日記

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本(ミステリー中心)の感想とライブ(ジャズ&ロック)の感想が多いです。熱帯魚の飼育日記も兼ねてます。ミステリーの場合にはネタばれもあるので,ご注意下さい。(スタイルシート可の設定のもとでは,ネタばれ部分の文字は見えないようになっています。マウスで選択し反転させると読めます。)

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2005年11月

それもたぶん一つの夢。それはそれとして...

11月30日(水)

11月も今日で最後。今月中に今の仕事を終わらせるという予定はどうなったんだ! というか,どうしよう?

Mさんがそろそろ日本に戻ってくるので,それまでに大掃除をしとかないと,などという意見が職場で出てました。確かにホコリとかが... 冷蔵庫内の整理も忘れずに。

昼休み,「なぜ人は家を買いたがるか」というテーマで,AさんM君と3人で議論(というほど大したもんでもないですが)。地方とかで家買うのだったらまだ分かるけど,都会でわざわざマンションなんて買う意味は? ってことですね。M君に言っても無駄か(←おいおい!)ってことで特に触れなかったんだけど,この問題を考える場合,橋本治が『江戸にフランス革命を』で書いてたことは,やっぱり重要だと思うんですよ。で,ちょっと引用(ページ番号は青土社版による)

別に土地を耕す訳でもない都市住民が土地を持たなきゃなんないっていうへんな考え方が日本の土地問題をややこしくしているんだけどさ、(232p)

「江戸は法人社会である」ってことは、だから従って、「江戸は自立を前提とする」ってことなんだけど、江戸の自立は必ず“家”っていう外枠を必要とする。社会的人格が“家”でしかないってところが前近代なんだけど、(267p)

労働の場であるか制度上の要請であるかによって“家”というものは家の様式を持って建っていたんだけど、今こんなもんどこにもありませんね。“家”というものは、だから今“異様なもの”なんだ。「家族の為に家を持つ」なんてこと言っているけど、「家があるからこそ家族が成り立ってる」んじゃないなんて保証はどこにもないもんね。(中略)「無意味な制度が個人を縛る」という、近代の認識の最初に立ち返れば、家族というものは残された前時代−−近代の暗黒面なんですね。(284p)

まっ,言いたいことは何となくわかるでしょうか。

この本,“江戸ってこんな時代!はーと記号”みたいな雑知識本じゃないですから。いろいろと重要なことがぽつぽつ出てくるんで,あなどれない本です。けっきょく現代って江戸時代そのままの制度が,いろいろなところに,検討もされないまま何となく残っている,ということなんでしょうね。他にも,都市と農村の関係とか,単なる雇用労働者に忠義とか。ねっ,重要そうでしょ。「本で結論出すのなんて野暮だからやだ」(同273p)とか言って,こちらで考えないとなんだか分からなかったりする本ですけど,興味が持った人はぜひご一読を。

……と書いて思い出したけど,文庫版も今は絶版なんですよね。何を考えているんだ中央○○社! というわけで,図書館や古本屋で探して下さい。

経県値続き: はてなダイアリーより100人ほどデータを抽出し(←暇なわけではないのですが),無作為性とか無視しておおざっぱに平均値など計算してみました。平均:106点,標準偏差32点で,僕の164点というのは上から6%前後ということのようです。いろいろ県をまわっている人ほど計算してみたくなると思うんで,実際の平均はもう少し低いかもしれません。

寝酒にベルギーのセゾン・ヴォアザン。夏用のビールなので,ちょっと(?)季節はずれ。

11月29日(火)

職場の移転について説明会あり。どうやら千葉県K市が有力。移るとなると面倒だ。今年度の予算の使い方について会議あり。10月にもなってやっと使えるようになった受託の予算が,手つかずで残っているし。毎年この時期からが面倒。こんなのばかり。

一部で流行っているらしい“値&経マップ”というのを,僕もやってみました。各都道府県について,住んだ:5点,泊まった:4点,歩いた:3点という風に得点を付けて地図にして示してくれるというものです。ちなみに,結果は以下のとおり(164点)。わりと高得点ではないでしょうか。研究会なり調査なりで各地方いろいろまわったし,城好きなんでちょこちょこ行ってみたりもしてましたからね。飛行機嫌いで鉄道・バス・船のほうが好きなのもあるかな。高知県に住んだというのは,ちょっと微妙かもしれませんが(地区の公民館を借りて4ヶ月ほど寝泊まりしてたんで,住所を移したわけではない)。後は長崎県をどうにかしたいなあ。

今夜の寝酒はトラクエア・レアーズリカー。ハウスエールにカンゾウ(甘草?)エキスを加えたもの。甘いけど,しつこくはなし。7月より輸入ビールをいろいろ飲み始めて,そろそろ100種類目にいったかな?(ちゃんと数えてないけど...)

11月28日(月)

職場で同室のAさんより,白髪の指摘。鏡では見えない後ろ側にわりとあるらしい。まあ30代だもそろそろ半ばだし,年齢的にはそんなもんか。実年齢より5歳ぐらい若く見られるので,ちょうどよいのかな。 と言っても,若白髪にしか見えないかも(苦笑)。

本郷に用事があり,電車の中で山田正紀『僧正の積木唄』を読み始める。アメリカにおける第二次大戦直前の排日運動が舞台背景。ファイロ・ヴァンスは出てきたけど,まだ金田一耕助は登場しない。

今夜の寝酒:シメイ・ホワイト。ベルギーの有名トラピスト(修道院)ビール。この手の甘めのベルギー・エールはちょっと苦手。でもたまにはよし。

11月27日(日)

乾くるみリピート』を読了しました。古くは『Jの神話』,最近では『イニシエーション・ラブ』での捻くれぶりで話題になった著者のSFミステリ。−−現在の記憶をそのままに過去の自分に戻って人生をやり直す「リピート」に臨んだ10人が、次々と不可解な死を迎える。彼らの前に立ちはだかる殺人鬼の正体とは!? 「リプレイ」+「そして誰もいなくなった」の衝撃。 −− SFネタ(それもタイムスリップ)+本格ミステリといえば西澤保彦が得意にしてますが,同じタイムスリップものでも,作者が変われば雰囲気もまあ変わるものです。あえて推理小説的本道からはずしている感じ。ロジックよりもトリック重視とでもいうのでしょうか(ちょっと違うかもw)。後味の悪さの性質が違うというのか,悪人(悪意)の出しかたも,乾くるみの場合は‘直接的に’嫌あな感じ(←ちょっと意味不明ですか?)がします。読んで楽しかったという印象もないんですが,面白かったのは確かですかね。主人公の考え方が利己的なこともあってか,中途半端にしか感情移入できないのが多少つらかったのですが,後半はわりとサスペンスに満ちていて一気に読めました。実は叙述トリックがあるのではなどと邪推してましたけど,そういうこともなかったですね。時代背景が90年頃になってるところか,ちょっと怪しいと思ったんだけどなあ。

ついで2冊目は大倉崇裕白戸修の事件簿』(原題『ツール&ストール』)。−−ある朝、殺人容疑をかけられた友人が飛び込んできて目が覚め、別の日は友人から突然頼まれた怪しげな深夜のバイトに出かけ…。さまざまな事件に巻き込まれる、日本一運の悪いお人好し、白戸修・23歳の5つの短編集。−− スリ,ステ看(電柱とかに貼ってあるあれね)貼り,万引きといった,本格ミステリではあまり登場しない犯罪をネタにした短編が多いのが,ちょっと珍しいです。そういった犯罪について,いろいろ詳しく説明してあったりします。最初の3話はトリックとかがちょっと単純かなとも思いましたが,最後の話はけっこうよかったです。デパートの隠語って,そういうば思い当たるフシがありますね。先日もそういうアナウンス(「レジカウンターまでお越し下さい」)を聞いたばっかりですが,あれも万引きに逃げられたのでしょうか。まあ店によって違いがあるんでしょうが。4話目のストーカーの話は,最近似たようなトリックが出てくるマンガを読んだので...(ちなみに出版されたのは本作の方が先です)。それはともかく,本のタイトルはもうちょっと何とかならないものか。

とにかくも,久しぶりにじっくり休憩をとれた週末でした。よく寝れたぞー!

11月26日(土)

高田馬場に外国産ビールの種類が多い酒屋(澤本商店)があるということで,行ってきました。さすがにすごい。ペルーのビールとか,トルコのビールとか,売っているのを初めて見ました。中でもカナダのビールが充実しているような。

ライブ鑑賞: 久しぶりに西荻窪のアケタの店へ。何と!(などと驚くほどではないですけどね。個人的にはということで...)2年半ぶりです。今夜は早川岳晴セッション(早川岳晴e-b, 後藤 篤tb, 立花秀輝as, 中山 努g, 北澤 篤ds)。ちょっとロックな感じの激しいジャズ(ロック)。20人も入れば満席の,地下倉庫みたいな小さい店ですが,とても熱い夜になりました。当初はサックス:片山広明の予定だったようですが,酒の飲み過ぎで入院(ちょっと心配)ということで,急きょ立花さんが代理に。片山さんには悪いですが,これはこれでうれしい誤算。急に決まったということで,それほど打ち合わせもしてないはずなのに,すごい演奏でした。迫力あり。トロンボーンもかっこよかったなあ。Coilではキーボードを弾いてる中山さんは,今回はギター。あれっと思いましたが,missing linkでは両方演ってられましたっけ。そういえば,メンバー5人中,4人がmissing linkのメンバー。ドラムスも,もちろん早川さんのベースも,やはりすごかった。とにかくメンバー皆楽しそうで,さらによかった。 で,スピーカーのまん前だったので,久々の轟音に耳が... 狭いんだから,そこまでしなくてもという気もしますが,音の振動が直接体に伝わってくるのは,ライブならではの体験ですね。まあ,自宅に防音のオーディオ・ルームでもある人は別でしょうけど。

西荻の古本屋で,麻耶雄嵩『痾』,乾くるみ『匣の中』を購入。どちらも絶版状態みたいなので,入手できてうれしい。さて,読書中の乾くるみ『リピート』だが,本当にタイムスリップが... さて,どうなる?

今夜の寝酒:レッドフックESB。アメリカ・シカゴの地ビールで,苦めのエール。シカゴに留学?していたS先生のお薦めのビール。

11月25日(金)

眼鏡の感じ,だいぶよし。ようやく慣れてきたみたいだ。

12月15日に職場の避難訓練あり。僕も避難誘導役の一人に任命されました。ややこしそうだが,衛生管理者だから仕方なし。

寝酒にエク28。ドイツの高アルコール(11%)ラガー。ここまでくるとアルコールっぽい味と匂いがする。ラガーとしては味も濃厚な感じ。

11月24日(木)

パソコンを長時間ながめていると,だんだんとくらくらしてくる。ちょっと気持ちが悪い。主成分分析と因子分析の違いについて,確認の意味で一勉強。

「昨日が休みだったので,今日は月曜みたいな気がする」などとH君と話をしたが,考えてみたら昨日も出勤したんだっけ。

吉田達也ほかのライブ(『日本の新音楽』)があったのを,すっかり忘れていた。ズビズバXが聴きたかったのに...。

今日は休肝日。目も休めないといけないな,などと思いつつ,今夜もけっきょくは夜更かし。

11月23日(水,勤労感謝の日

国民の祝日というのを忘れて,休日出勤してしまいました。せっかくなので,航海中の写真などを整理(17日の日記参照)。午後は新宿にでも行こうか。

気分を変えて池袋へ。出がけにY君と会う。仕事関連のことで,夜また会うことを約束。9時頃戻ったら,「疲れたのでもう帰る」などと言いやがる。

乾くるみ『リピート』を読み始める。出だしがちょっと入りこみにくい。いきなり「これから1時間後に地震が起きる」と電話があり,実はタイムスリップが...などと言われても,普通はひくってもんだろう。

夜のビール:Weihenstephaner Kristall Weissbier。池袋の東武で買ったドイツの小麦ビール(ヴァイツェン)。酵母を濾過したのをクリスタル・ヴァイツェンというらしい。小麦ビール独特の味と香りがするが,ちょっとクリアー。

11月22日(火)

陸酔いはほとんど感じなくなりました。それよりも新しい眼鏡による酔い(?)が...。夜に月を見てみると多少ぼやけて見えるぐらいなので,レンズがきつすぎるというわけではないんでしょうけど。具合が悪いのが続くようなら,ちょっと調節してもらった方がよいかな。

眼鏡は2つ。今までどおりのオーソドックスなやつと最近風の細いのと。Aさんには細いののほうがよいと言われたけど,そっちのほうが度が強いので,仕事(パソコン作業)にはちとつらい。

寝酒に青島ビールをさくっと飲む。青島には昔,ドイツの根拠地があったんですね。でも,匂いは日本のビールに近いかな。

11月21日(月)

まだ陸酔いが抜けません。午前中,職場にトラックが到着してたので,荷物を降ろす。午後は会議,そして産業医巡視の打ち合わせ。夕方より本郷に。なかなかうまく進まず。帰りに中野坂上の酒屋に寄ってビールを5本購入。

大阪圭吉の短編集『銀座幽霊』を読了。戦前に活躍した推理作家で,本格物の短編を精力的に書いていた人のようです。評判の高い「燈台鬼」はさすがに面白かったですが,後の作品は,今となってはそれなりという感じでしょうか。歴史的価値は高いのでしょうが,面白いかというとちょっと疑問。おっ!と思ったのは「三狂人」ぐらいかな。自動車消失トリックの「白妖」などもちょっと中途半端な印象。論理性重視の作風なので,(解説にも書いてありましたが)もう少し長ければけっこう面白くなったんじゃないでしょうか。 そういえば,もう1冊でている短編集の『とむらい機関車』も途中まで読んでほうってあるですよ。探してみようかな。

眼鏡を新しくしました。とうとう乱視用レンズを入れてしまったため,なんとなく長く掛けていると気持ちが悪い感じです。歩くのにさほど問題はなさそうですが,それでも早く慣れるといいな。


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