『Notes.』
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2002年 3月、トピック一覧

Sunday, March 3, 2002 / 2002年3月3日

http://www.interq.or.jp/jupiter/youyak/bultandels/documents/notes/AD2002/03_mar.html#03

Die惨の漢──或いは、我はいかにして憂者となりえたか。

 以下、紆余曲折と行き当たりバッタリな行動の結果EVENT 杜の奇跡に参加、及びその後サークル参加されていた「豆満江開発機構」さんのoff会に御邪魔したときのリポートです。
 私、神奈備 祐哉個人の主観に基くため偏り、事実誤認があるかもしれません。御容赦あれ。

EVENT 杜の奇跡についての覚書

12:20

 本来の用件三件が異様に早く済んだため、一旦帰宅。
 学生時代の友人と会う約束だったが、都合によりどうしても来られなくなったとの事。
 時間が中途半端過ぎる為、今更出掛ける気も起きず……

 宙ぶらりんになった時間を利用してPC内データのバックアップを作成することとする。作業に取り掛かる前に一応HDDの内容を見直す。

 見直した瞬間自動巡回ソフトのゴミLogとCache量に唖然。
 見なければ良かったと後悔。ひとつひとつ内容を確認しつつ分別を開始。
 休日を貯まりに貯まった自動巡回ソフトのLogとCacheの整理に充てる事とする。

13:36

 容量ばかり喰う無駄なCacheを処分する前にザっと流し読み……
 するつもりが、今迄読んでいなかったしのぶ氏の日誌“ELYSION〜永遠のサンクチュアリ〜〔テリオス〕”インプレッションから雪駄 氏のWeb site火塚 たつや氏の『Kanon』構造分析 の文章に何時の間にか惹き込まれていた自分に気付く。

 設定ミスにより自動巡回ソフトが勝手にLINKを辿り拾ってきたものの内容は玉石混淆、ときにはただ広告バナーのみがゴッソリ…などということもあった。
 そのような経験から、今迄は内容は見ずに巡回経路以外は有象無象の区別無く片端から削除していたのだが、時間が余ったこの機会を生かし、整理する前に一体どこを取ってきていたのか確認してみようと思いついたのはどうやら“当たり”だったらしい。
 ──しかし、自分が知らない間にこのようなWeb siteを拾って来ていたとは。
 今まで見逃していた悔しさ、自分自身の間抜けさ加減に対する呆れを感じたのも束の間……比喩でもなんでもなく、ただ頬が緩む感覚を憶えつつ読み耽る。

13:50

 が。
 続きは──途中で切れている! 赦し難い。

 文字の連なりが指し示す意味、訴えたい内容、伝えたい想い、そして叫び。
“彼ら”は何故このような文章を書いたのか、何故書こうとしたのか、そして何故書かねばならなかったのか。
 書き手の思考と想い、辿り着いた境地。
 それに到るまでの道筋を辿ろうと行間を酩酊観を憶える程真剣に読み込んでいく最中、書き手(送り手)である“彼ら”と読み手(受け手)である“私”の鼓動が重なるような錯覚を憶えることがある。

 ──自分でない、誰かの息吹を感じる。

 ……無論、これは幻覚に過ぎない。
 主観的なものはともかくとして、一歩引いてみれば知的興奮、刺激を受けた脳内で肥大化した自意識が生み出す、ただの錯覚に過ぎないということも理解している。
 だが、真剣に没入しているとき、全く意味が通じない中途半端なところでコトバを途切らされ、醒めさせられ現実に引き戻されるのがどれほど不愉快で、かつ苛々させられることか──理不尽なようだが、私にとってこれぐらい腹立たしいことはそう多くない。
 このようなところで集中を破られた場合、それこそ、しょうがないと嘆息する以前に憎悪に近い感情を憶えてしまう。

 読み返すのを諦めて一息入れることとし、肩の凝りをほぐす。
 しかし……文中、どうも気になるものはふたつ。

 ひとつひとつの単語に妙に熱が篭っているように思える。
 この感覚は、強いて言えば初めて自分の価値観を揺さぶられるようなゲームを手に取ったときの重み、感触に近い。

 このようなものがひとつに纏められ書籍となっているのなら、これは是が非でも手元に置いておきたい。

13:55

 そこで双方のリンク先を荒っぽく(Cacheに残っている範囲で)流し読みし、内容についてある程度あたりをつける。
 双方とも(次回は杜の奇跡にて販売予定)──。杜の奇跡というイベントで頒布される、ようだ。

    杜の奇跡 2002.03.03 仙台

 ──仙台。一応地元では在る。日付は今日らしい。
 ……今日?
 だが、詳細を調べようにも、 Cacheはそう都合良く残っていない。

 しかし、PHS PIAFS接続の調子が悪い上転居の予定が近いこともあり、WWWへの接続環境は既に切ってある。
 舌打ちしたいくらいだ。
 が、ここで自分の早計に過ぎる判断を今更悔やんでも仕方が無い。

14:00

 ……一瞬悩み、さる筋にTEL。
「……というイベントらしいのだが、開催場所と時刻は判るか?」
「三時までやってる。場所は……」
 おぉ、打てば響く。
 この時間帯にコール数回で出、且つ突然の妙な質問にも何も言わず答えてくれる。
 やはり──持つべきものは友人である。このようなときすら、頼れるというのはありがたい。
「あー、この神奈備さん偽者だー、イベント行くなんて私が知っているあなた違う〜」
 ……。
 ……私は一体、どのような人間だと思われているのだろうか? その人物像と特に君の認識を後で問いたい。問い詰めたい。小一時間(以下略)

14:05

 ──現在時刻、14:05。
 デジタルは無常だ。時の流れが一段と速く思えてならない。 さて──どうするか。
 交通手段。
 今から会場に赴くとなると、どれをとってもアシが中途半端に長い。
 この時間帯では、会場周辺で都合の良い駐車場はあまり無い。この時点で車での移動は消える。
 公共交通機関(バス・JR・地下鉄)だと手間が掛かり過ぎる。歩くとなるとかえって時間を食う。
──自転車。
 ないす私。そうか、これは“少し運動せいや”という天のお達しであろう。
 取り敢えずアシはこれで確保。

 後、残る問題はひとつ──
 「私は未だかつてこのようなイベントに参加したことがない」
 という事実のみだ*1──が、そのような瑣末事、無視してしまえば何ということも無い。
 どうせ考えたところで「何とかしかならない」。
 「征けば何とでもなる。後はその場で適宜臨機応変に対処すれば良い」
 ……言葉は使いよう、自己欺瞞は便利だね、む〜みん。

  よし。
  こうなれば、後は。
  ──特攻しかあるまい!©特攻元帥@鋼鉄の虹

14:07

 出撃。

14:43

 会場着。
「……我は来たり、見たり、そして勝てり!」

 等入手、来場の目的は全て完遂。

 今回購入したONE卒業文集は、なんでも現状では私が購入したものが委託された流通在庫、見本誌を除き最期の一部、との事。
 現時点では、再版が掛からない限り入手困難……
 思い立ったが吉日とはまさにこのことか。──幸せな巡り合わせに感謝しよう。

 しかし、この手の名状し難い衝動が湧き上がった時勢いのまま駆け込むと、何故かいつもラストだな。
 人生まさにタイトロープ。少し余裕を持ちたい今日この頃。

14:46

 鼻歌交じりに会場から出、真横のドトールに入り何品か注文、席を確保し戦利品をひととおり確認。
 まずざっと流し読み。気になる箇所に付箋を挟み、改めて腰を据え読もうとした所──さきのさる筋よりTELアリ。
「着いた〜?」
 かくかくしかじか。
豆満江開発機構の? じゃマルチのマニュアル一部頼むわ」
 ……
 ……もしかして、ここのサークルさんは有名所だったのだろうか?
 テキストだけで、それもここまで硬軟取り混ぜた内容で、こんな原価割れしそうな分厚いものを出すサークルさん。──確かに、有名なのかもしれない(失礼)
 このようなとき、自分の無知が恨めしい。
 この手の物が好きそうな朋友にも確認、注文していたケーキを貪り喰い即座に会場にとって返す。

14:58

 購入時刻は14:58。
 イベント終了時刻は15:00。
 かろうじて間に合った。
「今後の予定はどうなっていますか?」
「次回以降の予定は……です。それと今日はOFF 会ですね。私達は常に勇者を求めていますが」
「行きましょう」
 ただ即決あるのみ。
 俺は漢になる、自分の首は自分で吊れる!
 ……しかし、よくよく考えてみると。私がoffに参加するときは他の方のそれに乱入するものとなりつつあるような気がしないこともない。
 最初に参加した第二回高遠off しかり、過去に参加したものはすべてそうだった。
 それはそれでヒトとしてかなり不出来なような。
 ──内心、少しばかり居心地が悪い。

15:00〜

 まずは改めて自己紹介。
 で、先の居心地の悪さを話したが、その場に居た方々から異口同音に入江氏が最初にoff会に参加したときのことを聞き、衝撃を受ける。なんでもそのあたりの経緯はこの日来る筈だったKISA氏のWeb siteに詳しい、とのこと。後、機会があればKISA氏のWeb siteを探すことを決意。
 この時点で入江氏を敬称で御呼びすること決定。
 くわね氏を始めに、C.F 氏、伽羅斗氏、やうち氏、と紹介され、改めて最後に“初代勇者様”こと入江伯爵(Ritterkreuz/RK)閣下に拝謁の栄を得る。

 様々な意味で「世間は広い」と実感しつつ、そのまま閉場後のじゃんけんマッチに雪崩れ込む。
 成程、イベント終了後にはこのようなことが行われる訳か。他にこのようなイベントに参加した経験が無い私には比較対照が無いので何だが、一見したところこのあたりは一昔前のT-RPG コンベンションとあまり変わらない雰囲気だ。なんとはなしに、懐かしさを憶える。
 しかし、私は本当にここに居て良いのかな。一抹の不安と疑問符を抱きつつも参加。
 そう悩んでいても、一度始まれば熱が入る。
 狙うはサイン入りの色紙、マグカップのみ。
 他所にありそうな、金銭で購入出来るような代物なぞ興味はない。創り手の体温や魂が感じられないから
(それは確かに、本当に欲しくないかと問われれば嘘になるようなものも在ったが)
 ──結果玉砕。
 他の方々はそれなり以上に戦果を上げておられたようだが、入江伯爵(Ritterkreuz/RK)閣下におかれては、巨大(佐祐理さん比)アリクイさんのぬいぐるみを持ち帰られなかった事が心残りだった御様子。
 あの場で数多の猛者を退け持ち帰られたなら──そう、その胸に燦然と輝く騎士十字章(Ritterkreuz/RK)に更に輝かしき剣を佩き、間違いなく伯の武勇伝にまたひとつ新たな頁が書き加えられたものを。

 色紙とアリクイぬいぐるみを狙うが敗北。アリクイぬいぐるみは、何とかして入手すると決意する。(これ書いてる時点にて、オークションで落札済み)

[by 入江伯爵(Ritterkreuz/RK)閣下――不定期日記より抜粋]

 ……。
 ……むしろ、なんというか……う〜む。
 次に卿が後々までの語り草となるような武勲を挙げられた暁には(黒)ガーター勲章こそ相応しきものと奏上。

 参加賞、名雪きんちゃくだった筈がいつのまにやら佐祐理さんに。これはこれで。

16:30〜

 じゃんけんマッチ終了直前、会場前にKanon舞踏会というイベントの広報の為、“当日実際に使用予定の送迎バスが駐車している”旨アナウンス。
 これはいいセンスをしている。やる気充分。
 どうせやるならここまで気合を入れたほうがハレの場に相応しい。このまま横浜の元町通を通過して貰えるなら言う事は無い。
 ドライバーの方と少し話し、バスを楽しく眺めた後会場の真正面に堂々と路上駐輪した自転車を回収。6人でゾロゾロ動き出す。

17:00〜

 仙台駅西口、e-beans前に出る。途中、ぺディストリアンデッキ/歩道橋下に乗って来た自転車を乗り捨てる。
 他の方と合流、御見送りの為e-beans 6F ジュンク堂書店等で時間調整。どなたかが“月陽炎”サントラを購入。後国分町へ。
 白牡丹(縫い包み等を扱っている玩具店)前を通る際、皆アリクイさんの縫い包みがあるか確認しているのが微笑ましい。
 道すがら、雑談。
 先日偶々入った吉野家店内が「うっし、ぱぱ特盛頼んじゃうぞっ!」「じゃ会計キボンヌ」等という猛者で溢れ返っていたと話すと、その日は2ちゃん祭りin吉野家(殺伐)殺伐オフ該当日と指摘され、微妙に異世界となっていたその理由を改めて思い知らされる。次回喰いに行こう。
 クラシックのCDを探すとき、確実にありそうな店は後に回し自分の足で探索する過程を楽しむという話をした後、宮城ローカルな各店の話題に入り大笑い。
 PC周りの苦労話になった折、朋友に頼まれ組み上げたIntel Pentium 4 (Socket478/Willamette core) 初期ロットのpinが融解、惨事となりIntelから初期不良交換として同等の交換品と御詫びの電話が来たと話した瞬間一斉に退かれる。何故。

18:40〜

 一次会。牛たん「太助」。
 私は地元人だが、日取りと時間帯によっては殺伐とした雰囲気がある店のためあまり馴染みが無い。
 牛タンに舌鼓を打ちつつ、初対面の割に何故か微妙に馴染んでいる自分の姿を見出す。
 そう言えば、イベント会場で話しただけで、まともな自己紹介もしていない。……まぁ、良いか。
 よくよく考えてみると、つい五時間程前にweb site1ページ位読んだだけで、後はお互い何ら予備知識も無い、初対面の方々と(店内の雰囲気こそ殺伐気味だが)和気藹々と飯喰って談笑している訳だ。
 そのあたり、少し離れてみると何気に凄い事なのかもしれない。
 で、取り敢えず喰う。
 喰ってばかりだな。

19:50〜

 二次会。ドトール青葉通店。
 Safe Mode で立ち上がらないVAIO、T-RPG、PSOの基礎となったSEGAの過去のネットゲームについて等、四方山話。
 各人の間に部分部分の共通項がある事、また話題が途切れた途端次の話題が出てくるあたり、また自分が結構話についていける事実が面白く思える。

21:10〜

 帰京される入江伯爵(Ritterkreuz/RK)閣下を御見送りする。
 後、別の方と合流。RS-BC MLの偉い方らしい。
 三次会。Royal仙台店。
 2322時撤収。乗り捨てた自転車を回収し帰還。久々に美味い酒を呑めました。

註*1

 厳密には、晴海時代のコミケには数度参加している。
 参加こそしていたが、当時の私は歴史系サークルの片隅で手作りの雛人形を傍らに御茶を啜りつつオバちゃんと世間話をしており、別の日にアニメ・ゲーム系の同人誌が売られていることすら知らなかった。
 その手の同人誌があることを知ったのは次々回以降晴海から移転すると聞かされたときだった。
 あのとき味わった衝撃と悔しさは筆舌に尽くし難い。
 そういえば……イベントがある時、一般参加した例が無いな。

当日出た話題、主だったもの。

 憶えているうちで、主だったものを。

日本から飛び出し香港、韓国へ。対馬海峡を渡る「萌え文集」。

 萌えは世界の共通語。
 しかし……ワッセナー協定が定める戦略物資に該当する為海外(殊共産圏)には輸出出来ないのではなかろうか?
 むしろ萌やすのは環境に優しい? ホントか!?

パリ日本大使館宛て、アフリカ行き「ONE卒業文集」。

 ……外交郵袋で運ばれた唯一の同人誌だろう、おそらく。

“はじめてのおるすばん〔ZERO〕”“千と千尋の神隠し〔スタジオジブリ〕”“実写映像”の三題噺。

 くわね氏C.F 氏の「大丈夫です、あれは(ふたり合わせて)18歳☆ 以上ですから」との一言に思わず膝を打つ私。
「なるほど。なら何ら問題は無いね。ただ単に大切なことを言っていないだけか!(←納得するほうが問題アリ)」
 いや、“はじめてのおるすばん〔ZERO〕”に対し今迄感じていた違和感が一体何だったのか漸く理解。
 これぞ蒙が啓かれたというものか。
    結論:はじるすは実写系炉利の文脈、系譜で位置付けるべし。

key の新作、“ CLANNAD - クラナド - ”はGPMの夢を見るか

 巧く言えないものの、key と AlphaSystem とでは、ゲームというものに対する認識、概念が辞書的なそれとは何処か何か根本的に異なっているような印象を受けた。
 ──私には疑問がある。
 片や18禁指定のアドベンチャー、片や共通項の薄い別ジャンル。
 だが、彼らは本当に“ゲーム”を創っているのだろうか?
 双方共に、外部から干渉することになるプレイヤーという存在に対して一見それとわからない窮屈(不自由)さを強いるような印象があったが──双方とも“プレイヤー”をどのように位置付けているのだろうか? そして、その位置付けは意図的に行われているのか? それとも無意識的なもの?
 彼らが送り出してきたものは既存の“ゲーム”という御作法、文法に則っているように見えるが、はたして本当にそうなのか? 双方とも、ゲームを創っているという意識が本当にあるのか、仮に在る(在った)にせよ、それは私が意識(認識)している“ゲーム”という概念に基くそれとは本質的に似て非なるものなのではなかろうか?
 もし仮にそうだとするなら、彼らは既存のゲームというフォーマットとマーケットをもとに何か別のものを創り出そうとしているのではないだろうか?
 何故? 何の為に?
 かれらはどこからきて、どこにむかうのか。
 ──内心の疑問を、巧く言語化出来ない。
 この時ほど自分に素養が欠けている事が悔しく思えたことは久しくなかった。ここはそのうちもう一度考えてみたい。

松本零士、「戦場漫画シリーズ」を元ネタとしたガンダム同人誌。

 Me 262の替わりにゲルググ……嵌り過ぎ。これぞ松本零士テイスト。思わず大笑。

最近の映画講評。
『地獄の黙示録 特別完全版 』

 私にとって──冒頭のセリフから「ワルキューレの騎行」が鳴り響くまでが『地獄の黙示録』です、これ以上は素人にはお薦めデキナイ、『 2001年宇宙の旅 』観て眠くなるかイッちまうのと同じく御エライかたにはそれがわからんのです!(笑)

『ロード・オブ・ザ・リング』

 まだ予告編しか見ていないのです。でも、見始めてすぐ目頭が熱くなりました。 夢がひとつ叶った気分です。 でももう私はお腹一杯。あとエルフ語が本当にエルフ語なのを確かめたら、幸せのあまり卒倒するかも。

 といったところから派生し T-RPG 談義

 『 MERP 』から『 ROLEMASTER 』『 D&D 』、そして『RuneQuest』(貴方もブルーになるのよ!)。  最初にコンベンションでマスターに立ったときの感慨に至るまで喋るしゃべるシャベル。

 個人的には、『 MERP 』本体はともかく、“ LORDS of MIDDLE EARTH ” あたりの何刊かは、今再刊されたなら結構需要がありそうにも思えるのですが。>くわね氏

 ──それと最後の話。
 身近でいくつか、似たような事柄や話が持ち上がっていたので大変参考になりました。
 私は部外者ですし、口を挟む立場に無い為なんとも言えませんが──私の経験的に、なあなあのまま進めると後々拗れて面倒になってしまうので、各人納得行く方で落とし所を見極められては、とだけ。

 しかし、このような話を出来るのは随分久し振りでした。
 快く受け入れてくださった皆様に、感謝。


Tuesday, March 5, 2002 / 2002年3月5日

http://www.interq.or.jp/jupiter/youyak/bultandels/documents/notes/AD2002/03_mar.html#05

萌え文集

 鼻に衝く消毒液の匂いが篭る病院の待合室で、繰り返し読む。

 このひとたちは、このひとつひとつのことばを綴る為に、一体、どれだけの想いを刻み込んできたのだろうか?
 逃げようともせず本当に真摯に、誠実に、自分の想いを向けている姿を見たとき。
 物を語るとき本当に大切なことは一体何なのか、それを何処かに置き忘れて来た事、わかっている積もりになって本当にわかっているのかどうか今迄顧みようともしなかった事に気付かされた。否、思い知らされた。
 
 哀しいくらい自分の言葉を持たない薄っぺらな俺にでも、誰かの話を聞き続けるくらいは出来るんだ。

 あぁ……私には、この世界の片隅で囁くように萌えを謳うひとたちが、本当に愛しく思えたよ。
 ──ありがとう。


Thursday, March 7, 2002 / 2002年3月7日

http://www.interq.or.jp/jupiter/youyak/bultandels/documents/notes/AD2002/03_mar.html#07

最近、思考が纏まらぬ

昔のCacheを漁ると、忘れていた事が発掘される。

[12] 感想。 高安

技術的には何もありませんが、見た目として。
もう少し、ジャンル別の幅が広い方がいいと思います。
『月姫関連リンク(3)』
とか、中途半端になってしまっているのが目だったので。
それ以外は、何ら問題ないと思います。

[2001/12/17(Mon) 14:03]


[17] カテゴリについて 神乃

どうも、神乃%CGIお手伝いです。
カテゴリについては

月姫蒼香&三澤羽居
 → 蒼香&羽居
シキ君とロア君。それに朱い月のブリュンスタッド様
 → 遠野シキ , 朱い月&ロア

と分割するのが適当かなぁと思っています。
"朱い月&ロア"あたりはどう分類するか複雑なところですけど。

他に必要な分類があれば追加していくので、これからもよろしくお願いします〜。

[2001/12/19(Wed) 02:13]

[by 高安 氏、神乃 氏――月姫SSリンクをつくる掲示板より抜粋]

 との一文を拝見し──先程、ふと思いついた事があったので忘れないうちに書いてみるテスト。…こんなものは、どうだろうか……?

  [ 月姫 ] キャラクター/シチュエーション相関図 (仮)──視覚型UA準拠版    Ver 0.01

[ 月姫 ]

  ↓          ┌─ 遠野家 / 七夜一族 編(「“魔”との混血」と「人から創られた“ヒト”を超える者」達) ──┐
             |     |              |                        |
  |          |     └              ├ 遠野槙久(-)─┬─────────────┐  |
  | ┌───・「血族」┘                    | | └─┐ ├─ 遠野シキ(-)────┬┐|  |
  | |          有間・久我峰・刀崎等、遠野の分家筋(-)─┤ | ┌ 琥珀(106)──────┐   |||  |
  | |                   |         ├───┴ 翡翠(83) ──────┼┐  |||  |
  | |                   |         | ├ 時南宗玄(1)─────────┬┐|||  |
  | | ┌─・「 昼 」── 日常生活 編(学校・女学院・市街地等)| └ 時南父娘(1)   ┌───||||┘||  |
  | | |             |             ├── 遠野秋葉(115)──┴──┬┤||| ||  |
  └─┤ |             |             ├ 遠野志貴(97) / 七夜志貴(-) ─┼─┴|┬┼┤  |
    | |             └─────────────┼ 乾有彦&一子&ななこ(11) ┐||| |└||┐ |
    | |                           ├ 月姫蒼香&三澤羽居(6)──|┘|| | ||| |
    | |                           ├ 瀬尾晶(23)        | || | ||| |
    | |                           └ 弓塚さつき(25)  ───┐| || | ||| |
    └┬┴─・「 夜 」──      編(死徒・真祖・埋葬機関等)─┬ シエル先輩(56) ──┬┴┴─┤| | ||| |
     |                  | |  ├─────|──┘|      |   || | ||| |
     |                  | └─────アルクェイド(83)──────┘   || | ||| |
     |           ┌──────┘┌───┘   ↑|||└── レンちゃん(53) ──┘| | ||| |
     |           |       |       ||||  | ┌軋間 紅摩(-)───┤ | ||| |
     |           | ┌ メレム・ソロモン(-)─○─┤|||  | ├七夜 黄理(-)───┴─┘ ||| |
     |           | ├─ ネロ・カオス(7)←──×┘||├──┘ └─────────────|┘| |
     |        ┌──┤ ├── アルトルージュ(-)───┤||  ┌───────────────┘ | |
     |        |  | ├─── ロア(-)─────────┴──┘┌─フォルテ(-) ─┬───────┤ |
     |        |  | ├───── 死徒二十七祖(-)─────?─┘     |  |       | |
     |        |  └─┤         └──×─||─┐        |  |       | |
     |        |    ├───── 朱い月(1)────┘| |        |  |       | |
     |        |    |       └─×── 魔道元帥ゼルレッチ(-)   |  └─ 先生(11) ─┘ |
     |        |    └──────────────┘ └───────?───────┘↑     |
     |        |                               |      |↑    |
     └──・「月蝕」── 神秘・幻想 編(魔術協会、魔法使い等)─┬──────────┴──────┘|    ↓
              |                    ↓
              |                                     [ 魔法使いの夜 ]
              └─→ [ 月姫 II. / The Dark Six ?(笑) ] ←──────
                                                [ 空の境界 ] ←┘
                      |   
                      └───────→ [ Notes. ] ←────────────────┘

 等幅フォント・12px幅800px以上 ──数箇所直接繋がっていない線がありますが、下を潜っていると考えてください。
 データは“全自動月姫Links-Albatoross-”(尚、(-)の部分は私が便宜的に追加したもの)

 見ての通り、私の主観に基いている為穴だらけ、且つテキトーではあるが(笑)

 上記の表は『月姫』本編のシチュエーション・状況を四つに大別、各シチュエーションに関連するキャラクターを配置し相関関係を表示したものである。
 (ある程度は『月姫』本編(含:歌月十夜)のテーマ/シチュエーションに沿っているものの──無理がある分類の為、異論は多かろう。此処では思考実験の為の便宜上の分類として割り切って頂きたい)。

 ぱっと見た感じ、線で繋がる位置が近いところにいるキャラクターの間は、二次創作を行う際にシチュエーション的に絡め易い傾向があるようにも思える。
 それに(今回は時間的な余裕が無くASCII絵にした為見送ったが)、「面」で色分けしand/or範囲を提示すれば、各シチュエーションの境界線上にある話を見つけ易い/考え出し易いだろう。

 きちんと色分けし、Markupし直して更に組織関係図、そして『魔法使いの夜』『空の境界』『Notes.』との連携まで重ね合わせれば、二次創作作者の発想を支援する「無いよりは有ると面白い図表」にまで化けるかも知れない。

 おぉ、これだけならナイス思いつきだ、自分≠ニいった感じがする。

 ──が、肝心な本題(必要な分類・より扱い易いUIの提案)からは著しく逸脱している。
 それどころか、普通に使う場合はかえって役に立たないぞ(笑)

 ……もう少し寄り道せず、上手い意見を提示出来ないものか。

追補

 ──上記に付随して。
 「このような相関図が他に存在しているか=Aまた存在しないなら無いより有った方が良いか∞大きな欠落・改善点は無いか≠サして何より、果たして使用に堪えるものか=v
 それに、(仮にニーズがあるのならば)こちらのような場末で公開しているよりも他のWeb siteに委託する方が、『月姫』二次創作作品に携わる方にとって利便性が増すかも知れない。

 それらを踏まえ、上記の「[ 月姫 ] キャラクター/シチュエーション相関図(仮)」について、出来れば『月姫』二次創作作品に携わる他の方の意見を聞いてみたいところ。

 具体的な作品・シチュエーションを例示し、どのように分類し直すのが適当か考えてみるのも面白いかもしれない。


Friday, March 8, 2002 / 2002年3月8日

http://www.interq.or.jp/jupiter/youyak/bultandels/documents/notes/AD2002/03_mar.html#08

後悔公開。

 改装の為テストページを除き整理。
 
 くわね氏C.F 氏入江伯爵(Ritterkreuz/RK)閣下のoffリポートがあがっている。
 
 取り急ぎ、暫定ページを作成、先日のoffリポートをup。他所に渡したテンプレートを流用しやっつけで15分作業。動作・表示検証が出来ないのが恨めしい。
 いきなり押しかけPC借りるわ無理を言うわスマン→朋友


 筋金入り、という程ではないと思います。  せめて針金入りくらいで、おひとつ。


Saturday, March 9, 2002 / 2002年 3月 9日

http://www.interq.or.jp/jupiter/youyak/bultandels/documents/notes/AD2002/03_mar.html#09

友Ruriwo氏と第三種接近遭遇

────そして、割と真剣に駄目話。

Ruriwo >>
 ……そ〜だ、ヤツこの間伊太利からの帰りにウチにグラッパとか言う酒置いていったんですけど、どうも匂いが苺臭いんですよ。コレどういう酒で原材料何か知ってます神奈備さん?
神奈備 >>
 確か“葡萄苺”とかいう品種の葡萄の果皮と蔓などを醗酵させ醸造する果実酒の一種。
 で、食後酒として愛飲される場合が多い。
 味はともかく匂いがね、甘過ぎて私は少し苦手かな。
 フルーティな口当たりの割りに結構アルコール度数は強めだった筈だが。
Ruriwo >>
 38度くらいでしたかね。
神奈備 >>
 彼が今行っているところが、かい?
Ruriwo >>
 それは……笑えませんよ。
神奈備 >>
 いや、まったくだね。キンポ空港の地下から湧いて来そうだし、彼。
 ──そうだ、イタリアといえば最近こんなゲームが俺内部でスマッシュヒットから認識を覆すほどのタイダルウェイヴと化していて、だな。
 毎度毎度の様に定価購入したのだが、ヲレ的価値観を金銭換算した場合──1st インプレッションの評価としては、取り敢えず定価+三千円は出してやってもよいと感じたよ。

 など……といった具合に、まぁ互いの近況やら共通の知人やらに関する情報交換――ホラ、あいつだよアイツ! イタリア行ってマフィアの抗争兼銀行強盗に巻き込まれて参考人として事情聴取されたヤツだよヤツ!(←事実である。外電に出たそうだ。有る意味洒落にならない) 9.11生還したら今度は韓国カンコック逝きでさァ、メリケンでやってた生産ラインの立ち上げ半分の期間でやれだと。それキッツイわ。向こうのヒトが親切なのがまだ救いだと。それしか救いが無いのか、哀れな……。

謎の竹本泉ゲーム、ハングル版。 写真提供 Ruriwo氏

 んで奴さ、向こうで発掘した竹本泉のゲーム送ってきたんだけど俺ってハングル読めないんだよねぇ。
 何かパッケが微妙にパチモン臭いけど。コレまさか海賊版なんかな〜。そんなん解らんよ。そ〜か、んであっちのメシ美味いけど紅くない食い物がねぇよ〜とかボヤいとったぁ。マジかいな!? んな大げさな――に始まり、キノの旅、最近購入したエロゲ概況、

神奈備 >>
 しかし──原画家、藤原々々氏の絵は結構来るものがあるのだがなァ。紫音たんに深く激しく思われてみたいというのは在る。
Ruriwo >>
 正気ですか。
神奈備 >>
 ……かなり遠慮しておく。
 そう思ってしまう自分が在ることは確かだか。だがまぁ、ある種極まったキャラクターは好みだよ。
Ruriwo >>
 ──嗚呼、遂に幼女にまで。私の知っているあの日の神奈備さんはどこに逝ってしまわれたのでしょうか。実に嘆かわしいことです
 ……じい〜っと眺めてあげましょう。痛ましいモノを見るような眼で哀れみ蔑むように
神奈備 >>
 なんだそりゃ。冗談にしても辛いなぁ。
Ruriwo >>
 いえ。一度あなたにそう言ってみたかったもので、つい。

 ……。
 冗談として「辛くない」のか、それとも冗談「ではない」のか、その辺だけはハッキリさせて頂きたい。
 ……と、こういった感じに、作品に対する評価の基準と値段分の価値判断、費用対効果の在り方etc、etc、etc...について、まぁ駄弁る駄弁る駄弁る。

会話は転がる、訳の判らぬ方向に

 一旦興味深いモノに対して真剣に話し始めると、堰を切ったように饒舌になる(≒途端に他者の存在が薄らぐ)気がある私に対し、彼──Ruriwo──は会話の手順プロトコルというか、ターン、ターム、呼吸のありかたというものをよく心得ている(だからこそ、私のような面倒な人間と付き合っていけるのかもしれないが)。

 そのような、聞き上手なひとと話をするのは独特な面白みがある。
 話をする過程で思考が活性化し研ぎ澄まされて行くような心地好さ、ちょっとした雑談を通じて他者のイメージ・認識のなかから自分でも想像もつかなかった自分が発見され自分自身の視野が拡張される意外性、対話のなかから産まれる発想の飛躍があるからだ。

 で。
 今回もその例外ではなく、今期昇格したばかりの地元Jリーグチーム、ベガルタ仙台が連勝している話から、何時の間にやら妙な方向に話が飛んでいく……。

神奈備 >>
 私は素人さんなのでなんだが、見たところ、トルシエジャパンの上げた成果は監督の手腕、選手達の実力もさる事ながら、その背後に有る選手育成に始まりサッカーというスポーツの普及に至るまでの様々な事柄、即ちJ開幕以前からの日本サッカー界による地道な努力を見逃すわけには行かないと思う。
Ruriwo >>
 神奈備さん御得意の“総力戦とはこのような事を指す”ということですか。
神奈備 >>
 どうかな? まぁ、そうなのかも知れない。
 ただ総力戦である以上、同時に各員の職掌と責任の及ぶ範疇、重視すべき部分が何なのか──トップが明確なビジョンを示し方向性を指し示すこと、また支える側もトップの抱くイメージを理解し実現しようと努める事が重要となるわけよ、多分。
 それが出来無い組織は硬直化し、一度実を結んだ果実を喰い潰していく。
 新聞なんかで読める限りでは、現に野球なんか喰い潰しつつあるように見えて大変。知り合いのファンのヒトがぼやいていたしね。
Ruriwo >>
 そうですか。──ちなみにそれは選手の問題ではなく、興行側の問題として捉えているのですか? 知らんなりに、ダイエーと巨人、チームの運営法は相似形に見えますが。
神奈備 >>
 双方かな。私が抱くその辺りの思考やなんかは、日米野球のあり方を見れば理解出来ると思う。
 このままのペースで推移すると仮定した場合、日本球界はやがて独自性を無くし、メジャーリーグのアジア域ファームのうちひとつとして細々と生き長らえていくが、活かされているという事も理解出来ずに何時の間にか飼い馴らされていくだろう、というあたりが私が抱く未来予想図。
 ちなみにヲレ様ちゃん内部では、もしこのまま進めば、先年の日本シリーズ、王v.s.長嶋が日本プロ野球界の墓碑銘となることが当の昔に既定事項となっているので。
Ruriwo >>
 あぁ、やはり現状のままでは駄目ですか。
神奈備 >>
 断言は出来ない。実際に携わっているひとたちは無責任にこういう私より遥かに危惧し努力しているだろうから。
 ただ、それでも私はこのままでは駄目だと思うな。
 そこでちょっと考えたんだが、あまりに地域的ドメスティックな浪花節と決まりきったお約束の安心感が観客にウケるようになるには、ある一定の文化的な背景に基く共通の認識が素地として必要とされるのではないか……と思う。
Ruriwo >>
 コモンノウリッジ?
神奈備 >>
 まぁ、そう言うものなのかも知れない。
 でもね、間違ってはいけない事だと思うから敢えて言うが、彼等が上げた実績や築き上げてきたこと、それ自体は偉大だ。本当に偉大なことなんだ。
 だが、ただ、それにおもねり、その遺産を喰い潰し尽くした後、果たしてどうなるか。
 それを、選手時代のONが築き上げた遺産に縋って生き長らえてきた連中が理解しているかどうか。
 そして、仮に理解していたとしても、彼等を過去の偶像の域に蹴落とす者達は現れていない、又その芽を残らず摘んで来てしまった事。また閉塞感に包まれている割に、それを打破する方向に向いていない方がより問題なんだろう……とは、思うね。
Ruriwo >>
 ふーむ。
 神奈備さんはそう考えている、と。
 でも私的にはですね、日本球界がかつてベーブ・ルースの記録を最初に打ち破った選手が味あわされた辛酸と同じような仕打ちをいまだに繰り返し続けているのは、理解出来ませんな。
神奈備 >>
 うん。そのあたり考え出すと、結構根が深いと思うね。
“何故、そうなるのか”──それは、構成する者達のノイジ・マイノリティが既に過ぎ去った古き良き時代≠ヨの郷愁と過去の幻想に縋りつき、現在身の回りに在る現実を客観的に眺める術を見失っているからではないか?
 そして、ただ幼児的に手足を振りまわしていれば、自分が抱く幻想を守り続けられるものと履き違え更に事態を悪化させていく。
 現状認識がズレ現在自分が置かれた状況を履き違えているからこそ、目の前の事実を直視出来ない。直視出来ないからこそ無視するか、価値が無いものと見做し片付けるか、自分の幻想を乱すものとして敵視する。
 で、そのような手合いに限って、他の価値観の存在を認め自分で理解しようと試みることなく、ただ自分の価値観だけで周囲全てを均し尽くそうとする訳だ。
 ──このふたつを精神的な車の両輪とするタイプの人間は、自分達が行っていることに対し何ら疑問を抱かず自分だけのセイギとゼンイの御旗の下に思考停止している分、余計に性質が悪い。
 行き過ぎた善意が唾棄すべき独善を生むのと同じだよ。
Ruriwo >>
 その言い方、相変わらずですな。ステキだ。拍手喝采、ぱちぱち。
神奈備 >>
 おいおい、ステキって、何さ。「お米券、進呈」とか言い出さないだろうね?(笑)
 ──まぁ、アレだ。偶には極論を弄ばないと思考が硬直しかねない。
 ……正直なところ、この手の人間が放つ魂の腐臭って奴は私にとっては反吐が出るほど嫌なモノものでね。
 私は、対象に向ける愛情故に却って視野狭窄症に陥って目の前で起きている事態から目を背けてしまうことの方を、より以上に危惧するが。自分の中にもさっき言ってたような嫌ぁ〜な傾向があるだけ尚更さ。
 ま、さっきまでの話に戻るとだ、伝統の重荷を打破し続ける事を前例とし新陳代謝を計る術を組み込め無かった為、組織としての硬直化・官僚化がより一層進んでいるのかも。
 う〜ん、と、なると……世界を変えるには、まず自分の手の届く範囲から変えて行かねばならない、ということなのかな。
 やはり身の丈に合った人生を送るというコトが大事なんだよ、うん。
Ruriwo >>
 結局それですか。オチがつきましたが。
 しかもここまで引っ張った挙句酷くあっさりと。
神奈備 >>
 ……むぅ。オチてない、オチてないぞ。

そのまま“時代の閉塞感”繋がりで、「青少年有害社会環境対策基本法」(田中真紀子前外務大臣の旦那さんが議員立法の先導役をやっている駄目法といったほうが通りが良い。何故)の問題点、そして先日購入した「萌え文集」繋がりで仕入れた他の方々──猿元 氏桜 氏Shun 氏──の反応等と絡めて話す。

神奈備 >>
 これは……楽しい。心底楽しい。
喜劇ファルスだ、笑劇ファルスを演じよ、ルーク!」
 そう誰彼構わずうそぶいてやりたくなるなぁ。
 ま──そんな冗談はさておき、私には、この「青少年有害社会環境対策基本法」法案は、結局のところ何所まで行っても的外れ、実効性に欠けた冗談の域を出れない下策も下策にしか思えないのだが…
Ruriwo >>
 ここはやはり葛城ちゃんの持論宜しく、
「施行の暁には違反者を積極的に告発(≒密告)することを奨励し、一寸した交通違反に到るまでありとあらゆる罰金を二千円札で支払わせる」ようにすれば、日銀から財布に到るまでうなっている二千円札もさばけますし……財布預金が世の中に還流される為景気浮揚策としても一石二鳥となるのではないでしょうか?(笑)
神奈備 >>
(笑)
 なんというか……前提のあまりの危うさ、愚かさ加減を差し引いても尚、一瞬そう錯覚してしまいかねないところがあるね。
 最近話題になっている、善意の内部告発者の社会的地位を保護するにはどのようにしたらよいか等というあたりの話題と絡めて歪めてしまうと、ろくでもない話になりそうだ。
Ruriwo >>
 雪印ブランドやらムネオ君あたりで、こんなことはおかしいじゃないかと声を上げた人たちの話ですね。
 法制化云々という話があったと記憶していましたが、あれ、今どうなってましたっけ?
神奈備 >>
 海外だと公益開示法とかホイッスルブロアー法とか言ったんだっけ?
 善意の告発者を社会的にどう保護するか、現在日本ではまだ明確に法制化されていないと記憶していたけれど。
 薬害エイズ事件以降継続審議だったかな?
 川田悦子衆院議員が情報公開法と抱き合わせで内部告発者保護法の必要性を訴えていたと思ったが、ちゃんと覚えていないなぁ。
Ruriwo >>
 そのひとはどこかで聞き覚えがある名前ですね。
神奈備 >>
 昔東京HIV訴訟原告団の副代表だったひと。
 そういえば、薬害エイズ事件以前に、人間的におかしな事をおかしいと告発した方が現在の視点から見れば理不尽なリンチを受け村八分にされた事例も在ったと思ったな。
Ruriwo >>
 そこで「目安箱みたいなものでもあれば」と言ってみるテスト?(笑)
 善意の内部告発者を保護するのは社会規範を維持する為に必要でしょうが、運用については細心の注意が必要でしょう。
 無難な言い方ですが、私は“善意に基く社会正義”という奴を額面通り信用出来ない性質でして。
神奈備 >>
 成程、そんなもんなのかもしれないな。
 私も“善意に基く社会正義”という奴は確かにただの幻想か、それに近い程あやふやなものだと思うが──ん〜、なんと言うのかな、幻想であるからこそ尚更、共同幻想の存在を敢えて事実として見据え、原理原則を遵守し一本筋を通さなければ本当に社会の背骨が揺らいでしまうと考えるわけよ。
Ruriwo >>
 そのあたりを自覚していないのか、それとも知っていて尚自らに都合の悪いことからは目を背けようとするのか。
神奈備 >>
 前者なら性質タチが悪い、後者ならより性質タチが悪い。
 しかし今のは、まるで私みたいな口振りだ。
Ruriwo >>
 そこはそれ、長い付き合いですから。

 そして「萌え文集」。

神奈備 >>
萌え文集」を読んでいて痛切に感じたことは、
 “このひと達は己の全存在を掛けてまで、語るべき対象について何かを伝えようとしている”と感じたことだった。
 良い意味で、真っ向勝負に敗れたような気がしたよ。
Ruriwo >>
 そうなのですか。
神奈備 >>
 それに対して我が身を省みたとき、果たして “私はここまで自分の身を削って言葉を出してきただろうか?”
 ひいては
“私は伝えようとするものに対して本当に真摯に向き合ってきただろうか?”と疑問に思ったのさ。
 で、今迄“私はそこまで自分の身を削った言葉をなにひとつ発してこなかった”、とまぁそう感じたわけだ。
Ruriwo >>
「そんなものヒトに聞くな、一々お伺いなぞ立てるな。自分の意見、考えを提示しろ!
 消費者になるな、誰かに肯定されて権威付けしてもらおうなどと考えるな、自分はこう思うと自分の言葉で言え、叫べ!」
 とか言われていた神奈備さんとは思えない弱気な発言に聞こえますが。
神奈備 >>
 痛いな。
 ただね、自分でそう言いつつ、今迄語りたいことを真っ当に聞いて貰えず、なにひとつ伝わらなかったのは、物語る対象について私が発する言葉に自信が無かった……違うな、発する言葉にモノを語ろうとする衝動、物語る“私”という存在のカケラが何も篭っていなかった、からだと感じた訳よ。
 ……。
 上手く──伝わらないな。
 まぁ今回は、いろいろと考えさせられた。そのように深く我が身を省みる機会を与えて頂けたのは有り難い。
Ruriwo >>
 そういうことですか。含蓄深い言葉だと思えます。
 ……少々違う話題にズラします。
 では、ひとつ質問を。──貴方にとっての“萌え”とは一体何ですか?
神奈備 >>
 いきなり、難しい質問をするね。
Ruriwo >>
 貴方にとっての、で良いですよ。他人の“萌え”なんかうっちゃって。
神奈備 >>
 正直なところ、今迄私にはキャラクター萌えに始まり社交辞令的なものに到るまで、“萌え”というものが良く判らなかった。
 今でも、よくわからない。
 …そうだな、例えばここに何か気に入ったものが在ったとしよう。
「何故、これを気に入ったのか?」
 尋ねられたなら、コレを気に入ったときの感覚を記憶の中から再生することも出来るだろう。
 そして、その場にあった事柄ひとつひとつを再確認しつつ、そのとき自分がどのような思いでいたか  反芻はんすうする事も出来る筈だ。
 そうだろう?
Ruriwo >>
 そうですね。
神奈備 >>
 だが、この感覚に対しては、その過程を経ても尚実感が持てない。
 擦り硝子越しに眺めた向こう側の情景、どこか遠くで他の誰かが語る言葉を伝え聞いて感じたもののようにしか思えない。
 一度その感覚が「在る」ものだと把握出来れば、次からは記憶からその感覚を呼び覚ませる筈だ。類似する存在、状況、……何でも良い、連想から記憶を想起させる情報から導き出されるはずの事柄、そしてそれらに付随して想起される思いの在り処も判るはずだ。
“萌え”とは、「気に入る」と言う感覚と同種、より深め突き抜けていった先に有るモノなのだろう?
 だが私は、その“萌え”と言う感覚を呼び覚まそうと試みる度、その感覚を形容する語彙に対する困惑と違和感を深めてきている。
 おかしいだろう?
Ruriwo >>
 なるほど。奇妙ですね。
神奈備 >>
 ──どうやら、私という個人はその手の情動からは程遠いところに在るようだ。そこまでは理解出来たと思う。
Ruriwo >>
 ふむふむ。
神奈備 >>
 ……そうだな。
 私の内部にある“萌え”という感覚に対するイメージを例えて言うならば──空と海との狭間、混じりながら交じり合うことのない場所、どんなに歩いても決して辿り着かないところ。
 届かない憧憬、掴み取れないものへの想い。
 やがて到る地平が見えない不安感。
 そんななかでも、求めるものにより近付こうと悶え、足掻く。
 そんな感覚をひとつの言葉に凝縮して表そうとしているようだ──だからこそ、手に届かぬものを切実に希み求めるひとたちが挙げる軋み、僅かな声に到るまで、すべてが愛しく思える。
 そのどうしようもなさ、刹那さ、切なさ、やるせなさまで含めて。
 
 そうか。
 ……そうなると、私にとっての“萌え”は、祈りや渇望、憧憬に通じるところがあるのかも知れないな。
Ruriwo >>
 ──そう、ですか。
 ……。
 今言われた感覚を内的必然と言うのかどうかはともかく……神奈備さん、あなたにとっての“萌え”とはなんであるのか、どのような感覚を指すのかの雰囲気までは聞くことが出来たと思います。
 その上で、あなたは社会通念上の“萌え〜!”なるものについてはどうお考えですか?
 そのへん訊いてみたいかな、と思うのですが。
神奈備 >>
 ──。
 おぉ〜い、君、少しトバし過ぎ。
Ruriwo >>
 いや。最近、どうもこの手の話訊いてモノ考えるのに飢えてまして。
神奈備 >>
 そうかそ〜か。
 まぁ、このようなコミュニケーションに用いられる用語を定義する等というのはね、実際には無粋な行為なのだが…ここは敢えて考えてみよう。
 と、取り敢えず、丸っこくて柔らかくてフサフサしているものに対して本能的に感じる愛情というものがあるだろう。
Ruriwo >>
 はぁ。
神奈備 >>
 コ奴らがビミョ〜に刺激する部分にこそ、所謂“萌え”の本質、何たるかに繋がるものが隠されていると吾は思うのだよ。
Ruriwo >>
 なるほど。まぁ、異論は有りませんが。
 ……そうなると「保護欲、プラス、ノーリスク且つ一方的な恋愛感情の押し付け」辺りとかになりませんか?
神奈備 >>
 うん。で、そこから先、無意識無自覚的な“何か”が深層に潜んでいるのではないか、とか。
Ruriwo >>
 みなもさん、あなたのうにゅうは何所にいるのでしょう。
神奈備 >>
 それこそ主役、どこでもいっしょ。
Ruriwo >>
 どこしょ、ですか。そのへんに無自覚的なトロが潜んでいるのでしょうか。
神奈備 >>
 トトロ縫いぐるみと同じくらいデカイヤツ、うにゅう。
 ……ともかく、常時スカラー量として存在する行き場を無くした想いとかが、何らかのカタチでベクトルとして方向付けられたときに“萌え”として顕在化し観測されるのではなかろうか、と。
 現時点での仮説。
「自分の理想像をフィクションである対象に投影した上で、仮想の人間関係構築を試みる≒恋愛遊戯=狭義での“萌え”」と仮定した場合、個人的な経験則としてシックリ来る部分が在る。違和感も多いが。
Ruriwo >>
 フムフム。
神奈備 >>
 ただ、ここで仮定した“萌え”、所謂擬似的な人間関係に基く遊戯が真剣な感情に転化、その域すら通り越してそれこそ狂おしいものと化した――想いの水位が一定の閾値を超えてしまって、触れる事それ自体が叶わないからこそ、却って苦しみに苛まされる、とまぁそういった感じになってしまった――場合、それをなんと形容するかは……適当な語彙が見当たらないので何とも形容し難いのだが、これもまた広義での“萌え”の領域に入るのかもしれない。
 ……フゥム、この辺りは今後の観察と分析の課題かな。
Ruriwo >>
 相変わらず、理解し易そうでいてその実よう理解出来ない捻じ曲がった理屈で突つきますな。
 本人自分が言っている事よう理解していないのと違いますか?
神奈備 >>
 ほっとけ。事実全くもってその通りではあるが。……待てよ、ならぱこんな思考実験も成り立つか?
Ruriwo >>
 ? 何でしょう。
神奈備 >>
 ……この、“本質的な矛盾を抱え込んだ感情の対象が「本当に」目の前に現れたならば?”
Ruriwo >>
 ダメな友人達の大部分は、おそらく後先考えずに飛び込みますな(即答)
神奈備 >>
 ルぅパンダぁイヴ! ……まぁ、彼等の冥福を祈ろう。
 私は事前の準備体操だけは忘れずにしておくが。キミは?
Ruriwo >>
 貴方もろともソッコー飛び込みますね。
神奈備 >>
 ……ヒトの努力と克己に自制心をあっさり無にしくさりおってからに。
Ruriwo >>
 ただ、仮にそうなった場合。
神奈備 >>
 ……そうなった場合?
Ruriwo >>
 ふつーに“萌え〜!”ていただけの関係が、「現物が今そこにいる、手の届くそして触れられるトコロに実体として存在している!」というだけで極めてリスキーなモノに移行するというところまでは、容易に想像がつくのでは?
神奈備 >>
 それはそうだ。
 目の前に現れたのなら、そうだなぁ……対象に抱く愛情、望んだ人間関係の構築とは裏腹に、自分の業を四六時中見せ付けられるようなものとなるんじゃないかな。
 近親憎悪に近いドロついた情念渦巻く領域と紙一重。しかもお互い何時踏み越えるか知れた物ではない。
 無意識下に在るカタチにならないモノを体現する存在──まさしく、アヤカシそのものだな。
 そのあたりに気付いた瞬間心底怖気がくる類の相手、少なくとも、私にとっては恐ろしさがどこまで達するのか想像出来ない類の相手だよ。自分も惹き付けられそうなだけに尚更…ね。
 しかし君、こっちが言いたいところを覚っていないか?
Ruriwo >>
 いません、ございません、ありえません。れちくる座から電波ゆんゆん受信できるヒトなら別ですが。
 しかし、萌え対象を現実に見せ付けられるのはただ単純に怖いものだと思っていたのですが、そう聞くと背後にある感情はアンヴィバレンツもいいところなんですかねぇ。
 ところで……神奈備さん。貴方、さっきの仮定を口に出すとき酷く不愉快そうに見えましたよ。
神奈備 >>
 そんなところまでよく見てるなぁ。感心するよ(笑)
 ところで、さっきの仮定についてだが、本当に目の前に出てくることを考えてしまうと。
Ruriwo >>
 考えてしまうと、どうでしょうか。
神奈備 >>
 ──不愉快だよ、心底不愉快だ。少なくとも私はね。
 考えてみて欲しいな。
 当然かもしれないが、“現実に目の前に現れた萌え対象”って奴は、趣味嗜好から内心の思いに到るまで、自分自身の在り方全てを曝け出した上映し出す歪んだ鏡なんだぜ?
 そんな相手と付き合うというリスクは冗談や綺麗事なんかでは到底済まない、そんな軽い言葉で済む筈が無いよ。
 それこそ何らの対処法も知らずに妖精と付き合うようなものだ。
 逢った瞬間、他の全てをなげうってでも構わない程魂から惹き付けられるのと同時に、殺意に近い、殆ど生理的な嫌悪感をも抱きかねないだろう。
 ──正直、ゾッとしない。
 自分が抱く愛情や愛着、すこしばかり腹立たしいと部分があろうと、一挙手一投足に到るまですべてが愛しいと思う気持ち。そういった思いがなにもかも引っ繰り返るんだ。
心せよ。 ──汝が深遠に見入る時、深遠もまた汝を見入るのである
 ところが、この深遠は覗き込む対象を鏡像としては映し出すには相当に歪んでいるからな。
 覗き込んだところでマトモな像を結べる筈が無い。覗き込む側が自身の思い入れにより目を曇らせている分余計にさ。
 率直に言って、そんな存在が本当に出て来たとき、好き好んで縋ろうとする者の気が知れないな。
 ドッペルゲンガーに出逢うほうがまだましだ。
Ruriwo >>
 ほほぅ。
 私に言わせると「そんなん出てきたら一発でニンゲン駄目になりますよワショ〜イ!」といったところなんですが。
 結局割と投げっぱなしです。
 ……しかし、似たようなイメージからそこまで受ける印象が違うということは、これは、互いの認識に少しばかり齟齬があるように思えてなりませんが。
神奈備 >>
 ん〜、齟齬自体は有って当然。無ければ無いんだろうが、それはそれで怖いと思う(笑)
 私は前提として「その人が思いを向ける“萌え”対象そのものは、二次元だろうと何だろうと、どのようなかたちであれ当人にとっては既に実在する」ものと考えているんだな。
Ruriwo >>
 あぁ、そういう思考、論述の展開があったわけですか。
神奈備 >>
 うん。どうやら一足飛びに勘付いたようだが、“現実にやって来て、目の前に現れる”という部分があったからね。
Ruriwo >>
 ははぁ。と、言う事は。
神奈備 >>
 相手に向ける思いが狂おしい域に達し明確にイメージを結べるようになったひと程、現実に現れたそんなものと出逢った瞬間、既に実在するものに対する醜怪なシュミラクラに見えると思う。
 しかしね、これが……そうだなぁ。例えば軽い社交辞令として「萌え〜」って言っているだけのひとにとっては──うん、最初は一緒に居るだけで楽しい恋人同士、やがてお互いを枷のように感じて擦れ違い始め、仕舞いには自分がどれほど恐ろしい相手と付き合っていたか気付いて愕然とする訳か?
 これ、「萌え≒恋愛遊戯」なひとの場合、多そうな気もするなぁ。今言ったパターンの場合、ひとによっては、ここまで行き着くことすら無いかも知れないが。

 まぁ、いずれにせよ……この両者の思考の狭間には、ひどいギャップがあるだろう?
 そこまで考え、次いでふたりが逢ったその場の情景を想像し、私は先のように捉え、恐怖した。
 これで感覚的には掴めたかな。
Ruriwo >>
 ──了解しました。想像したくも無いと言われたことに同意しますよ。確かに酷く不気味なイメージだ。
 ……?
神奈備 >>
 どうしたね?
Ruriwo >>
 ……いや、私にも少し考えが。
 先程までの会話を前提としますよ。
 貴方が言う“萌え対象の醜怪なシュミラクラ”が目の前に現れたとして、ですが。
神奈備 >>
 うん。
Ruriwo >>
“そのどうしようもなさを全て理解した上で、それでも尚相手の手を取る状況、動機は在り得ますか?”
神奈備 >>
 今我々が生きる、この現実の中でか?
 そんな情景、想像したくもない。 ──が、興味深い。そこに到るまでの仮定を考えてみたくないと言えば嘘になる。
 在り得ない事だが、ただの脳内イメージだった“萌え”の対象、それを歪んだ形で模倣した醜怪なシュミラクラが実際に目の前に現れる、ということが仮に在ったとするならば、ソイツは───ベアトリーチェ、ファム・ファタル、───まぁ何でも良い、ともかくそれがそうだと識った上でそんな化け物、アヤカシ、妖精じみた魔性の存在の手を取るなんて行為は……そうだな、「逃避」なんて軽い言葉で括れるほど生易しいものではないと思う。
 どう考えてももっと酷い、とてつもない代償と覚悟を求められる代物となるだろう。
 そうなると、なにか在る筈なんだ。表面的には曖昧でも、根底では確固たる「何か」が。
 ……無ければおかしい、少なくともその個人にとって切実な動機とメリットが。
Ruriwo >>
 ふぅむ。
 と、なりますと、一見軽い気持ちでちょっとした美味しいとこを取るだけなのにそこまでの覚悟を試されるような動機は……“どうしようもない今、この現実”のなかでは在り得ない、と。
神奈備 >>
 ……。
 待て、今、君は大事なことを言った。

 いくつかの切片を眺め、下地の絵柄が見えた途端、欠けた切片の全てが組み上がる眩暈のような感覚。

Ruriwo >>
“現実”のなかで在り得ないことは。
神奈備 >>
「物語」のなかなら起こり得ること。
Ruriwo >>
 世界を覆い尽くす灰色の閉塞感、在り得ない筈の──
神奈備 >>
 忌むべき魔性の者、妖精の手を取ってでも──このどうしようもない、“今”に抗い立ち向かう人々の物語。
Ruriwo >>
 賭けるチップは何ですか? 報いも無く今に抗い立ち向かう、足掻くのは何故、何の為に、何を求めて?
神奈備 >>
 ──君が望む、明日。
 ──僕が願う、未来。
 孵ることの無い卵。
 抱くことの許されない、希望の感触。
 しかし殻を割らねば、雛は生まれる事無く飛び立てない。
 どれほど陰鬱な地にあろうとも、昨日と少しだけ違う今日、そして明日が変わらず訪れる確信が無ければ生きていけない。
 己の存在そのもの、全てを掛けて。
 閉ざされた今日を打ち破り、奪われた希望を再び自らの手のなかに。まだ見ぬ明日を取り戻す為に立ち向かう。
Ruriwo >>
 望みと願いの辿り着く果ては?
神奈備 >>
 まだ判らない、解らない、けど。
 己の全てを代償に得た暗闇を歩む為の灯火を掲げ、閉ざされた道を通り抜けていかないと、明日の陽射しは訪れないと思うんだ。だから──だから、
 ─―このひとの手を、離さない。
        僕の全てを、手放してしまうような気がするから。
 ──あ。
Ruriwo >>
 …………。
神奈備 >>
 …………。
Ruriwo >>
 ……いい、ですね。
神奈備 >>
 ──面白い。
 これは、面白い。ネタとして面白いな。
 久しく忘れていた手応えだ。ノリ的には根底の文脈はファンタジーだな。これで一品作ってみよう。

Sunday, March 10, 2002 / 2002年 3月10日

http://www.interq.or.jp/jupiter/youyak/bultandels/documents/notes/AD2002/03_mar.html#10

日付が変わる。

 話し込んでいたのは丁度二十四時間営業のファミレス。店を替える気も無くなる。
 ……店にとってはひどく迷惑な話だが、知り合いでもある店長が諦めたようなサインを送ってくるのを見、改めて注文を追加。

と、いうわけで……

 その場の妙なノリと勢いのまま浮かんだイメージを固め言葉にする作業を続行する。

考察の前提──イメージの確認

「世界を覆い尽くす灰色の閉塞感、在り得ない筈の忌むべき魔性の者、悪しき妖精の手を取ってでも──このどうしようもない、“今”に抗い立ち向かう人々の物語」

「どうしようもないこの世界の中で、自分が自分自身であるために、何だか分からないものの手を取ってしまう、絶望的なまでの立ち向かう意思」

Ruriwo >>
 この手の話なら、今まで考えてきて、形にならなかったネタが結構あるんですが。
神奈備 >>
 奇遇だね。
 ──こちらもそれなりにはある。

考察その1──背景の反復

 自分の業を見せつける、魔性の存在の手を敢えて取る。
 そんなことが在り得るのなら、そこまで思い詰めるような状況に無ければならないだろう。
 灰色の閉塞感に覆い尽くされた世界──果たしてそれは、どのような世界なのだろうか。

Ruriwo >>
 何と言いますか、「今、ここに在る」ことそれ自体が許されないような、それこそ窒息しそうな圧迫感を憶えたのですよ。
神奈備 >>
 なるほどねぇ。
 なら、こんな感じか?
「僕達が生きる、この国には何でも在る。
 果てしなく連続し続ける日常、自分らが属し構成する社会、その中で起きた出来事、ごく個人的な事柄によっていくらか変化し振幅するだけの現実。
 それなりに生きる術さえ身につけられたなら、何不自由することも無い。
 僕は、両親が、祖父母が、又それより前に生きた人々と同じように、彼らが繰り返したように、現実と折り合いをつけ生きていく術を見つけ暮らして行くより他に無い。
 勿論、僕はその退屈さこそ幸せの現れだと言う事はよく理解していた。
 世界には、思い悩む余裕すら許されないような場で生きる人達がいる。
 そして、この世界に生きる同年代の人達、その殆どと比べれば僕は随分と気楽に生きている。
 ――来る日も来る日も、昨日とはほんの少し違う日の繰り返し。
 下向きの螺旋スパイラルに乗り、破局に向かって楽しんで歩んで行く此処には──何でもある。本当に何でも在る。ただ生きるだけなら、何不自由しないほど。
 だが、その中には明日への希望だけが無い。
 痛いほど理解しているにも関わらず、夢を抱くことは許されない。
 ――明日への希望を抱く事だけが許されない。なぜならもう、ここから先は行き止まり──」
Ruriwo >>
 何ですか、その速さは。
神奈備 >>
 いや、それと知らずに優しく飼い馴らされる心境という奴。
Ruriwo >>
 う〜ん。
 私から見ますと、「単純明快なものほど美しい。ただ、それはあまりに美し過ぎて、ヒトはその中には居られない」
 といった印象がありますね。となると……。
神奈備 >>
 うん。なら、背景世界の状況は──極端に単純化した“今”の醜悪なカリカチュアとなるだろう。

 それは、凄まじい閉塞感と行き場の無い絶望に満ち溢れた……唯ひたすら静謐、かつ凄惨なものに違いない。
 零れ落ちる涙はみな涸れ果て、そんななか、ヒトはただ楽しみながら、滅びに向かい歩き続ける。
 生まれながらにして葬り去られた──柩の中の、楽園。
 死せる自然、硝子の骸の美しさ。

Ruriwo >>
 なるほど。
 コンビニに行くと18禁の棚は無くなっていて、コミックの棚だったところにブルーバックスが並んでいるとか。
神奈備 >>
 それも怪しいほう。クリスタルは精神を活性化させる功能が……とか。

 だが、一見そう装われてこそいるものの──実際は上っ面だけ。後はどうしようもない嘘臭さに満ちている。
 それはヒトを寄せ付けぬ峻厳とした美しさではない。
 手に届くところに置かれた何もかもが、口当たり良い安手の糖衣に包まれている。
 世界を……想像力を失った、滑稽なほど従順な自動人形オートマータモドキが受け継いでしまったのだろう。

考察その2──おはなしの在り方

 そのような世界のもと、繰り広げられる物語はどのようなものが相応しいのか?
 テーマ、ストーリーラインは、また、作成のキーコンセプトはどうなるのだろうか?

神奈備 >>
 今、ここにいる僕の在り様を肯定しつつ、この“今”に立ち向かう。
 青臭い話でいこうや。
Ruriwo >>
(筋肉少女帯、タチムカウのフレーズを口ずさむ)
神奈備 >>
 うん、そうそうそんな感じ。「最後の聖戦」は良かった、私はかなり好きだよ。
 ただね……犬死にだけはいかんよ、犬死にだけは。
“死”は確かに理不尽で不可避なものだが、せめてお話の中ぐらい明日へと未来に繋がるものにしよう。
 誰がなんと言おうと構わない。──ただ私は、せめてこの手の話の中でだけは、そうであってほしい。
Ruriwo >>
 そうですか。大体判りました。
 と、しますとあれですね──感情とか、情景とか、憧憬とか、感情移入出来そうな要素を満載に詰め込んで、物語を盛り上げていく手法を使っていく事になるのですね?
神奈備 >>
 さりげなく、静かに、沁み入るように。
 堕ちて大地に縛られたもの、もう飛び立てないと言われた男。
 目を逸らし俯き加減で生きて来た彼も、再び立ち上がり囁くのさ、
「──もう一度、翔べる」
Ruriwo >>
 それを感動的だと感じるか、あざといと感じるかはその人次第ですが。
神奈備 >>
 嫌いかね?
Ruriwo >>
 作成する際の考え方としてはそれほど間違ってはいないかと。
 ちなみに私はクサいの大歓迎ですよ。
 ──しかしそうなりますと、「これ」ってずいぶん詩情的なコンセプトで創られることになりますね。
 今までT-RPGとかやっているのをみるにつけ、神奈備さんはお話の必然性や合理性だけでゲームのシナリオを創られる方だと思っていたのですが、今日新たな一面を垣間見ることが出来ました。
 驚き。
神奈備 >>
 驚くなよ、照れるじゃないか。
 それに合理性だけでモノは創れない。単に分量と匙加減の問題だと思うけど。
 基本的に私は青臭い奴だよ。この間聞かせてもらったBump of Chickenなんかは好かったね。
Ruriwo >>
 なるほど。
 しかしBump of Chickenですか。またあなたのイメージに合わないものを。どの曲が一番お好みで?
神奈備 >>
“K”かな、今のところ。黒猫たんまんせー、ってとこで。
Ruriwo >>
 ひそかに婚約者が誰よりもハイブラゥな扇子しているあれですね。
 実は今回の話、主役たり得る今にタチムカウ人々のイメージはBump of Chickenの“バトルクライ”かな、と思ったんですが。
神奈備 >>
 通奏低音として?
Ruriwo >>
 はい。
神奈備 >>
 それはまだ聴いた事が無いな。後で聴かせてくれ。出来れば入手してみよう。
 しかしな、こうなると。萌える人がただ萌えているだけで、現状に対する無言のレジスタンスとなるな。
Ruriwo >>
“萌え〜!”全壊で叫んでますが。もぅ恥ずかしさだだ漏れ。
神奈備 >>
 訂正。聞くに堪えない叫びを上げ、今に立ち向かっている。
Ruriwo >>
 ヲタク賛歌のように聞える。
神奈備 >>
 ……ヲタク惨禍かも知れず。

 ──ただ、カワイソウだから。
 刷り込まれた条件反射的なひとときの哀れみ、上辺だけの憐憫の情と無関心と言う名の泥靴でささやかな想いを踏み躙られて尚、何か大切なものを守る為ひたむきな情熱を傾けその場に踏み止まり、それでもジリジリと敗北に追いやられて行く。
 そんな中現れたパンドラの函。
 差し出されたてのひら。
 百万の絶望の狭間、血反吐吐き、泥を啜りたったひとつの盲目の希望を護り抜く人々が、最後の最後まで思いを貫き、耐え凌いだ者達が──破綻の瀬戸際から幾多の苦難を乗り越えやがて世界を覆す、逆転の物語。

「あなたは今、無関心という靴で今に立ち向かう人々のささやかな夢のカタチを踏み躙りせせら笑ってはいませんか?」

神奈備 >>
 最初の設定は全て作為で行こう。壊され、覆される事を前提に創るんだ。
Ruriwo >>
 そうですね、賛成します。
神奈備 >>
 キャラクターが行動することによっていくらでも覆せる隙間を大量に用意しておく必要があるだろうけど……。
 一見、よりよく生きようとすること、想いを貫こうとすることのなにもかもが喰い止められているような重圧感を見せ無ければならないだろうね。
Ruriwo >>
 なるほど。しかしその設定の在り様は不愉快に見えかねませんよ。
 例えば、そうですね。
“──何故、願いと望みを叶える事が許されないのでしょうか”
神奈備 >>
“この今に立ち向かう為に”

 ──そうだな、こんなのはどうだ?
「世界は残酷だ。
 世界は優しくなどない。
 其処に意思など存在しない。
 世界に在るのは、ただ美しくあろうとする思惟だけだ。
 そんな場所が優しく思えるときがあるのなら──それは、そこに居る、いついかなる時も優しくあろうとし続ける人々の不断の努力によって維持されている筈だ。
 暮らす人たちはただ怠惰に生きているわけではない、自分自身が出来ることを真剣に見据え精一杯生きている。
 みな、大切な何かを必死に護り続けようと足掻き続けてきた。
 ただ、今そんなひとたちの意思によって維持されてきたものすべてが、履き違えた善意、哀れみと優越感から生み出された“醜悪な道徳”によってその努力が無に帰す寸前にまで追い詰められているだけだ。
 間違えた歯車に巻き込まれた人たちが挙げる軋み、切実にあげる僅かな声さえ圧殺してしまう横暴な世の中が正しいものとは到底思えない。
 だから私は今を素直に容認出来ない。
 願い、祈り、たったひとつの望み……そんなささやかな願いをなにひとつ叶える事すら許されない……。
 ──そんな、想いを泥靴で踏み躙る世界なんて間違えている!」

 こんな青臭い叫びをあげて世の中をひっくり返してしまうのさ。……どう?
Ruriwo >>
「単純明快なものほど美しい。ただ、それはあまりに美し過ぎて、ヒトはその中には居られない。
 ただそこに居る為に、そこに在ろうとする為に手垢をつけ爪痕を刻み込む──その過程こそ限りなく愛しいのです!」
 いや〜、スバらしい。若いっていいですね。
神奈備 >>
 若いうちならいい、ただ、少なくとも、若い連中があげるこんな声すら根こそぎ奪い去ってしまうような世の中なんて、私は到底納得がいかないがね。

考察の到達点──イメージの再確認

 そして文脈はファンタジー。
 ……成程。
 そうなると、大筋は──換骨奪胎した……妖精騎士の、物語か。

神奈備 >>
 なにも剣を揮うだけが今に立ち向かう術ではない。
 嵐夜に篝火を掲げ夢の在り処を指し示す。
 希望の感触を語り継ぎ、想いの辿り着く場所を伝えようと「物語を語る」ことによって立ち向かう。
 絶望を生んだ愛情と憎悪を糧に、滅びの淵から顕れ──慟哭を伴に、このどうしようもない“今”この悪しき世界に立ち向かう。
 本質はそこだ。
 他の全ては雰囲気を醸し出す為のガジェットに過ぎない。
 喪われかけた大切な“何か”を護り通すものと、潰え去ったかに見えた夢のカケラを拾い集め、行き詰まった世界を回天させるもの──妖精騎士とトリックスターの物語り、かな?
 嵐夜の篝火、炎が照らし出す明と暗の対比──ドラクロワだな、「民衆を率いる自由の女神」
Ruriwo >>
 そうなりますと、妖精騎士達はやがて来るトリックスターを待ち望み、傷付き倒れ逝く訳ですか……
 おぉ、カッコイイ。
 既に明確なイメージが固まり始めているようだ(笑)
 なら、そのあたりは前面に押し出していかないと。
 しかし神奈備さん、実はエラく暑い方だったのですね。
 なんというか、「萌え萌えな不思議少女がやってくる」昔からの王道パターンを真剣かつ問答無用のスケールでやってしまおうとしているように思え始めました。
神奈備 >>
 で、やってこられた連中は一発奮起。
 一緒にいる為に個々の知識、技能、財力も社会的地位、ありとあらゆる伝手とコネ全てを利用して世の中変えてしまおうとするわけか!?
 バッカで〜!!
Ruriwo >>
“さあ、選べっ! おまえは──
 おまえは男になるのか! 男になるのか! 男になるのかっ!”
神奈備 >>
“こらああっ! 三つとも選択肢が同じだろうがっ! 選択の余地はどこにあるんだあっ!”
Ruriwo >>
“未来は前にしか道がないのだっ!
 そしていま、おまえの目の前には男になる選択肢のみ!”
神奈備 >>
“俺は漢になる、自分の首は自分で吊れる! 清水の舞台の上から十三階段登り自分の背は自分で押せると言ってるだろう!”
 ……最後だけヲレ語だ。少なくとも言えることは──
 ど〜せなら、萌える為なら前に立ち塞がる如何なる障壁も乗り越える気概を見せろやいやマヂで!
 といったところか。
Ruriwo >>
 その上で、「こんな不気味なもんに安易に救いを求めるのか! おまえ達の言う萌えとかいう奴はそんな薄っぺらな物だったのか!」 って?
神奈備 >>
 それは酷いな。露骨に夢を砕いているよ。
 まぁ、ただ前提として。舞台装置である「この世界」では、現実ではまず在り得ない法則がないとなぁ。
Ruriwo >>
 何でしょう。
神奈備 >>
“想いを貫く為に払われた努力は、どのようなカタチであれ必ず報われなければならない”。
Ruriwo >>
 ──それが世界の選択である。
神奈備 >>
(笑)
Ruriwo >>
 プロジェクトXあたりでオソロシク熱く美化されるんですね。120倍増しくらいで。
神奈備 >>
「倍」かい、%じゃなくて。
“かくも多くの人々が……”
 大英航空戦バトル・オブ・ブリテンのときのチャーチル一世一代の名台詞。
 ある意味、驚くほど数少ない人々の想いが、世界を衝き動かす瞬間を見せ付けるというのはどうか。
Ruriwo >>
 2ch閉鎖騒動時のMAD Flash、UNIX.swf とか(笑)
神奈備 >>
 私の発言がデカデカと載っていたりする。少し痛かった。
 現代、ネットワーク、INTERNET──村井氏も変名で出そう。WIDE PROJECTあたりも弄って絡めて見ようか。
 資料を集めてみると面白くなりそうだ。

 美少女ゲーに最初に触れたときの感覚、最初にSFを読んだ時の感覚、初めてファンタジーを味わったときの感覚。
 積み重ねて来た、今迄に得て来た驚異の感覚(センス・オブ・ワンダー)を伝えたい。

「僕には、信頼出来るものが他に何もない。僕には、なにも。だから──」
「だから」
「だから──どんなに歪でもいい、何かひとつ、自分だけの。自分が本当に信じるに値するものを、自分の手で創り出したかったんだ……!」

──もう一度、語り出す為に。

 何もかもマガイモノ、今話している言葉すら何処かの誰かの借り物かもしれない。
 そんな不安と焦燥に駆られつつ、それでもなお叫ばずにはいられない、立ち上がらずにはいられない、立ち向かわずにはいられない。
「自分達の手から“生きる尊厳”までも奪われている事にすら気付かせてくれない」程優しく爛れ腐り果てた世界のなか、どれほど稚拙でも、どんなに歪でも、傍らで友が傷付き倒れ臥そうとも──今はただ、己の全てを賭けてでも、自分の想いを叫び訴えずにはいられない。
 この“今”を変えねばならない。
 この“今”に立ち向かわねばならない。
 そうでなければ、“私”は「私」でいられない。
 その叫びと衝動、思いそして想いの辿り着くところを描きたい。

 結局のところ、私はなにひとつ喪っていなかった。
 ありがとう。本当に、本当にありがとう。
 私に物語る、そして物「語る」術を思い出させてくれて。
 私は、物「語る」術を何ひとつとして喪っていなかった。  全ては今も私の裡に在る。
 この物語は、あなた方に捧げます。


Monday, March 11, 2002 / 2002年 3月11日

http://www.interq.or.jp/jupiter/youyak/bultandels/documents/notes/AD2002/03_mar.html#11

──只今、体温39.7度。

 本日、事前の予定では経過をチェックする為の検査入院の筈が、原因不明の発熱の為何時の間にやら本格入院とされてしまった模様。どう足掻いても、体調不良には敵わない。
 不愉快ではあるが、こればかりは止むを得まい。
 ……逝って、キます。


Friday, March 15, 2002 / 2002年 3月15日

http://www.interq.or.jp/jupiter/youyak/bultandels/documents/notes/AD2002/03_mar.html#15

転居

 している筈。

 後日付記:
 しっかり見ておいてくれるよう頼んでいたが──何故私の荷物は三倍くらいの量になっているのだ?
(業者さんが一旦梱包した包みを開けまた丁寧に梱包された模様。あかんがな)


Sunday, March 17, 2002 / 2002年 3月17日

http://www.interq.or.jp/jupiter/youyak/bultandels/documents/notes/AD2002/03_mar.html#17

──退院

 とはいうものの、結構調子が悪い。
 いかんなぁ、気をつけねば。


Monday, March 18, 2002 / 2002年 3月18日

http://www.interq.or.jp/jupiter/youyak/bultandels/documents/notes/AD2002/03_mar.html#18

 転居したが、慣れない。些か居心地が悪い。

私の趣味に関わる一寸したお話

 某氏より、御題がひとつ。

 お題:日本国海上自衛隊が誇るイージス艦、DDG -173 <こんごう>型護衛艦のFRAM 改装案を考察せよ
 前提:イージス・システムは残存させること。

 ……。
 無理です
 と、いうか、実の所面倒臭いし。

 実際、艦隊防空ミサイル・システムを搭載したこのクラスの改装は、全体の運用に絡めて行われなければならない為、個艦のみ考察せよ、というのは伝え聞く実情にはそぐわないと思えてならない。
 この艦に関して面倒臭い点はそれだけではない。
 おそらく艦の改修の在り方を考察せよ、と言われているのだろうが──まず、このクラスのフネは最初から何もかもがカッチリと纏まり過ぎている為、そのあたりを考えてみた所であまり面白味が無い。
 何しろこのクラス(に限らずイージス・システム搭載艦)の上部構造物はすべて対空用三次元レーダー、SPY-1の射界を優先し配置されているので弄り様も無い。
 艦橋上部に固定された八角形の四面静止型アンテナ+送受信機だけでも約20t、この重量を支えかつレーダーとしての性能を最大限発揮させるよう据え付ける必要がある為レーダー固定部の構造には寸分の歪みも許されない。また、従動する誘導レーダーの配置も考慮する必要がある。その前提がある以上、どうしても強度を確保し各種レーダーから放たれる電波を妨げない為に上部構造物の形状は限定され、甲板01レベルより上の他の全てが制約されてしまう。
 この点を下手にどうにかしようとしてみるか、または重視せず甲板レベル以上に何か装備でも追加しようものなら、ガス・タービン推進艦、殊イージスにありがちなトップ・ヘビー傾向に更に輪をかけることになる。
 で、重量配分が変わり重心位置が変動しようものならフネとしての安定性そのものを損ない、ひいては兵装プラットフォームとしての能力を阻害するという本末転倒的な事態を招く事となる訳だ。
 大体、国内でこのクラスをFRAM 改装出来る造修設備は限られている。また、老齢化した艦艇を改修しいつまで使用するかは、能力と費用対効果とを秤に掛けていかなければならない点だろう。
 大規模に改装され能力向上したはいいが、その度合いに対し掛かった経費・期間をどう考えるか。DDH -141 <はるな>型護衛艦FRAM 改装時の事例と得られた教訓を忘れてはならない。
 従って、改修の際に取り得る点はどうしても限られてくる。

 ──私には、どうしても実在しなかったり計画倒れに終わったりした艦艇、船舶、また既存艦の改修案に対する趣味人のエンスージアスティックな趣味に基く考察は、皆、実用性・実現性に乏しい部分があると思えてならないよ。>> 某氏

 ……と、ここまでは問題点ばかり列挙した訳だが。
 そうサックリ言い切ってしまうのもあまりにアレな訳で──少し考え描いて見るテスト。
 で、結局こんな感じのアウトラインに。

DDG-173 <こんごう>型FRAM改装私案・側面図

 側面図描いてから気付いたこと。
 なんか見た目の印象、格納庫回りのアレンジが架空艦、DDH-182<みらい> @ジパング 〔 かわぐちかいじ / 講談社 〕に似ているような気が。
 アチラも<こんごう>型をモデルにしたイージス搭載艦だからしょうがないのだろうか。

 外見的に目立つポイントとしては、

  1. 艦尾延長
    • 発着甲板まわりを拡張し離発着スペース確保、RAST(着艦拘束装置)追加。
    • SH-60K哨戒ヘリ二機を収容、固有搭載する為の格納庫(規定整備レベルF 相当)、給油・支援設備の設置。
    • 艦尾、艦首尾線上にPDMS 、RIM-116 RAM近接SAM の追加。
  2. 上部構造物改装
    • ステルス化兼省力化の為マスト更新。本来のラティス・マストからMST-463 <うらが>型掃海母艦と同種の塔型マストに変更。
    • 対空用三次元レーダーをSPY-1D/V準拠に改修。レーダーの射界を取る為、艦橋構造物後部、後部レーダーアンテナの設置場所を1デッキハイト分上に移設。
    • 長距離警戒用二次元レーダーを追加。

 と、いったところか?
(尤も私個人的には、実際にこのクラスにFRAM 改装が行われる際には、イージス・システムのベースラインを7相当にまで向上、艦内情報処理システムの光化、射撃統制装置周りを一式更新するくらいの内部的な改装に止まると思う。手を加えるにしても、あとは厨房の電熱化とか、物品搬入の機力化促進やら言った目に見え難い細々とした部分の使い勝手の向上、省力化の推進くらいのような気もする)

 以下、言い訳。
 前提として「イージス・システムは残存させること」即ち撤去出来ないとある以上、DDG-173 <こんごう>型のFRAM 改装案なんて──どう足掻こうと、口さがないヒトが“<こんごう>型Flight-IIA*”呼ばわりしている、現在計画中の7,700t型護衛艦相当にしか出来ないと思います。
 従って、残念ながらハジケた船にはなりようが在りません。以上。

註*

Flight-IIA /
 <こんごう>型護衛艦のタイプシップ(設計上のモデル)となった合衆国海軍、DDG-51 <Arleigh Burkeアーレイ・バーグ>級駆逐艦の、ヘリ搭載能力を付与された沿岸域作戦仕様改修型を指す。
 これで判る通り、“<こんごう>型Flight-IIA”という形容にはかなりの揶揄が入っている。
 ──ただ、私が実際に <Arleigh Burkeアーレイ・バーグ>級、<こんごう>型双方の艦に乗った感想としては、この二隻は外見的な印象こそかなり類似しているものの、大きさと中身、そして細かい部分における印象は全く違ったものだと言わざるを得ない。
 端的に言うならば、護衛艦隊の防空中枢“兵装プラットフォームである以前にフネである”<こんごう>型と、フネとしての能力をある程度削り数作られた“潰しの利くワークホース” <Arleigh Burkeアーレイ・バーグ>級の設計思想の差というべきだろうか?
 私の先入観も在るのだろうが、それ程両艦の印象は異なっていた。

 しかし、敢えて外見的な差異が表れそうな改装案を選んだのだが──それでいて全く冒険していない。
 結局のところ、常識的かつ無難なスタイルに収まり過ぎてしまったきらいがある。
 もっとおバカな代物に仕上げたほうが良かったような気もする。反省。

p.s.

 イージス・システム回りを全て撤去すればより面白くなる考えが出ると思うのですが、能力低下の割に維持費を削減出来ないこと、また重量バランスが大幅に変化してしまうことには留意する必要があるでしょう。
 また、このクラスは「まず、イージスありき」で設計されているので、イージス・システム、及び関連補機一式の撤去を前提に改装案を推測してしまうと、改装の前後で艦の性格が著しく異なってしまうと考えます。
 そのあたりのジレンマを前提条件にどう生かすのか。
 まずここから攻めないと、無難なアイディアしか出ないと思いますが>> 某氏


Tuesday, March 19, 2002 / 2002年 3月19日

http://www.interq.or.jp/jupiter/youyak/bultandels/documents/notes/AD2002/03_mar.html#19

吐血

 二回。
 救急車により搬送。即再収監入院。……鬱だ。




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