日々の記録

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本(ミステリー中心)の感想とライブ(ジャズ&ロック)の感想,熱帯魚の飼育記録なども兼ねてます。ミステリーの場合にはネタばれもあるので,ご注意下さい。(スタイルシート可の設定のもとでは,ネタばれ部分の文字は見えないようになっています。マウスで選択し反転させると読めます。)

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2006年12月

12月31日(日,大晦日

I君から借りていた梅田望夫・平野啓一郎ウェブ人間論』を読む。人間が変わるといっても程度の問題かと。マイナーチェンジに過ぎないような気もするんだが,どうだろう? 江戸時代からこのかた,手段が増えてきているだけじゃないのかな。っていうか,橋本治『江戸にフランス革命を!』をまず読め。

帰省するのを直前でとり止めたため,久しぶりに東京で大晦日を過ごしました。夕食を食べに新宿に出て,東西地下通路を通ったけど,人が少ないねえ。夜11時より近所の銭湯に。露天風呂(というほど立派なものでもないが)付き。雪が降っている時にまた来たい。雪見酒,じゃなかった,雪見風呂と洒落たいもので。

年の最後に読む本! 佐藤友哉子供たち怒る怒る怒る』。−−過去の呪縛から逃れるため転校した神戸の小学校では、奇妙な遊びが流行っていた。「牛男」と呼ばれる猟奇連続殺人鬼の、次の犯行を予想しようというのだ。単なるお遊びだったはずのゲームは見る間にエスカレートし、子供たちも否応なく当事者となっていく―(表題作)。新世代文学の先鋒が描き出す、容赦ない現実とその未来。−− 表題作を除く他の短編は全て読んであったのですが,最後の最後,大晦日になってやっと読了。いやー,積ん読状態で取っておいた甲斐がありました。純文学系の雑誌に書いても,佐藤友哉は佐藤友哉。ユヤタンはユヤタン(同義だよな)。あんまり区別ないですねぇ。っていうか,早くダイエットコーラ出せ!出して! しかし,いつもいいコピーに恵まれているよね。「現実を駆逐した先にしか、僕らの世界は来ないのだから。」かっこいい。『水没ピアノ』の「これから壊れてしまうすべての人のための佐藤友哉」もよかったけど。これもいい。 で,表題作なんだけど,横山さんはなんでああいう目にあったの? それだけがちょっと納得いかない。それから近親相姦ネタはあってもなくても,な気がするんですけど。まあいいか。それほど大きな問題でもなさそうだし(佐藤友哉にとってもそうなはずだと思うのだが)。ちょっとここら辺,古風なのかもって気もする。野坂昭如の『骨餓身峠死人葛』とかを連想。

それではよいお年を。

12月30日(土)

急きょ,帰省をとり止める。1月に叔父の四十九日の法要があるので,その時に帰ることに。

岡本綺堂鎧櫃の血』を読む。−−江戸がすっかり懐に収まった、半七捕物帳の姉妹編。三浦老人昔話の他に、新集巷談六編を加えて、全十八編収録。−− 内容自体は文句なし。綺堂の魅力である江戸情緒もたっぷり味わえます。 あまり気にすることではないのかもしれませんが,本のタイトルは『三浦老人昔話』の方がいいのに。シリーズ中の一話だけ抜き出してタイトルにするのは反対です。あのシリーズを読みたいなと思った時に,せめて副題にでも入れてくれないと,どの本に入っているのかわからないじゃないですか。 で,江戸時代にもやっぱり“いじめ”とか“パワハラ”とかはあったんですねぇ。戦後教育の生だけじゃないよね。

東京駅構内にて,酔っぱらってうろちょろしてるおっさん達が仲間割れ?で喧嘩しているのを目撃。駆けつけてきた警備員さんも交えて30分ほどごたごたしていたもよう。短めの竹刀を持っているおっさんとかもいたが,何のために持ち歩いているんだか。年末だというのに,騒がしいことで。

酒見賢一『墨攻』・畠中恵『しゃばけ』・遠藤徹『姉飼』を購入。冬休みの読書用。……って,昨日も買ったような。今日は短めのやつを。

12月29日(金)

読書の日。

まずは高田崇史QED〜ventus〜熊野の残照』。−−和歌山県・紀伊半島に位置する、古来からの信仰深い土地“熊野”。浄不浄を嫌わず、黄泉の国との謂れもある熊野三山―熊野本宮大社・熊野速玉大社・熊野那智大社―の神々には意外な逸話が隠されていた…。−− 熊野観光ガイドとしては,よくできてるかと。もしかして「ventus」とタイトルに付いているやつは,そういうシリーズなんでしょうか。熊野ってネタが魅力的であるぶん,たぶん期待しすぎていたのかも。“なるほどそうだったのか!”みたいな驚きはそれほどなかった。まあ,次作の序章的な位置づけでもあるようなので,次作と『神器封殺』あわせて評価すべきなんでしょう。期待しときますよ。

2冊目に平山瑞穂ラス・マンチャス通信』。−−僕は常に正しく行動している。姉を犯そうとした「アレ」は始末されるべきだし、頭の足りない無礼なヤンキーが不幸になるのは当然だ。僕のせいではない。でも、なぜか人は僕を遠巻きにする。薄気味悪い虫を見るように。−− ダークというかグロテスク系ですねぇ。ちょっとイヤーな感じ。で,久しぶりにこういった肌触りの小説を読んで,ちょっと興奮気味(おいおい!)。ものすごく読んでいて不安定にさせる小説ですよね。それでいて,ラストはちょっとせつなくなるぐらい,よい雰囲気だったもんだから,実は“感動の名作”だったんじゃないかと勘違いしてしまいました。多少の救いはあるということでしょうか。なんだかすっきりと気持の整理ができません。そうそう,表紙のイラストのイメージもあって,何となく主人公は中高生ぐらいかなと思ってましたが,そうではなかった。ちょっと年齢不詳。

紀の地下のジンジンにて,スープスパを食べる。特性カルボのほうがいいな。まあ,今日みたいな寒い日には悪くない。

山口雅也『奇遇』(上・下)・氷川透『各務原氏の逆説』・東川篤哉『殺意は必ず三度ある』・柴田よしき『クリスマスローズの殺人』・伊坂幸太郎『アヒルと鴨のコインロッカー』・日向まさみち『本格推理委員会』を購入。ちょっと買いすぎたか。積ん読用だな。

12月28日(木)

仕事納め。

一応,家でも仕事できるような用意はしたけれど,たぶんやらないだろうな。

12月27日(水)

昨日とはうって変わってよい天気。遠くまで澄みとおってよく見える。風が強いけど。

昼はごま豆乳鍋。白菜・大根・春菊・牡蠣・豚肉・油揚げ。最後にはうどん。とても美味しかった。Aさん,I君,Rさん,あまり手伝えず,すみません。ありがとうございました。

最後まで残ったスプラウトをすべて食べきる。蕎麦の花はまた咲かしてみたいな。

Aさんは明日から正月休み入り。1年間お疲れ様でした。お世話になりました。お気をつけて行ってらっしゃいませ。

夜,豆乳鍋の残りにまた讃岐うどんを入れて。

さて,明日が本当の仕事納め(今日やっている部署もあったけど)。

12月26日(火)

大雨。風も冷たい。

そういえば,今年は祖母が亡くなったので,年賀状を出せない(というか書かないでよい)年だったんだよね。いつも面倒で大晦日になるまでほうっておいたりするんだけど,今年はそういう意味では,気が楽。喪中はがきは出さないけど,年賀状を送ってくれた人には代わりに寒中見舞いを出すつもり。

衛生管理の巡視も,今日ぐらい楽だといいな。しっかりやってあるし。Sさんも快く担当してくれたし。そのぶん早く終わったしで言うことなし。

夜,M君が来る。「○○さん,大変ですよ!」って言ってるから何が起きたのかと思ったら,大雨で来るのが大変だったって……ああ,そういう話ね(笑)。

99年から02年までの市町村合併について,お勉強。

竹富町の町役場は竹富島でも西表島でもなく,石垣島(石垣市)にあるんだね。石垣島には鹿児島県の機関などもあり,各島からの交通の便もよく,便利だかららしい。

クリークランビックとサクランボ・ソースを使ったゼリーを作る。久しぶり。分量の加減を忘れたけど,まあ概ねよさそう。

12月25日(月)

朝起きたら目覚まし時計が1時間以上遅れている。何があった?

頭重い。ちょっと風邪っぽい。ノロウイルスじゃないよね? 早く帰る。

12月24日(日)

しまった。今日はクリスマスイブだったか。また1年...。

ONJQ(Otomo Yoshihide New Jazz Qualtet:大友良英g, 津上研太as,ss, 水谷浩章cb, 芳垣安洋ds,tp)のライブに行ってきました。かなりの大入りで最初は当日券なしとのことでしたが,キャンセル待ちをしてたらなんとか入れました。4人編成でのは初めてですねえ(少なくとも僕が観たのは)。演奏前の大友さんのコメントが相変わらず面白かった。「クリスマスイブですが,彼氏にむりやり連れてこられた方,ごめんなさい。・・・早く別れたほうがいいと思うよ。」とか何とか。笑。前半・後半4曲ずつ(だったかな?)。1曲目に『Flutter』の最初の曲。ちょうどライブとか行き始めた頃に聴いたアルバムで,ちょっと懐かしい。2曲目にウェイン・ショーター風の新曲「緩やかな拘束」。とてもいいですね。何か津上さんも貫禄がついたなあと,勝手にそう思う。姿も演奏も。3曲目はエリック・ドルフィ風の新曲。最後にドルフィの「Serene」。休憩はちょっと短めか。
 2ndステージ1曲目「Song for Che/Reducing Agent」には,ゲストでオプトロンの伊東篤宏。オプトロンというのは蛍光灯を改造?した自作楽器で,光ります。けっこう眩しい。演奏法がかっこいいなあ。激しい(笑)。静かな部分では少し微妙だけど,曲の後半はすさまじかった。2曲目「Lost in the Rain/Tails Out」。アルバムではカヒミ・カリイが歌っている曲も,アレンジも変わりまた違った感じ。3曲目ドルフィの「Straight Up and Down」だったかな。最後はオーネット・コールマン「Lonly Woman」。これまたちょっと長いけど,最後まで気が抜けず。アンコールはまた伊東さんを交えてドルフィの「Gazzelloni」。これがまたかっこいいよな。聴くほうも気が抜けない。ずっと立っているのはさすがにきつかったけど,まあ椅子自体少ないし,入れただけでも御の字かと。
 ちなみに今回はCD『Live in Lisborn』のレコ発とのことで,もちろん買って帰りましたよ。それとクリスマスイブだということで,ピットインのマグカップも貰えました。

米澤穂信氷菓』を読了。−−いつのまにか密室になった教室。毎週必ず借り出される本。あるはずの文集をないと言い張る少年。そして『氷菓』という題名の文集に秘められた三十三年前の真実―。何事にも積極的には関わろうとしない“省エネ”少年・折木奉太郎は、なりゆきで入部した古典部の仲間に依頼され、日常に潜む不思議な謎を次々と解き明かしていくことに。 −− いわゆる“日常の謎”系の連作ミステリですけど,でてくる謎は(全体を通しての謎も含めて)それ系のミステリとしても小粒な印象ですが,それ自体は決して不満に感じさせません。青春ミステリとして優秀なせいでしょうか。主人公の奉太郎は謎を解く才能があっても,それをあんまり発揮したくはないようで,それは『春季限定……』の主人公・小鳩君とも共通しているけど,そういう自分が嫌いなわけでもないようで。積極的には関わろうとしないけど,関わりたくないわけでもない(憧れる部分もある)という奉太郎の自己分析?は,僕自身もわりとそうだったので,けっこう共感できました。奉太郎の謎解きの才能を引き出す(作動させる)3人の友人達の役割分担というのも,なかなか興味深かったです。常識,記憶力,知識力(雑知識?)。互いに補い合うような形になっているのが,何となくRPGとかに出てくる“パーティ”みたいですね。ある種の共同作業というのが,作者の一つのテーマになっているような気もします。それにしても,最後の章が「サラエヴォへの手紙」だったりで,作者はよっぽどユーゴスラビアが好きなのでしょうか。元ユーゴ好きとしては気になるところです。

12月23日(土)

篠田真由美仮面の島』を読了。建築探偵シリーズ,ちょっと久しぶりの文庫化。−−イタリア人実業家の亡夫から相続した、小島の館に隠棲する日本人女性=レニエール夫人。彼女から鑑定の依頼を受けヴェネツィアを訪れた神代教授と京介だったが、跡を追った深春、蒼と合流そうそう島の売却を巡るトラブルに巻き込まれる。そして不可解な殺人事件が! 文庫版特典「蒼のヴェネツィア案内」も収録。−− 本格作品としては水準作といったとこですか。不満を言えば,建築探偵シリーズといいながら,あまり「建築」である意味がないなとか。やっぱり建築をもっとミステリ部分に絡めてほしいですね。トラベルミステリとしては上出来です。ヴェネツィアを舞台にしたことは,うまくストーリーに生かされているんですけどね。「女・I」「女・II」「女・III」といったモノローグの使い方はなかなかよかったです。これは誰だろう?って考えすぎるとちょっと罠にはまります。というか,「女・II」はけっきょく誰のモノローグだったのか,未だにわかってない。最終章でのどんでん返しは想像の内と言えなくもありませんが,贋作についての事情とかは予想外でした。

夕方職場に寄ってみたら,今日もI君が頑張っていた。I君を連れ久しぶりに新宿のネギシへ。でも今回は奢らない(笑)。いつの間にか新しいメニューが。

ドブロブニクについて熱く語る。ちなみに『地中海生活』というウェブページはお勧めです。ドブロブニクを始めとする地中海の小都市を紹介しています。かなりマイナーな町まで。写真もきれいで,眺めているだけで楽しいです。ヨーロッパ旅行とかの際に参考にされるとよいのでは。

池袋のジュンク堂に。ボワロー=ナルスジャック『めまい』(『死者の中から』っていうタイトルの方が個人的には馴染んでるけど)・辻村深月『ぼくのメジャースプーン』 ・米澤穂信『氷菓』・森博嗣『四季 夏』を購入。いつものように電車の中でゆっくり読もうと思っていたが,車内が混んでいて座れそうもないため,さっさと帰る。

12月22日(金)

問題が一つ解決しそう。ありがとうございました。またよろしくお願いしますですです。

最近夜遅くまで頑張っているI君と夕食を食いに外出したが,けっきょくコンビニでカップラーメンを買ってきてしまった。足りないので,カロリー補給にビール。ベルギーのオルヴァル。よい感じに酔っぱらって家に帰る。

ヨーロッパの地図(国名入り)を何も見ずに描いてみる。けっこういける。いやマジで。EU加盟国を全部挙げられなかったことと,アイスランドとブリテンの間にあるデンマーク領の名前をど忘れしたのが不満点かな。後は,スウェーデンとフィンランドの間の島はオークランドでよかったよね?それともオーランド? モルドバとモルダビアはどっちが正式だったっけ? ぐらい。
 画像は後で載せます。お楽しみに。って誰が楽しみにしてるんだよ!

付記(12/27):オークランドはニュージーランドの都市(島もあるみたい)でしたね。モルドバとモルダビアは,モルドバのほうが正式な国名らしい。

12月21日(木)

Rさんの知り合いの女の子にグッピーを分けてあげる。元気に育ってくれ。っていうか,グッピーって増えるの知ってる? ついでにヒナハゼも1尾おまけ。かえって迷惑かな。

それにしても最近ミゾレヌマエビの姿が余り見られない。元気なのかな?

もう12月下旬。そろそろ年賀状のこととかも考えないといけないねぇ。と言いつつ,年末休みになるまで放っておくのはいつものこと。


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