日記

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本(ミステリー中心)の感想とライブ(ジャズ&ロック)の感想が多いです。熱帯魚の飼育日記も兼ねてます。ミステリーの場合にはネタばれもあるので,ご注意下さい。(スタイルシート可の設定のもとでは,ネタばれ部分の文字は見えないようになっています。マウスで選択し反転させると読めます。)

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2005年10月

 だからね。もうね...。しっかりしろって言いたいわけですよ。

10月10日(月,体育の日

体育の日とは言っても,今日も雨なので,けっきょく家でごろごろと。夕方より職場へ行ってH君の手伝い。ゼミの輪読のわかりにくいとこについて,ちょっと相談にのる(夜遅くまで,お疲れ様!)。途中,近くのスーパーへ夜食の買い出しに行ったが,いつも買う冷凍讃岐うどん5個入りが売っていなかった。せっかく具材としてホウレン草まで買ったのに!と,心の中でちょっと怒りをもてあます。翌朝が早い(?)こともあり,念のため寝酒はなし。

10月9日(日)

今日も朝から雨だったので,読書などして夕方まで静かに過ごす。二階堂黎人吸血の家』を読了。−−江戸時代から遊郭を営んできた一家をめぐる殺人予告。狂死した遊女の怨霊祓いの夜、はたして二つの殺人が…。一つは密室、一つは足跡なき殺人の謎を秘め…。折しも乱舞する雪は、二十四年前の惨劇に似て。美しい三姉妹の滅びの運命を、名探偵・二階堂蘭子が解く。−− 著者の最初の長編(鮎川賞佳作,本になったのは3冊目)ですね。語り口がちょっと気になりましたが(最初に出てくる伝説のとことか),心理描写が何となく納得いかない点はおいておいても,トリック重視でなかなか面白かったです。特にディクスン・カーの不可能犯罪ものに挑戦!といった感じで,心意気を感じました。注釈がとても多く,そこにもちょっとした趣向があるのも凝っています。ただ,注釈の内容も現代の話(最近やっと翻訳されたとか)でなく,作品世界当時の話に統一しておけばもっと雰囲気が出たんじゃないかと思います。

夕方から雨が小降りになったので,池袋に出発。まずは東武百貨店の洋酒コーナー(2カ所あるうちの大きい方)へ。初めてきましたが,ここは外国ビールが多いです。種類数では新宿伊勢丹よりも多いんじゃないでしょうか。イギリスとドイツのビールが特に種類が多いです。ベルギービールも,専門店ほどではありませんが,ランビックもいろいろそろっています。とりあえず,初めて見たドイツの上面発酵ビール(ディーベルス・アルト,ドム・ケルシュ,アインガー・ブロイヴァイゼ)を3本購入してみました。先日行った伊勢丹とは,微妙に品ぞろいがずれているのがおもしろいですね。伊勢丹で売ってたハンネン・アルト,ガッフェル・ケルシュ,ハッカー・プショール・オクトバーフェストなどが売ってなかったのは,仕入れ先が違うからなんでしょうか。

ついで駅前のジュンク堂書店で本をいろいろ購入。黒田研二『幻影のペルセポネ』・乾くるみ『リピート』・松尾由美『安楽椅子探偵アーチー』・笠井潔『薔薇の女』・小林泰三『海を見る人』・笙野頼子『母の発達』の6冊。

寝酒のつもりで(けっきょくずっと起きてた),ブーン・グーズ・マリアージュ・パルフェを飲みました。ベルギーの自然発酵ビール(ランビック)です。普通のブーン・グーズより少し高いやつを奮発しました。説明文によると,5年物のランビックに少量の若いランビックを混ぜ,さらに5ヶ月瓶内発酵させたとのこと。苦みが少ない(発酵が進んでいるから?)ですが,酸味もあり濃厚な感じでおいしかったです。途中で誤って瓶を揺らしてしまったら,いきなり泡が吹き出したのでビックリしました。瓶内発酵させるせいで,通常のビールより瓶内圧力が強まっているらしいです。何となく青カビ系のチーズと合わせてみましたが,ちょっとこの組み合わせはイマイチ(どちらも味が複雑で変に混じり合う)。紅茶に合うと言われて買ったラムレーズン入りチーズと合わせたら,けっこういけました。

眠れそうになかったので,松尾由美の連作短編集『安楽椅子探偵アーチー』を読みました。現場に行かず(自宅等の椅子に座ったまま)推理をする探偵のことを“安楽椅子探偵”というのですが,なんと,この本の探偵は本物の椅子なんです。主人公の少年がふと巡り会った安楽椅子が,意識を持っていてしゃべる,しかも名探偵だったと。ファンタジーっぽい設定ですが,語られる謎はわりと現実的(特に第2話はシビア)な話です。読者対象としてはジュブナイルというより,もうちょっと大人向けなのかもしれません。どちらというと“日常の謎”系ですが,最後の4話目は...意外でした。そう来るかよ! 事件を乗り越え,主人公とアーチー(安楽椅子)の関係がその後どうなっていくのか,と考えるとちょっと楽しいですね。本当を言うとそれよりも,主人公とミステリーマニアの野川さんの今後の方が気になったりするんですが...まあいいや(笑)。

本当の寝酒として,アインガー・セレブラトアを飲みました。ドイツのボックと呼ばれる高アルコール(といっても6.7%)ビールです。ラベルの絵(雄ヤギ)がかっこいいですね。空けてみたら,前に飲んだ別のボック(アインベッカー・ウルボック・ヘル)と違い,黒いビールで少しビックリしました。こういう濃色のボックはダブルボックというみたいです(なぜ“ダブル”なのかは分かりませんが)。で,まず匂いがちょっと違います。何に似てるのか表現力がなくて言えませんが,何か独特。味もコクがあり。黒いので苦みも強いけれど後に残らないのは,やはり下面発酵だからでしょうか。かなり気に入りました。

10月8日(土)

いつもどおり,寝て過ごす土曜日。本当はライブ(八木美知依)に行こうかと思っていたのですが,雨が降っていたので断念。……って,南の島の大王の子供ですか!?

10月7日(金)

夕方,Y君を誘って市ヶ谷の熱帯魚屋に行ってきました。コケとり&残餌処理用にトゲナシヌマエビが欲しかったのですが,今回は入荷していませんでした(以前数回ほどそこで買ったことがあり)。日本産のヌマエビ類としてはヒメヌマエビを売っていましたが,あれはちょっと弱いからな。特にうちの水槽はドワーフ・ボティアもいるので,入れるとしたらヤマトかトゲナシなんですけどね。僕の一番好きなのはトゲナシなんで,もう少し他の店もまわってみましょうか。とりあえず,餌(乾燥ブライン)とピートモスが切れていたので,それだけ買いました。Y君はテンジクカワアナゴが気に入ったようで,「これ入れましょう」とか勝手なことを言ってましたが,アレは...(全部食われちまうよ!)。じぶんで水槽を用意して買って下さい。

新宿のディスカウントショップの薬屋で,ゴキブリ捕獲装置とホウ酸団子を買って帰りました。さっそく部屋のあちこちに設置。で,はたして二重にしかける意味はあるのでしょうか(効果が打ち消しあってダメってことはないですよね)?

寝酒にブルックリン・ラガーを飲みました。名前から想像できるようにニューヨークの地ビールだそうです。普通のラガーのようですが,日本の普通のビールとはちょっと違う香りがしました。何の匂いでしょう? 前に飲んだメキシコのネグラモデロにもちょっと似た感じ。味もわりとコクがあっておいしかったです。

10月6日(木)

昼過ぎからの健康診断にいってきました。血液検査もあり。結果はどうでしょうね? 去年に比べ,だいぶ視力が落ちてきているようです(眼鏡が合っていないのかも)。

せっかく遠出をしてここまで来たのですから,ということで,東京大学の学食に行って,かなり遅めの昼食をとりました(勝手が分からず,30分も食べるところを探して歩きました)。560円の和定食というやつ。豚汁付きで,量もまあまあ。こういう安上がりな食事ができるのはとても羨ましいです。キャンパス内は子供連れの母親や老人達のよい散策場になっているみたいです。しかし広いわりに案内板とかが不親切なので,途中で方向とかが分からなくなりそうでした。ローソンも発見(国立大の敷地内にコンビニができたのは初めてだそうです)。久しぶりに,いわゆる“キャンパス”って雰囲気に触れるのもいいですね。ちなみに食堂はでっかい地下食堂で,火災や大地震の時はどうなるんだ,といらぬ心配などをしてみました。うーん,職業病か??

アパートに帰ったら2年ぶりにゴキブリを発見して大騒ぎ。熱湯をぶっ掛けて処理。

ビール解禁!……で,サミュエルスミスのナッツ・ブラウンエールを飲みました。同じイギリスのブラウンエールとはいっても,前に飲んだニューカッスル・ブラウンエールより少し苦めが強いような気がしました。“ナッツに似た匂いがする”と物の本には書いてありますが,僕にはどこがそうなのか,よく分かりません。とにかく,少し日にちを空けていたので,美味しくいただけました。

10月5日(水)

職場の健康診断に行く予定だったのだけど,雨が降っていたので止めました。うちの事業所ではやらないので,50分もかけて行くのは面倒くさいです。明日もあるし。

したがって今夜もビールはお休みです。またですか。

10月4日(火)

芦辺拓探偵宣言』を読了しました。例の印象に残らない探偵さんが主人公を務める連作短編集です。もともと連作として書いたのではなく,独立して発表した短編をまとめる際に,全体を通しての趣向が付け加えたそうです。すげー!と驚くほどでもないですが,まあ成功と言ってあげていいと思います。たまたま各短編に共通する傾向があったというのがよかったですね。“いきすぎた技巧派”ならではの,トリックにこだわった作品が揃っていて読みがいはありました。ただ「殺人喜劇のXY」には不満です。とにかく,下手な文章が読みづらい。そういう趣向なのはもちろん分かっているんですけど,そういう文章を何十ページも読まされるのは,読者としてけっこう辛いものがあります。途中で何度,読むのをやめたくなったことやら。「殺人喜劇のC6H5NO2」は,ネタ元であるバークリーの長編も短編もどちらも楽しく読んだので(どっちかというと短編の方が好きなんだけどね),興味深く読みました。ただちょっと尻つぼみな印象ですが。

ちなみに探偵の名前は石動……じゃなくて,誰だっけ?(どうも僕の中ではごっちゃになっていて...) 

10月3日(月)

そういえば,国勢調査はどうなったんだ? と思いながら家に帰ったらポストに封筒が。20日までに出して下さいとのこと(郵送可)。以前は人がとりに来たけど,郵送だと回収率は下がるんじゃないだろうか。まあ,郵送だと楽でいいんですけどね。

今週は職場の健康診断があるので,2日ばかしビールはお休みです。今更なんですけどね。というか,1日に350mlぐらいなんだから大丈夫だと思うけど,念のため。

山田風太郎忍法聖千姫』を読了。忍法帖短編全集の第9巻。相変わらず,皮肉な結末で終わる話が多いです。シリアス系なのは「忍法ガラシャの棺」とか「忍法阿呆宮」とかですか。でも,救いがないとかいうのともちょっと違うかな。ああ,そうなんだろうな,と何となく納得させられてしまう感じ。「忍法とりかえばや」とか「忍法穴ひとつ」はどっちかといえばユーモラス系。「忍法瞳録」のラストはなんでそうなったのか,僕は今一つよくわかっていません。ちなみに今回の解説は山田正紀。“近代合理主義”と“前近代的なもの”との対立(?)に触れて論を進めていますが,ページ数の関係か,中途半端に終わってしまったのが少し残念です。

10月2日(日)

夕方より,珍しく渋谷まで足を伸ばしてきました。まずは百貨店地下のビール売り場をのぞきます。しかし,ワイン売り場ってとても賑わっているんで,いつも圧倒されますです。あんなにたくさん種類が置いてあって,みなさん本当に区別が付いているんでしょうかね? 輸入ビールだけでもけっこう大変なのに,と思うと信じられませんね。売り子さんが「このワインはどこ産で,なんとかの後味が……」などと説明していて,お客さんもふんふんと聞いていらっしゃるのですが,本当に味の違いとかわかっているんでしょうね? 日本酒や焼酎も確かに種類が多いんですが,種類あたりの個数はだんぜんワインが多いようです。というか,ワインってかなり高いんだけど(こういう店で売ってるのは特に),世の中は不況じゃなかったんですか? やあまあ,個人的恨みもちょっと入っていますが,ワイン自体に罪はありませんね。ちょっと反省。

……などというのはさておき,まず東急東横店。ワインコーナーがやたら広いのに比べて,ビールコーナーはこぢんまりと,種類も代表どころのみ。ただし一応ベルギービールフェアなるものをやっていまして,専用グラスも何種類か置いてありました。次の店に行く前に,急にカメムシの匂いがする香草が食べたくなり,ベトナム料理の食材を売っているところで,夕食(フォーと春巻きのセット)をとりました。ちょっと麺が柔らかすぎたような気もしましたが,スープはおいしかったです。やっぱり,カメムシ草(と僕らは呼んでいます)はいいですね。東南アジアって感じがしますもん。で2店め,東急本店のビールコーナー自体が広いこともあり,輸入ビールの品揃えはそれなりに満足行くところです(新宿の百貨店でいうと伊勢丹にはかなり及ばないも高島屋よりは多い)。西武にも寄りましたが,専門店が入っていないということもあり,種類もそれほど多くはありませんでした。せっかく来たので,チーズを2種類ほど買ってきました(ここにも「○○なワインによく合います」とか書いてあるし...)。

そういえば,東急文化村ではギュスターブ・モロー展をやっていたのですね。すっかり忘れてました。サロメですよサロメ。澁澤龍彦の美術関係のエッセイとかにも出てきますね。今回は時間がなかったので諦めましたが,そのうちにじっくりと時間をとって見に行けたらいいなあ。

本屋で文庫本を3冊購入。山田風太郎『忍法聖千姫』,芦辺拓『探偵宣言』,二階堂黎人『吸血の家』の3冊です。まずは『忍法聖千姫』から読むことに。忍法帖短編全集の1冊なので,半分ほどは他社の短編集で読んだことがありますが,残りは初めてです。未読作品では,「忍法とりかえばや」と「忍法阿呆宮」が面白そうです。

渋谷駅南口に近いジャズ喫茶メアリージェーンで一休み。コーヒーと小腹がすいたのでチーズケーキを頼みます。時間が早かったせいか客は僕以外に一人だけで,本を読みながらじっくりとジャズを。ピアノトリオか何かがかかっていました。ピアニストの鼻歌みたいなのが聞こえてきます。そういう人って,誰かいましたよね。

帰りに六号坂の酒店でビールを3本購入(独英米)。寝酒に先週買ったDAB・オリジナル。ドイツのドルトムンダーと呼ばれるビールです(もちろんドルトムントの街で作られています)。苦みが少ない(ホップの味が弱い)のが特徴らしいです。この手の味の違いはビールが冷えているとわかりにくいだろうと思い,少しだけ飲まずにしばらく残しておきました。その結果は……生ぬるくなっても,苦みが少ししか感じられません。日本のビールってどうでしたっけね。やっぱり,直接飲み比べてみないとダメかな?

10月1日(土)

疲れていたのか,一日中寝て過ごしました。無駄な休日の使い方です(笑)。

今日は休肝日にしようかと思ってたのに,けっきょく飲んでしまう。今日のビールはトラクエア・ハウスエール(スコットランドの手作りビール)。評価が高いビールらしいですが,そのぶん値段も高かったです。麦汁濃度が高いため10年間はおいしく飲めるビールということでしたが,それだけとっておけるはずもなく,製造後1年立ってないのに飲んでしまうのは,ちょっともったいなかったかも。色は黒で,甘苦い系なんだけど,しつこい!って感じではないです。濃厚でちょっとだけ変わった味(麦芽が多いせいか)がします。エールと名はついていても実はラガーという説も聞きましたが,本当でしょうか?


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