待望のユニバーサルスタジオジャパンが2001.3.31 グランドオープンする。一足お先に、PREVIEWに行かせて頂きました。映画好き、テーマパーク好きのわたくしは、素直な気持ちで、このオープンを喜びたいと思います。大阪経済の活性化につながれば、これほどいい事はありません。USJの発展を望んでいるからこそ、苦言も呈します。そんな気持ちでレポートさせて頂きました。


                                       2001年3月19日 HIROTY

2001年3月18日(日)晴天。 友人のお父様から、USJの招待券を頂いた。おかげでこの日、GRAND OPENよりも一足お先にUSJを体験できる。
このプロジェクトが発表されて依頼、大阪生まれの大阪育ちである私は、USJを体験できる日を、心待ちにしてた。大阪人というのは、どうしても勝てない東京に負けたくないという不思議な風土がある。だから、このUSJは当然の事ながらTDLには負けて欲しくないのだ。

アクセスには車と電車の選択があるが(近い日、船でも行ける様だ)混雑は予想しているが、朝一番から行く事を考えると、高速を使えば10分の環境ということもあり、車をチョイスした。

高速道路のユニバーサルスタジオ出口で、いきなり混んだと思ったが、信号待ちで5分ほど待っただけで、さしたる渋滞も無く、信号を過ぎれば スイスイ進んだ。駐車場は広く、TDLのそれと同じ規模はある様に感じた。

駐車場からしばらく歩くと大変大きいGATEが迎えてくれる。駐車場から見えるのはWEST GATEだ。身障者用に一番近くに駐車スペースがあるが、それでもこのGATEには遠い。おまけに坂になっていて、車椅子の人などは大変だ。JRの駅からは比較的近く、道もなだらかなので、こちらをお勧めする。入り口近くにシンボルのオブジェがあり、結構感動する。招待券をチケット販売窓口で交換してもらった。販売窓口の表示だと、夕方から入れるTDLのスターライトのようなチケットは無い。入ってすぐ渡されるSTUDIO GUIDEによると、この券とスタンプさえあれば、当日の再入場は可能だとの事。入場までまだ30分あるが、混雑を避けるためか、入場GATEは開いていたので、さっそく、アメリカの地下鉄乗車改札機のようなものを通って、中に入った。TDLの様に、出迎えてくれるキャラクターもいないが、ウッドペッカーやスヌーピーに会っても大人は感動しないので、ここはよしとしよう。(ミッキーマウスには勝てないな)

中に入ると、さっそく走ってお目当てのアトラクションに並ぼうと思ったが、やはり、中で時間まで待たされる事になった。みんなGUIDMAPを見て、楽しみを膨らませているようだ。私は、警備の女性に声を掛けて、わざといろいろ聞いてみたが、意地悪な質問にもちゃんと答えてくれた。どうせ待たせるなら、ぬいぐるみとか、ターミネータ-の格好をしたそっくりさんが、現れるとか、大道芸人に何かやらせればいいのにと思った。

営業時間の9:00になった。みんな走り出したが、手っ取り早く一番近い「E.T.アドベンチャー」へ並んだ、早速10分待ちの掲示が貼られた。中に入ると、一人ずつ名前を聞かれる。従業員は事務的で、「こんにちは」の一言もなく、笑顔もない。聞いた名前をコンパック製のコンピュータに打ち込んでいた。自転車に見立てた乗り物に座り、E.T.たちの人形が飾ってある中を見学するのだが、唯一、感動するのは、星空を飛んでいるように見立てたところだけで、あとは人形が動いているだけで、大人には退屈だ。最後にE.T.が「バイバイHIROTY」と呼んでくれ、入場の際に、名前を聞かれた意味がここでわかった。「E.T.アドベンチャー」から出てきたときには40分待ちに変わっていた。(この人形が名前を呼ぶのもどこかであった気がする)

「E.T.アドベンチャー」を出て、タバコが吸いたかったが、喫煙所が全くわからない。携帯用の灰皿を持っていたので、ベンチに座って、一服した。(本当は駄目なのかもわからない)トイレに用を足しに行ったときに、初めて小さな灰皿をトイレの入り口で見た。ベンチも無く立って吸えといわんばかりの置き方だ。
次に入ったのが、「バック・トゥ・ザフューチャー・ザ・ライド」。わずか20分待ちだったし、今日は「TOYOTA DAY」だから、なんとなく、ここに入らないわけにはいかない気がした。(スポンサーがTOYOTA)E.T.が空振りだったので、ここも半分、期待しなかったが、どっこいすごく楽しい。個室に案内され、8人乗りのデロリアンに乗り込んだ。大きなスクリーンに吸い込まれ、自分の車が動いているように、夢中になれる。ふと周りを見渡すと、個室だったはずなのに、大劇場になっており、他のデロリアンがたくさんあり、それを見ていても楽しかった。欲を言えば、3Dのめがねをかけて、立体映像だったらもっと迫力があったのにと思った。

「バック・トゥ・ザ・フューチャー・ザ・ライド」のお隣にある「バックドラフト」が30分待ちだったので、そこに並んだ。待っている間、映像で悲惨な火事現場を写して、おまけに過去の大火の被害者数や、延焼家屋数を説明しているのには感心しなかった。火事を遊びにしてはいけない。中は3つの部屋に別れており、最初の部屋で、スクリーンに映画「バックドラフト」の監督や役者が挨拶をする。そこでは、これは映画のセットの見学ツアーであると言うこと、あくまで作り物だと言うことを、ガイドの人が強調して説明しているが、並んでいるときのモニターに映し出されていた物はなんなんだと言いたくなる。2つ目の部屋では軽い爆発や消防車の模型を見せられたりする。3つ目に進むと工場内の設定で、ここではかなり過激な火事シーンが見られる。最後にはオチもあるが、あえて触れないでおく。ここで注意しなくてはならないのは、あくまで3つ目の部屋がメインだと言うこと。1つめ2つめは前座で、さしておもしろくないので、一番前で見たくても我慢する。人の後ろで見ることになっても、列の先頭の方に歩くこと。そして、最後の部屋で、一番いいポジションをねらうことが重要であった。(後でわかったんだけどね)

「バックドラフト」を出るとストリートへ抜けた。そこら辺のSHOPを散策しながら「ジュラシック・パーク」へ足を運んだが、予想が甘かったのか、早くも2時間30分待ちになっていた。ジュラシックは後回しにして、「ジョーズ」の方へ歩いていくと、途中でカントリーミュージックが聞こえてきた。AMITYの街だ。「ジョーズ」も20分待ちだったので、早速並んだ。並んでしばらくすると、「水に濡れますので、カッパ等をご用意ください」とアナウンスが流れた。今から買いに行っている暇もなく、文句を言いながら乗った。TDLの「ジャングルクルーズ」に似ていて、ジョーズが襲ってくるところが違っていた。かなり楽しめたので、濡れたことなど気にもならなかった。ただ、雨で寒い日だったら、文句を言っていただろう。

ここでもう11:30になっていて、食事をとろうか迷ったが、「ウォーター・ワールド」が12:00から始まるので我慢した。「ウォーター・ワールド」に並ぶと屋根がなく炎天下の夏場はどうするんだろうと思った。並んでいると、3人出てきて前座ショーを始めたが、列の後ろからは全く見えなく声だけが聞こえ、いらいらした。中にはいって、ショーが始まると、先ほどの前座の3人が会場を盛り上げるために、かけ声の練習をしたり、ウェーブをさせてみたりしたが、これはこれで良かった。

12:30 さすがにお腹が空いたので、適当に近くにあったレストラン「LOST WORLD」へ入った。ビッフェスタイルなので、やむなく並び、ローストチキン1300円・シーサーズサラダチキン添え720円・古代ブレッド200円・コーラ300円を頼んだ。締めて2520円。チキンよりサラダの方が美味しかった。他にもサーモンとビーフがあったようだが、焼きすぎて美味しくなさそうだったので避けておいた。店内は禁煙で、屋外の席では吸えるのかもしれないが、灰皿は全く用意されていない。ビールが飲めるのがよかった。ちなみにアサヒスーパードライ。

食後にもう一度、「ジュラシック・パーク」へ行ってみたが、1時間40分待ちの状態。あきらめて、スヌーピープレイランドに行った。さすがに子供が多く、子供には最適な場所かもしれない。大人は退屈なはずなのに、なぜか、子供の乗り物に乗り、喜んでいた。ショップは人気があった。何かトラブルがあったのか、ショップでどこかの親父が店員に怒鳴りつけていた。キャラクター商品もここのはかわいくて、購買意欲が沸くのもわかるが、ディズニーにはやはり勝てそうになかった。一旦、メインストリートまで戻るために、ショップを散策しながら歩いた。メインストリート近くのショップでは、ほとんどの物が揃うが、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」などのキャラクター商品はここでは見られなかった。スヌーピーとウッディ・ウッドペッカーのだけがあった。

ウエスタンエリアまで戻って、「ザ・ワイルド・ワイルド・ワイルド・ウエスト スタントショー」の列に並んだ。20分待ち。小腹が空いたので、フードカートで、長細いチョコレート味のお菓子を買ったが、美味しくなかった。ショーは、楽しくてそれなりだが、どこかにもありそうなショーで、別途料金が必要ですと言われたら、見ないと思う。主役の日本人のおしゃべりは軽妙で良かったが、もっと会場の座席まで入り込んできた方が良かったかもしれない。スタントショーの後、お隣に「アニマル・アクターズ・ステージ」にすぐ入れそうだったので、そのまま流れ込んだ。動物に芸をさせるだけだと思っていたが、結構、これがおもしろかった。良く訓練されていて、小さなリスのような生き物でさえ調教されていた。鷹が、会場後ろから調教師のところまで飛んできたのも驚いたし。オウムが会場の人の千円札をとって来るのも楽しめた。穴場かもしれない。外に出て、ウエスタンエリアのショップに入ったが、たいした物もなく、ベイブというブタのぬいぐるみや、Tシャツがおいてあった。やはりここは閑散としていた。帰り道のストリートで簡単な芝居を見せていたが、アトラクションで夢中なのか、立ち止まって見る人もまばらだった。

またまたメインストリートまで戻って、「ターミネータ2:3D」が20分待ちだったので、すぐに並んだ。並んでからしばらくして、「小さなお子さま連れの方と、心臓の悪い方は、刺激のある映像、音響ですので、個人の判断で御退出ください。」とアナウンスがあった。前の方の男性が、3歳くらいの子供を連れて出ていった。むやみに子供を怖がらせるような物を見せる必要はない。この父親の勇気に拍手をおくりたい。それと同時に、入り口に掲示するか、GUIDEに記載するなどの配慮も欲しいと思った。
TDLの「ミクロアドベンチャー」と同じ様なめがねを取って、とりあえず別室に入れられる。なかなか始まらないので、どうしたのかと思っていると、「システムの故障で、点検が必要ですのでしばらくお待ちください」とアナウンスが流れた。ここで30分が経過していた。前の方から、待ちくたびれた人が、床に座りだしていった。ここは大阪だ、必ず怒り出す人が出てくると思ったら、最前列の男性が「はよやれよ!!」と怒鳴りだした。子供の教育上よくない。きっちり、子供までまねをして「はよやって!」と言い出した。
ついに「システムの故障で、上演できなくなりました。申し訳ございません。警備員の誘導で、御退出ください」とアナウンスが流れた。それと同時に、ため息と「それやったらはよ言え!!」と怒鳴り声がした。再入場の時の優先券が配られる事もなく、(これくらい配慮が必要)だまって退場した。
とは言え、プレビューだから仕方ないことだ。それに、退場の判断は比較的早かったと思う。大人は、黙って我慢して欲しかった。疲れてがっかりしているのは小さな子供の方だ。外に出ると、ターミネーターのキャラクターショップがあったが、精巧に出来ているロボット以外におもちゃが多く、見る物も特になかった。

とにかく最後の時間まで、どこかに入ろうと、わからないまま空いていた「ステージ22」へ入った。10分待ち。滅多に見れないとのふれ込みだが、大したこともなく、時間の無駄だった。まるで、お台場でフジテレビの見学をしているのと変わりなかった。
「ステージ22」を逃げるように出ると、丁度、お隣の「アニメ・セレブレーション」が始まるところだったので、あわてて並んで入った。ここは期待に反して、おもしろかった。アニメと舞台の融合だ。男優の方と、ウッドペッカーが、愉快に広げるコントが楽しい。どういう仕組みになっているのかわかるようでわからなかったが、最後にアニメの掃除機に、男優が吸い取られて消えるのが不思議だった。

「アニメ・セレブレーション」を堪能した後に、「ターミネータ2:3D」を見てみると、もう回復していた。もう一度並んで見ると、今度は列の後ろの方だった。「先ほどは前だったのに」と少し不満に思ったが、前座の真っ赤なスーツ姿のお姉さんが現れ(上沼恵美子そっくり)「どこからいらっしゃったのですか?」など話しかけ、笑いで先ほどのトラブルなど忘れさせてくれた。会場に入ると、TDLの「ミクロアドベンチャー」より、遙かに進んでおり、それは楽しかった。が、1回目に並んだときに子供を連れて出ていったお父さんの判断は正しかった。小さな子供には不向きだ。
最後に霧状の水が頭から降ってくるが、それ以前に、私の席には水滴が何滴か落ちてきて不愉快だった。それも楽しむためら我慢できる範囲だった。出口はショップの中にあり、必然的にショップの中を通ることになるが、先ほど見てしまったので、ここでは何も買わなかった。

ついつい夕食を取り損ねた。もうすぐ「ハリウッド・マジック」が始まる19:40になろうとしていたので、仕方なくカートフードで、ホットドックとコークを買って食べた。水上の舞台で繰り広げられるショーは、観客と間に水があるせいなのか、TDLのパレードのような一体感はない。ただ、途中、忍者や、恐竜が出てきたりして、それなりに楽しい。花火も中途半端で、TDLのような高く上がる花火はない。それぞれ見る場所で、少しずつ違うものも見ることができるので、リピーターは、見る位置を変えた方が、楽しめるだろう。
最後にお土産を数点買った。レジの際に、VISAとJCBとMASTERが使えることを知った。記念のPREVIEWピンバッチも頂き、帰路に就いた。
確かに楽しいテーマパークだが、このままだと1・2年はいいが、いつか飽きられてしまう。TDLの様なスマートさもまだないし、従業員もTDLの物まねの風で、スタイルが自分のものになっていない。経験も少ないし、オープン前だから仕方ないことだが、早くプロ意識を持たせないと、どこのテーマパークでも、これくらいの愛想は振る。TDLが、なぜ一人勝ちになっているのか。それはディズニーの強烈なキャラクターのおかげもある。しかし、それだけでなく、その洗練されたスタイルもある。スヌーピーやウッドペッカーで勝てないのなら、アニメにとらわれない映画という大きな枠をもっと生かすべきである。ただ、今は黙って見守りたい。今後のUSJがどう変わっていくのかが、本当の楽しみだ。何度も必ず足を運びたい。そして、TDLに負けない大きなテーマパークに育ってもらいたい。。。。
最後までつたない文を読んでくださった方、ありがとうございました。