少しだけ感傷的に日々の記録を綴ります

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本(ミステリー中心)の感想とライブ(ジャズ&ロック)の感想,熱帯魚の飼育記録なども兼ねてます。ミステリーの場合にはネタばれもあるので,ご注意下さい。(スタイルシート可の設定のもとでは,ネタばれ部分の文字は見えないようになっています。マウスで選択し反転させると読めます。)

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2006年7月

嫌なことなど,いろいろ思い出させやがって

7月31日(月)

東京ナミイBANDのライブに行ってきました。会場は原宿クロコダイル(初めて行きました)。今回の対バンはサボテンです。こちらを聴くのも初めて。最初は普通のボーカルものかと思って聴いてましたが,途中からエリック・サティのピアノ小品集(タイトル忘れた,全21曲中)18曲をエレキギター・ベース・ドラムで演奏,などという際物(←褒め言葉)に...。個人的にはなかなか楽しめたけど,会場には多少の“どう反応したらいい?”感も流れてたような。短い曲が多く,どことなく中途半端な感じで終わるのも,ちょっとおかしい。曲によってはサティの文章の朗読(ハムレット風)も付いてました。もう少し仰々しくてもよかったかな。サティの後はまたボーカルものに戻り,何となくこのバンドの変てこさ(=心地よさ)がわかってきたところで,演奏が終了。 余談だけど,観覧車が日本に来て百周年おめ。

休憩を挟んでいよいよ東京ナミイBAND。スモークの中をナミイ さんが登場。1曲目の「SALOME」から魅せられます。何か声の響きがいい感じ(座った位置とか,会場のせいかもしれないけど)。「悲しい気持ち」(好きな曲です)では,迫力?の余り,お子さんが泣き出すハプニングも。「Babylon」での早川さんや近藤さんのソロもかっこよかった。しかしこのメンバー(鬼怒・早川・田中・近藤)はやっぱりすごいよな。「Alabama Song」がクルト・ワイルの曲というのは,初めて知りました(ドアーズとかもカバー)。ラストは,珍しく静かめの曲「In the Dream」。いつもは(まだ4回目だけど)もっと激しい曲で終わってたと思うので,ちょっと意外な感じ。でも,こういうのもいいですね。アンコールは「Love Me Tender」。ああ,これから後1年はCDでも聴いてるか。「悲しい気持ち」「Lucifer」「Babylon」って,CDに入っていない曲がいろいろあるんで

Dsの田中さんが参加してるバンドのCD買って帰りました。まあ,今日買わなくてもよかったんだけど(まだ機会がないけどそのうち聴きに行くと思うし)。 浦賀和宏の小説にも名前が出てくるエキセントリック・オペラって,CD今売ってないんですかね。

シャンディ・ガフを飲んだだけだと足りなかったので,寝酒にクローネンブルグ1664ブランを飲む。先週のグラン・ドルジュ・ブランシェに続き,こちらもフランスのホワイト・エール。酸味が強いなと思ったら,レモン果汁が入っていた。フランスではよくあるのかな。

7月30日(日)

昨夜のアルコールを抜くため,昼間はお休み。って...普段とどこが違うのか?

新宿・神保町・幡ヶ谷で買い物。衣類・書籍・ビールなど。神保町まで足を伸ばしたわりに,『HELLSING』の最新刊とかしか買ってないし...。

アンデルセン神父が…! そういえばヤングキング増刊アワーズって,コンビニで売ってるのこの頃見たことがない。昔は2回に1回ぐらいは買えてたんだけど。で,最近は他の連載がどうなっているかもわからないし。本屋だとちゃんと売っているのかな?

幡ヶ谷では,北森鴻『支那そば館の謎』・柴田よしき『猫は引っ越しで顔あらう』を購入。

寝酒に(けっきょく飲む...)

7月29日(土)

清涼院流水秘密屋文庫 知ってる怪』を読みました。−−口裂け女、人面犬、トイレの花子さん…。友達の友達から耳にする絶対本当の話、現代社会を彩る究極の都市伝説。それら全てを支配するかのような、2000年代に出現した「秘密屋」という万能のオマジナイ。秘密屋って何!?−− 流水は久しぶりに読みます。この本は『秘密屋赤』『秘密屋白』の2冊を改作した新ヴァージョンらしいです(元の本を読んでないので詳しいことはわかりませんが)。赤・白・黒の三部構成。都市伝説を収集しているうちに“秘密屋”の存在に気が付く「赤」は普通に面白かったでしょうか。秘密屋の正体は「秘密や」以外ないじゃんって,出てきてすぐ思ったのですが,作中では引っぱること引っぱること。普通すぐ気が付くだろ!って思いながら読んでました(結論はけっきょく違うみたいですけどね)。で,「白」以降は何だかなあって展開に。で,『カーニバル』の終わりの方と同様,どうやって楽しんだらいいのかわかりません(泣)。などと言いつつ,けっきょく最後まで読んだんですけど。なぜだか読み出すと,止まらなくなるねえ(何だかんだと楽しく文句を言いながら...)。

沖○○島まで調査に出かけるKさんを送り出す飲み会がありました。一次会は新宿西口の居酒屋,二次会は久しぶりに思い出横町に。キックボクシングをやってるO西君も途中から来ました。しかしリングネームはともかく通り名(?)の「陽気なメキシカン」って...。ビール少なめにした代わりに最初から食べ物をいろいろ胃に突っ込んだので,途中からかなり腹一杯になりました。しかし,大学時代の仲間も,東京ではすっかり少なくなっちゃいましたねぇ。

7月28日(金)

ヌマエビの体色が白っぽくなったのは治らないのかな? とりあえず,温度低め,水換えの頻度多めにしてみよう。

黒田研二闇匣』を読みました。−−男は、真の闇で満たされた部屋の中、体を縛られ身動きひとつできずにいた。男を尋問するのは、これまで蔑み続けてきた友の声。妹の死、元恋人の死…。真相は誰の胸の中に?−− 密室本(講談社ノベルス)。といっても密室トリックが出てくるわけでもないですが,真っ暗な密室で繰り広げられる舞台劇という印象。相変わらずの凝りまっくたストーリー構成にいい感じで騙されます(ちょっとアンフェアっぽいかな?)。で,相変わらず登場人物(主人公を含む)に感情移入できないのがちょっと難点ですか。主人公の性格が明らかになるのがもっと後だったら,より意外性があって面白いのにと思うんですけどね。でも性格がぜんぜんわからないと,より感情移入もできないし,構成上しょうがないのか。それと着けていても気が付かないヘッドホンなんて現実にあるんですかね? そこら辺のリアリティがあまり感じられなかったんですが。そんなにうまくいくのって感じで。うん,好きな作家なんですけど。いつもながら,少し惜しいです。

寝酒に夢みなとビール・ケルシュ。おいしいけど,もう少しあっさりしててもいいような(好みの問題でしょうけど)。

7月27日(木)

ラクダカルテット(水上聡key, 林栄一as, 菊池成孔ts, 類家心平tp, 佐藤帆ts,key, 今堀恒雄g, 水谷浩章b, 外山明ds)のライブに行きました。これで6回目の鑑賞。カルテット(四重奏)と言うからには最初は4人だったんですかね。とすると,元ティポグラフィカの4人(水上・菊池・水谷・外山)? などと,開始前につらつら考える。それはともかく,今回は菊池成孔・今堀恒雄の両名が参加ということもあり,開場時(開演30分前)にはほぼ満席。なんとか後ろの方に座れたが,視界の面ではなかなか,悪くなかったです。
 今回のライブは林・菊池・今堀3名のソロが多くかつ長めかな。じっくり聞き込めてよし。ただ,そのぶん佐藤さんとか他のメンバーがあまり目立たないような気もしました。ベース-ドラムとかももう少し聴きたかったです。曲の頭に流れるsynthの音,以前に比べてもだんだん変になってきてる。メンバーがそこでにやりと笑ってたりするんだけど,中でも水谷さんがやけに可笑しそうにしてるのが印象的でした。最近新しく入った類家さんのtpは初めて聴きましたが,音の大小の対比がめだつ演奏。渋い系というかストイックな感じがして,かっこよかった。林さんのアルトと音が何となくかぶっているような気もするけど(吹き方のせいか?),僕の耳が悪いのです。まあ結論として,いつもながらの楽しめるライブに満足しました。

山田正紀『ミステリー・オペラ』を読み始める。上下2冊ということもあり,少し読み辛そうな気もする。まあ頑張ってみるか。

7月26日(水)

四国と九州はようやく梅雨明けとのこと。東京も久しぶりに夏っぽい暑い日に。

M君の進路(就職?)について,情報あり。がんがれ。

Rさんのホームページを見つける。趣味は木工にペーパークラフト!? 手先の器用さが不足している僕としては,とてもうらやましい。僕も小さい字を書くのだったら得意なんだけどね。年賀状は毎年ステンシルやってるし...って,変なところでライバル視。

だから仕事の進み具合が遅いって! どうにかしろよ,自分。

寝酒に栃木の地ビール ろまんちっく村・麦次郎を飲む。味からして,ボヘミアンスタイル・ピルスナーかな。あくまで山勘みたいなものだけど...

7月25日(火)

夏休み突入(たぶん世間的には)でゼミもしばらくお休み。

60cm水槽にトゲナシヌマエビの脱け殻が2つ。昨日の♀だね。ぶじに抱卵。

衛生管理者による職場巡視。どこもガス栓が古くなっているので,要交換とのこと。とにかくも,眠い午後。

夕飯の買い出しのついでに,近所の古本屋に2年ぶりに立ち寄る。同行者はほうっておいて,ゆっくり物色したあげく,5冊購入。石川淳『夷齋小識』・野坂昭如『文壇』・横溝正史『本陣殺人事件』・小泉喜美子『死だけが私の贈り物』・鮎川哲也編『トラベルミステリー6 殺意の終着点』。 『本陣殺人事件』は既に持っているのだけど,うちにあるやつは表紙の絵(猫女)が怖いので,交換しようかなと(ちなみに今回見つけたのは74年の5刷)。でも角川文庫の横溝って何であんなに絵が怖いの? 中身は別に怖くないのに。前に人気のない夜の街で『犬神家の一族』のポスターを見た時はマジでびびった。勘弁してくれ。 小泉喜美子『死だけが私の贈り物』は彼女の長編の中で唯一文庫化されてなかったこともあり,持っていなかったので,とてもうれしい。しかし,あの『弁護側の証人』でさえ,今は絶版とは...。 鮎川哲也編のアンソロジー『トラベル・ミステリー』は高校生の時に1〜3まで買ったきり,残りは買いそびれていた。何かあっという間に本屋からなくなった印象(取り寄せればあったのかもしれないけど,当時は店頭に置いてある本しか買えないシャイ?な人格だったのでw)。石川淳『夷齋小識』は旧漢字+旧仮名遣いを忘れないための練習用。

夜はわけあって(?)高田馬場に。途中,新宿の成城石井でビール(エーゲンベルク・ウルボック)とスコーン2種類を購入。スコーンは明日の朝食用だったのだけど,半分食べてしまう。

寝酒にエーゲンベルク・ウルボック。“ビールのコニャック”と呼ばれているらしい。この手の高アルコールラガー(本品は9.5%)は少し味噌っぽい香り(これがコニャック風?)がするので,それが基本的にはちょっと苦手。でも気にせずに飲み込むとやはり美味しい。

7月24日(月)

60cm水槽で死んだエビをヒナハゼがつついているのを目撃。サイズ等からして,被害者はヌカエビらしい。一瞬ビックリしたが,魚に襲われて死んだわけではなく,おそらく暑さのせいで調子を悪くしたのだろう。検疫用の別容器に入れていた時に暑い日が続き,体色が白濁してたので心配してたんだけどね。これで60cm水槽に入れたヌカエビ3匹は全滅したようだ。というわけで,エビを購入するなら涼しい時期に限るということでしょうか。“夏季”厳禁。
 ヌマエビ小卵型のほうは,大きい個体には多少濁りが見られるけれど,小型個体は大丈夫そう(とりあえず5匹中4匹の生存は確認)。ミゾレとトゲナシはどの個体も調子がよいので,ヌマエビよりは暑さに強いようです。やはりミゾレが暑さに弱いというのは,通称“ミゾレヌマエビ”(ヌマエビ小卵)の場合を指して言っているようでしょうか。

夕方よりトゲナシヌマエビの♂が猛スピードで泳ぎ出す。水槽の真ん中に立てた流木に抱卵していない♀が2匹。その回りにも数匹の♂がうろちょろ。最初に流木を立てた時は誰も寄りついてくれなかったので「レイアウトミス!」などと思ったものだけど,こういう時にはだいぶ役に立っているようだ。水換えをするためコップを水槽に入れたら,トゲナシの♂がすかさず飛び込んでくる。普段は捕まえようとしてもなかなか網に入ってくれないエビなのに,こういう時は何も気にせずただ泳ぎまくっているだけなのがおかしい。

若竹七海猫島ハウスの騒動』を読みました。待望の新作はお得意のコージー・(本格)ミステリ。−−三十人ほどの人間と百匹を超える猫が暮らす通称・猫島。民宿・猫島ハウスの娘・響子の同級生・虎鉄が見つけてしまったのはナイフの突き立った猫の死体、いや、はく製だった!? 奇妙な「猫とナイフ」事件の三日後、マリンバイクで海の上を暴走中の男に人間が降ってきて衝突した、という不可解な通報が!−− 最初から最後まで猫だらけ。個性的な猫はたくさん登場するは,各章のタイトルまで全部猫づくし。個人的に猫大好き!ってほどじゃないですが,猫はわりと好きなので(犬よりずっといいですね),楽しみながら読めました。(人間の)登場人物もみな個性的です。ちょっと戯画化しすぎかもしれないけど(神主さんとか),コメディだと思えばちょうどいい感じ(リアリティを求めちゃダメだよね)。一応は殺人もおこりますが,そんなに悪人もでてこない(ちゃちな覚醒剤密売組織ぐらい)ので,読後感も悪くないです。ミステリーとしては同シリーズ(『古書店アゼリアの殺人』など)の中でもちょっと弱いかもしれませんが,伏線は張りまくりだし,推理過程の不足を補って余りある魅力に溢れた小説だと思います。 作中の小ネタで気になったのは,登場する猫本屋の本棚にあった「クリスチアナ・ブランド」の本。これって『猫とねずみ』かなあ。実際には猫は出てこなかった気もするんだけど(うろ覚えですが)。

寝酒にグラン ドルジュ・ブランシェ。フランスのホワイトエール(もちろん香料・オレンジピール入り)。他のホワイトエールに比べ,少し酸味が強い感じ。

7月23日(日)

昨日より仙台。午前中だけまじめな仕事の話をしました。仕事内容によりグループ分けしてあったので,わりと内容の濃い話ができたのでは。難しい工学とかの話されても共通性がないので。今後のやる気が出てきたようなら幸いですね(←人ごとみたい)。なごやかな雰囲気で昼にはすべて終了。

同じく東京から来たHさんと一緒に仙台城へ。2度目の来訪。仙台城といっても山の上にある本丸には行かず,麓にある大手門までですけれど。まあ,伊達政宗が造った城は高いところにありすぎて通うのが大変なので,子孫には下に城を造っていちいち上まで登るなと遺言を残したらしいので(坂口安吾『安吾新日本地理』より),ここが仙台城だと言い切ってしまってよいのです(たぶん)。で,下の写真が大手門脇櫓。前来た時も近くに来たはずだけど,覚えていないのでおそらく素通りしちゃったのでしょうね。

福島までは新幹線。ここでHさんと別れ,在来線で二本松に。今回の目的の一つである,二本松城を目ざします。この城は地元の豪族・畠山氏の築いた城ですが,伊達輝宗(政宗のお父さん)が殺された場所としても有名。江戸時代は丹羽氏10万石の城下町です。

駅から10分ほど,丘の登り口付近に大手坂下門跡がありました。この調子だと城ももうすぐ先だろうと思ったのですが,考えが甘かった。丘を上がりきった所には何もなく,さらにもう一山越えた所に1遠く城の石垣が見えました。けっきょく20分ほど歩いて,三の丸に到着。この時点でけっこう汗をかきましたが,ここからがやっと本番。なにしろ本丸はさらに100m以上高いところにあるのです。日頃の運動不足がたたってバテバテになりました。よかったのはちょうとアジサイが満開だったこと。途中,池や茶室なども眺められ,なかなか風情があります。

 麓より。右側にある山の頂上が本丸です。

本丸に天守は残っていませんが,本丸回りの石垣が復元されています。その下など石垣の一部は江戸時代のままのようです。しかし,ビックリしたのは本丸のすぐ近くに駐車場があったこと(笑)。どうやら裏側から車で上ってくるのも可能みたいです。本丸からは四方向全てが見下ろせます。汗だらけになった体に吹き寄せる風が心地よく感じられました。

二本松駅に戻り,郡山からまた新幹線。さらに宇都宮でまた途中下車します。栃木県の地ビールを入手するのが目的です。駅の土産物店でろまんちっく村(4種類)と日光ビールを発見。さらに東武駅まで歩いて那須高原ビール(3種類)を発見。けっきょく3本を選んで買ってきました。

車中で,森見登美彦太陽の塔』を読了。−−私の大学生活には華がない。特に女性とは絶望的に縁がない。三回生の時、水尾さんという恋人ができた。毎日が愉快だった。しかし水尾さんはあろうことか、この私を振ったのであった! クリスマスの嵐が吹き荒れる京の都、巨大な妄想力の他に何も持たぬ男が無闇に疾走する。−− 日本ファンタジーノベル大賞受賞作(どこら辺がファンタジー?って気も少しありますが)。文章がこなれていない部分が多少気になりましたが,なかなか楽しませてくれる小説です。いろいろ恥ずかしい記憶なども思い出させてくれるお話でもあったり...。しかしまあ,主人公の行動(水尾さん研究)って一歩間違えれば単なるストーカーなんですけど。でもどこまでが主人公の妄想なのか,だんだん分からなくなってきました。そこら辺がファンタジーなのかな。オチは曖昧ですが,たぶんまた振られたのか。それともそれもすべて妄想? 一番面白かったのは,主人公の“招き猫”騒動を巡っての飾磨兄妹のエピソード。1分ほど笑えました。

はやみねかおるそして五人がいなくなる』(講談社文庫版)を読みました。−−夏休みの遊園地。衆人環視の中で"伯爵"と名乗る怪人が、天才児4人を次々に消してみせた。亜衣たち岩崎家の隣人で自称名探偵、夢水清志郎が颯爽と登場!と思いきや「謎はわかった」と言ったまま、清志郎はなぜか謎解きをやめてしまう……。年少読者に大人気、誰もが幸せになれる噂の本格ミステリ−− ファウストで箸井地図が連載してた漫画(未完?)が面白かったので,原作の方も買ってみました。こちらも面白いですね。主人公が三つ子がである必然性があまりないように感じましたが,シリーズものなので,この後の作品ではそれが効いてくるのかな。子供向けとして書かれたということもあり,いわゆる“悪人”が出てこない,楽しい気持ちで読み終われる作品を読みたい人にはお勧めです。僕個人は後味が悪い小説もかなり好きなのですが,たまにはこういうのも読みたくなります。

寝酒に那須高原ビール・スコティッシュエール。去年の7月より数えて,記念すべき300本目(日本の大手ビール会社製品を除く)。イングランドのペールエールとは少し違った癖がある感じ。よい気持ちになり,電灯を着けたまま寝てしまいました。

7月22日(土)

組合の交流会があるため,仙台に来ています。朝9時に家を出発。東京駅で車中で読む本を3冊購入(若竹七海の新作がうれしいです)。ただし仙台に向かう新幹線の中ではずっと寝てました。さて,その仙台。前に来たのは3年ほど前なので,それほど変化もないようです。1時集合。今日の日程はまず数人ずつのグループに分かれての社会見学,つまりは“観光”ですね。同行したのは北海道のWさん,名古屋のKさん,京都のHさんに東京からの僕を合わせた4人。

どうせ夜の懇親会には大したものは出ないだろうとのことで,まずはうまいものを食べることを最優先。相談して塩竃に寿司を食べに行きました。ただ昼を抜いてきたのは僕だけだったので,腹をすかすためとりあえず松島に行くことになってしまいました。松島は以前行ったことがあるので,今となってはと複雑な感情も湧きましたが,まあいいや。あいにくの曇り空で景色もいまいちだったのは残念です。砂浜もアマモがたくさん打ち上げられてきれいではなかったし。また一つ思い出が...(笑)

塩竃に寄ってまず“やみ市”の魚屋をのぞく。闇市というから怪しいところかと思いましたが,そういうわけでもないみたい(昼しかやってないし)。1個300円の岩ガキを剥いてもらって,食べる。近くの寿司屋に入り,にぎり中2人前・ホヤの刺身・塩竃風鰹のたたきを注文。もちろんビールも付けました。ホヤも新鮮だと匂いがきつくなく食べやすい。鰹のたたきは特に変わった風でもなかったです。

懇親会は立食式。社会見学のグループごとに,その日の報告や自己紹介など。どうやら仙台城に行ったグループはなかったようで,城好きとしてはちょっと寂しいかぎりです。青葉城って有名だと思ったのですが,そうでもないのかな。「伊達政宗ぐらいは知ってますよね」とも聞けなかったけど。 料理は想像したとおりでしたが,皆が持ちよった日本各地のお酒があって,楽しめました。二次会(塩竃から数えると三次会)は郷土料理の店に。サンマ・牛タン・笹かまなど,仙台名物が。ホヤもありましたが,寿司屋のホヤに比べると例の匂いがきつめでした。11時ぐらいまで飲んでいた記憶あり。

7月21日(金)

雨。梅雨は未だ明けないのか?

渋谷系と呼ばれる音楽ジャンル(?)があったのをI君が知らないことが判明。ピッチカート・ファイブもフリッパーズ・ギターも名前を聞いたことがないらしい。世代の差なのかな。それともそれほど一般的じゃなかったのか。年の近いAさんによると後者ではとのこと。まあ,僕も友達がカセットテープにとってくれなきゃ知らなかった可能性が高いし。そう考えると,納得ではある。

夕方より理髪店に。明日は仙台に行くので,洗濯も今日中にしないといけないんだけど,ちょっと面倒だなあ。

それにしても,S領域,手続きが面倒だぞ。

菅浩江鬼女の都』を読了しました。−−「ここは鬼の都やのン。都にこだわり続けるあさましい鬼がいてるのン」 京都を舞台にした小説で熱狂的なファンを持つ藤原花奈女が死んだ。彼女の死後も呪詛をこめた手紙を送り続ける〈ミヤコ〉の正体は? 真相を追う吉田優希の眼前で、怪事件が連続する。−− 京都を舞台にしたミステリーはたくさんあるけれど,京都という街の特質(または京都人の気質)を直接のテーマにしたミステリーとしては,本作が一番でしょうか。地方の人のイメージを大事にしたい気持ちと(真の)伝統的な京都を守ろうとする意志とのぶつかり合い。それは東京から来た人間にはわからない。説明されれば,京都だからねえと納得させられてしまうのですが,本当にそうか。京都人が読んだら事の真相とか,すぐわかったりするのかな。それもこちらの京都に対する単なるイメージだったり。作者は本物の京都人らしいので,そうなんだろうなとは思うんだけど,京都人だから本当のことは...などとだんだん分からなくなってきます。登場人物は少ないので,〈ミヤコ〉の正体はこの二人のどっちか(たぶんこっち?)というのはだいたい想像つくのですが。でもこの話のポイントは“犯人が誰か?”じゃなくて“犯人は何を言いたかったのか?”なので,問題なしです。しかし,エピローグを読むまで,それまで語られていたのが昔の話であるとは想像もできませんでした。ヒントは“沢松”ですか(30代以上じゃないとわからないネタでしょう)。叙述トリック?(笑) その頃も同人誌活動って盛んだったのでしょうか。


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