第一章 前文
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チベット憲法
これまで、チベットで広く行われてきた政治制度は、国民の現在の要求と将来の発展のために、充分対応し得ないことが、いよいよ明白となってきたがゆえに、
釈尊が定めた公正、平等、民主制の原則が、チベットの政治において補強、強化されることが望ましく、かつ、必要であると思われるがゆえに、
チベット国民が、その運命、進路を具体化する際に、より効果的な発言権を持つことが、絶対必要であると思われるがゆえに、
ダライ・ラマ猊下は、そのために、憲法を定めたいと思い、ここに次のごとく制定する。
第一章 前文
- 第一条 施行
- 本憲法は、ダライ・ラマ猊下が指定する年月日に発効する
- 第二条 チベット政治形態の特質
- チベットは釈尊の定めた教義に基づき建てられた民主制の統一国家である。本憲法は、以下、本文中に明記された諸規定に基づく場合以外は改正されない
- 第三条 政府の根本方針
- 厳に世界人権宣言を固守し、チベット国民の精神的、物質的繁栄を促進させることが、チベット政府の義務である
- 第四条 憲法による法の無効
- 本憲法のどの条項とも相反するいかなる法律、条令、規則、または、いかなる行政命令も、憲法違反の範囲において無効とする
- 最高裁判所は、諸法律、条令、規則、または、行政命令が、本憲法の諸条件に違反するか、否か、を決定するため、特定の権限を付与される
- 第五条 国際法の承認
- 国家の領土内において施行中の法律、条令、規則は、一般に承認された国際法の原則に従うものとする。また、在留外国人の法的地位は、国際規定、および、諸条約に準拠し、法律によつて取り締まられる
- 第六条 戦争放棄
- その伝統に従い、チベットは、攻撃的政策の手段としての戦争を放棄する。他国民の自由に対し、または、国際的紛争を解決する手段として武力を行使しない。かつ、そのために、国連憲章の諸原則をここに堅持する
- 第七条 市民権
- 国民議会は、必要に応じて、チベット国籍の取得、喪失および、それに関連する他の諸問題に関して、規定を作成する
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