日記

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本(ミステリー中心)の感想とライブ(ジャズ&ロック)の感想が多いです。熱帯魚の飼育日記も兼ねてます。ミステリーの場合にはネタばれもあるので,ご注意下さい。(スタイルシート可の設定のもとでは,ネタばれ部分の文字は見えないようになっています。マウスで選択し反転させると読めます。)

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2005年11月

それもたぶん一つの夢。おそらく。

11月20日(日)

日中はゆっくり休む。

陸酔いはまだ治らず,ふらつきながらもライブ鑑賞に。今夜はsim(大島輝之g,comp, 大谷能生erectro, 植村昌弘ds) featuring 佳村萌vo。ボケッとしていたため,30分ほど遅刻。後半からゲストで佳村さんが入るのかと思っていたら,最初からだったもよう。大島さんのギターを2年ほど前の『江古田即興運動会』で聴いて以来,一度は聴いてみたいと思っていたsimでしたが,今回ようやく聴くことができました。ワンマンかつゲスト付きということで,狭いマンダラ2とはいえ,立ち見が出る盛況でした。音響系?ってのであってるんでしょうか。もっとコンピュータコンピュータしてるかと思いましたが,なかなか熱い部分もあってよかったです。ビートルズのカバー(『Magical Mystery Tour』より,曲名忘れたけど前半のちょっとサイケなやつ)などもあり。あのアルバム,僕も一番好きなんですよね。ちょっと感動。MCは主に植村さんが担当してました。投げやりなんだか何だかよくわからない感じで,楽しかったです。 アルバムも購入。

笠井潔薔薇の女』をようやく読了。−−火曜日の深更、独り暮らしの娘を絞殺し屍体の一部を持ち去る。現場には赤い薔薇と血の署名――映画女優を夢みるシルヴィーを皮切りに、連続切断魔の蛮行がパリ市街を席捲する。事件のキーワードを提示する矢吹駆の現象学的推理が冴える、シリーズ第三弾。−− 間に航海を挟んでしまったため,読み終わるのまで1週間もかかってしまいましたが,前2作に比べても読みやすかったと思います。大がかりな設定のわりに,ミステリーとしてはそれほど複雑ではないかもしれません。事件の解明が始まった時点でまだページがわりと残っていたため,最後にどんでん返しがあるのかと思いましたがそのまま終了してしまいました。ただ探偵(矢吹駆)と他の登場人物との思想的対決みたいなのが明確になってきたぶん,すっきりした印象です。 ちなみに山路龍天による解説は,学術的(論文的?)な解説の好例ですね。読み応えがあります。

11月19日(土)

午前中は荷物の積みおろし。本を3冊ほど持ち込んだのだったが,けっきょく1冊の半分しか読めず。ゆっくり本を読む余裕などほとんどなし。最後の昼食はカレーライス。入港した日の昼食にカレーがでるのが船の慣習らしい。

高知市内で土産物屋などをまわる。主に魚屋関係を物色。ドロメ(カタクチイワシのシラス)を食べる。けっきょく職場へのお土産として芋けんぴ3種を購入。東京で買うのよりだんぜん安い。食べ歩きようにおまけまでもらってお得な気分。

飛行機で東京に戻る。疲れたので,羽田から新宿までリムジンバスを使用。高知市内を歩いていた時は気がつかなかったが,東京に戻ったら急に地面が揺れ出す。いわゆる“陸(おか)酔い”ってやつらしい。船の揺れに順応してしまい,揺れてないのに揺れているような気がしてしまう。くらくらして変な感じ。

帰りに買ったビール(ベックス,ドイツのピルスナーらしい香り)を飲んで,さっさと寝る。とにかく,お疲れ様でした。

11月18日(金)

日中に作業を終了。予定より半日早く,夕方には高知港へ入港。天候等の諸事情により,一部の作業がおこなえなかったのは残念。

航海終了前日と言うことで,食事も豪華。昼は鰻丼がでたし,夜には伊勢エビが。

夕食後,上陸して浦戸湾口に近い御畳瀬の魚市場までサンプリング(+買い出し)に出る。(僕にとっては)珍しい魚が多い。獲物を肴に打ちあげの飲み会。船で過ごす最後の晩ということで,積み込んだアルコールを全部消費。僕が持ってきた残りはバルティカNo.6(ロシアのポーター,甘めで苦くない黒ビール)とカンティヨン・フランボワーズ(キイチゴを漬け込んだベルギーの自然発酵ビール,酸っぱい)。他にもラムとかテキーラとかまで,いろいろ出てきた。名残惜しいが,本当に最後の晩。

で,また乗りたいかと聞かれれば,たぶんちょっと迷うだろうな。

11月17日(木)

波が穏やかになり,ようやく作業が進むように。調子に乗って薄着をしていたら,少し風邪をひく(微熱あり)。酒を飲む余裕がやっとうまれる。今日はシュパーテンのオクトバーフェスト。でも何となく微妙な味が分からない。

11月16日(水)

荒天のため,予定していた作業もなかなか進まず。

深夜の僕の担当時間(0時-4時)が船の移動に当てられることになったので,揺れが大きく,気持ちがよくない。以前,水中翼船に乗った時はぜんぜん酔わなかったのに,どこが違うんだろう。閉鎖空間に長時間置いておかれることの圧迫感? 移動中で特にすることがないため,担当時間中ではあるが,ここ幸いとばかりに休みをとる。

まあ,三度の食事(けっこう量が多い)をちゃんととれているので,体力的には何とかなりそう。

11月15日(火)

朝食を抜いてずっと休みをとっていたら,体調がだいぶ快調に。船酔いもほとんどない状態。やっぱり昨日は緊張していたのかもしれない。昼食もおいしくいただけました。

ようやく慣れてきたと思ったら,午後から波が荒くなりすぎ,危険だということで今日の作業はすべて中止に。夜中に別の場所に移動し,翌朝また判断することに。

夜は残念会で簡単な飲み会。オークニー・ダークアイランド(スコティッシュエール)を空ける。船で同室のKさんが三線(かんから三線)を弾いてくれたので,対抗して(?)こちらも口琴を披露。

11月14日(月)

変な夢(斧を持った凶悪犯に追いかけられる)を見て2時半に目が覚める。やっぱり初めての航海を控え,緊張しているのだろうか。たった1週間だけとはいえ,気を引き締めて頑張りましょう。などと日記を書いていると,もう5時。8時までまた一眠り。

さて一週間の航海の始まり。土佐電の路面電車で高知港まで。だんだんと緊張。とりあえず写真撮影で気を紛らわせる。いろいろと準備を終えて14時に出航。ちょっとした観光気分もここまで。

浦戸湾を出るまでは波も静かだったが,外洋に出ると荒くなり船酔いに。こんなに船に弱いはずではなかったのだが...。夕食が胃に入らず,食後すぐはいてしまう。船での作業は4時間働き8時間休むを1日に2回くりかえすワッチ制(担当するのは0時-4時)。夜中に揺れる中で細かい作業をするのはさすがにきつい。くそー,帰りてぇ!などとつい思ってしまう。揺れて具合悪いのはまあ我慢できるとして,この先もし何も食べれなそうなのが,とにかく辛い。

11月13日(日)

10時過ぎまでゆっくり睡眠をとってから,11時50分に家を出て羽田に向かう。前に和歌山(白浜)に行く飛行機に乗り遅れたことを反省点に,余裕を持って出るつもりが,けっきょく今回もギリギリ。とはいえ,(余裕を持たすためにこれに乗ると決めていた)1本前の列車にギリギリ乗れたということなので,これは大きな一歩とも言えるでしょう。

少し小さめの飛行機で出発。雲の上に富士山がきれいに見える。こういうのを見ると,捻くれ屋の僕でさえ,やっぱり富士山はいいなあと素直に思えてくる。4時すぎに高知着。まずはホテルへ。駅前の案内地図にも載ってないホテルで,新しめだけど安い。

高知はやっぱりいいですねえ。夜,前夜祭として飲みにくり出す。高知のひろめ市場で食べた物:鰹のたたき(生にんにくのスライスたっぷり),鰹のはらんぼ(腹身),酒盗(鰹の内臓の塩辛),鯨のさえずり(舌),オバイケ(さらし鯨),鯨の唐揚げ,ウツボのたたき,ゴリ(たぶんヌマチチブ)の唐揚げ,川エビ(テナガエビ)の唐揚げ,チャンバラ貝,ジャコ天,鯛飯,などなど。とどめに屋台でにんにくラーメン。久しぶりにニンニクで胃の中が熱い。明日は息がくさそうだけど,まあ食べたもん勝ちでしょう。

11月12日(土)

高知に向かうのはてっきり今日だと勘違いとしていて,昨夜寝る前にようやく気がつく。危ない危ない。というわけで,余裕ができたので買い出し+部屋の片づけも少々。とりあえず新宿に出て早めの夕食後,秋物衣料とスニーカーを購入。今までのスニーカーは底がすり減ってしまい,雨が降ると10秒で靴下が濡れる困ったやつだったので(笑)。

駅の本屋に寄り,群像を少しだけ立ち読み。佐藤友哉『子供たち怒る怒る怒る』の野間文芸新人賞ノミネートにびびる。まあ,受賞はないだろうけど,何となくうれしい。紀伊國屋書店でいろいろ購入。辻村深月の新作,島田荘司『漱石と倫敦ミイラ殺人事件』,澁澤龍彦のエッセイ2冊など。

西尾維新ネコソギラジカル』の下巻が出ていたのでさっそく購入。そして読む。これでシリーズも終わりかと思うと,感慨深いものもありますねえ。で,感想なんだけど,ちょっと保留。「えっ,そう!?」ってな感じで,少しだけ拍子抜けでもあるし,逆にそういうラストがふさわしいような気もするし。 いずれにせよ,ストーリーとしては“本格ミステリ”からはだいぶ離れてしまったようだ。ただ,ネタ的にみれば本格ミステリの要素が散りばめられていると言ってもいいかもしれない。『ジョジョの奇妙な冒険』の後半みたいに。 説明されなかった謎とかもいろいろあるようだけど,それはそれでよしだと思う。ただ,惜しいキャラクターがいっぱい残されているような気がするので,本編のストーリーから離れたところで,外伝とかがあってもいいなあ。次のファウストに2編載るらしいので,もしかしたら片方はそれか? それはそうと,裏表紙のイラストはラストシーンのネタばれになっているような気もするが,いかがなものか。いや,どうでもいいんだけどね(それも予定調和ってことで)。 ↑何となく感想がまとまらず。

先日買ったリックサックは,荷物がいっぱい入って便利だなあ。

今日の寝酒:XXXX Bitter。フォーエックスと読むらしい。オーストラリアの少し苦めのラガー。

11月11日(金)

シンポジウム2日目。昨日同様盛り上がる。某発言者の方の‘足の震え’が気になって気になって...。まあ,物事が決まるまでというのは,こんなものなのかもしれない。まず一歩。

M先生より,旧漢字変換のフリーソフトを教えてもらう。これいいですね。ワードでしか使えないのはしょうがないとして。 旧漢字といえば,最近再版(っていうのかな?)された石川淳『諸国奇人伝』ほかが‘新かな・新漢字に変更されていたのは,分かっていたとはいえ,けっこうショック。僕はそこら辺の本で旧仮名遣いを学びましたからね。時代の流れとしてしょうがないとは思うのだが,石川淳といえば旧仮名遣いに最後までこだわった作家だったわけだし。ちなみに石川淳がこだわった理由は「文法的に正しい」からだったような(うろ覚え)。

新しく眼鏡を作りに行く。ちょっと乱視が入ってしまったらしく,できあがりまで1週間かかる見込み。今までの眼鏡はぼろぼろになっていることもあり,コンピュータ作業用とその他外出用2つ作ってもらう。作業用には今までどおりのレンズ面積が広くて視力も弱めなやつ。外出用は今風の細めのやつで視力は適度(要するに遠くもよく見える)。

浦賀和宏とらわれびと』を読みました。−−大学構内で発生した連続殺人。被害者は皆男性で、腹を切り裂かれて殺されていた。犯人を捜していた被害者の姉は、「妊娠」した男が次々と失踪するという奇妙な事件に出くわすが…。−− いよいよ本格ミステリ化してきた第4作。奇妙な謎と意外な真相。ただし推理の過程だけは(意図的に?)除かれている。名探偵・安藤直樹による指摘は,登場人物が言うところの「彼が調べたことによると」であって,推理の結果であるのかどうかがよく分からない。これが後の『学園祭の悪魔』に繋がっているのだろうか。となると,さらに後の『透明人間』が気になる。しかし,浦賀和宏って作家は,穏やかそうな顔に似合わず,作風はけっこう嫌なやつだな(←ほめ言葉)と思ったり。どれも後味悪いよね。さて,時系列をずらす記述法は佐藤友哉の『水没ピアノ』と同じだなと思ったのですが。比較しながら読むと面白いかも。

大阪圭吉の短編集『銀座幽霊』を読み始める。戦前に本格推理を精力的に書いていた作家。「灯台鬼」だけ以前立ち読みしたことあり。

今日の寝酒:M・ジャクソン氏ご推薦のライオン・スタウト。スリランカの有名黒ビール。苦みの中にぴしっとした酸味。味が濃くても後にひかない。でも好きかというと...。


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