日々の記録

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2006年8月

今月のキーワード:モラル・ハラスメント...(本ページとは特に関係ありません)

8月20日(日)

古川日出男アラビアの夜の種族』を読了。−−語られるのは、存在しない物語。13世紀エジプトを舞台とした奇書の登場! 聴きたい者の前に、物語は姿を見せる。ナポレオンのエジプト侵攻をくい止めるため、奴隷アイユーブが探しだした「災厄の書」。そして、物語が現実を浸食し始める--。−− 長いですが,なかなか刺激的な小説でした。著者のインタビュー(ビーケーワン記事)によると,ボルヘス(『伝奇集』みたいな架空の話)の長編化をやりたかったようですが,ボルヘス好きとして,もちろんこういうのは嫌いじゃありません。‘13世紀のエジプト’と‘語られる伝説(「災厄の書」)’という二重構造のさらに外側に,訳者による注釈(現代日本)というもう一つの構造があったりするのも,ちょっと意味ありげ。伝説の「災厄の書」が実在すると見せかけて実は今書かれている最中であるというのと,二重写しみたいになっているのかな。 ナポレオンのエジプト侵攻というマイナーな史実に,著者が焦点を当てたことからして,歴史好きには興味深いですね。ここらへん,もう少し話を広げても面白かったような気もしますが。それはさておき,この事態に対する主人公アイユーブの作戦というのが,そんなにうまくいくのかな?ってなものなんですが,これが後で効いてくるのが面白いです。ただ,○○協会賞受賞ってことでついつい穿った読み方をしまい,これは××をはめるため?と何となく気付いてしまいましたが(その意味ではこの肩書きは不要)。 肝心の「災厄の書」についてだけど,前半(主人公三人が出そろうまで)はわりと面白かったけれど,後半はなんとなくありきたりな印象。それと,何となくあんまりアラビアっぽくない気がしたりするんですが,どうでしょう。いや,僕がアラビアについて何も知らないだけか? 著者は欧米人らしいから仕方がないっていうのもありかも(笑)。

新宿と神保町を回る。浦賀和宏『火事と密室と、雨男のものがたり』・牧野修『月光とアムネジア』を購入。まあ,なにも神保町まで行かなくてもって気もするが...。今回は買わなかったけど,若竹七海『火天風神』の再文庫化もうれしい。これからもどんどんお願いします(→光文社さん)。

60cm水槽用のライトが切れたため,新宿の熱帯魚屋で購入。持ち帰って試してみたら,どうやら切れたのはグローランプのほうだったらしい。また買いに行かないと(電器屋でいいかな?)。ついでにソイル少々も買ってきたので,そろそろ似非ビオトープ増加計画も始動しようか。

柴田よしき『猫は引越しで顔あらう』を読了。 「猫探偵正太郎の冒険」シリーズ4冊目の短編集。−−同居人のミステリー作家・桜川ひとみの転居にともない、東京で暮らし始めた正太郎。早速仲よくなった隣猫、フルフルとニンニンのコンビと一緒に、新しい街で、新しい冒険に大忙し!?下町の情緒に馴染み、正太郎が活躍する四つの事件。−− 相変わらず猫たちの会話が楽しいです。「正太郎と天ぷらそばの冒険」:発想が面白い。引っ越し先をさがす先に必ず置いてあるカップ麺。「正太郎と古本市の冒険」:古本並べた暗号でプロポーズというのがちょっと...。おばさんラブ説の方が面白かった。「正太郎と薄幸の美少女の冒険」:新しい友達登場で賑わってくるとさらに楽しい。でもミミコは美‘少女’じゃなかろう。「祈鶴」:レギュラー以外の人間の視点から。しんみり系。

寝酒にサンクトガーレン・ブラウンポーターを飲む。その名のとおり,ポーターとしては色が茶色くややあっさりめの味。飲みやすい。

8月19日(土)

最近の土曜日は,何となくだらだらと寝て過ごしてしまうことが多い。もったいない。

気まぐれで職場に顔を出す。軽い脱水症状だったので,自販機のスポーツ飲料(100円と外で買うより少し安い)を何本かがぶ飲み。ペットボトルの大きいのを買った方がどう考えてもお得だけど,何種類か違った味のが欲しかった。

休憩室で学生が置いていったマンガを何冊か読む。メインはたがみよしひさ『軽井沢シンドローム』。懐かしい。主人公が昭和30年代の生まれ(終戦から10年ちょっとしかたっていないわけですよ!今考えると...)というのが,少し時代を感じるかも。中身的にはそれほど古びてはいないように思えるけどね。ちなみに僕が初めてビックコミック・スピリッツという雑誌を読んだ時に,まだ連載が続いていたのを覚えている(他には『めぞん一刻』とか『キスより簡単』とか『妻をめとらば』とか...)。っていうか,コミック文庫で持っていたはずなんだけどな。

8月18日(金)

夕方よりソフトボール。一応は昨年の優勝チームなので,今回も期待がかかる。とりあえずの初戦(どうやらリーグ戦らしい)は7-4で勝利。まあ,僕は応援してただけだけどね。でも暑かった。

ミラー・ライトを飲んでみる。話には聞いていたが,あまりビールの味がしない,水みたいなビールだった。1本だけだとちょっと物足りない。低カロリーらしいので,アルコールに強い人ががぶ飲みするためのビールなのかな。喉ごしも悪くないし,もっと喉が渇いている状態だったら,どんどんいけそう。

M君の水槽掃除を手伝う。

寝酒に美山ブロンド(志賀高原ビール)。日本版セゾンタイプらしい。こってりだけどすっきりといった印象。

8月17日(木)

夏休み気分が消えず,少しだらだら。

ウナギの成長データを貰う。漁獲と成熟の仮定をどうおくか(成長速度が異なれば,当然漁獲・成熟の年齢も変化するはず)。工夫のしどころ。なかなかいいアイデアが浮かばないが...さて。

今日からソフトボール大会始まる(夏休みで隣の学校の校庭を借りられるから)。この暑いのに...。夕方からだから,多少は涼しくなるんだろうけど。

寝酒にOh!La!Hoビール・アンバーエール。

8月16日(水)

無事(?)に短い夏休みが終了。

安全衛生管理の職場巡視も,今年度二巡目に突入。さすがに時間がかからなくなってきました。来年以降は今よりずっと楽ですよ,きっと。

60cm水槽の余ったロタラをプラスチック容器に入れっぱなしにしておいたのだが,最近になって急に枯れ出す。夏の暑さのせい?

夜は雨。寝酒にルードヴィッヒ・ヴァイスビール・デュンケル。いきなり泡が吹き出し,布団の上にこぼす。意外とデュンケル・ヴァイツェンって飲んでなかった。3本目。

8月15日(火)

今日は終戦記念日。いろいろと思うこともあるけれど,まあいいでしょう。そういえば「(歴史の真実)は一つ,解釈は人の数だけある」とかって文章をつい最近読んだはずなんだけど,どの本だったか。『ミステリ・オペラ』『レキオス』『アラビアの夜の種族』,どれでもあり得そうな気もするが,やっぱり『ミステリ・オペラ』が正解でしょうかねえ。そういえば,狙ったわけでもないのに,今回読書に選んだ3冊は「戦争」とか「歴史」とか「霊」とかがキーワードになってたりする。何らかの潜在意識が働いたとしても,ちょっと面白いかも。

今日は池袋まで遊びに出る。駅のカレー屋のタイ風グリーンカレーがなかなかうまかった。東武百貨店でビール4本を買って帰る。真夏ということもあり,ライトビールなども購入してみる。

寝酒にOh!La!Hoビール・ケルシュ。よいです。よいです。

8月14日(月)

今日明日と二日間は仕事も夏休み。職場の一斉休業ではないが,なるべく部屋ごとにまとまって休みをとるようにとのこと。

ベランダのビオトープに,ヌカエビ2匹が生き残っているのを発見。うちのベランダは建物の北側に付いていることもあり,外気温が30℃を越えても水温はそれほど上がらないですむらしい。60cm水槽だって30度を越えることはなかったはずなんだけど,それでもヌカエビは全滅したからね。それ以下だったってことか。残念ながらどちらも♂のようなので,このままだと繁殖は無理。♀をまた導入したいけど,もう少し涼しくなってからがいいか。雨で倒れたロタラを植え直したり。もう少し水草の種類を追加してもいいかもね。

ただぼうっと休むのもなんだなと思いながら,ノートパソコンを使ってあれこれ。

古川日出男『アラビアの夜の種族』の2冊目も読了。

寝酒に志賀高原ビール・IPA。これ,書いてないけどイングリッシュ・スタイルですよね。アメリカンなホップの(生臭い柑橘系の)香りがしないもの。当たってる?

8月13日(日)

古川日出男『アラビアの夜の種族』の1冊目を読了。

標高の高い(380m)長野市とはいえ,日中は暑いので,家の涼しい所を探して避難。猫のように。

母が携帯メールもやってみたいとのことなので,とりあえずメールの設定をしてあげる。文章を打ち込むのは面倒だと思うけどね(僕もあまりやりたくない)。

父方の祖母(91歳まだ存命)に挨拶してから,実家を出る。祖母からは,最近「生きているうちに結婚しろ」と言われなくなって,ほっとするようなしないような。祖母もちょっと弱ってきたのかななどと思うと,少し心配,少し寂しい。

長野駅前で地ビール探し。Oh!La!Hoビールの3缶入りと志賀高原ビールを2本買って帰る。志賀高原ビールの1本はセゾンタイプらしい。日本の地ビールでセゾンって初めて見た。長野始発の新幹線あさまはけっこう席が空いていたが,途中の軽井沢でどっとお客が乗ってきて,一気に満席に。帰省客よりも観光客のほうが多いみたいだね。

寝酒にOh!La!Hoビール・ゴールデンエール。以前Mさんと上田に出張した時に,お土産に買って帰った記憶があるんだけど,さすがに味とかは覚えていない。ビールコンテストの常連だけあって,やはりうまい。

8月12日(土)

祖母の葬儀があったため,お盆休みを兼ねて帰省中。

実家の近所にローソンができていた。でも,それほど流行っていなそう。近くにもう一軒あるコンビニと比べても,お酒を売っていないのがちょっとマイナス点か。

池上永一レキオス』を読了。『SFが読みたい!2001年版』第2位だそうな。−−西暦二千年の沖縄。米軍から返還された天久解放地の荒野に巨大な魔法陣が出現する。千年の時を経て甦る伝説の地霊「レキオス」を巡り、米軍、学者、女子高生、ユタたちが入り乱れ、ついにその封印は解かれてしまう。大いなる魔法が完成するとき、人々はそこに何を見るのか?−− いろいろな意味でぶっ飛んだところのある小説。というか,かなり変! これは好き嫌い別れるでしょう。まず登場人物のほぼ変人ばかり(サマンサ・オルレンショー博士はまだしも,ろみひー(本当はもっとすごかったらしい,空飛んだり)は何なんでしょうねえw)。みんな暴走しまくり。文章はまあ,あんまりうまくはないですよね(シリアスな文章の中に,なんか唐突に笑える記述が出てきたりするし)。ストーリー展開も強引というか,特に終盤は支離滅裂とは言わないまでも,付いていくのが大変(何と言っても「降りてくる人」らしいですからね)。というか,詰め込みすぎでしょう(笑)。でも,好きですねえ。こんな小説(←褒め言葉)のどこが好きなのか。まあ,自分でも説明はしにくいですが...一つはやっぱり登場人物の魅力でしょうか。ユタのオバァ(コザの占い師)とガネーシャのコンビはとてもお気に入り。次に,真面目なんだか笑わせたいのかよくわからない文章(たぶんその両方をやりたいんだと思うけど)が,僕には合っているようです。石垣島出身である著者の,沖縄への思いみたいなのが強く感じられるのも,なかなか,よいのです。おそらく。それはそうと,「くすくす」が無性に使いたくてたまらないんだけど。これはしばらく続くだろうな。

古川日出男『アラビアの夜の種族』を読み始める。全三冊。日本SF大賞と推理作家協会賞を同時受賞って,どういうもんでしょうね。楽しみ。

機械音痴のはずの母が(父の)ノートパソコンでDVDを見ていたので,驚く。今ごろではあるが,どうやら韓国ドラマにはまっているらしい。 父は旅行から帰って早々,菜園の整備のため隣村へ。疲れているのかいないのか,どうやら融通が利かないタチらしい。

いろいろあって,父に対して母がきれたため,冷戦状態に(笑)。 おかげで母からはたくさんの愚痴を聞くことができました。僕という人間は,どうもそういう巡り合わせ(?)らしい。

寝酒にモーランド・オールド・スペクルド・ヘン。イギリスのエール。わりとまろやか。500cc缶が気が付かないうちになくなる。

8月11日(金)

今日は祖母の告別式。ちなみに宗派は浄土宗。

朝10時より,入棺と出棺。亡くなった人に触れるのは,実は生まれて初めてだったりする。最初はこわごわ触ってみてという感じだったが,和尚さんに「ちょっとぐらい強く引っぱったって,お婆ちゃんはもう痛くないんだから」と言われ,思い切って手に力を入れる。温度の感じられない肌は,何となく不思議な感触がした。

12時に火葬場に到着。荼毘。祖母の思い出などを語りながら,1時間ほどお茶を飲みながら待つ。僕からすると,いつも穏やかで物静かだったというイメージがあるが,実はかなり芯が強い人であるとのこと。怒ったところなど見たことがなかったのだが,単にそういうシーンに出会わなかっただけかもしれない。

位牌と骨を持ち帰り,2時より斎場にて告別式。弟夫婦と共に受付をおこなう。高齢だったこともあり,参列者はそれほど多くもない。3時より,お斎(おとき)の会食。さすがにそろそろ話す内容もなくなってきたけれど,まあ,それはそれでよいでしょう。

それはそうと,親戚に会うたび,何度も「お父さんは?」と質問されるのが,ちょっと気まずい。その度に「ちょっと中国に」「仕事で?」「いえ,観光旅行に」「…」という会話が繰り広げられる。和尚さんからは「初七日には連れてきなさい」などと怒られる(?)。

祖母の家に戻り,位牌と遺骨を供えて,やっと今日の諸々が終了。

夜,やっと父が中国から帰ってくる。告別式の直後というのに,旅行の話ばっかりするのはちょっとどうかと思うが...


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