トロイの王子パリスがリンゴを愛と美の女神アフロディティーに手渡そうとする瞬間を表した歴史的な彫刻第21室と第22室はそれぞれディアドーメスの部屋とエピダウロスの部屋といわれている紀元前4世紀のころの作品が展示されている。 ここの注目すべき作品はなんといってもトロイ戦争の原因となったトロイの王子パリスを描いた彫刻である。 この彫刻はアンティキセラの青年像といわれている。 彫刻の技術も非常に精度を高めて、より自然な人間に近い形のものがつくられており、表情も豊かである。 掲げた右手には世界一の美しい女神に渡すリンゴが握られており、神々の父ゼウスにこの審判を命じられたトロイの王子パリスはこのリンゴを渡す女神として愛と美の女神アフロディティーすなわちミロのヴィーナスで有名なこの女神を選んだ。 その理由は、愛と美の女神アフロディティーが、私を選んでくれたら世界一の美女をトロイの王子パリスに渡すという約束をしたためである。 このを彫刻は今まさにトロイの王子パリスがリンゴを愛と美の女神アフロディティーに手渡そうとする瞬間を表した歴史的な彫刻である。 |
![]() |
![]() 墓碑や奉納品を展示している部屋 |
このコーナーにも墓碑や奉納品を展示している部屋がある。このリンゴを渡したことで、愛と美の女神アフロディティーが当時世界一の美女であったギリシャのスパルタ王の妻ヘレネを、現在のトルコ領であるトロイの王子パリスに渡してしまうのである。 これに怒ったギリシャ軍がその後10年にわたって、世界一の美女ヘレネの争奪をめぐってトロイ戦争を起こすわけである。 この時のギリシャ軍の総大将が黄金のマスクで有名なアガメムモンである。 このコーナーにも墓碑や奉納品を展示している部屋がある。 ![]() |
ヘレニズム時代を代表する彫刻類が展示されている。ー第28室から第30室ー第28室から第30室にかけてはヘレニズム時代を代表する彫刻類が展示されている。 この時代になると彫刻はますます精巧になり、ミロのヴィーナスに代表されるような躍動感と生の喜びを表現した素晴らしい芸術作品の数々が生まれている。 これらのを代表作として、サンダルを振り上げる愛と美の女神アフロディティーの彫刻がある。 このほかにもミロス島のポセイドンといわれる素晴らしい大理石の彫刻がある。 このほか、私たちが訪れたときには素晴らしいエジプトの文化財が展示されていた。 ここでは写真にビデオの撮影を禁じ得られたので残念ながらここに報告することができない。 この国立考古学博物館の2階にはもうひとつ見物が展示されていた。 これはアトランティック大陸のカギを握る出土品で、紀元前2,000年ごろにサントリーニ島で豊かな文明を発展させていたものが、この島の火山の大爆発によって、一瞬のうちに海の底に沈んだという歴史的な事実に基づいている壁画類である。 なかでも特に有名で鮮やかな色彩をいまだにわれわれに見せてくれているものはボクシングをする少年たちと名付けられた壁画、漁師の壁画などである。 このほか黒絵式、赤絵式手つき壺アンフォラの数々も2階に展示陳列されている。 |
![]() サンダルを振り上げる愛と美の女神アフロディティー |
![]() |
![]() |