■トトオ製作現場より
活動報告詳細
とても幼かったときに見た景色は断片でしか思い出せないけど、あの時、そうだった気がします。そういえばそうだった。どうして忘れていたのだろう? そして、もう戻れないことは、恐いくらいわかっている。
◆『トトオ』に出てきた子供くらいに、わたしが子供だったとき、光はひときわ白く眩しくて、闇はただ闇だったように思う。恐ろしいことも、素晴らしいことも、まわりの世界が、平等に瞳に映ってた気がする。そういうことをおもい出しました。
◆この作品は、どこか子供みたいにすきとおった視点と記憶と、子供はいつか大人になるという未来への希望と絶望とを感じさせて、なんだかとても生きていくのがこわくなった。でも、同時にあらゆる一瞬が、ひどく大事にも感じました。
◆「月」って「空」って、こんなにきれいだったかなって改めて思えるほど本当にきれいだった。この映画は奥が深くて理解するのに時間がかかるけど、現実に追い詰められている人には、絶対一息つける場所になると思います。
◆「日常」を描いて観客に何かを感じさせるのはとても難しいことです。でも俺は見た後、うまく言えませんが、すがすがしかったです。たぶん、こういうものが「表現」なのでしょう。

【試写会の感想より】

「トトオ」を観れたことがとても幸せでした。自分が忘れていた昔の記憶がよみがえりました。親から離れることばかり考えていましたが、もうちょっとそばに居ようと思いました。(25歳・男性)
◆作品全体を通して記憶の扉が叩かれて、どんどん自分の心の記憶が呼び起こされるようでタイムトリップをしているようだった。決して自分の生きた時代というわけではないのに、今この時代を生きる自分の中に共通する部分、幼い頃やまだ見ぬ自分の未来のように感じられた。何でもないささやかな日常が、とっておきになる。ささやかなことが、すごく特別で。心の奥に凍っていたものが温かく優しく解けて流れ出て行くみたいに、ふんわり優しい気持ちになれました。(26歳・女性)

【12の眼上映会アンケートより】

◆ファーストシーンの光から、違う世界に引き込まれ、最後まで身動きできない程でした。(これは「ツゴイネルワイゼン」以来の体験でした)後になって約30分の映画だと知り、大変驚きました。あれだけの世界観を30分で表現されたことに、とても感動しました。(34歳女性)

【小津安二郎記念・蓼科高原映画祭の感想より】

作品形態 16mm劇映画(33分)
撮 影 地  大阪
物  語 昭和50年の夏を舞台に描く、小さな家族の物語。
「今度の休み、海へ行こうか」。何気ない夫の言葉に、妻は期待を膨らませる。夫婦の息子・勇太にとっては、初めての海。妻は上機嫌で海水浴の支度をするのだが…。
生まれた子をはじめて海へつれていく。忘れられない海の記憶と、はじめての海…。海と向き合う小さな家族の姿に、未熟な3人の期待と不安が交錯する。ひとりの若い父親の心に焦点をあてながら、わずか1歳の息子と夫婦の小さな家族の日常を描く。
子をみつめる親のまなざし、親をみつめる子のまなざし。人間のいのちに焼き付けられている本能が「海の記憶」を通して、少しずつよみがえる。
製作意図 今、結婚・出産を迎える若者が「勇太」と同じ年頃だった時代、それが昭和50年です。
若い彼らが小さな家族をつくる時、自らを生み育んだ家族のこと思うでしょう。そして、その時、はじめて気づくのです。男が父に、女が母になることを。そこには永遠につながっている何かがあるということを。
この映画は、登場人物それぞれの、遠くをみつめるまなざしを描いています。永遠なんてないと思っていた若者たちが、生まれた子に永遠を願うのです。伝えたいもの、絶やしたくないもの、それは親と子の「絆」ではないでしょうか。

小さな家族が生まれ、家をもち、そこにしあわせを築いていく。豊かすぎるがゆえに、見失われようとしている人間本来の洗練されたしあわせの形を、私たちはこの作品で描こうとしています。大人も子供も、心を病んでしまったこの時代にこそ、人々が自ら帰る場所を見失わないために、私たちはこのささやかな映画を贈ります。

資金調達

製作活動資金はスタッフからの出資と一般・企業からのご支援によりまかなわれています。撮影開始は予算の90%を現金で確保することが条件として定められています。

ご支援をお考えの方は、幻燈舎映画・トトオ製作プロジェクト事務局までお問い合わせ下さい。皆様の心からのご支援をよろしくお願い申し上げます。支援金振込口座:大和銀行吹田支店 普通 1238554 トトオ製作プロジェクト

出 演 者

 

伴野作品に欠かせない個性派キャストが、今回は透明感あふれる自然な演技で存在感をみせてくれます。
吉田城治(よしだ じょうじ)1970年千葉県出身。大阪府在住。関西大学在学中にタレントとしてプロデビュー。TVリポーターとして一躍脚光を浴び、現在、放送タレントとして幅広く活躍。「山田君ノ布団」主演で映画界進出。⇒WEB
正木佐和(まさき さわ)1974年大阪府出身。東京都在住。近畿大学在学中に舞台表現の世界に魅せられ、演出家・太田省吾に学ぶ。上京し俳優として活躍。映画祭での評価も高く、新作ごとに違った表情を見せる実力派。
伴野 彰(ばんの しょう)1998年11月20日生まれ。大阪府出身・神奈川県在住。幸か不幸か映像作家を父に持ち、生まれる前から映画出演が決まっていた。父のだっこが何よりも大好き。
スタッフ ■製作/伴野智・菊池康治
■脚本・撮影・美術・照明・録音・編集・監督/伴野智
■音楽/原田勝通 ⇒WEB
■衣裳美術/藤野雅子
■監督助手/菊池康治・小島好正・根岸 真弘
■撮影助手/中溝明日香・西口佳奈
■美術助手/山根知子・安西かおり・今田祥代
■製作経理/伊井野幸子
■製作助手/池田進之助・岩根真紀夫
■宣伝美術/畠野真希
■ネガ編集/フィルムクラフト
■タイトル/ツドー工房
■現像/ヨコシネ ディー アイ エー
■製作協力/日本写真映像専門学校 ⇒WEB
■機材協力/株式会社 三和映材社
■撮影協力/京都製菓株式会社
■協賛/コダック株式会社

コダック株式会社は映画「トトオ」を応援しています。

 

お問い合わせ TEL044-861-1752 川崎市宮前区神木本町5-14-8-301
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