1 、 怖 が る 霊 魂 (霊魂に聞いた話)
 世間では、地上の人間は霊魂を怖がる、と考えています。ところが、これから紹介する話はその逆でした。

 ある時、ある霊能力者が除霊をしました。その時にどうした訳か依頼者の側にいた霊魂が霊能者に恨みを持ってしまい、霊能者の側を離れなくなりました。依頼者はその後、体の調子が良くなったのか、その霊能力者の元には来なくなりました。

 やがて、その霊能力者は年老いたので現役を退く事にしました。霊能者は疲れたらしく、各地の温泉に療養に行きました。その時の事でした。女性用の風呂の中で、それまで霊能者の側にいたあの霊魂が、次に乗り換える人間を物色していたのです。やがて、その霊魂は、霊能力者の隣に入っていたある女性の後を、付いて行ったのです。

 その後、霊能力者は健康になったらしいのですが、霊魂が付いた女性はどうも元気がない、と言って、健康食品漬けになったのです。

 ある時の事です。その霊魂は神社に付いて行ってお祓いを受けました。そこで、大物の悪い霊魂に出会ったらしく、二度と大物の霊魂の許可なしでは人間に付きまとえなくなりました。

 それからというもの、その霊魂は人間を見る度に怖がって逃げ出したそうです。なぜなら、その霊魂には常に大物霊魂の監視の目が光ってしまい、いつ人間に付いて逃げ出すとも限らない、とばかりにマークされてしまったのでした。

 それでも、その霊魂が救われる日がやって来ました。大物と子分達が、そろってどこかの新興宗教に悪戯に行った時、逆にさらに強い邪悪な霊魂に睨まれてしまい、それまでの親分の自由がなくなってしまったのです。
 その時、その霊魂は、ある信者の身体の中に入って隠れてしまい、無事脱出できたのでした。

 それからというもの、その霊魂はこんな事をしていたら、とんでもない事になると反省し、別の世界へ行こうと本気で努力したのでした。ある時、やっと、まともな世界に入れたその霊魂は、先輩にしみじみと自分の間違いを語ったという事でした。

                                             
−終わり−

2 、 念 の 力


 
ある女性が誰かに恨まれて強い念を受けました。そのため、「幽体」と呼ばれる、肉体とダブッている身体に損傷を受けました。これを放っておくと、やがて、肉体にも影響が出るかもしれません。その人はこれを治す為に、ある霊能力者に治療を依頼しました。

 ところがどうした事でしょう。この霊能力者は幽体の存在を知りませんでした。そのため、お祓いしかしてくれなかったのです。

 やがて、その人は肉体に、医者では治療困難な病気を持つ事になりました。
 しばらくして、病院のベッドから一人の人が旅立ちました。霊魂の世界に旅立ったのです。

 この人は善人でした。その上、霊魂も神様も信じていました。それなのにどうした事でしょう。幽体の損傷が激しく、上の方の世界では暮らしにくいらしく、地獄ではないものの下の方の世界で暮らす事になったのでした。その世界は彼女には不本意な世界でした。

 それから彼女の真剣な努力が始まりました。そして、長い年月の末、彼女もようやく、上の世界の入り口あたりに達しました。

 「本当に辛かったです。」

 彼女の叫びを、今生きている人達に知って欲しいものです。

                                                          −終わり−

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