頂き、ご時節を蒙りおかげを頂いて、おかげの実感を得て、忘れようとて忘れられない感動のおかげを蒙り、そこから神様の願いであります、

「一人助ければ一人の神、十人助ければ十人の神」

と願われる、生神の実践が展開されてまいりますように願わずにはおれません。

（金光教土佐高岡教会「本誌教会だより１０月号」より)