日々の記録

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本(ミステリー中心)の感想とライブ(ジャズ&ロック)の感想,熱帯魚の飼育記録なども兼ねてます。ミステリーの場合にはネタばれもあるので,ご注意下さい。(スタイルシート可の設定のもとでは,ネタばれ部分の文字は見えないようになっています。マウスで選択し反転させると読めます。)

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2007年4月

新しい年度が始まりました。心機一転頑張りましょう(一応はお約束で...)。

4月10日(火)

いつもより早起きしました(...だから何?)。

4月9日(月)

米澤穂信クドリャフカの順番―「十文字」事件』を読みました。−−待望の文化祭。だが、折木奉太郎が所属する古典部では大問題が。手違いで文集を作りすぎてしまったのだ。古典部の知名度を上げて文集の完売を目指すため、奉太郎たちは学内で起きた連続盗難事件の謎に挑むことに!−− 今までは主に主人公である奉太郎の視点から語られていたのに対し,本作は4人の視点が交互に。これが想像以上に面白かった(そういうのに慣れてないと読みにくく感じるかもしれませんが)。それぞれの個性がよく生かされています。いつもながら,ちょっとシリアスな内容もありつつ,楽しんで読めたのは本作が一番でした。調理コンテストの話とか。わらしべ長者メソッドとか,あそこに繋がるか。まんがの同好会の話の落とし所(盗難事件以上に気になってました)は僕の予想とはちょっと違ってました。もう少しハッピーな解決に到るのかと予想してたけれど,こういうちょっとしたほろ苦さもこの作者らしいか。
 そうそう。ちょっと前の話になるけれど,『さよなら妖精』のその後のエピソードが,ユリイカの米澤穂信特集に載ってました。それもなかなかよかった。感慨無量の感あり。

4月8日(日)

紀伊國屋書店にて佐藤友哉サイン会(『1000の小説とバックベアード』発売記念)に行ってきました。サイン会なる物に行ったのは6年前の戸川純以来で,並んで待っている間もなかなか緊張しました。初めて実際に見た佐藤さんは,わりと普通(というか,ちょっとさわやか)な人という印象。お客さんと簡単な会話をしながら,てきぱきとサイン。名前記入用の紙に,著者へのメッセージ欄があったので,「『水没ピアノ』で衝撃を受けて以来,どの本も楽しませてもらっている。いろいろな佐藤さんらしい小説が読めてうれしい」といったようなことを書いたのですが,「『水没ピアノ』なんかで衝撃を受けていたら,これからの人生大変ですよ。」と言われてしまいました。まっ,いまさら人生云々と言ってもだいぶ遅すぎるんで...(そんな年齢になりつつありますなぁ。)

古処誠二『UNKNOWN』 ・田中哲弥『ミッションスクール』・三島由紀夫『近代能楽集』を購入。

熱帯魚屋でミナミヌマエビを10尾購入しました。国内産と書いてありました(額角はわりと長め)。60cm水槽用です。ちょっと寄生虫っぽい白い物が見えるような見えないような。一応念のため食塩水で消毒した方がいいかもしれません。

辻村深月ぼくのメジャースプーン』を読了しました。−−大好きだったうさぎたちの無残な死体を目撃してしまった「ぼく」の幼なじみ・ふみちゃんは、ショックのあまりに全ての感情を封じ込めたまま、今もなお登校拒否を続けている。笑わないあの子を助け出したい「ぼく」は、自分と同じ力を持つ「先生」のもとへと通い、うさぎ殺しの犯人に与える罰の重さを計り始める。−− 幼なじみの女の子を守ろうとする小学生の男の子ってシチュエーションが,佐藤友哉『水没ピアノ』を思い出させましたが,内容的にはぜんぜん違ってて一安心(笑)。特殊な能力をもった少年が,犯人に対し,その能力で何をしたいか?復讐かそれとも……といった考察も,なかなかよく考え込まれています。ただ,そればっかり気を取られていたら,作者の仕掛けに...。 結局,彼の能力とはあったのかなかったのか? 条件がその人のしたいことだったら,ゲームは成立しないんですよね。それだとふみちゃんが覚えていてもおかしくないのでは。辻村さんの話って長めなのが多いですが,短いの,特に短編とかも読んでみたいですね。

4月7日(土)

昨夜の酒のせいで,夜中変な時に目が覚めてしましまた。久しぶりに光栄のシミュレーションゲーム『チンギスハーン―蒼き狼と白き牝鹿IV』をやってみる。

東急ハンズでスプラウトの種(レッドキャベツとマスタード)を購入しました。前回来た時より売っている種類が増えたような気がします。まだまだ楽しみが続きますね。

米澤穂信『クドリャフカの順番』 ・『犬はどこだ』・桜庭一樹『少女には向かない職業』 を購入しました。

4月6日(金)

コロンビアからの留学生がうちの職場に顔を出しました(来日は昨日)。写真で見て想像してたよりは体が小さい印象(まあ普通)。もっとでっかいorごっつい人(身長190cm体重90kgとか)を想像してました。なかなかよさげな感じ。

再雇用された退職者の方を囲んで,簡単な懇親会をこじんまりと行いました。味噌おでんに焼き鳥,お酒は奮発して八海山ともう1本高めのやつを。ビールはちょっと買いすぎたかな(500mlじゃなくて350ml缶24本でよかった)。少人数でしたが,盛り上がりました。食べ過ぎてお腹が苦しくなり,ちょっとダウン。

4月5日(木)

毎晩寝る前に少しずつ読んできた柳広司の短編集『百万のマルコ』を読了しました。マルコ・ポーロのほら話(いつも肝心なところが省略されている)に対し,周りの皆がなぜそうなったのかを推理する(もちろんマルコが説明するまで誰も解らない)というスタイルの連作短編集です。ネタのレベル的にはアシモフの『黒後家蜘蛛の会』シリーズみたいな感じでしょうか(特にいじわるクイズ系?の問題が多い)。個人的には「賭博に負けなし」とか「雲の南」「山の老人」といったところが,よくできた問題で好きです。公務員試験の判断推理とかにも形を変えて出てきそうな問題ですね。なかなか楽しい一冊で終わるのがもったいないですが,ラストがアレなんで,続編とかはないんだろうな。

4月4日(水)

寒いです。最高気温12.6℃。夕方にはミゾレも降りました。ただ不幸中の幸いと言うべきか,花粉症がひどくなくなったのはいいけれど。

4月3日(火)

昨日まではわりと暖かい日々が続いていたのに,急に寒くなりました。気象庁によると最高13.8℃の最低5.9℃。先週までの暖かさは何だったんだろう。静岡じゃ真夏日とか言ってなかったっけ? グッピーをベランダに出さなくてよかった。

夕方から本郷にて会議。パート労働法改正に関しての議論あり(5年以上続けて同じ職場で働けないことの問題点がどうちゃらとか...)。

4月2日(月)

新人さん(留学生を除く)が全員集まったので,学生部屋の模様替えがありました。僕は隣の部屋なのであまり手伝いすることはありませんでしたが。いらない物を空き部屋に移したため,利用できる空間が広くなり,だいぶすっきりしました。計算機等の設定もだいたい終わったようです。まだみんなちょっと大人しいかな。遠慮してる?それともそういう性格? 早く我が物顔に振る舞えるようになって下さい。

4月1日(日)

今日から新しい年度の始まりです。といっても今日は日曜なので,家でごろごろ。

星野智幸の三島賞受賞作『目覚めよと人魚は歌う』を読みました。そろそろ純文学系をということでもないのですが。−−日系ペルー人の青年ヒヨヒトは、暴走族との乱闘事件に巻き込まれ伊豆高原の家に逃げ込んだ。そこでは恋人との夢のような想い出に生きる女・糖子が疑似家族を作って暮らしていた。自分の居場所が見つからないふたりが出逢い触れ合った数日間を、サルサのリズムにのせて濃密に鮮やかに艶かしく描く。−− 出だしの糠子による幻想?の描写が読みにくかったため,ずっとこの調子だったら困るなと思いましたが,後はそんなことなかったです。全体的には読みやすい作品でした。たんたんとしていて(多少けだるい感じも),特に盛り上がるわけでもないのですが,なぜか心に残ります。結局のところ,主人公(青年のほう)が自分を見つめ直す物語なのかな。たぶん日系ペルー人ということで,居場所のなさを象徴しているのではないかと。後半の,パーティで皆がサルサを踊る場面がよかったです。ラストの余韻もいいですね。


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