日記(不定期)

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12月

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12月10日(金)

昨夜から雨って話じゃなかったのですか? 朝からとても天気がよいんですけど。あれもこれもすべて異常気象? 今年の天気予報はなかなか信頼できないですよ。予報されている方の心中もお察ししますが。 まあ個人的には晴れりゃいいんだけどね。

学会発表(15日申し込み締め切り)のネタをどうするか考慮中。いくつか候補はあるのだが,はて。もう少しギリギリになってからかな。伊達に修羅場はくぐってないよ(嘘,少しだけ本気)。

知り合いの学生と,どんな楽器をやってみたいか談義。彼がやりたいのは「音楽理論を身につけるならピアノ,女の子と仲良くなれそうなのは沖縄三線か二胡」とのこと。僕は笛(篠笛・能管など)とか三味線とか大正琴とかに興味あり。楽譜とか読めないから,どうせ覚えなくはいけないのなら,西洋楽器より邦楽のほうが,...というのは甘い考えなんだろうな。うーん。

今夜は乾くるみ『イニシエーション・ラブ』を読書中。後で感想でも。

12月9日(木)

今日は久しぶりに冬型の天気。ベランダにも落ち葉が積もってよい感じ! なぜかこの日記でも天気の話が多いよね。日本人は挨拶に時候や天気の話をすることが多いと言うから,日本人的感覚ってやつなんだね。

何となくよく眠れなかったので,昨日よりは多少ぼうっとしているんだ。ちょっとハイ気味なのはそのせいだね。だけど仕事は進んだよ。

木曜日というのはね,一週間の中で一番疲れがたまっている気がする。精神的なものだろうね。そろそろライブに行きたいな。気分転換が必要だよ。明日は何かあるかな。

今夜のBGM:『「会議は踊る」「嘆きの天使」〜獨逸映畫主題歌集』 昔,鹿児島の学会に行って,宮崎駅前の中古レコード屋で見つけたCDです。M.デートリッヒ「また恋してしまったのよ」(ナイロン100℃の舞台『すべての犬は天国へ行く』の中で戸川純も歌ってました)を始め,第二次大戦前のドイツ映画の名曲が20曲入っています。雰囲気がとてもよいです。

12月8日(水)

朝から暖かい陽気。この冬は暖冬の予想。ただ北向きの部屋だとやはり寒い。もう少し布団を増やしたほうがよいか。

時々,自分が思っていた以上に自己中心的だったことに気付かされることがある。やはり落ち込む。余計な一言が気になるというのは,何かの注意予報なのかもしれない。

職場の古本置き場に京極夏彦『陰摩羅鬼の瑕』『百器徒然袋−風』『覗き小平次』の3冊を発見。読者が近くにいるらしい。まあ新作だけ読んでみた人かもしれないが,それでもやはりうれしい。ちなみに僕の評価では10点満点でどちらも6点といったところ(ちょっと厳しすぎかも)。

齋藤孝『過剰な人』を借りる。「存在感に悩む人必読!」とのキャッチコピー。ドストエフスキーの著作に出てくる人達の過剰さ加減にスポットを当てた本らしい。実はドストエフスキーはまだ読んだことがなかったりするのだが,大丈夫だろうか? やはりそういうのも読んでおくべきかなと,ちょっとだけ思う。

最近は寝る前にサリンジャー『ナイン・ストーリーズ』を少しずつ読んでいる。サリンジャーは『ライ麦畑でつかまえて』しか読んでなかったので,今更という感もあるが是非とも読みたいと思った次第。今の若い(一部の)作家たちがサリンジャーを好きだというのも,やはり分かる気がする。

12月7日(火)

なんだかんだ言いつつ,昨晩は石崎幸二の本格ミステリ『あなたがいない島』を読んでしまった。40歳になって女子高生が主役(主人公のおっさんが女子高生に翻弄される)のシリーズはまだよいとして,著者略歴にわざわざ「独身」と入れるのは,ちょっとあざといのでは。ちなみに一部では「痛い」と噂の会話におけるユーモアだけど,芸になってないとまでは言えないのでは(スマン。何か偉そうだ)。まあ,結論としてはけっこう楽しかったということで...。わりと謎の設定とかもうまくできていると思ったし,ストーリー展開もだれる所がなかった。これでデビュー作と同様に実は殺人は一つも起きていなかったという話だったりしたら,もっとビックリ!だったのではないだろうか。ただ,シリアスであるべき解決シーンであの手のユーモアがでてくるのには,少し違和感を感じる。それを許せるほどには主人公達のキャラは暴発してはいないはず。

ちょっと勘違いをしていたせいで,作ったシミュレーションモデルが無駄になってしまった。最終的に何をしたいのかを失念したまま,モデルの拡張にのめり込んでいったのが失敗だった。まあそれ以外の論文書きは進んだと言ってよいか。

最近,飼っているエビが少しずつ死んでいく。原因は? 底砂にサンゴ砂が少し混入しているからか,魚が突っついているのか? 酸素不足はないと思うのだが。

今夜のBGM:Miles DAVIS『Kind of Blue』 名盤。久しぶりに普通のジャズが聴きたくなったので,かけてみた。2枚目もMiles DAVIS『Fore & More』。H先生から勧められたもの。「ドライブに最適だ」って。お試しを(誰に向かっていっているのだろうね?)

12月6日(月)

昨日の風で,アパートの通路や階段には落ち葉が散らばっていた。灯の下などに落ちてる蛾の死骸をちょっと連想させるので,少し苦手だ。子供の頃幼稚園に通う神社脇の道に大きな葉が落ちていて,それがとても怖かったことを覚えている。後で聞いたところによると,僕が幼稚園にいる間に祖母が掃除して葉を片づけてくれたそうだ。

蝶にしろ蛾にしろ,どうしても好きになれない。強く持つと羽がぼろぼろになりそうなのがどうもダメらしい。学生の頃そういう話をしていた時に,先輩から「だから女の子が苦手なんだね」と言われたことがある。異論反論はいろいろあるとして,とりあえずそのメタファ(隠喩)はちょっと古いんじゃないですか? 何となく大昔の文学的表現臭くていただけないね。(やあ,その先輩のことは嫌いじゃないですよ。もちろん,怒ってなんかいないってばー。 〜ちょっと佐藤友哉(通称ユヤタン)風に壊れてみました。)

そういえば,昔国語の教科書に載っていた短編に,ポケットに入れた蝶の標本がぼろぼろになっていて泣けたという話がでてくる(ヘッセ「少年の日の思い出」)。ふと思い出してネットで調べてみたが,蝶ではなくてヤママユガ(でっかい蛾)だったようだ。とても嫌だ。博物館に陳列されている蝶の標本を見ていて耐えられなくなり,ふと後ろに下がったら後ろが蛾の標本コーナーだった時は,マジで心臓が止まるかと思った。子供の頃に捕まえた大きな蛾を持って追いかけてくる友達(あの野郎は絶対許さねぇ)から逃げ回ったことを思い出す。頼むから誰も,僕の机の上に蝶の標本とかは置いていかないでくれ!

話はまた変わるが,蝶が出てくる話と言えば,花輪和一の「生霊」(『猫谷』に収録)はとても忘れならない漫画である。12年前に初めてその絵を見た時の衝撃は今も覚えている。ストーリーはあえて紹介しないが,最後のシーン:「あの子は虫がすきだから,きっと虫の世に生まれ変わるでしょうよ」「へっ」 この「へっ」が僕はとても好きで,何かあるとこのシーンを思い出しながら「へっ」と言ってみる。

というわけで,今日も っ!  などとね。

ああ,何故か気が付くと今日は思ひ出語りモードになっているね。何故だろう?

今夜のBGM:「日本伝統音楽2 義太夫」(狙ったよ,もちろん狙ってみたよ! この日記にこれを載せたかった,それだけのために聴いたんだよ。でも,聴き込むと気持ちよくなってくるのはこれ不思議。ああいいなぁ。)義太夫と言えば,GROUN ZEROのアルバムにも引用されている「本朝廿四孝 奥庭狐火の段」を聴きたいな。どこかのCDに入っていませんかねぇ。

12月5日(日)

朝,風が強く,風の音で目が覚める。

11時頃,実家よりリンゴが届く。別に家はリンゴ農家でも何でもないので,ただで手に入るわけでもないのだが,毎年送ってくる。なぜか他の長野県(または東北などの)出身者に聞いても,状況は同じようだ。そりゃ東京で買うよりは安いのだろうが,冬の終わりには痛んで捨ててしまうことが多いので,けっきょく無駄になっている気がする。そういえば,去年の冬に余ったリンゴをベランダにほうっておいたら,いつの間にか溶けて(?)なくなっていたな。鳥が食べたのかもしれない。

そのままぼんやりと昼寝。いくつか夢をみてはそのたびに目が覚めてまた寝る。犬みたいのがじゃれついてくる夢。どこかで火が燃えている夢(寝ぼけたまま「何だろう?眩しいな」と目を開けてみると着けっぱなしの天井灯だった)。耳元に虫が飛んでいるのがうるさくて目が覚める。「さっきの犬の夢はこれが原因か」と思って,探してみたけれど何も飛んでいなかった。あれは何だったのだろう。

なぜか(よく赤ちゃんがやるみたいに)手を上に伸ばしたバンザイの格好で寝ていたらしく,腕の痛さで目が覚める。運動不足か年のせいか重力のせいのどれかだろう(ちょっと森博嗣風? そうでもないか)。嫌だな,こんなんで筋肉痛なんて。明日まで残りそう。

小野不由美魔性の子』を読了。十二国記の番外編だが,本編よりも緊迫感があるという印象。一気に読めた。ただし,読み終わっての衝撃みたいなものはあまり感じられなかったのが惜しい(十二国記の前に読んでいれば,また違った感想だっただろうが)。

ファウストからは「新潮」編集長・矢野優とファウストの太田克史との対談を読む。他のエッセイやイラスト(イラストーリー)はピンとこない。イラストでは西島大介は好印象。ユリイカ号外西尾維新特集で初めて知ったが,何か読んでみたい。

夕方より職場に行き一仕事してから,夕食は新宿で食べる。クリスマスが近く,新宿駅西口〜高層ビル街にはイルミネーションできれいに飾られていた。そんな時期だ。

12月4日(土)

今日は毎週恒例,断食の日(別名ひきこもりの日)。雨なので外出せず。食事はカップうどん一杯のみ。昨夜ちゃんと食べておくべきだったが,後の祭りってやつだろうか。食べないだけならよいがよく脱水症状にかかるので,水分補給には気をつけないと。

何となく体調がよくないとのことで,布団の中でごろ寝しながら読書により時間をつぶす。ファウスト「文芸合宿!」,まずは若手5作家による競作“5つの上京物語”から。(ネタばれあり注意)
1.乙一「子供は遠くに行った」:恋人の後を追ってこっそりと上京した女性が,隠れて彼のことを見張る話。乙一の小説は3編(「リストカット事件」ほか)しか読んだことがなかったのだが,奇をてらわず派手に目立つところもないが,細かいところまで練られて完成度が高いという印象。うまいとは思うが何となくピンとこず。
2.北山猛邦「こころの最後の距離」:東京へ行こうとすると必ず死ぬ少女の話。東京へ向かうたびに事故死するが,次の日にはまた生き返ってしまう。SF系のショートストーリーだが叙述に仕掛けあり。言いたいことはよくわからないのだが,不思議な余韻が残る。もう少しページ数があればおもしろくなったかも。
3.佐藤友哉「地獄の島の女王」:東京に向かう船で遭難し,無人島に漂着した手足のない女王とその3人の奴隷たち。ジョイス「ダブリン市民」・夢野久作「瓶詰めの地獄」その他からのパクリ(サンプリング?)小説。戦前〜昭和20年代の幻想小説(夢野久作・水谷準・橘外夫とか)風。後味悪いが,雰囲気はわりと好き。
4.滝本竜彦「新世紀レッド手ぬぐいマフラー」:何というか上京同棲ダメ生活物語? 展開が面白い。「そう来るか」という感じ。どう考えてもハッピーエンドだと思うのだが,なぜ評論の東浩紀はそう思わなかったのだろう。『NHKにようこそ』が積ん読中なので,期待しておこう。
5.西尾維新「携帯リスナー」:携帯電話にかかってくるラジオ番組に主人公が癒される話。名人芸というか何というか,出だしからしてよくこういう文章がすらすら出てくるなという感じだし,ストーリー展開にも脱帽(僕が言うのもあれだけど)。こういうレベルの作品をポンポン作り出せるというなら,これはただただすごいと言うしかないか。

リレー小説「誰にも続かない」:乙一・北山・佐藤・滝本・西尾の順に執筆したもの。各章それぞれ作家の個性が出ていておもしろい。北山・佐藤パートにより,方向性というか話のトーンがそれまでとがらっと変わってしまうのも興味深い。滝本パートはちょっとだけ浮いている感じもするが悪くはない(ここだけちょっと笑った)。西尾パートが少し急ぎすぎな気もするけれど(限られたページ数でまとめるためにはしょうがないのだろうが),よくラストでちゃんと落ちたものだ。佐藤パートで謎がほぼ解決しちゃった時はどうなることかと思った。それぞれの作家が何を考えてそういう形にしたのかを想像しながら,2回ほど読みなおす。

ちなみに競作5話とリレー小説の表紙イラストは舞城王太郎。個人的には佐藤友哉のイラストが一番好き。次はリレー小説のやつ。最後に合宿のレポート(東浩紀による講評も含む)などがおまけで付く。しかし評論家ってのは何か偉そうだよねえ。合宿のタイムテーブルを見ると,西尾維新の執筆時間がのべ9時間とものすごく短い(他の作家は40〜50時間)のに驚き。

(12/7追記) 文芸合宿ライブというのは興味深い試みだったので,またやってもらいたいと思うが,その反面,全体的に今回の枚数と時間では足りないなという印象もある。それぞれ単行本化する時には改稿・追加もあるのだろうか。もしするのなら読み比べてみるのもおもしろそうだ。

12月3日(金)

今日は朝から何となく眠いようなだるい一日を過ごしたのであった。昨夜電灯を着けたまま寝てしまったため,眠りが浅かったのだろう。唇に口内炎ができたし,持病の顎関節症も始まったみたいである。よくある“お疲れ”モード突入だろうか?

ナメクジウオの生物学についての講演を聴いたのであった。高校の時に受験勉強で覚えた生物学の単語がいろいろ出てきて懐かしかった。脊椎動物の祖先的な存在であること,鯨類の遺体から発見された新種の話(ナメクジウオも臭いと鼻が曲がるらしい)など,内容も興味深かった。

夕食はカップラーメンとインスタント味噌汁ですましたのであった。夜中におなかがすいた。

『ファウストVol.4』の「第一特集 文芸合宿!」を読み始める。気力がないので,感想はまた後で。

12月2日(木)

しばらくは論文に集中(ただし休日を除く ←この姿勢がイカンのだよ)。

と誓ったにもかかわらず・・・“北山猛邦・浦賀和宏 初登場”の情報に惹かれて,新宿紀伊國屋まで,『ファウストVol.4』なる文芸(!)雑誌を買いに行ってしまいました。表紙が女の子のイラストでちょっと恥ずかしかったので,石崎幸二と関田涙本にはさんでレジに持っていきました。(退官されたS先生とバスの中で話をしました。お元気そうでした。「まだ結婚しないの。その気があるならいつでも紹介するよ」と言われました。)

とりあえず,今日は「佐藤友哉の人生・相談」だけ読みました。これって「読者の悩みに作家・佐藤友哉が答える」のではなく,「佐藤友哉の人生の悩みに対して,読者が半笑いを浮かべながら答えてあげる」だったんですね。どうりで“人生・相談”の変なところに点があると思ったら...。いやー,いい味出してます。笑えましたよ。芸風が移ってしまいそう。今夜はこれだけで何となく満足です。

乙一・北山・佐藤・滝本・西尾の5作家によるリレー小説や「上京」がテーマの競作もあるようなので,先の楽しみとしておきます。北山猛邦はデビュー作の『クロック城殺人事件』は「いまいちかな」でしたが,三作目の『アリス・ミラー城殺人事件』は面白かったので,ちょっと期待しておきます。他の作家達とは少し立ち位置?が違うような気がするのですが,どうでしょうね。

最近は読むペースが落ちてるので,石崎・関田を読んでみるのは当分先になりそうですな。(現時点での積ん読本:ミステリー24冊,その他??冊)

12月1日(水)

先月分の携帯電話料金を払うぞー。携帯電話料金を払うぞー。ちゃんと請求書も持ってきたし,帰りに絶対振り込むぞー...と念じ続けてきた甲斐があって,やっと料金を振り込みました。しかし未だに英世ちゃんには違和感があるね。まあ二千円札(紫式部だったっけ)よりはましですか。

信頼区間の出し方が分かったので,一気にグラフまで進める。うーん,仕事の話の割合が少しずつ増えてきたな。だんだん書くネタがなくなってきたのもあるけれど。

コンビニで滝本竜彦『NHKにようこそ』と乙一『GOTH』のコミック版が売られていた。こんな所にまで。小説版が積読状態なのでスルー。でも“ネガティブ・キャンペーン”って...時代が僕に近づいているのか,僕が時代に近づきつつあるのか。今月もネガティブなオプティミストで行こうね。

今夜のBGM:久しぶりにGROUND ZERO『革命京劇Ver. 1.28』を聴く。2曲目は橋本治のナレーション入り!(曰く「他者との共存というのはとっても便利な言葉で,バカな他人を見たら口の中で勝手にすればぁと言っていればいいんだ…」) 最近はCDを聴く頻度が減ってきた。日記を書き始めてまだ5枚目か。とりあえず今月の注目ライブをチェック。大晦日のピットインは決まりとして,後3つぐらいは行きたい。


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