日記(不定期)

前の日記 リスト・索引 後の日記

11月

日記の色分け  読書:グレー 音楽:ピンク 生物:グリーン 歴史:ブラウン

11月30日(火)

ようやく郵便物(原稿)が届く。コメントを読んでこれから修正。投稿まではもう少し時間がかかりそうな予感。2つの論文に分けようかと考慮中。まず修正できるところから始めよう。とりあえず最尤法における信頼区間の出し方を復習。

NHK「プロジェクトX」を観る。日本最初の衛生通信の話。試験時にケネディ大統領の挨拶が送られてくるはずなのに,なぜかサボテンの映像が送られて来たというミステリー。(公務員試験の勉強やりながらなので,うろ覚え)

ネットで,噂の『電車男』をみる(本にもなっているらしい)。おもしろい。周囲で見守っている人たちがあたたかくてよい感じ。ってネタじゃないの?

気分よく「これから壊れてしまうすべての人のための佐藤友哉水没ピアノ』をぱらぱらと再読(ダメじゃん)。何はともあれ「テーマは純愛」(って本当に書いてあるんだよ,笑)。メール交換による(疑似?)恋愛とその暗澹たる結末に心洗われる(さらにダメじゃん)。こんなウツーな話もう打ち止めですか? 飛ぶ教室が2月に出るって噂,本当ですか?

っていうか,明日からもう12月。早過ぎー!

11月29日(月)

さすがに今朝はけっこう寒い(長野じゃこれが普通なのだ)。今日は有休を取っているので,昼近くまでゆっくりできる。「最近はぶっそうな事件が多いから,夜はあまり出歩くな」と母から言われる。今回は特に反論せず。「飛行機はよく落ちるからあまり載るな」みたいなものか。まあそういう考え方もあるよね。

11時34分発の長野新幹線で東京へ。天気よく,佐久平からは浅間山がよく見える。お昼は高崎名物だるま弁当。3時より職場へ顔を出す。郵便物まだ届かず(早くテキストチェックに出したいな)。

飼育中のヌマエビ(レッドチェリーシュリンプ)の背中に卵を発見。背中側に卵巣があるのだね。雄がいれば繁殖してくれるかも。


背中に黄色く見えるのがヌマエビの卵巣。
エビが付いている貝はインドヒラマキガイ,貝が付いている水草はCr. ヒュードロイ。

なんだかんだで疲れは溜まっているようで,早めに睡眠。

11月28日(日)

今日も長野。なんとなく朝からダウナー。昨日飲み過ぎたせいだろうか? 「飲んだ翌日は血中になんとか物質が減る(増える?)ので,落ち込んでいるように感じる」のだとどこかで読んだ気がする。体感気温は昨日よりは寒いが,まだまだという感じ。

午後,実家近くの床屋に行く。肩とかのマッサージが付くのは,全国的な流行りだろうか? この店の洗髪は後ろに倒れる方式。終了後になぜか昆布茶を1杯いただく。

森博嗣六人の超音波科学者』を読了(ネタばれ注意)。前半はスリルもあって面白かったが,後半はなんとなく薄い印象。トリックは首なし死体が出てくる入れ替わりものなんだけれど,例によってこのトリック自体はあまり重要ではないのだろう(少しありきたりだよね)。むしろあちこちで小技が効いてるのが魅力と言うべきだろうか。独特のリズムが読みやすいのだけれど。でも前3作よりはやっぱり印象が薄いなあ。慣れてきたというのもあるのだろうが。ちなみに僕は,どちらかというとS&MシリーズよりVシリーズのほうが好きですね。犀川はともかく萌がちょっと...

普段は見ないテレビを家族と見る。新撰組,出演者が若すぎない? でも近藤勇も坂本龍馬も死んだのは30代だったみたいだし(みんな若いよね),あんなもんか。夜のサスペンスは監察医のシリーズらしく,最初から死体(もちろん死体に扮した役者さんだよ)が出てくるので,すぐに逃げ出す。小説だと平気なのに映像だととても苦手
「あんたは小さい時からそうだった」と母に笑われる。まあ,マンガ日本昔話の怪談物とかでも,クライマックスになるとすぐに逃げ出す僕ではあった。人情ドラマでも肝心なところだけテレビを消して,一番よいシーンが終わった頃にまたつけたりね。自分自身のドラマからも逃げ出す。あー。

今日の垂れ流し(「何かな?」と思っても質問などしないでね):「代わりに」っていうわけには,いかんでしょ。お互い,そうはいかないって。それは言っちゃダメだって。

11月27日(土)

昨日から祖父の一周忌で帰省中。何か夢をみていたようだが,起きて10秒ほどで速効忘れる。昨晩は暖かだったようで,毛布2枚タオルケット1枚で眠れた。「なんでそんな寒そうな…」と,親があきれる。

11時から法要が始まる。実家は浄土真宗なので,お坊さん(みんな「おししゃん」って呼んでた。和尚さん?)に阿弥陀経を唱えてもらう。終わりのほうで全員で経を唱えるところがあり,経を書いた冊子を渡される。独特の記号(音符なのかな?)で音の高さや長さが表記してあって,おもしろかった。短い講話−−いいところと悪いところもあって生まれて来るのが人間,最近の事件(インターネットで集まって自殺)について,人を恨むということと心の持ち様,などなど。合わせて1時間ほどで終了。

近くの温泉旅館で会食。山際の狭い路地をマイクロバスで登る(旅館の車だから慣れているとはいえすごい技術,車が30度ぐらいに傾いて怖い)。父は,席順を書いた紙を忘れたと言って,家に取りに帰る。そういうのはアドリブで何とかならないものか。「主催者がどっしり構えていないと恥ずかしいぞ」と強く言いたい。というか,客を待たせるな! でもけんかになるので,とりあえず今は思うだけ。「あんたも似ているとこがあるから気をつけろ」と母に言われたが,そうですかぁ?! 納得いかないが,反論すると「そうやっていちいち反論するのも一緒」と言われるので,とりあえずこれも思うだけ。 

料理は普通の懐石。北信(長野県北部)の流儀では,お坊さんと親族代表がお互いに謡曲(観世流の「賀茂」ほか。こういうのが一昔前の一般教養だったんだろうね。地方に今も残る江戸文化といったとこか)を謡って杯の交換をするらしい。「だんだんこういう風習もすたれていくんだろうな」と思うと,複雑な気持ちにもなる。それがいいか悪いかは別にして,もったいないような気もする。だからといって今僕が覚えようかというと,まあそういう訳にもいかないね。

モロッコ出身のフランス人研究者を叔父が連れてきたので,若干の英会話(フランス語はわからないからね)を交わす。なかなか単語が出てこなくて一苦労。フランス人の奥さんと結婚してフランス国籍を取ったので,名前は本来アラビア語,宗教もイスラム教とのこと。モロッコでは(というかモロッコの知識人は)宗教に関してわりとリベラルで,仏教とかの儀式に出ても問題ないらしい。「多少の宗教心があるくらいが暮らしやすくて丁度いい」と言う。「日本人はまさにそうなのでいい」と。今の中東の状況などを思うにつれ,そうだろうなと思う。

実家に戻り,なぜか教育談義が始まる。亡くなった祖父は高校教師だったし,父もそう(そういえばあの場にいなかったよな)。お坊さんも元中学教師で,父のことを教えたことがあるらしい。「今の親は高学歴になってきて,教師を学歴で判断しがち」「学生の時から教師を馬鹿にしてきたから,その子供が教師など尊敬するはずがない」「昔の教師は“でもしか”で仕方なく教師になったけれど,今は教師になりたくてなるからよくない」「昔のガキ大将は馬鹿だったけどいいやつだった」「いや,何でもできた。頭がよくなきゃまとめられない」などいろいろ意見が出て,聴いていてけっこうおもしろかった。何となく「僕が教師にならなくてよかった。めでたし」みたいな話の流れになっていたのは何故?? 

わりと飲み過ぎて食べ過ぎたので,夕方一眠り。夜は読書。

11月26日(金)

今朝みた夢:高校だか大学だかが舞台。何か(卒業?)の記念に一人ずつ写真を撮ることになる。それからどうなるんだったっけ? 忘れちまったよ。ストーリー展開に盛り上がりが欠けていたようで,漠然としていて思い出せない。でも,これだけ続けて夢をみるということは,忘れているだけで実は毎日夢はみていたのだろう。「夢というのはもう一人の自分(潜在意識のようなもの?)からの“言葉の通じない語りかけ”だ」との話を教えてもらう。意識しないと聞き取れないってことか。

いろいろと問題の種は尽きないけれども,一つ一つ少しずつ問題をクリアしていくしかないかな。クリアして解決することに意味があるかはおいておくけどね。 と自分にも言いきかせてみよう。「後悔せず,でも反省はしよう」というのが僕のスタンス。ちなみに前半(「後悔せず」)は坂口安吾の『青春論』より。「後悔しても後悔しきれないほどのダメな自分だから,いちいち後悔なんかしてられるかよ」って意味ね。

明日は祖父(父方)の一周忌の法要があるため,夕方の新幹線で長野に帰る。土産に人形焼を1箱。電車の中では『六人の超音波科学者』を半分ほど読む(いきなり研究所の地図が出てくるので,何となく期待)。地方都市の場合,夜9時を過ぎるとバスが走らなくなる所が多い。長野市もそうだったのが,いつの間にか10時半(平日)まで時間が延長していた。これもオリンピック効果だろうか? それとも康夫ちゃん効果? 弟夫婦はすでに到着済み。横浜から車で来たらしい(ご苦労様)。

今日のローカルニュース:善光寺三門(山門,国重文)の改修工事,屋根裏より250年間に溜まった鳩の糞が5.8トン(信濃毎日新聞より)。「だからどうした」とも思うが,ちょっとだけ面白かったので。

11月25日(木)

今朝みた夢はわりとストーリー性があって「これは何を暗示?」などと思ったものだったが,夕方になるとすっかり忘れている。大学時代の同級生らしき(夢の中ではそう思った)人物が何人かでてきたはずだが,今頃になってなぜだろう? 十年以上合っていない人たちのことを,久しぶりに思い出す。

それにしても,夢の中身を忘れるスピードってかなり早いように感じる。朝起きてから考えた事などはそれなりに覚えているのに,夢のストーリーはあっという間にぼうっとしたものになって消えていってしまう。もともとが論理の通らない曖昧な話だからかもしれない。「夢を記録に残すには枕元にメモを用意しておくといい」らしいが,たぶん起きた時には眠くてメモをとる気力がない,というのがオチだろうな。

人間の心理なんて複雑で微妙でわけの分からないものなんだ,と改めて思う。自分では「こうしたらよいのに」とわかっていることが,どうしても実行できないことはよくある。それができたら苦労しないよなあ。−−といった会話を少ししました。

夕食前に中野で買い物。例の明屋書店にも寄る。『活字倶楽部』という雑誌に西澤保彦のインタビューが載ってたので,初めて買ってみる。何というかマニアックな雑誌だねえ。BOOK REVIEWはけっこう役に立ちそうかな。あっ,インタビューはもちろん,西澤さんらしくておもしろかったですよ。

11月24日(水)

今朝もまた夢を見た。トラブルが起きて対応係を選挙で選ぶことになり,4人ほどノミネートされる中になぜか僕の名前がある。当然のごとく,だんとつの得票率で当選。「えー面倒くせぇ」「では次の課題についても選挙を…」「何だよ。まだあるんかよ(怒)」 今度も小差だけれどトップ当選。「これが続くのか...憂鬱だな」と思っていたら目が覚めた。
(目が覚めた時は「すげー夢みたよ!」と思ったものだが,言葉にしてみるとたいした話でも何でもないような。)

今日は鰯雲が出てて秋の空。季節的には,今みたいな感じ(10〜11月)が過ごしやすくてよいですね。でもこれから急に寒くなるらしい。10月は雨が多かったというけれど,忙しかったからか,あまり覚えていない。

10月で仕事が一つ山を越えて,さあ次のステップというところで,何となくとどこおっている。「とどこおる」って「滞る」と書くんですね。大変によい勉強となりました。読めない人もいるかと思いひらがなのままにしときました(ってよけいなお世話...)。停滞前線をぶっ飛ばすような台風が来ないことを願います。自力で何とかね。

そういえば,中越地震の時に実家の長野でも震度4近くにはなってたはずだけど,先日親に電話した時にはその話題は出なかった。法事とか(母方の)祖母の入院とかいろいろあって,それどころではないらしい。親不孝者なので,特にこちらからは訊かず。

今夜のBGM:高円寺百景『Live at Star Pine's Cafe』。超絶技巧変拍子ドラムにギター・ベース・キーボード2・コーラス3。この編成ではもうライブがないのですね。観たかったな。もちろん今の編成も好きだけれど(ライブまだかな?)。しかしライブ風景のDVDって,画面を見ててもちょっと退屈かも。もっとアップとかあってもいいんだけど。でも意外と動いてる客が少ないよね(聴き入っている感じ)。プログレ系のお客さんってそういうもんなんでしょうか?

11月23日(火・勤労感謝の日)

久しぶりに夢を見た。状況はよく覚えていないが,いくつかの質問(心理テストみたいなやつ)が出されそれに答えて,というのが繰り返される夢だった。一度目が覚めてまた同じ夢を見た。

中野の街を歩き,ラーメンを食べ,中野ブロードウェイの一階で買い物。二階より上はマニアックな店が並ぶ(おたく文化の情報発信地の一つらしい)が,一階は普通のショッピングモール。三階の明屋(はるや)書店に久しぶりに寄ってもいいかなと思ったけれど,少し前に本を買ったばかりなので今回はスルー。明屋書店は愛媛県の松山に本店があり,学生時代によく通った本屋でもある。もちろん普通の本屋。店内にたくさん張られている手書きポップが印象的(後注:先日行ったら少なくなってた)。店に行くと懐かしい気分になるので,近くに行ったらたいてい寄るのだが。

三年ぶりぐらいで北品川の商店街を歩く。江戸時代には東海道の一番目の宿場だったところ。多くの商店のシャッターに浮世絵が描かれている。広重が多いみたいだが,国周(くにちか)とかもあった。
 何年も前だけど,旧街道を歩くというのを趣味にしていたことがある。結局歩いたのは中山道が日本橋〜熊谷,東海道は品川近辺と大磯〜箱根間だけだった。ホームページの趣味の所に「中山道を歩くこと」と書いておいたら,台湾から中山道について教えてくれというメールが届いたことがあった。英語メールにビビって返事もださずじまい。昔のこととはいえスマンことをしました。

ジャズ喫茶M(今日はわりとオーソドックスなのがかかっていた)で,コーヒーを飲みながら本を読む。「惜夜記」は内田百(ひゃっけん)以外にもつげ義春の夢物とかねこぢる(おいおい)の一部の作品と共通する雰囲気もあるような。「蛇を踏む」はいいですね。「惜夜記」に比べても,だいぶこなれている感じ。話の終わり方なんかはぼくの好みかな。解説に書いてあった内田百閨{岡本かの子というのはわかるようなわからないような。

11月22日(月)

今日は天気がよかった。陽が当たらない場所は寒いけれど,風もなく,ポカポカが気持ちいい。しっかし! 某新聞社のお天気サイトはよくはずれるよね。昨晩も降水確率0%だったのに雨が降った。http://tenki.jp/がわりとお奨め。

まずは舞城王太郎『みんな元気。』の感想。表題作: よくわからない。でもけっこう好きだよ。(ってそれが感想かよ,おい!) −−朝目が覚めるとゆりちゃん(主人公のお姉さん)がベットから浮かんでるんですよ。どうやら下の妹の朝ちゃんも空に浮かべるようで,朝ちゃんの言うことには,透明魔神が何やらしているらしい。そこに竜巻と共に空飛ぶ一家がやってきて,男の子(昭君)と交換で朝ちゃんを無理矢理連れて行ってしまう。で,それでどうなるんだったっけ? 主人公(枇杷ちゃん)はお姉さんの元彼とかばっか好きになるは,例のごとく殺人事件がおきるは,昭の兄ちゃんが実は空飛ぶ名探偵だったりするはで...まあストーリーを紹介してもあまり意味ないか。っていうか紹介できるか。っていう感じの話ですな。それなりに感動もしちゃったし,いいんじゃない,ということで(意味不明)。

他の収録作では「我が家のトトロ」とかが初めて読む人でも入りやすそう。個人的には「Dead for good」がよかったかな(包丁で腕に自分の名前を刻む話)。芥川賞候補になった『好き好き大好き超愛してる。』が,わりと話的にはわかりやすかったのに対し,今回の短編はたいていがストーリー飛びまくり妄想入りまくり。まあ『好き好き…』はメタフィクションの形になっていたから,なんとなくごまかされているだけかもしれんが(全体の構成としては複雑ということね)。妄想150%の「ドリルホール・イン・マイ・ブレイン」(『好き好き…』に収録)よりはイッちゃってないか。

Aさんより川上弘美『蛇を踏む』を借りる。短編が3つ。「惜夜記(あたらよき)」は雰囲気が内田百(ひゃっけん)っぽい。余韻みたいなやつはけっこう違うんだけれど。そういえばMさんから借りた小野不由美『魔性の子』もまだ読んでなかったっけ。


前の日記 リスト・索引 後の日記