日々の記録

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本(ミステリー中心)の感想とライブ(ジャズ&ロック)の感想,熱帯魚の飼育記録なども兼ねてます。ミステリーの場合にはネタばれもあるので,ご注意下さい。(スタイルシート可の設定のもとでは,ネタばれ部分の文字は見えないようになっています。マウスで選択し反転させると読めます。)

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2006年9月

もう勘弁して下さい。無理だって...

9月30日(土)

外国ビールを買いに新宿の伊勢丹へ。・・・のつもりが,地下食品売り場の改装により,ビール売り場の面積が激減。うわーっ,日本の地ビールとかほとんど全滅じゃん。揃っていたドイツビールも,これだけ...と,かなりのショック。 秋だから減らしたってわけじゃないよね。来年の夏になっても復活はしそうもないよね。ワインなんて馬鹿ほど種類が置いてあるのに(本当に味の違いわかってるんかよ!)。 まあ,もうココじゃ買わないからいいけど。

と言いつつも,伊勢丹の愛国製茶にて,八女茶と知覧茶を購入。紀伊国屋ビルの地下でスパゲッティ(豆乳カルボナーラ)を食べる。豆乳っぽくなくてなかなかおいしい。

成城石井にてビール2本・アップルパイ・スコーン2種を買って帰る。しかし,伊勢丹地下と成城石井で,ビールの品揃えがたいして変わらないというのがなー,やっぱりショック(←まだ言ってるし)。

石持浅海『顔のない敵』を読了。−−1993年、夏。カンボジア。NGOのスタッフたちが地雷除去を続ける中、突然の地雷の爆発音が轟いた。これは、純然たる事故なのか? 表題作を含め、「対人地雷」をテーマにしたミステリー6編と、処女作短編を収録。−− 世界初(たぶん)の対人地雷ミステリー短編集ということで,マニアックな内容かもと思ったのですが,以外にまともというか,堅実なミステリに仕上がっています。逆に言えば,全般的にちょっと小粒ということにもなるのかな。複雑さに頭を悩ませることもなく,さくさく読める(良いか悪いかは別として)。本格ミステリとしての楽しみの部分と地雷に関する問題提起の融合のバランスは悪くないと思うんですけどね。収録作品の中では,「顔のない敵」(『本格ミステリ04』にも収録)と「未来に踏み出す足」が特に面白かったです(ラストが『水の迷宮』パターンなのがちょっと個人的には...)。逆に「利口な地雷」「トラバサミ」は本格ミステリとしては,少し説得力に欠ける感じ。おまけ収録(?)の処女作「暗い箱の中で」が,“意外な動機”路線として意外に面白かったですね。

寝酒にギネス・エクストラ・スタウト。濃いめのスタウトなので,秋にはちょうどいいです。って,もう10月かよ。

9月29日(金)

森博嗣虚空の逆マトリクス』を読了。短編集なので,2週間をかけて少しずつ読破。これ,文庫で買ったんだけど,部屋を探せばどこかに新書版があるはずなんですよね。作中の「赤いドレスのメアリィ」をどこかで読んだ記憶があるし,彼の短編集は基本的に新書版で買ってたはずなんだけど...。まあいいか。犀川&萌絵シリーズの「いつ入れ替わった?」(時間はたつもんだなと僕も思いました)もよかったけれど,「ゲームの国(リリおばさんの事件簿1)」が気に入りました。アレって誰の作品だったっけとか後で思いそうなくらい,世界ができあがっていると思うんですよね。趣向をこらしたトリックとかそういうのはないけど(唯一のネタはダイイングメッセージ?),雰囲気がとてもよいです。回文を多用した文章も決して冗長にはならずテンポがいい。これ“事件簿”っていうからにはシリーズ化される可能性はあるんですよね。ぜひ1冊ぶんまとまるぐらいに...なるといいな。他にも「不良探偵」(“不良”というイメージとは少し違う)とか「探偵の孤独」とか「赤いドレスのメアリィ」とか,けっこういろいろなタイプの短編(いわゆる本格物とは違う)が揃っています。やっぱり多才(多彩?)な作家ではあるなぁ。

久しぶりに光栄の『チンギス・ハーン』などをちょっとやってみる。ついつい時間が過ぎる。

9月28日(木)

大きい仕事が一つ終わって,ちょっと気が抜けた感じ。次は11月末締めきりのアレかー! よく考えると,それなりにピンチ??

60cm水槽のラスボラ・ルブロドーサリスの一番大きな個体が1尾死亡。数日前から泳ぎ方がおかしいなあと思っていたら。少し出血したような症状が出てるけど,他の魚には異常がなさそう。まあ飼いだして2年たつし,寿命といえば寿命なのかな。4cmほどの小型魚なんで,それほど長生きはしないだろうしね。

寝酒にフランチェスカーナ・デュンケルヴァイスを飲む。デュンケルということもあるのか,味が濃いめで,あんまり多くは飲めない感じ。基本的に僕の場合,ヴァイツェン自体,最初の1杯はおいしいんだけど,量が多いと最後には少し飽きてくるんで,まあ仕方がないか。500mlじゃなくて350mlビンで売ってるとうれしいんだけどな。

9月27日(水)

故意の飲酒運転に比べて,故意の速度違反がそんなにやり玉に上がらないのは,やっぱりみんな,移動に時間がかかるのが嫌いなんでしょうかねぇ。“より速く”という願望が,人間にはあるようで。たまにはゆっくりと歩くのもいいもんなんですけど,それだけ余裕がない世の中ということなのかな。

2日間のシンポジウムもぶじに終了。こうして長時間集中して人の話を聴くのも久しぶりだったので,けっこう疲れました。まだまだ修行が足りないな。

9月26日(火)

朝からシンポジウム。韓国・中国・台湾からも参加者あり。新しいノートパソコンでメモをとりながら(辞書に専門用語を記憶させたいので),話を聴く。人の発表を聴いて思いついたことを付け加えたり,準備した発表スライドも一部手直し。ついでにモデルに使用したパラメータが不適切であることが判明し,昼休み(1時間半)を丸々使って,食事をとらずに条件を新しくして再計算。そして,とうとう僕の発表の時間は巡ってくる。ファイルを修正したことにより,最初の予定通りにはいかなくなったかもしれないが,果たして...

結果として,予想していた以上にうまくいきました。15分の持ち時間をほぼピッタシ使い切り。既にまとめに入っているのに13分の予鈴がまだ鳴らなくて,もしかして時間を間違えたんじゃないかとか,前半急ぎすぎたかとか不安になりましたが,そんなこともなかった。「よくまとまっていた。ペースもよかった」とお褒めの言葉をいただききました。 いやー,前に12分の発表で,終了のベルが鳴ってもそのまま5分ほど喋りたおしたことがあるからなぁ。ベルが鳴ったのも気付いたんだけれど,急ごうとする気にすらなりませんでしたからね。あの時は酷かった(笑)。その時は,プレッシャーからか2日前より背中に激痛が走り,ほとんど眠れず当日はぼうっとしてた ということもあるんだけど。

夕方より懇親会。盛り上がったし,料理もそこそこ豪華だったしで,よかったです。ビールをジンジャーエールで割ったりしてそれなりにセーブしたつもりだったけれど,発表がうまくいったこともあり,調子に乗ってちょっと飲み過ぎたかも。こういう翌朝には車(僕は持ってないけど)は運転しちゃダメですよ。

9月25日(月)

世の中は公務員の飲酒運転問題で盛り上がっているようです。今回は某県知事の発言「飲酒運転がすべて自動的に懲戒免職になるのはおかしい」との発言がやり玉に。これ,“公務員はすべからく民間以上に厳しくすべし”という世間的な道理(感情?)を考慮に入れないならば,一般論としてそれなりに道理にかなった意見だと思います。故意の速度違反(例えば50km/hオーバーとかなると悪質だと言っていいでしょう)との重さの兼ね合いを考えてというのが一つの理由。もう一つの理由は,故意でないついうっかりの飲酒運転だってあり得るだろうというものです。世間的には「飲酒運転はすべて故意である」という命題が自明のものとしてその場合には,少なくとも初回に関しては免職までいかなくてもよいと思うんですね。

じゃあ,故意でない飲酒運転というのは,どのような場合に考えられるかということですが,その前に飲酒運転の定義からもう一度おさらい。今の法律では,呼気中のアルコール濃度が0.3mg/l(血液中のアルコール濃度だと0.15mg/ml)を越えた場合に,酒気帯びになるようです。自分が飲んだお酒の量と血中濃度の関係を知りたければ,http://www.suntory.co.jp/arp/main/what.htmlとかを参考にするとよいでしょう。例えば体重60kgの人が4%のアルコール飲料188mlを飲んだら,血中濃度0.015%。血液の比重は水よりちょっと重いだけなので,だいたい0.15mg/ml強です。そこそこの量でもあり,間違って飲んでしまうことは考えにくいですね。むしろ気をつけるべきなのは,飲んでから時間がたっている場合です。

飲んで数時間たっているしもうアルコールも抜けているだろうと思って,でも実はまだ残っていたって例もそれなりにあるのではないでしょうか。これは不注意に相当すると思うのだけど,このケースについて言及しているのを,僕はネット上でほとんど見たことがありません。どうしてでしょうかね。まあ単に気が回らないだけだとは思いますが,穿った見方をすれば,不注意か故意かの厳密な区別がつきにくい(本人の言い分以外に何を持って立証できるのか?)ので,疑わしきは罰するってことかもしれません(公務員の場合は疑われた時点でダメという考えもあることだしなぁ...)。先日問題になった某新聞の記者の場合も,前夜から昼まで飲んでいて深夜に検挙されてるわけですよね。たぶん寝たからもう大丈夫だぐらいの気持ちだったんじゃないのかな(「二日酔いも飲酒運転になる」ことを知らなかったとしたらそれはそれでダメダメだけど)。

ところで,運転を業務にしている職の場合,乗車前に呼気中アルコール濃度のチェックをやっていて(先日ニュースになった某市営バスの例),勤務前8時間は飲まないなどのルールがあったり(数年前に違反者が処分された某私鉄の例)するようです。一般にそこまでのことをやっている人ってのはごく少数だと思うのですが,どうなんでしょう? そこまでやって初めて,故意じゃない飲酒運転は無くなるんだと僕は思うんですけどね。そのことを解っていないまま「私は飲酒運転はしない」と言い切ったりできちゃうのは(まったく飲まない人は別として),甘いと思うんだけどな。ちょっと前の晩飲み過ぎたなとか思ったら,せめて素面の人に匂いをチェックしてもらうとかね,そのぐらいは心がけましょう。

もちろん,運転中や運転直前に酒を飲むような悪質な場合は99.9%故意だと思うので,厳しくされてもしょうがないだろうということで,特に異論はございません。だけど,ネット上とかで見かける「飲んだら乗らなきゃいいだけ」「故意に犯罪(法律違反?)をしようとしているわけだから」→「だから全員問答無用でクビにしてよし」みたいな意見は,ちょっといき過ぎじゃないですかね。   まっ,でも公務員に対してはいき過ぎくらいがちょうどいいって意見も,あるんだろうな...

で,明日のシンポの準備はどうした!?というと,ここでこんな現実逃避してる場合じゃないんだよね。いや,まあ...発表スライド(pdfファイル)は完成したので,今夜は速く寝て,明日の朝早めに起きて発表練習をしようかな。

9月24日(日)

辻村深月凍りのくじら』を読了。−−藤子・F・不二雄をこよなく愛するカメラマンの父が失踪してから5年。毀れそうな家族をたったひとりで支えてきた高校生・理帆子の前に現れた青年・別所あきら。彼の優しさが理帆子の心を癒していくが…。家族と大切な人との繋がりを描く「少し不思議」な物語。−− なかなかの当たり。最初はどうかなと思ったのですが,途中から引き込まれました。主人公の元彼がだんだんおかしくなってくる辺りからクライマックスへの流れなんて,読み返してみても,とてもよくできてます。最後はけっこう感動的。つい,じーんと来ました。トリックが明らかになることでこうして感動させるのって,難しいと思うんだよね。技術に走ってるって感じにならないところが,本当によかったです(ハッピーエンドだしね 笑)。一点だけ少し気になったのは,主人公の母が編集した写真集のこと。今の世の中,プライバシー的にちょっと心配だと思うんだけど。まあ,あれは感動できるところなんで,まあいいか。次作(『僕のメジャースプーン』)にも期待が持てそうですね(1・2作目は長いので読んでないけど)。

で,久しぶりに『ドラえもん』が読みたくなりました。藤子・F・不二雄のSF短編集とかもわりとダークだったりで面白いと思いますが,確かに『ドラえもん』にもそういう傾向があったりしたなぁ。そういえば,ドラえもんの留守に未来から送られてきた機械をのび太が勝手に使ってしまい,怒ったドラえもんがのび太をどこまでも追いかけてくる って話が印象に残っているんですが,具体的にどんな話だったかな。読んだ時になぜか,すごい不条理みたいなのを感じたんですが,どうしてだったんだろう。

先日,吉野家の牛丼復活のニュースを読んでから,久しぶりに牛丼が食べたくなり,新宿の神戸ランプ亭(豪州産牛肉を使用)まで食べに行きました。って,吉野家関係ないですねw。それはそうと“神戸”ランプ亭っていうからには関西が発祥のチェーンかと思ってたら,関東にしかなかったんですね。知らなかった!

帰りに本屋で西澤保彦神のロジック 人間のマジック』の文庫版を購入。単行本で持っているんだけど,これは文庫版でも欲しかった。傑作だと思うんだけどね(ちゃんと叙述トリック(って言っていいのか少し疑問ではあるけど)に必然性があるし)。まあ,多少の弱い部分もあるんだけど(例えば,途中で与えられるディスカッションがいまいち魅力を感じない。まあこれにも多少の意味があるとはいえ,いつもの迷推理−タックシリーズとかチョウモンインシリーズとかでの−に比べると)。それよりも,改めて読み直してみると,“何か”が目覚めだしてからクライマックスにかけての展開はやっぱりすごいなあ。何だかわからないけど破滅に向かっているのはわかっている!みたいな緊迫感。ラストの切なさもよい。お勧め!

他にも岡本綺堂『鎧櫃の血』,大塚英志・山崎峰水『黒鷲死体宅配便』などを購入。 現実的なハマw...

9月23日(土)

明るくなってから睡眠に入る。ちょっと水分不足。

今日のニュース:「「人のエゴやりきれない」犬猫殺処分の職員苦悩」(by共同通信)。動物の生と死についての“多角的議論”とまではいかなかったけれど,それなりの注目を集めたようです。まあ難しいやね。簡単に解決策なんてでてこないさー。

職場に寄ってみるも,進まず。

辻村深月『凍りのくじら』を再び読み始める。最初の1/4程を以前読んでそのまま止まっていたけれど,中頃(元彼が出てきてから)より面白くなってきた。

9月22日(金)

台風北上中。まあ東京にはそれほど影響ないだろう。

都立高校教員の国旗国歌訴訟のニュース流れる。争点は“思想の自由を制限する職務命令を出してよいか”とのことらしい。エキサイトニュースへのトラックバックを見ると,意外にも賛否ほぼ半々といったところ。ネット上だし,もっと偏るかと思ってましたが。こういうニュースに合わせたかのように,公立校の教員506人が指導力不足なんてニュースまで用意されているところが...これまた何というか,巡り合わせ??

子猫殺し騒動の続き。フランス領ポリネシアが告発へ(高級リゾートたるタヒチとしてはイメージも大事だし,まあそうなるんだろうね)とのことで,渦中の作家より毎日新聞に寄稿あり。人を説得するための文章としてはどうか? そういう考え方があるのもわかるんだけれど,それをもって(この文章の力で)他人を説得するのはやっぱり無理じゃないかと思う。で,毎日の記事では「動物の生と死について、多角的議論を」という視点から寄稿文の紹介がなされてわけだけど,これまたそれに合わせたかのような記事が翌日に...。

『群像60周年記念号』より2編。岡崎祥久「うずら」:教科書とかに出てきそうな“小説”っぽい(ただどことなく新しい感じ)。タイトルの使い方とかもそれっぽいかと。文章から見たら年齢不詳などと思ったけど,僕とそれほど離れているわけでもないんだ。小川国夫「止島」:こちらこそ本当に教科書に出てくるような大ベテラン作家ですね。昔語り風。現代に書かれた小説だと思ってはいけないような。

寝酒にユニブロー1837(カナダのベルギー風ビール)。

9月21日(木)

早いって。勘弁してくれ。

まだ余裕が感じられる今日この頃。……っていうのが一番怖い。


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