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和良比はだか祭り(どろんこ祭り)に行ってきました。千葉県・四街道市の皇産霊神社(みむすび神社)で、毎年2月25日に行なわれる裸祭りです。
この祭り、基本的には一般参加歓迎らしいのですが、残念な事に去年の祭りで暴力事件が起きてしまい、今年は規模縮小で飛び入り参加はできないらしいのです。役所や祭りの関係者に連絡を取っても全くダメ、一時は参加を諦めていたのですが、知合いの兄貴の伝手でなんとか参加できそうだ…と言うことで、行ってみることにしました。
前日の国府宮はだか祭りからの帰り道。名古屋からの夜行バスは、東京駅に朝の5時半くらいに到着しました。駅近くのサウナで一っ風呂浴びて7時に上野に集合。一緒に参加する祭り仲間の兄貴の車に便乗させて頂き、千葉の四街道に向かいます。がっ!途中で連絡が入り、祭り参加はやっぱり無理らしいのです!でも、行けばなんとかなるかもしれないっ!って期待を胸に、とりあえず現地に行ってみることになりました。

8時過ぎ、皇産霊神社に到着。林の中に立っている小さな神社でした。狭い境内の横には警官の詰所となる仮設テント、更に向こうに公民館の様な建物、その前にちょっとした広場があり、沢山の出店が準備されていました。神社は丘と言うか裏山みたいなちょっと高いところに建っていて、坂道を下ると公園があり、公園の隅には何故か田んぼがありました。そう、この田んぼがどろんこ祭りの会場になるのです。側の水道がら水を注いでる最中でした。
まだ人はほとんど集まっておらず、境内に焚かれた焚き火で暖を取ります。近くにいた地元の人に参加可能か聞いてみますが、やっぱり無理のようでした。徐々に参拝客や、カメラマンが増え始めます。その中になんか浮いてる3人組が…。イカホモ系の熊ちゃんに、すっごいケバイ化粧の女、サングラスのビデオカメラマン。持ち物のほとんどにダイクマの値札が付きっぱなし。観察していると、どうやら韓国のテレビ取材みたいです。蘇民祭にも韓国から取材が来ていたし、珍しいんですかねーやっぱり。
広場の出店も準備が整い営業を始めます。小腹が空いたのでちょっと買い食い。そろそろ神社横の建物に人が集まりだしました。参加者はこの建物に集合するみたいで、男達が数名入っていきます。皆ほとんど手ぶら状態なので、たぶん地元の人なのでしょう。再度、受付の人に頼んでみますがやっぱりダメ。ぜんぜん相手にしてもらえません。建物の入り口には自分たちのように駄目元で、とりあえず来てしまった人達が集まっています。そんなオレ達を怪しいと思ったのか、警官のオヤジさんが話しかけてきました。事情を話すと、すごく同情してくれて、なんと、参加できるように交渉してくれると言うのです。オヤジさんは受付の人と暫く話して戻ってきました。やっぱり…ダメ。地元主体でやっているので警察パワーは通用しなかったそうです。トホホ。もう絶望的。皆一層肩を落とします。

しかーし、そこに救世主登場!「どうしたんだよ!」すっごい大声の早口で、鎧みたいな肩パットの革ジャン着た、パンチパーマの兄貴がやって来ました。「ほら!さっさと中に入れよ!」入口で屯してる自分達に威勢を付けます。で、また、事情を話すと。。。「なんだとぉー!!!」凄い勢いで建物の中へ入って行きました。その後お堂の方へ行ったかと思うと戻ってきて「大丈夫だよっ!!!弁当は出ないけどなっ!!!」なんとぉーっ!参加できることになりましたー。スゴイっ!
早速建物の中へ。受付で記帳すると「お祭りセット」がもらえます。中身は、褌、ピンクの鉢巻、足袋のような靴下、2段の鏡餅、コップ酒、お札です。褌は、何故か3mくらいの晒しが2本。1本は褌で1本は腹巻きなのでしょう…。通されたのは隅に台所がある食堂みたいな部屋、座敷の方は何か催しがあるようです。さっきの韓国のレポーターも一緒に中に入ってきてインタビューされちゃいました。「お祭りセット」の中身の説明とか、褌の締め方とか、いろいろ答えてあげたけど、日本語がかなりのカタコトで会話がぜんぜん成立していないっぽいけど…。ま、いっか。
とりあえずテーブルに着いて、もらったコップ酒で乾杯。弁当は出ないって話だったけど、さっきのパンチの兄貴が沢山持ってきてくれましたー。やっぱりこの兄貴スゴイです。弁当食べてると、地元の参加者が更に何人かやって来ます。その中には、なんと14歳の少年がー。学校をわざわざ早退してきたそうで、坊主だし、柔道部だし、褌になりたいって…、将来かなりの有望株です。。。
着替えの時間。やっぱりこの2本の晒しは中途半端な長さです。褌には長いし、腹巻きには短い。仮に、長いの1本だけにしちゃうと一人で締めるのが難しいからなのか?確かに、2本だと、1本を普通に六尺褌で締めて、1本を腹に巻けば自分で簡単に締められる。でも、地元の参加者のほとんどは自分で褌を締められないみたいで、パンツ一丁で晒し持って突っ立っています。支度を終えたので手伝ってあげることに…。オレ、人の褌締めるの初めてなのですよー。なんかドキドキ。あ、締めてあげた青年はタイプじゃなかったので、違う意味のドキドキはなかったです(^_^;;;はい。彼は褌初体験みたいで、隣りの友達とケツのくい込みが気持ちイイとか話してます。ならばと、、、おもいっきり締め上げてあげました。。。前から見ていた人の話によると、彼の前袋がムクムクきていたそうです…。ははは。はぁ〜今度はガチムチの熊オヤジとかにギュッと締めてあげたいっ…(爆)
外に出まーす。入口はスゴイ人集り、赤ちゃんを抱いたお母さんが沢山集まっています。裸男に赤ちゃんを預けてお参りしてもらうためなんです。お母さんは裸男を品定めして自分の赤ちゃんを託す人を決める訳なんですね。でも、今年は規制があって裸男が少ないので、選んでる余裕なんて無かったみたいですが。。。オレもしっかり頼まれましたー。「重いんですけどぉ〜」って見るからにすっごい大きな赤ちゃん。ほとんどが細身の参加者だったから、たぶんガタイで選ばれたんだと思うけど…「すいません厳ついのは見た目だけなんですぅー」って断るわけにもいかず。引き受けました…。うっ。マジ重い。実はオレ、赤ちゃんを抱くのこの日が初めてだったのですっ!だから、もーすっごい緊張!で、次に何したらイイんだろう?何の説明もないのでどうしたら良いのか分らず…お母さんに尋ねても「私も初めてなんで…」。。。とりあえず、前の裸男に付いて行きましょぅ。

まず、お堂に行ってお参り。さい銭箱の上の方にあるしめ縄?からワラを1本引き抜きます。下の田んぼまで降りていって、田んぼの泥を赤ちゃんの額に付けてあげて、ワラを田んぼに植えます。これを3回繰り返すみたいです。最初、田んぼに降りてビックリー!すごいカメラマンの数!もー蘇民祭とか江ノ島とかの比じゃなかったです。しゃがんでる人、立ってる人、脚立に乗ってる人、3列状態でずらーっと並んでいる。たぶん、赤ちゃん・裸男・泥田んぼって言う異色な取り合わせが、被写体としは最高なのでしょうね〜。うーむ。
泣き叫んじゃってる赤ちゃんも沢山いたのですが、オレの預かった子はすっごい大人しくて、途中からは寝てしまいました。赤ちゃんに泥を付けるのが結構難しく、中腰になって片手で赤ちゃんを抱いて、片手で泥をすくってって感じなのだけど、手が疲れてきてしまって、2周目からはしゃがんで赤ちゃんに泥を付けてました。終わって、自分の股間見ると!まるでお漏らししたかの様に、前袋の下半分と内股にだけ泥が付いていたのだぁー(;_;)くぅ〜カッコ悪ぅ。赤ちゃんをお母さんに返してお参り終了。腕が疲れたぁー。でも、赤ちゃんカワイかったー。
焚き火で暖を取りながらお酒をもらいます。暫し休憩。他の参加者とウチの子が一番カワイイとか…自分の子供自慢。ウチの子って…親バカ入ってます(笑)?
次の行事です。境内に集まった裸男は「わっしょい、わっしょい」って掛け声出しながら田んぼに向かいます。田んぼに入って丸く並び、騎馬戦をするのです。参加者は全部で3〜40人くらいだった。騎馬戦と行ってもチーム分けも目的もなく、言わば泥だらけになるキッカケを作るためのモノ。騎馬は中央に集結、次々に泥の中に潰れていきます。で、訳も分らず泥の掛け合い。。。これを3回繰り返します。最初のうちはちょっとツボがつかめず遠慮気味。肋骨も痛いし…。でも、やっぱりドロドロにならなきゃつまらないよなぁーって思って、頭っから突っ込んでみたら、もーふっ切れたように楽しめた。泥は粘土質で意外と堅いのだけど、倒れ込むと実に気持ちイイのだ。各回の騎馬戦が終わると境内に戻って焚き火の前で小休憩。お酒と一緒にあんパンと赤飯を頂きました。何であんパンなんだろう…泥つながり?
田んぼと境内の道中。大人の観客に混じって学校が終わった小学生も沢山見に来ています。健康に育つってコトで子供たちの顔に泥を付けてあげるのです。〜付けて欲しそうに待っているのに、いざ近付くと逃げていく女の子。〜ドロドロになっても全く表情を変えない男の子。〜逃げ回る男の子を捕まえて髪も顔も泥まみれにしてやった!楽しいぃぃぃ!こんな風に子供とはしゃぐのって久しぶりです。と言うか、親戚には小学生位の子なんていないから、大人になってからは初めてかもしれない。騎馬戦、泥付け、童心に帰ってはしゃいでました。
最後の騎馬戦が終わって、境内に戻りお堂の前に整列。みんなで住職を胴上げして、祭り終了です。いやー、思っていた以上にすごく楽しい祭りでした。観客と参加者が一緒になって楽しめるなんて、今までの裸祭りではなかったし、赤ちゃんの泣き声や会場内を駆け回る子供たちが、祭りの雰囲気をぱっと明るくしてくれた。

建物の裏側のシャワー室で泥を落とします。急に寒くなってシャワーの待ち時間が辛い。中は、薄暗くてコンクリート剥き出しの壁、シャワー口が3つ。泥がなかなか落ちないので皆で順番に体を擦り合います。バスタオルも無いので、上がった後は鉢巻を絞って体を拭きました。服が置いてある食堂に戻ったときには、ほとんどの参加者が既に帰った後。祭り仲間でファミレスで食事した後、帰りは車で東京まで送って頂きました。駅で切符を買おうとしたら、赤ちゃんを抱いていた左腕が腰までしか上がらないのです。くぅ〜情けないっ。もっと鍛えねば!
国府宮で痛めた肋骨はどうなったの?って感じなのですが…、祭りの最中は、楽しさのあまり不思議と痛みはほとんど気にならなかったのです。でも、無理が祟ったのか、翌週の祭りの時の方がはるかに辛かったのでした。。。 |
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