第七章 司法 

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 第七章 司法 
第六十二条 最高裁判所の制定
  1. 国民議会が、法に基づき、より多数の任命を規定するまで、裁判長一名、および、三名を越えない他の裁判官によって構成される最高裁判所を設ける
  2. 最高裁判所の各裁判官は、ダライ・ラマ猊下によって任命され、国民議会議員の三分の二以上による解任要求、および、ダライ・ラマ猊下の同意によって、早期解任されない限り、ダライ・ラマ猊下の希望する期間在職する。裁判長以外の裁判官を任命する場合、裁判長は、常に相談を受けるものとする
  3. チベット国籍でない者、地方裁判所の裁判官を最低五年経験したことのない者、二か所以上の地方裁判所の裁判官を枢統して最低五年経験したことのない者、地方、または、最高裁判所の登録弁護士を最低十年経験したことのない者は、最高裁判所の裁判官に任命される資格がない、本憲法施行開始から五年の間、ダライ・ラマ猊下は、本条項に基づく、一部、または、すべての任命に関して、本項目に定める必要条件を省略できる
  4. 最高裁判所の裁判官に任命された者は、就任に先立ち、ダライ・ラマ猊下の前で、国民議会が、法により、このために定めた形式に従い、宣誓、または、宣誓に代わる確約を行い、署名する
第六十三条 裁判官の報酬
  1. 最高裁判所の裁判官には、国民議会が、これについて、法により明記する俸給、手当、年金などが支払われる
  2. 最高裁判所の裁判官の俸給、手当、その他の特典は、その在任中は、彼らに損害を与ぇるような減額、または、変更はされない
第六十四条 最高裁判所の裁判権
  1. 最高裁判所は、上訴事件を審理する最高上訴裁判所であり、国家の司法行政の唯一の首長である。また、最高裁判所は、ダライ・ラマ猊下の事前承認を得て作成される娩則、条令に基づき、その職務の履行に必要なあらゆる権限を行使する
  2. 国民議会が法によって定める条件を満たしておれば、民事、刑事、その他の訴訟にかかわらず、地方裁判所、または、法廷の判決、命令、最終命令を最高裁判所に上訴できる。もし、訴訟が、本憲法の解釈に関する法の本質的問題を含む場合、最高裁判所に対する正当な権利として、上訴できる
第六十五条 上訴特別許可
最高裁判所への上訴条件を記述した本憲法の条項、または、他の法律にかかわらず、最高裁判所は、独自の判断で、裁判所や、法廷が下した、どんな判決、命令、宣告、または、訓令に関しても、上訴できる特別許可を与えることができる
第六十六条 法廷規則
国民議会が作成した法律の諸規定を受けて、最高裁判所は、適時、ダライ・ラマ猊下の承認を得て、裁判所の実務、運営手続を全般的に規制する規則を作成する
第六十七条 最高裁判所の意見聴取
最高裁判所の意見を聴くのが適切と思われる、途方もない社会的重要性と性格を持つ、法律問題、または、事実が発生した場合、または、発生しそうであるとダライ・ラマ猊下が判断したときは、いつでも、諮問のため、その問題を最高裁判所に付託できる。最高裁判所は適切と考えられる審議ののち、その件に関して最高裁判所の意見をダライ・ラマ猊下に報告する


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