日記

前の日記 リスト・索引 読書 音楽 熱帯魚 歴史) 後の日記

本(ミステリー中心)の感想とライブ(ジャズ&ロック)の感想が多いです。熱帯魚の飼育日記も兼ねてます。ミステリーの場合にはネタばれもあるので,ご注意下さい。(スタイルシート可の設定のもとでは,ネタばれ部分の文字は見えないようになっています。マウスで選択し反転させると読めます。)

日記の色分け  読書:グレー 音楽:ピンク 生物:グリーン 歴史・地理:ブラウン
 (スタイルシート対応の場合)

2005年7月

もう下半期突入じゃないですか。まったく,どうしてくれるんですか?

7月31日(日)

ついつい,また口琴を買ってしまいました。ハンガリーのゾルタン作のブラックファイヤーとエヴァンゲリストの2つです。これでゾルタンのものだけでも6種類となりました。ブラックファイヤーは少し大きめでよく音が出ます。材質がよく壊れにくいため,口琴のプロ演奏家もよく使う名作だそうです。確かに扱いやすく,いい感じ。ただ,歯(顎)があまり強くない僕には,長時間の演奏はきついかな。もう一つのエヴァンゲリスト(「福音伝達者」の意,ゾルタン口琴にはこういう神秘的な名称のものが多くあります)は,細身で振動もさほど強くないので,僕としては歯に負担が少なく扱いやすいです。そのぶん音も小さい(人に聴かせるには不向き?)のですが,夜鳴らしてもさほどうるさくないのは利点かもしれませんね。


左から,First Lady, Black Fire, Joker, Evangelist

携帯電話を4年ぶりに新しくすることにしました。前の携帯はカメラも付いてなかったし着うたもできなかったしで(それで特に不便もなかったのですが),そろそろ換え時かと思いました。機種(会社)が変わると,操作とか勝手が違ってちょっと迷いそうですが,安かったのでP700iに決定(以前はN501i)。4年間のポイントも溜まっていたので,5000円以内で収まりました。 と書きつつ,実はまだ機種変更できるかわからないんですけどね。ちゃんと電話料金払ってあるかわからないので。ヨドバシカメラで変更をお願いしたんだけど,料金未納がありますかと聞かれて,答えられませんでした。ちゃんと振り込んだっけ? っていうか,さっさと引き落としにしようよ。

新宿駅南口のルミネの中にあるスーパーで,ドイツ産のビール2本とアイルランドのギネスを購入しました。今夜は昨日買ったホフブロイハウス・オリジナルを。ドイツのミュンヘンスタイルのピルスナーのようです。一般的なピルスナーに比べてホップの味と匂いが強めとのことですが,僕にはまだ違いが分かりません。まあ飲みやすい,と。

7月30日(土)

折原一倒錯の死角(アングル)』を読みました。『倒錯のロンド』に続く倒錯シリーズ第2作(出版されたのはこちらが先のようですが)。−−上京してアパートでの一人暮らしを始めたOLの真弓は、絶えず隣家から覗かれている不安を覚える。そして隣家に住むアルコール中毒の翻訳家大沢は、屋根裏部屋からアパートを覗くのを密かな楽しみとしているのだ。二人が織りなすドラマの果ては?−− 折原一と言えば,叙述トリックの名手として知られていますが,本作はそっち系の初期の代表作。『倒錯』シリーズだけあって,登場人物がみな(?)一癖も二癖もある人物なので,これはもう異常なストーリー展開にならざるをえません。2人の日記を中心に話が進みますが,周囲をうろつくアル中のこそ泥,真弓の不倫相手などが絡んで複雑な物語になっています。うん,非常によくできたうまい作品ではあるんですが,ちょっと作為に走りすぎている感があるような。少し異常心理(狂気)の描写が古いのかもしれません。僕が昔好きでよく読んだフランスもののサスペンスとかに似た感じで,それはそれでいいのだけど,今となってはどこか物足りない。今の若い人,例えば佐藤友哉とか,構成的にはめちゃくちゃだったりしても,やっぱ現代的だななどと思いますもん。まあ,初期の作品ということもあるので,最近の作品も読んでみないと何とも言えませんが。 満足度6.5/10点。

幡ヶ谷駅近くの商店街に,外国産ビールが多い酒屋さんを見つけました。ベルギー産4本,英国産1本,ドイツ産1本を購入。まず今日は英国のバス・ペールエールを飲んでみました。その名のとおり,ペールエール・タイプ(上面発酵で,アルコールはそれほど強くはなく,苦みが強いらしい)です。何となく「黒ビールのような苦みがある」と言ってしまいそうですが,先日のフローレフ・ダブルとはまた違う苦みで,“黒ビールみたい”という言葉がとても曖昧って事もよく分かりました。味が濃いのにけっこう飲めるので,癖になりそうですね。

本屋で藤原ヒロユキ著『知識ゼロからのビール入門』というのを買ってみました。世界のビールの特徴をスタイル(タイプ)別にわかりやすく紹介しています。「“タイプ”という語は素人くさくて恥ずかしいから“スタイル”という語を使おう」とか余計なお世話も多いですが。まあ,知りたいことを知るには役に立ちそうです。

7月29日(金)

佐藤亜紀バルタザールの遍歴』を読了しました。いわゆる“ファンタジー”が受賞しないので有名な,日本ファンタジーノベル大賞の第3回受賞作(1991年)です。1つの肉体に2つの魂を持つ双子,バルタザールとメルヒオールが書き残す,放蕩と転落の物語。オーストリアの没落貴族に生まれた彼らは,いかにして転落していったか。ウィーンやパリといった都会で,少しずつアルコールに蝕まれていく前半,ナチス台頭のウィーンを逃れての逃亡生活が語られる後半。一つ一つのエピソードが最後まで絡み合う構成(推理小説で言えば「伏線張りまくり」といったところか)は緻密で,ストーリーの流れは(特に前半は)ゆったりとしているのですが,読み終わって,密度の濃い物語を読んだという印象ですね。基本的にはメルヒオールが語り手を務めるのですが,時々言いたい事などあるとバルタザールが出てきてしまうところも面白かったです。

外国を舞台にした日本人が書いた小説というのはわりとよくあるわけですが,これだけ違和感のない小説というのもそれほど多くはないのではないでしょうか。外国の小説をうまく翻訳したものといわれてもわからないような気がします。 ……と書きつつ,これ(外国の小説みたい)がほめ言葉になっているかどうかは,ちょっと疑問なんですけどね。作者が何でこの小説を書こうと思ったか,聞いてみたくなる作品だとは思います。単なるヨーロッパ趣味だけではここまで緻密な小説は書けないよなあ。よっぽどの筋金入りじゃないと。とまあ,古くは澁澤龍彦とか,なんかを思い出すわけですが,ある意味学者的なタイプの人なんでしょうかね。 満足度8/10点。

7月28日(木)

夕方,口琴のやりすぎで,唇から血が出ました。フレーム部分に唇を軽く当てて,音を止めるという手法を多用していたからですね。特にゾルタンのジョーカーは出血しやすいです。血って軽くふき取るだけでいいんでしょうか? けっこう粘りますよね。

今夜のベルギー・ビールはフローレフ・ダブルというアビィビール。アビィというのは修道院のことで,要はフローレフ修道院のレシピに従い作られたビールらしいです(ベルギー等では昔から修道院でもビールを作っていたんですね)。まあまあかな。ちょっと苦みが強く,微妙な酸味に加えて,日本の黒ビールのような甘みもあって,黒ビールが好きな人はいけるんじゃないかと思います。でもちょっとくどいかも。

7月27日(水)

台風一過でとても暑い日になりました(天気予報では37℃になると言ってましたが,実際はどうだったでしょう?)。でも風も強かったので,それなりに過ごしやすかったかも。

Y君がベランダの空いている所で,野菜を育てています。Aさん(昨年はだいぶ花を枯らしてた)と違って,育てるのがうまそうです。さすが農学部出身(???)。

30cm水槽のラスボラ・スピロセリカ,最後の1尾も後半身が黒く腐ってくる病気になり,どうやら命は長くないようです。飼育してほぼ1年ですが,成長しても2cm前後ということだし,やっぱり大きい個体から何となく死んでいったので,寿命ではあるんでしょうね。でも6月下旬から暑くなり出すとともに,どの個体も調子悪くなったので,細かく水質のチェックをしていればもう少し保ったのかも。

60cm水槽ではブルーアイ・ラスボラが1尾,立鱗病を発症。他の魚は大丈夫そうですが。やはり暑さの影響か。暑くなりすぎないよう蓋を開けているため,水の蒸発が激しく,結果的に水換え率が低下しているのも原因かもしれません。

今夜のベルギー・ビールは,グリゼット・ブランシュというホワイトビールです。以前も飲んだことがあるはずなんですが,やっぱり味とかまったく覚えていませんでした。日記とかに記録してないとそんなモンだよね。小麦を使ったホワイトビールというタイプで,色が薄く,軽くて飲みやすいビールです。飲み心地など日本のビールとそれほど変わらないかとも思いましたが,酸味がけっこう強いのが特徴でしょうか。今回買ったビールの中では気に入った方です。

7月26日(火)

台風。うちの職場でも「交通に心配がある人は早く帰ってもよい」とのアナウンスが出ました。まあ,実際にはそれ程影響は出なかったわけですけど。

ラクダカルテットのライブに行きました。聴くのは7回目になりますか。台風の中でしたが,座席も9割方うまっていました。アルトサックス林栄一が休み(代打?のゲストで竹野昌邦),テナーの菊池成孔も当日キャンセルということで,どうなるのかと思いましたが,これはこれでいつもと違う感じでよかったです。残るサックスの佐藤帆とゲストの今堀恒雄(ギター)を前面に出して,引っぱる感じかな。欲を言えば,佐藤・竹野の2人ともテナーということもあり,音色のバリエーションとしては,少し寂しかったような気もします。大きくタイプが違うわけでもなさそうですし。これで菊池成孔がいたらテナー×3で,それはそれでどうするというとこですが,彼の場合はやっぱり派手ですからね。まあ,あくまで‘欲を言えば’です。

リーダー水上聡のどこか緊張感の抜けたような,まったりとしてかつ刺激的なキーボードも健在。冷やして飲まないベルギービールみたいなものですかね(←よく分からない比喩だけど,わりと言い得て妙かも)。外山・向山のドラムデュオも,いつもながらの好演。水谷ベースソロもいいですね。いつもの曲が多いので,曲が始まれば「ああ,あの曲」と分かるし,変な曲名が多いのもあって曲名もわりと覚えているのですが,なぜか僕には曲と曲名がなかなか一致しません。どうしてでしょう? アンコールを含め10:30まで,長い曲は少ないのですが曲数は多く,けっこう長くやっていたのですが,あっというまに終わってしまった印象があります。

森博嗣のVシリーズ第9弾『朽ちる散る落ちる』を読みました。−−土井超音波研究所の地下、出入り不可能な完全密室で奇妙な状態の死体が発見される。数学者小田原長治の示唆で事件の謎に迫る瀬在丸紅子は、正体不明の男たちに襲われ…。前人未踏の宇宙密室。−− 前々作『六人の超音波科学者』の続編です。Vシリーズも後半に入ってから,何となくマンネリ化してきた感があったのですが,佳境に入ってきた(10作で終わり)こともあるのか,本作はなかなか興奮しました。地下室と宇宙と,対照的な2つの密室が出てきます。まあ,密室のトリック自体はそうすごいわけでもないですけどね(まあ地下室の方は意外にも大がかりな仕掛けでしたが)。むしろ最近の森博嗣の場合,ストーリーを盛り上げるための舞台装置としての役割が大きいような気がしますね。そういえば,宇宙空間での密室といえば,清涼院流水コズミック』なんてのもありましたな。シリーズを通じての謎(語られてこなかった過去の事件など)の方もいろいろ明らかになりつつあります。最終話の『赤緑黒白』の文庫化(!)が待ち遠しいです。 満足度7/10点。

7月25日(月)

今夜もベルギービールを2本。まず夕食前にパウエル・クワック。アルコール8%の強めのエール(上面発酵)タイプ。暑かったということもあり,おいしかった。夕食が一緒だったK君にも,コップ半分ほどお裾分け。評判よし。ちょっと酔いが回りました。寝る前にもう1本,今度はローデンバッハ・クラシックです。オーク樽で熟成されたレッドビールで,酸味が強くちょっと癖がある。僕は好きなんだけどね。たぶんK君は嫌いでしょうね(「酸っぱい変な味のやつは苦手」と今日も言っていた)。さて,そろそろ覚えきれなくなってきたぞ。酒屋に行った時に飲んだことがあるか否か,はたして覚えていられるのだろうか。

ニュースを見てたら,元漫画家で江戸風俗研究の著書もある杉浦日向子さんが癌で亡くなられたとのことで,ご冥福をお祈りします。江戸に関するスタンスにはちょっと思うところもあるのですが,こちらは江戸っ子でも何でもないので,まあ特にいいかな。いろいろと好きな本が多いのですが,中でも葛飾北斎とその娘を主人公にした短編集『百日紅(さるすべり)』は名作でしたね。あれを超える江戸物のマンガは出てこないものと思っています。最初に杉浦日向子の名前を聞いたのも,歴史&怪奇物のマンガのアンソロジーに『百日紅』と『二ツ枕』からそれぞれ1編ずつが収録されていたからでした(他には花輪和一,近藤ようこ,つげ義春なんかもそこで知ったはず)。彰義隊を扱った『合葬』と幻想譚の『百物語』もよかったです。追悼フェアとかあるのかな? 既に全集も出てるのですが,特別に何か出るのなら欲しいです。何にせよ46歳(ちなみに34歳で‘隠居’)は若すぎますよね。

7月24日(日)

NY君が仕事で和歌山(白浜)から上京したので,付き合いで休日出勤。統計のやり方について質問を受けたのだが,統計ソフトの問題だったので,ツールの使い方を工夫することにより短時間で解決。昼食は永福町の有名ラーメン店・大勝軒まで歩いていく。行くのに約1時間。店に着いてからも30分ほど列に並ぶ。1050円で量多し。味はまあまあかな。並ぶほどすごい美味しいわけではないと思うのだが,NY君によると,慣れると‘はまる’らしい。しかし東京のラーメンはデフォルトで高いよね。和歌山だと有名店で600円とのこと。NY君の仕事が終わるのを待って,新宿に出て夕食(+ビール)。日本の水産業の未来(?)について語り合う。

7月23日(土)

日中は休養。

夕方にちょっと大きい地震あり。中野区では震度4。新宿に出て夕食。本屋で高田崇史『パズル自由自在』・折原一『倒錯の死角』を購入。夜,実家からも電話がかかってきてた(留守電)。

ベルギービールを2本飲む。1本目がセゾンタイプ(というのが本を読んでもよく分からんが...)のセゾン・レガル。軽くて飲みやすいということだったが,ちょっと苦めの味が残る。2本目がブラッセルズ・クリーク。ホワイトビール(小麦で作った白っぽいビール)にチェリー・ジューズ30%を加えたもの。ほとんど甘くないカクテルみたいですね。ここまでくるとビールという感じがほとんどしません。

7月22日(金)

少し二日酔い気味。夜,ベルギービールティママン・カシス)を1本飲む。カシスを加えて再発酵させたランビックタイプ(自然発酵)で,酸味も効いていて飲みやすい。ほとんど甘くないのもいい。ベルギービールは友人に勧められ以前から時々飲んでいたのだが,タイプによりぜんぜん味が違うので面白い。ただ入荷する種類が多種多様ということもあり,どれが美味しかった(自分の好みに合う)のかをすぐ忘れてしまう。今回からちゃんとメモをとることにしよう。

以前友達からプレゼントしてもらったM・ジャクソン著『世界のビール案内』によると,地下室の常温で発酵させるのが上面発酵で,低音で発酵させるのが下面発酵。ちなみに日本人が一般的にイメージするビールはすべて下面発酵のピルスナー(ラガー)タイプだそうだ(いわゆる‘黒ビール’も“ダーク・ラガー”と呼ばれる下面発酵ビールの一種に分類される)。日本の一部の地ビールやイギリスのエールなどが上面発酵で,基本的にあまり冷やさないで飲む。自然発酵(川から飛んでくる天然の酵母を使う,独特の風味)はベルギーの一部地域でしか作っていないとのこと。 −−勉強になるね。というか,国や地方ごとの特徴を知ると面白いですね。こんな本,久しぶりに引っ張り出しました。抄訳ということで,ちょっと変な部分(本文と写真が合ってないなど)もありますが,いい本だと思います。

7月21日(木)

職場で暑気払いの焼肉&ビアパーティあり。K君の話などで盛り上がる。特に暑くもなくすごしやすい夜で,ビール消費もそれなり。

二次会は3人(僕+I氏+K君)で中野坂上のスタンディングバー・プチコニシへ。初めて来た店ですが,ベルギービールが30種類ほど置いてあるのがうれしい。まずは定番でオルヴァルを。Alc. 6.2%のトラピスト(修道院)ビール。少し苦め。2杯目はブラッセルズ・フランボワーズ。ラズベリーが入ったフルーツビール(Alc. 3.5%)。甘くて酸味があって飲みやすいが,ほとんどカクテルみたい。3杯目にデュシェス・ド・ブルゴーニュ。Alc. 6.2%のレッドビール。オーク樽で熟成ということもあるのか,強めの酸味に独特のくせのある匂い(臭い?)がたまりません。一緒に行ったK君はちょっと試飲して不味いと言ってましたが,僕としてはかなり気に入りました。最後にカンティオン・グースで締めたかったのですが,ここに至って一気に酔いが回ってきたため,3杯でお開きに。久しぶりにベルギービールを堪能できたのでよかった。帰りに8本ほど買ってきたので(どうせまた買うし),しばらくは家でもベルギー・ビールにはまっていそうです。


前の日記 リスト・索引 音楽 読書 熱帯魚 歴史) 後の日記